大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年6月3日(金)9:30~10:00 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は、私からは2点、葛尾村の避難指示解除決定について、そして、脱炭素先行地域選定証授与式について、お話しさせていただきます。
 初めに、本日の閣議後に復興推進会議・原子力災害対策本部合同会議が開催され、葛尾村の特定復興再生拠点について、6月12日日曜日に避難指示解除されることが決定しました。環境省はこれまで、葛尾村内の特定復興再生拠点区域の除染や家屋等の解体を進めてきたところです。今回の決定は、帰還困難区域の避難指示解除の第一歩として、大きな意義を持つものと考えています。また、このような節目を迎えられたのも、環境省の事業に対する地元の皆様の御理解と御協力があってのものです。改めて地元の皆様に感謝申し上げます。今後も必要に応じてフォローアップ除染を行うなど、地元の皆様に寄り添った対応を続けていきます。また、残る5町村の特定復興再生拠点についても、避難指示解除に向け、引き続き、除染などの事業を着実に実施してまいります。
 それから、脱炭素先行地域選定証授与式について。先日、6月1日に脱炭素先行地域選定証授与式を開催し、第1回に選定された26提案に関係する市町村長の方々を始め、多くの皆さんに御参加いただきました。参加された市町村長さんなどから、今後に向けた意気込みをお聞かせいただいて、地域で環境と経済の好循環を生み出していこうという強い想いを共有させていただきました。脱炭素ドミノ実現のためには、100地域にとどまらず、できるだけ多くの地域を選定させていただきたいと考えています。第2回の脱炭素先行地域の募集は、7月26日から8月26日までの期間で行う予定で、現在、準備を進めています。カーボンニュートラルの実現には、全国47都道府県、1,741の市区町村全ての関わりが不可欠です。今回、惜しくも選定されなかった地域や第1回の応募に間に合わなかった地域を含め、脱炭素とまちおこしを両立し、日本の新しい経済の姿、あるいは日本の新しい国の姿につながる積極的な提案をいただけるよう期待します。以上です。

2.質疑応答

(記者)NHKの岡本です。おはようございます。先ほどの特定復興再生拠点区域の避難指示解除に関してですが、葛尾村が今回、避難指示解除が決まって、残る5町村についても、引き続き除染等を進めていくという御発言がありました。大臣は就任以来、政治は不可能を可能に変えるということで、帰還困難区域全域の除染ということにも言及をされてきたかと思います。今回の決定を受けて、今後の帰還困難区域の全体での除染の在り方とか、避難指示解除に向けた政府の方針について、考えをお聞かせください。
(大臣)拠点区域外の除染については、昨年8月の政府方針を踏まえ、丁寧に、まず帰還の意向を把握させていただいて、その上で、遅滞なく開始することとし、2024年度からの開始を目途としています。除染の手法及び範囲に関しては、住民の方々の帰還意向を踏まえ、政府として自治体の皆様としっかりと協議することとしています。環境省としても、帰還される方々が安心して生活できるよう、役割を果たしていきます。将来的に帰還困難区域全てを避難指示解除するとの方針の下に、政府全体として取り組んでいきます。

(記者)朝日新聞の関根です。よろしくお願いします。先日示されました今年度の骨太の方針原案ですが、原子力について、昨年度入っていました「依存度を可能な限り低減する」という、政府の基本的な方針についての文言が今年は入っておりませんでした。これが閣議決定された場合、政権の原子力への依存度を可能な限り低減するという方針は、変更されるということなのか、それは関係なく、このまま維持されるということなのか、大臣の見解を教えてください。
(大臣)特に新たな変更はありません。もともと去年の10月に決められた、閣議決定された電源構成の話、あのときは当時6%と言われていたものを20%から22%にする。今、大体4%らしいですね。それを20%から22%にすると、この方針に変わりはありません。
 環境省的には、まずは、原発については経産省の所掌ではありますけれども、安全を最優先、そして、再エネを徹底的に導入していく。したがって、相対的に原発の比率は低減していく、こういう大きなピクチャーの中での話だと思います。

