大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣記者会見録(令和4年6月14日(火)9:50~10:02 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、私からは2点です。1点目は、国立・国定公園の新規指定等候補地の選定についてです。
 本日、新たな国立公園・国定公園の指定候補地を選定、公表します。国立公園の指定候補地は北海道の日高山脈です。また、国定公園の指定候補地は北海道の野付半島、風連湖、根室半島、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山、沖縄県の宮古島沿岸海域の3地域です。 国立公園等の拡充は2030年までに陸域と海域の30%を保護地域等で保全することを目指す30by30の達成に向けた主要な取組の1つです。また、拡充により保護と利用のバランスを図りながら、それぞれの地域の活性化にもつながることを期待しています。今後、関係機関や関係自治体と連携して、指定に向けた調整を進めていきます。
 2つ目は、山梨県での全国行脚です。環境政策に係る全国行脚として、この16日木曜日に山梨県甲府市を訪問します。当日は、山梨県の長崎知事や、甲府市の樋口市長、北杜市の上村市長を始め、地元の関係者の方々に参加いただく予定です。また、意見交換と併せて、米倉山電力貯蔵技術サイトの水素製造施設の視察を行います。全国行脚は、これまで46都道府県で開催したので、今回で全都道府県を回り切ることになります。地域脱炭素の加速化に向けて、それぞれの地域で5人の政務三役が直接脱炭素の重要性を訴えるとともに、また地域の様々な実情を伺ってきたところです。今回、全国行脚の締めくくりになります。しっかりと意見交換を行ってまいりたいと思います。以上です。

2.質疑応答

(記者)読売新聞の山波と申します。冒頭の発言に関連しまして、自然公園での自然保護と地熱発電などを含む再生可能エネルギー導入拡大との両立についてお伺いします。30by30の目標達成に向けては、国立・国定公園の拡張や、OECMといった保護地域以外の管理が必要だとされています。一方、重要課題でもあります再生可能エネルギーの最大限導入に向けては、自然公園の地熱発電のポテンシャルの高さが指摘されており、昨年度は中環審の小委員会などでも規制の在り方について議論された経緯があったと理解しております。これらの両立に向けた現時点での大臣のお考えをお聞かせください。
(大臣)カーボンニュートラルの実現に向けて、地熱発電を始めとする再生可能エネルギーの最大限の導入というのも重要な課題です。一方で、国立公園などにおいて、守るべき自然は守りつつ、地域での合意形成を図りながら、自然環境保全との調和が図られた再生可能エネルギーを導入して行く必要があります。こういう観点を踏まえて、例えば、地域共生型の地熱開発の加速化に向けて、昨年9月に自然公園法の運用の見直しを行い、自然環境保全との調和が図られた優良事例は容認し、積極的に進める方針に転換したところです。また、温泉法の運用との関係については、持続可能な形で地熱資源を利用する計画が策定された場合は、掘削許可における規制の緩和を、同じくこの昨年9月に行ったところです。引き続き、自然環境保全とのバランスに留意して、再生可能エネルギーの導入を進めていきたいと思います。

(記者)北海道新聞の大澤と申します。お願いいたします。冒頭の国立・国定公園総点検事業フォローアップ結果についてお伺いいたします。特に、今回、新たに国定公園に指定された、北海道、長野・岐阜、沖縄のこの三地域について、改めて評価や、大臣の期待をお聞かせください。
(大臣)30by30の達成に向けて、こういうところを大事にして、それぞれの地域で期待も高いことでしょうから、そういう気持ちを酌み取りながら調整していきたいと思います。

(記者)朝日新聞の関根です。まず、太陽光の関係でお尋ねですが、岡山県の総社市(※)が、太陽光パネルに課税をするという独自の条例案を去年可決していて、それに対して総務省が同意するかという問題だったんですけれど、昨日までに総社市側に対して、事業者側ともう一度話し合うようにということで、事実上の待ったをかけたということになっているそうです。再エネの最大限導入については、環境省についても取り組むということですけれども、こうした自治体独自のパネルへの課税の在り方について、大臣の見解があれば教えてください。
(大臣)太陽光については、いろんな事例があると思います。そんな中で、やっぱり自然の景観との調和とか、あるいは、土砂崩れにならないようにとか、いろんな観点があると思うんです。そういう意味で、地域との丁寧な合意形成を、地元との合意形成を図っていただきたいというのは1つあると思います。課税の話というのは、地方自治体というか、課税権がどうなるかというのは、そこは私の範囲を超えるかもしれませんけれども、この最大限導入という話と、地元の中での合意形成、調和の話だと思いますけれども、そこら辺、総務省がどういうふうに考えているのかなと。もう一回考え直してくれというのは何か理由があるのだと思いますけれども、そういうことだと思います。何か関根さんのほうで御存じのことはありますか。
(記者)そうですね、こういう動きがほかに広がるということについての懸念といいますか、つまり、のべつまくなしに、好き勝手に課税するような形になると、最大限の導入ということが難しくなるのではないかという、そういう指摘をする人はいますよね。
(大臣)なるほどね、やっぱり、町の方でも、ただ単に課税したいということでやっているのではないと思うんです。いろんな観点を交えてやっていると思うから、そこはいろいろあるのだと思います。最大限導入といった場合にも、さっき申し上げたように、のべつまくなしにというわけでは当然ないから、特に、これから地元の気持ちに配慮してほしいし、もちろん環境配慮をお願いすることも当然ですけれども、そういう中で最大限の導入ということですから、課税というものが、この再生可能エネルギーの促進と、それからまちおこし、これらが両立する中で、この課税の仕組みというものも、あながち排除されるものではないとは思います。ただ、全体の仕組みはどういうふうになっているか、私も、必ずしもそこを理解できてないから何とも言い難いですが、でも、最大限導入のために課税が駄目というわけではないような気もします。全体の地元の合意形成とか、環境配慮とか、そういうことを全部、総合的に考えた上で判断されるのだろうとは思います。
(記者)冒頭の国立・国定公園の件で、新たに指定されることで、30by30に向けて、保護区域というんですか、その面積はどれぐらい増えることになるのでしょうか。
(大臣)すみません。今、数字持っていないのだけど。
(記者)じゃあ後で、また。
(大臣)これで全部、30by30が埋まるというわけではないことは間違いないですが、すみません、数字は後でまた。

 

※ 太陽光パネルへの課税に関する質問において、「岡山県総社市」との発言があるのは正しくは「岡山県美作市」です。

 

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/n4ex0EcrQpk 

 

(以上)