大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年5月24日(火)9:01~9:16 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日は、私が発言させていただくのは1点、愛玩動物看護師国家試験スケジュールについてです。
 愛玩動物看護師の国家資格を定める愛玩動物看護師法が今月1日に施行されました。この法律に基づく第1回の国家試験の実施日を来年2月19日に決定したのでお知らせします。既に一定期間、動物病院などで実務経験がある方に受験いただく予備試験の実施日を本年11月6日に決定しました。これら試験の円滑な実施に向けて、法律を共管する農林水産省や指定試験機関と連携して、準備を進めてまいります。愛玩動物に関する獣医療の向上や適正な飼育を推進していくため、多くの方に受験いただきたいと思います。試験の詳細については、報道発表資料を御覧ください。以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社のNHKの岡本です。よろしくお願いします。今、アメリカのバイデン大統領が来日しています。昨日の日米首脳会談では、気候変動問題についても意見が交わされたというふうに岸田総理が会見で明らかにしていますし、また、立ち上げられたIPEFでは、クリーンエネルギーや脱炭素というのが柱の1つして位置づけられています。また、オーストラリアで新たに選出されたアルバニージー首相は、選挙戦の中で、気候変動対策などを訴えていました。今後、日本政府がインド太平洋地域の連携に加わっていく中で、気候変動の文脈でどのような役割を果たしていくのか、大臣のお考えをお願いします。
(大臣)今、世界の秩序が新たな段階を迎えようとしていると思います。戦後、この平和をつくる仕組みとして国際連合で武力行使の禁止を、憲章2条4項とか、明らかにうたったわけですけれども、このロシアのウクライナ侵略、ここに象徴されるように、戦後の平和をつくる仕組みというものが根底から問い直されつつあると思うんです。特に安全保障理事会の仕組みですね。常任理事国5大国が拒否権を持っている。そこで、もともと発想した集団安全保障の仕組みというものが全くできていませんから、国連軍もできてないし、その仕組みももちろん全く機能してません。そのほか、2つ目は自由貿易の仕組み。これも、WTOが全会一致の仕組みとなっているものですから、全会一致が全くできないので、気の合った者同士でTPPとか、あるいは二国間の自由貿易協定とか、ジグソーパズルでやっているわけです。それも、完全にはできてない。もう1つ、お金を統一したらうまくいくのではないかということで、ドル基軸通貨体制にしたわけですが、これも、そういう仕組みには、とっくになっていません。そういう意味で、平和を保つ仕組みというものを、根底から新しい秩序をつくっていくということが求められる中で、地球温暖化対策、あるいは気候変動問題、これは大きな大黒柱の1つです。その意味でバイデン大統領が気候変動問題に言及されたというのは、極めて私は的を射てると思いますし、当然、岸田首相もそのつもりで、これまでの施政方針演説、あるいはこれまでの予算のつけ方、あるいは法律、我々が提出したことに対するサポート、それから、この間のGX経済移行債、10年で150兆、いろんな意味で、そこは、岸田総理としても、新しい国際秩序のキーパーソンとして、あるいはそのリーディングカントリーとして、アメリカと歩調を合わせていこうということで、バイデン大統領、岸田総理のケミストリーが極めていい形で反応したんだと思います。IPEFも、当然そういう中で扱われることになるんでしょう。それからオーストラリアの新しい首相になられたアルバニージーさん、「再生可能エネルギーの超大国になろう」というふうにテレビで、私も拝見しました。これは非常にいい発想というか、すごい発想だと思います。オーストラリアで、太陽光の、そういう環境も当然あるでしょうし、いろんな意味で、再生可能エネルギーの超大国になろうと。この発想というのは、私自身は非常に大歓迎したいと思います。これから日本とコラボする局面も非常に大きいと思いますので、そういう意味で、このアジア太平洋、あるいはインド太平洋、それから、その中での心合わせが世界の新たな秩序をつくっていく。秩序という場合に、平和をつくる秩序ですね。そういう中での環境、地球温暖化対策、気候変動、この辺は大きな大黒柱だと思います。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。よろしくお願いします。6月1日から施行される改正動物愛護管理法に関連してですが、ペットのマイクロチップの装着、犬・猫に関して、ブリーダーやペットショップの義務となっていますが、費用を誰が払うかに関しては決まっているのでしょうか。
(大臣)動物愛護管理法上、マイクロチップの装着義務がブリーダーとペットショップに対してかけられていると。一般的にマイクロチップの装着費用は、施術をした獣医師に対して、当該ブリーダーやペットショップが支払うということです。
(記者)その費用に関してはどのくらいだと、大臣は把握されていますか。
(大臣)一般的に動物病院で装着した場合には、マイクロチップ自体の価格を含めて、数千円から1万円程度であると聞いています。
(記者)これに関してですね、一般のペットショップで犬や猫を購入される方がこの装着費用を支払うということはあり得るんでしょうか。
(大臣)ブリーダーやペットショップが獣医師にマイクロチップの装着を依頼した場合には、当該ブリーダーやペットショップが装着にかかる費用を支払うと。その費用が販売価格に転嫁された場合は、一般の購入者が負担するということもあり得ると思います。
(記者)今まで、犬猫を購入される方の値段プラスこの装着費用がプラスされることもあり得ると。一方で、ブリーダーさん、あるいはペットショップが転嫁しないということも考えられるわけですよね。
(大臣)それは、そのお店の、あるいはその方の方針だと思います。
(記者)ありがとうございます。今回の改正によって、装着の対象となる犬猫の頭数というのは、環境省としては、どのぐらい想定されていますでしょうか。
(大臣)関係団体が公表している統計資料から1年間の流通頭数を試算したところ、ペットショップ経由で取り扱われる犬猫は約27万頭、ブリーダー経由で取り扱われる犬猫は約14万頭、合計すると1年間で約41万頭の犬猫がマイクロチップ装着の対象となると推定されます。
(記者)この登録を行う犬猫のマイクロチップ登録サイトというのは、いつから始まるのでしょうか。
(大臣)この犬と猫のマイクロチップの情報登録サイトへの一般のアクセスは6月1日から予定をしています。申し訳ない、事前にアクセスすることはできません。
(記者)ということは、6月1日からこの41万頭の登録が一気に行われる可能性もあると思いますが、やり方とかですね、メールアドレスが必要だとか、やったことのない方もいると思うので、混乱するおそれもあると思うのですが、その点は大臣はどう考えていらっしゃいますか。
(大臣)事務的に、いろいろとそういう点もあろうかと思います。若干まだ日にちがあるとは言いながら、もうすぐですから、混乱がないように準備してもらいたいと思います。