(記者)中国新聞の山本です。よろしくお願いします。島根原発2号機について伺います。昨日、地元、島根県知事が、再稼働に同意することを表明しました。全国唯一の県庁所在地に立地し、30キロ圏内には45万人余りが住まわれています。広島、岡山も含む広域の避難計画の実効性が課題にありますけれども、実効性を高めるため、国としてどのようなことに取り組む必要があるとお考えでしょうか。大臣の考えをお聞かせください。
(大臣)避難計画ということをおっしゃっていただいたわけですけれども、我々は、とにかく原子力発電所に関しては、安全性を最優先、そして、独立した原子力規制委員会というものがあるわけですから、その新規制基準に適合するというふうに認められた場合に、その判断を尊重し、そしてまた地元の理解を得ながら進める。こういうのがまずは一貫した政府の方針です。そして、我々は原発が稼働するか否かに関わらず、そこに原発が存在して、また、核燃料があるわけですから、そういう意味で、原子力防災体制の継続的な充実・強化を図り、原子力災害対応の実効性向上にしっかりと取り組んでいく。まずはこれが基本としてあるわけです。今回の島根地域の原子力防災体制については、昨年の7月、島根地域原子力防災協議会において、「島根地域の緊急時対応」が福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ策定された原子力災害対策指針等に照らし、具体的かつ合理的であることが確認されて、昨年の9月に、総理を議長とする原子力防災会議において、その協議会における確認結果の報告があり、了承されたところです。こういうことで、事前の準備としては、私は現時点で最善のものができているというふうに考えています。あとは、有事にそのとおりできるかどうかというところが非常に大きいですから、訓練を重ねるわけですね。既に、この地域でもやらせていただいたことがあるわけですけれども、毎年毎年、県レベルではやっていただいています。だから、国としてはそれを支えさせていただく。実際には、東京から現地への連絡とか、現地ではオフサイトセンターというものを作って、今で言えば務台副大臣がそこの長となって、いろいろ指揮していただく。それと、東京との連絡がうまくいくようにと。東京のほうでは総理が長となってされますから、私とか、経産大臣が補佐していくという格好を取ります。そういうことが、言ってみれば想定どおり行われるかどうか。有事ですからね、平時に決めたものがそのまま想定どおりになるかどうかというのも分からないし、いろんなシミュレーションを重ねながら、やってきているわけですけれども、私は事前のものとしては、もう最善のものができていると思うし、それが有事にできるだけ整斉と、ということはないけれども、みんなが安全に避難できるように訓練を重ねていくということが大事だと思います。令和元年に国として、この島根地域において原子力総合防災訓練を実施しました。前回は、女川地域でやったわけですけれども、その前、この地域でやらせていただきました。また、自治体職員の方々の原子力災害時の対応能力向上のため、いろんな訓練、あるいは研修に取り組んでいただいています。それから、避難円滑化のために、避難経路や渋滞情報等を提供できるウェブサイト等の活用なども行っています。国としては、こういうことをサポートできるようにやっていくわけです。そういう意味で、実効性があるかと言われたら、最善のものができていると。それが有事に作動するように訓練を重ねさせていただいていると。県のほうでも毎年やっていると。国のほうでも令和元年にやらせていただいたと。これからも財政的な支援も含め、サポートしていくと、こういうことで御理解いただければと思います。

