大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年5月31日(火) 8:44~8:50  於:衆議院本会議場正玄関側)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は、私から1点ですが、その前に、本日の閣議においてPCB廃棄物処理基本計画の変更が決定されました。今回の計画変更に当たり、処理の継続要請を受け入れてくださった関係自治体の市民の方々の御理解と御協力に、心から感謝を申し上げます。

 それから、G7気候・エネルギー・環境大臣会合について。先週開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合では、ロシアによるウクライナ侵攻という危機の中で、気候変動・環境問題に関する我々のコミットメントが揺るぎないことを確認し、国際社会に発信できたと報告を受けています。具体的には、1.5℃目標の達成に向けて、G7が一致して取り組む意思を明確にし、野心的な目標を未だ掲げていない他の主要排出国に対し、COP27までの目標強化を求めました。また、脱炭素に向けた具体的な取組として、脱炭素に向けた都市・地域の連携や、パリ協定6条の市場メカニズムの実施の重要性を確認しました。このほか、生物多様性、資源効率性、循環経済の分野でも成果を上げることができました。来年は、我が国がG7議長国を務める予定になっています。今年の成果を受けて、G7によるリーダーシップを更に発揮するために、いかに行動し、どのようなメッセージを発信していくべきか、今後各国ともよく連携しながら検討していきたいと思います。以上です。

2.質疑応答

(記者)NHKの岡本です。G7に関してですが、大臣会合の合意文書の中では、インフラ輸出に関して、安全保障と地政学的な利益に言及した上で、排出削減対策がとられていない海外の化石燃料セクターへの新規公的支援を今年中に終了するということが盛り込まれました。これについて、気候変動対策を所管する環境大臣としての所感をお願いします。また、G7の合意の中では、2035年までに国内の電力セクターの大部分を脱炭素化するという目標が盛り込まれました。一方で、現在のエネルギーミックスでは、2030年に約4割を火力で賄うということになっています。これについての受け止めと実現の見通しについてもお願いします。
(大臣)今回のG7コミュニケでは、G7で足並みを揃えて、排出削減対策が講じられていない国際的な化石燃料エネルギー部門への新たな公的直接支援の制限に言及したということで、世界の脱炭素化に向け、一歩前進したものと受け止めています。また、排出削減対策が講じられていない化石燃料部門に対する世界的な投資のフェーズアウト、これが1.5℃目標のために不可欠であるといった点も明記されました。そういう意味で、大きな方向性について一致したということで、重く受け止めています。我が国としては、今般のコミュニケに基づいて、関係省庁との連携の下、今後その内容をしっかり実行していきます。国内の石炭火力については、2030年目標及びネット・ゼロのコミットと整合性を取りながら、国内の排出削減対策の講じられていない石炭火力発電を、最終的にフェーズアウトさせるという目標に向かうことで一致しました。国内石炭火力については、その比率をできる限り引き下げていくことが、従来からの基本方針です。このため、2030年に向けて非効率石炭のフェードアウトを着実に進めるとともに、2050年に向けて、水素、アンモニア、CCUSを活用することで、脱炭素型の火力へ置き換えていく、そういう取組を促進していくことになります。以上です。

(記者)朝日新聞の関根です。今の関連で、2035年までに電力部門の大部分、プリドミナントリーという原文だそうですが、経産省の説明では、6割ぐらいを脱炭素化できればプリドミナントリーだというような説明でしたが、元外交官の大臣として、プリドミナントリーというのは6割を達成すれば、もう十分なものなのか、その辺の認識を教えてください。
(大臣)別に決まった定義はないですが、少なくとも半分以上というところで、いろいろな解釈が成り立つのだと思います。日本的には、石炭なしには賄えないという事情を踏まえて、どういうふうに折り合いをつけるのかというところで、文言は大分苦労したのだと思います。そういう意味で、いろいろな解釈が織り交ざった中で進んでいっているのだと思います。今、非常に乱気流の中ですからね。ウクライナにロシアが行って、ドイツ自身も石炭に頼るという、現象的には、一時的には、そういうことも起こっている中で、いろいろと「前に進める」という表現を、一生懸命頑張ったのだと思います。ですから、何割がプリドミナントリーかというのは、必ずしも決まった定義はないのでしょうが、少なくとも半分以上というところでもって、よしと。環境省的には更に進めていく、やっぱり今のウクライナ情勢を踏まえれば、太陽、風、水、地熱踏まえて、自前の国産の再エネを推進していき、それが結果的に更に上がっていくように持っていくというのが我々の立場です。

 

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/mgUiusO4ChI

 

(以上)