(記者)朝日新聞の関根です。週末のG7の大臣会合に関連してですが、焦点の一つと思われる石炭火力の廃止について、議長国のドイツが30年という案を出してきているのに対して、アメリカが2030年代でどうかという事象上の修正案のようなものを出してきています。この30年代でということについて、日本政府として受入れ可能なのかどうか、難しいのか、その理由について、大臣のお考えをお願いいたします。
(大臣)それぞれの国でエネルギー事情が違うということは度々説明させていただいているとおりです。例えばヨーロッパであれば、ドイツとフランスとの間で電力のやり取りも可能です。日本は、そういう仕組みはもちろん他の国との間ではできていないと。それから、どういう資源があるかによってまた違ってくると思うのですけれども、特に日本の場合、2011年3月11日の原発事故の後、原発を止めて、そして石炭あるいは天然ガス、場合によって石油も使いながらカバーしてきているわけです。そういうことを全部含めると、日本として、2030年とか、あるいは30年代とか、そういう年限を切ったやり方というよりも、できるだけ再生可能エネルギーを最大限主力電源として導入していき、その中で石炭の比率を下げるということと同時に、20%のアンモニア混焼とか、最終的にはCCUSとか、そういうことで、この非効率の石炭火力は無くしながら、CO2を出さない仕組みに変えていくという我々のポジションというのは、そこで理解を求めていかなければいけないと思います。
(記者)ロシアの問題で、G7内での結束というものが、国際的にも恐らく求められているという中で、形的に日本が足を引っ張っているようにも見えてしまうのですけれども、その辺りの歩調の取り方について、来月は首脳会談もあるわけですが、そこでの決着も含めて、どう考えられますか。
(大臣)結束を示すのは、脱ロシアという部分ですから、日本が、石炭ではロシアに11%頼っているとか、それから天然ガスで9%頼っているとか、石油で4%とか、これを脱ロシアを進めるということで、G7の結束が問われている。経済制裁効果が実効性をきちんと持つためには、この脱ロシア、石炭、石油、あるいは天然ガスについての脱ロシアを進めていくということが、私は大事なんだと思います。その石炭について、どういう石炭であるべきかというのは少し違う次元の話だと思いますから、それはそれぞれの電力の安定供給ということも踏まえながら、できるだけCO2なりが出ないように進めていくと。そのためのイノベーションは必要であって、いろいろな事業がこれから進んでいくんでしょう。この間のGX経済移行債、私はあれは脱炭素債だと思いますけれど。名前からしたら脱炭素債。そのこともこれから大きな財源になっていきますし、民間の方々には、脱炭素に向けて、いろいろ進めていく中で、石炭についてもCO2が出ないようにしていただきたいなというふうに思います。

(記者)TBSテレビの緒方です。先ほどのテレ朝さんの質問に関連しますが、6月1日からのマイクロチップの件で、登録は飼い主さんがペットショップで必ずやるというものではなくて、飼い主さんの各々の作業になってくるというふうに、担当課に問い合わせたら言っていたのですが、あんまりこういうことを考えたくはないのですが、ペットを迎えた後というのは、ペットがかわいくて仕方なくて、なかなか自分でアクセスして、登録をしたりという作業ができないというか、やらない人も中には出てきてしまうのではないかと思っていて、その辺りの強制力というか、どれぐらい強くやっていくべきなのか、もうちょっと発信だったりとかも必要だと思いますが、大臣のお考えとしてはどうでしょうか。
(大臣)いろんなポスターがあって、私のところにもこういうポスターがあるのですが、「購入した犬や猫のマイクロチップ情報の登録が義務になります」と。いろいろと周知徹底させてもらって、ワンちゃん猫ちゃんをかわいがっていただくときのいろんな仕組みを進化させていくといううちの一つですから、その辺はよくこれから皆さんに周知徹底させていただくんだろうと思います。

 

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/JkVhlAdWnJQ

 

(以上)