(記者)「エネルギーと環境」、エネルギージャーナル社の清水です。先ほどもちょっと質問が出ていましたけども、骨太の方針、そして、新しい資本主義のところで気候変動対策及び環境対策について、伺いたいと思います。山口大臣も随分御努力されて、政権のど真ん中に「中核的課題」と岸田首相は言っていますけど、新しい資本主義の中で大きな課題だというふうになった、そこまで押し込めたということは大変評価したいと思っています。これから各論で実行計画等になると思うのですが、10年間で150兆円の環境投資、そして、政府資金としては20兆円とも言われており、この中身については、実行計画で今後詰めてはいくのでしょうけれども、やや産業対策寄りというか、トランジション産業対策寄りという、そういうものが圧倒的な部分を占めているようです。CO2排出量で見ると30%、3分の1以上という生活系というか、民生等の分野の位置づけが非常に弱いのではないかという辺りをどう御認識されているか、それをまず1点、伺いたいと思います。
(大臣)新しい資本主義というふうに岸田総理は言われて、それは今までの資本主義が今さえよければいい、自分さえよければいい、もうかりさえすればいい、そういう資本主義の下で、例えば気候変動で、二酸化炭素出し放題ということであれば、今の温暖化の問題につながったと思います。でも、そのままだと、例えば2度では収まらず、やっぱり1.5度にしないと南太平洋の国々が全部沈んでしまうと。デスセンテンスだと。プラス、後戻りが効かないくらいのことになってしまう。それじゃあ、今、この10年ぐらいが本当に勝負だなと。カーボンバジェットという言い方もあるみたいですけれども、あと大体4,000億トンとか5,000億トンしか余裕がないと。年間400億トンぐらい出ているとしたら、あと10年ぐらいしか余裕がないと。今が本当に大事なときだということで、その辺の意識を岸田総理も共有していただいたということが、去年のCOP26から今についての出発点だったと思います。COP26で1.5度が合意された、世界共通の努力目標にされたというのは、ものすごく大きなことだったと思います。日本の、市場メカニズムに関する、パリ協定6条に関する提案が契機となって、それまで全然、市場メカニズムについてはまとまらなかったものが、何とか、この日本提案をさせてもらって、いろんな意味で、反対的な意見を述べていた国も含めて、これで、じゃあ行こうかと。せっかく6条がまとまるのであれば、1.5度についても、この際、頑張ってやっていこうと。それは、私もバイオのみならず、全体の会議で、このグラスゴー、具体的な結論なしには誰もここを離れられないよと、そうでしょと、そういうスピーチもさせてもらいました。そして、最後に、中国、インドから石炭に関するいろいろなディザベーションが出かけたけれども、やっぱりそこはシャーマ議長、涙をのんで、文字どおり涙をのんで、合意点に達して、1.5度の合意を成し遂げたと、これは大きかったと思います。そこを、私、戻って岸田総理に報告して、岸田総理から「よくまとまりましたね」と、「ここからは実行ですね」と、2030年、2050年に向けて体制強化して頑張っていきましょうと。そして、環境省的には137名の増員が認められ、そして、特に地域脱炭素創成室を地方環境事務所7か所に認めていただいて、そして各事務所、大体平均10人ずつだと思いますけど、70名の増員をいただいた。これが、その地域のいろんな金融機関等も含めて脱炭素の動きをかけていくと。我々はそういう意味では一番の根っこのところから持ち上げようとしているんですね。去年の補正予算では既にZEH、あるいはZEB、そういうことも含めて省エネの部分、大分つけていただいたわけですね。ですから、このCOP26での合意を踏まえてどういうふうに実行していくかと。まずはその補正予算でもってかなり大きな額をつけていただいて、それは、今、清水さんがおっしゃった環境省としての地域での脱炭素の、まずは省エネ部分ですね。それから、今度は、脱炭素先行地域に向けて法律を改正するという法案を提出させてもらったわけですね。そして、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金、これを200億円、そしてまた、脱炭素先行地域の制度を認めていただく。プラス、脱炭素化支援機構ということで、そういう意味では仕組みをばんばん、ばんばん、今、整えているわけですね。この脱炭素先行地域というのは、いわゆる地元の草の根的なものを大事にして、地方というか地域の町おこしと脱炭素を両立させるというものすごく大きな仕組みを作ったわけです。それがこの6月1日に26の脱炭素先行地域の市町村の方々に集まっていただいて、この26地域の関係の方々それぞれにお話しいただいたわけですけれども、ものすごい熱気だったですね。ものすごい。環境省は地域の脱炭素に最重点を置いて実行を進めていますと、そういうことだと思います。他方、経済界ともずっとやってきました。それから、全国行脚もずっとやってきました。全国行脚はあと4地域ですからね。本当は1月中に終わりたかったけれども、オミクロンで少々時間がかかっています。でも、「全て回り切る」という言葉どおりに実行、中旬までだから、もうあと1週間ちょっとですけどね。最後の地点は山梨県、私自身が行かせていただきます。初めは埼玉県、締めは山梨県という格好になりますけれども、やっぱり地方というか、地域の声を全部受け止めさせてもらって、そして必要な予算を獲得していくと。その間に、同時並行的に産業界の方々の声も極めて強い覚悟でもって吸い込ませていただきました。鉄鋼から始まり、電力、ガス、石油、そして自動車、航空、言ってみれば、たくさん二酸化炭素を出していると言われている。異口同音にみんな本気です。それなら、これをどういうふうにサポートするのかと。地域の町おこしと脱炭素が両立するように先行地域を決めたと同様に、強い日本経済と脱炭素を両立させると。脱炭素を制する者が次の時代を制すると、グリーンを制する者が世界を制すると、この言葉を実行していくにはどうしたらいいか。そうしたら、例えばイノベーションでしょう。イノベーションに地球温暖化対策税で、2,200億で足りるか、全然足りないわけですね。私は、炭素税だけでも足りないかもしれないと思っています。だから、イノベーション国債200兆ということを言わせていただいたわけです。この気持ちは目いっぱい、いろいろな方面で受け止めていただいたのだという実感があります。経団連からは、グリーン国債400兆円という数字も出てきました。それを踏まえて、岸田総理のほうから10年間150兆、これは脱炭素に必要な額であって、この脱炭素によって新しい国づくり、あるいは、この世界の競争を勝ち抜いていくだけの新たなそれぞれの業界の姿という意味では、私はもう少しかかるんだろうと思っています。だけども、最低150兆というふうに、岸田総理はきちっとした図柄で言っていただいたと思います。私はイノベーション国債200兆と言っていましたけど、先日、GX経済移行債20兆円、私はこのGX経済移行債ということよりも、脱炭素国債というふうに呼んだほうが正確だと思います。脱炭素のための国債ですから。しかも漢字のほうがよく分かる。GXで分かる人は非常に少ないと思います。でも、脱炭素国債と言われれば、ひょっとしたらこういうことかなというふうにイメージはしていただけると思うし、私はこの命名の由来も少し記事で読みましたけども、脱炭素国債であれば、その意味では由来にかなうものだろうなというふうに思っています。この実行会議が夏に設置されるということです。でも、そこから始まるのではありません。もう既に脱炭素ドミノは起こっています。全国、そして経済界。言ってみれば、そのツールがいろいろと必要だったわけですね。この脱炭素先行地域というツール、脱炭素化支援機構というツール、そして今度はお金の点でも、言ってみれば、ゼロが1つ増えてきたと思います。20兆円のスタートのお金、種銭があれば、十分10倍には膨らみます。だから、私は200兆円、近いところに来たなというふうに自分では思っています。そういう意味では、非常に具体的に、ある意味で爆音を立てて進んでいるという感覚が私はあります。岸田内閣の支持率が高いと言われて不思議がっている人がいますけど、私は全然不思議に思いません。やるべきこと以上のことをやって、それを実行に向けてばく進している。しかも着実にやっている。今の内閣の構成員の人たち、一人一人の大臣は、ものすごい仕事をして、着実にこなしていくのではなくて、1つ1つ実現している、という感覚を私は持っています。だから、この環境について、気候変動について、岸田総理が大黒柱の1つというふうに共有いただいているということは、私は非常にありがたいと思うし、それは日本にとってもラッキーだと思います。こういう総理が地球温暖化対策を本気で一緒に取り組んでいただいている。そのことに対して資金面の手当て、制度面の手当て、そしてこの全国の方々との心合わせ、全面的に応援いただいているというのは、環境省にとって、ここから本当の意味での新しい歴史が始まっていくなという気がします。

(記者)読売新聞の山波と申します。話題が変わってしまって恐縮なのですが、ヒアリ対策についてお伺いいたします。先月に改正外来生物法が成立しまして、今後、改正法の施行時期ですとか、政令の公布などを予定されていかれると思いますが、同じく今週の月曜日に、今年初めてのヒアリの確認が、しかも大臣が視察された東京港のほうで確認されております。暖かい時期になりまして、ヒアリの活動時期を迎えたわけですが、改めてヒアリ対策の危機感ですとか、今後の水際対策への意気込みについてお伺いいたします。
(大臣)ヒアリは東京湾でもって急にぽんと出てくるのではなくて、出発点があるわけですよね。それが中国なのかどこなのか、いろんなところから船荷が入ってくる中でヒアリもついてくるというところがまずありますから、この水際対策といった場合に、その出港するところでもって、やっぱり対策をやっていくということ、根本でもって対策をしないと、なかなかこれは大変だろうなという認識は持っています。したがって、日中韓の閣僚会議というものもありますから、あるいはいろんな場でもって、特に中国が念頭にあるのですが、そこでの対策、いろいろ新しい工夫も考えつくわけですから、そういうことを共有しなければいけないというふうに思っています。ヒアリは小さいけれど、かまれたらえらく痛いというようなことだから、芝生なんかでも、はだしで歩けないなんていうことになるとちょっと寂しいなという気もしますしね。それからやっぱり、いわゆる危害が加えられるみたいなことだから、そこはきちっとした対策をさらに、最初の根本から取らなければと思っています。

(記者)北海道新聞の大澤と申します。知床世界自然遺産地域で発生した観光船の事故についてお伺いします。先の参議院予算委員会で総務大臣から、知床で携帯エリア拡大を進めるため、環境省と協議するという発言がありました。協議に関する環境省の所見をお聞かせください。
(大臣)あのとき、予算委員会で私は隣に座っていましたから、総務大臣の金子さんが、ある意味で、はっきりした返事を求められたときに、私は横から「言ってくれて大丈夫です」というふうに言いました。そして、「検討します」というふうに金子大臣、自信を持って言っていただきました。今回の知床、私はいろんなポイントがあると思います。携帯の話というのも1つでしょうけれども、一番の本質は、私はそこじゃないと思いますけれども、でも、人命最優先のことですから、そういう意味で利用者の安全性確保の取組を一層進めて、知床の自然の価値の保全との両立を図っていくというふうに進めていきたいと思います。世界遺産として認定されているわけですから、鉄塔がぼんぼん建っていったらそれは世界遺産じゃ、多分なくなるのでしょう。そこはやっぱり工夫があり得るので、通信ができるようにという工夫をしながら、それは人命の最優先のことですね。でもそれが世界遺産の外観を損なわないようにという工夫を総務省と一緒にやっていかなければいけないなと。それから、地元の声もよく聞いてやっていこうと思います。だから、答えは、やりますと。他方、世界遺産としての外観は守らなければいけませんと、こういうことです。
(記者)5月10日の閣議後会見の際には、基地局の増設に関しては、原生林のまま保つのが1つの約束事で、若干いかがなものかという認識を示されていたかと思うのですが、その認識に変化があったということでしょうか。
(大臣)人命が最優先ということは、そのときも一緒です。原生林を守らなければいけないということも変わりません。
(記者)すみません、もう一点だけ。ハード整備を殊さらに進めることよりも、環境省としては事業者の利用ルールの設定など、ソフト面からエコツーリズムを進めているわけですから、適正化を進めるということもできるかなと思うのですが、そういったソフト面からの対策に、環境省として取り組まれるお考えというのはありませんでしょうか。
(大臣)今回、人命のことですから、そのことに役立つことは全てやるというのが一番のポイントだと思います。だから例えば、小さい船には救命の船は積まなくていいという話で、ああいう船がいたわけでしょう。そういう根本からやるというのも大事ですよね。これからはトン数のいかんにかかわらず救命の船、例えば、空気をぼんと入れたらすぐ膨らむようにとか、いろんな工夫があり得るでしょう。多分そういうことも含めてやるのが今回のポイントだと思います。だから、こういう事故があることで、こういうことが絶対起こらないようにということで、いろんな工夫がこれまでもなされてきたし、今回もそういうことだと思います。この携帯電話の話もそのうちの1つです。今回のポイントは携帯電話だったかどうか、そこはいろんな議論があるのでしょう。でも、それがそうでなくても、そういうことも含めてやっていけばいいのではないかと。ただし、環境省としてやるべきことも守りながらやりますということです。

(記者)エネルギージャーナル社の清水です。1点だけ。民生分野についてはこれからいろいろ施策的なものは検討していくということですね。
(大臣)既にZEB、ZEHを含めて、それから今回は脱炭素先行地域、相当出てきているんですね。
(記者)そうですね。伺いたい2点目は、やっぱり財源の話がね、どうしても付きまとう、20兆円については。排出量取引にしろ、GXリーグにしろ、何かその政府資金の原資になるというような、そういうものじゃないような気がするのですが、その辺、総合的な法制も必要だというプラス財源的な見通しについて、大臣としての考え方というのはどうですか。
(大臣)これは極めてはっきり岸田総理は言っておられると思います。カーボンプライシングの具現化の中で、このGX経済移行債を考える、ここにはっきり、バシンとした答えが出ていると思います。
(記者)税収としての規模からいけば、やっぱり炭素税とかそういうものしかないという感じでしょうか。
(大臣)カーボンプライシングの中には3つあるわけですよね。排出量取引、クレジット取引、そして炭素税。それを具現化する中で、というふうに岸田総理が明言されているわけですから、ここからよく酌み取っていただければと思います。

 

 

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/pnUGEB-HjdY

 

(以上)