大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年4月12日(火) 9:00~9:16  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、私から発言させていただくのは1点、熱中症対策推進会議の開催についてです。
 明日4月13日に私が議長を務める第3回熱中症対策推進会議を開催します。今回の会議では、昨年策定した熱中症対策行動計画を改定し、熱中症警戒アラートの地域での活用等を通じた地方公共団体よる熱中症対策の取組強化、そして昨年6月にカナダで発生した熱波のような、地球温暖化に伴う顕著な高温の発生に備えた、暑さから避難する場所の確保といった対策の実施等を新たに盛り込んでいく予定です。真夏本番を迎える前の各家庭で、エアコンの早期点検をしていただくことも熱中症対策として重要です。今年から、業界団体が4月10日をエアコンの試運転の日と定め、啓発を強化しているので、是非早めに点検をしていただきたいと思います。既に真夏日が観測されている地域もあり、今年の夏は全国的に暑くなる見通しとなっています。国民の皆様には、こまめな水分補給など、十分に気をつけていただきたいと思います。政府として、より一層の危機感を持ちながら、今回改定する行動計画に基づき熱中症対策を推進していきます。以上です。

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社の日経新聞の岩井です。エネルギーの脱ロシアについてお伺いします。先週の金曜日、岸田首相が記者会見で、ロシアからの石炭輸入の禁止、夏や冬の電力需給逼迫を解除するために、再エネ、原子力のエネルギー安全保障及び脱炭素の効果の高い電源の最大限活用を図っていくと述べました。政府として、どういった具体策があるのか教えていただけますでしょうか。
(大臣)ロシアに石炭は11%依存しているし、ガスが9%、石油4%ですね。これが、我々が購入して、そのお金がウクライナの戦いに回されているという、万が一の関連性について、非常に気になっているというところもあろうかと思います。岸田総理は、ロシアによるウクライナ侵略に対する我が国の更なる制裁として、ロシアからの石炭の輸入を禁止することを宣言し、それと合わせて、夏や冬の電力需給逼迫を回避するため、再エネ、原子力など、エネルギー安全保障及び脱炭素の効果の高い電源の最大限の活用を図ることを述べられたというふうに思います。再生可能エネルギーは、地産地消できる国産のエネルギーであります。今回、ロシア情勢を踏まえて、その重要性が改めて明らかになったと受け止めています。環境省としては、引き続き、再生可能エネルギーの最大限の導入と省エネの徹底に向けて、地域脱炭素イノベーションに関する取組を加速してまいります。そういう意味では、我々、今までやってきたことを加速していくという、その辺りだと思います。原子力は我々の所掌というよりも、むしろ経産省のほうですから、我々は原子力については安全を最優先、その間、再生可能エネルギーを最大限導入、そして、その結果として可能な限り低減というのが環境省の立場だから、そういうことにとどめておきたいと思います。具体的な話というのは、これまで200億の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の話もあるだろうし、あるいは脱炭素化支援機構のお話もあるだろうし、今まで述べてきたこと全てがこれに向かっていると思います。省エネも大事ですよね。省エネについても、令和3年度の補正予算でもってZEH、ZEB等、これ全部合わせたら、これは200億円プラスで、全部で1,000億円ぐらいになるというのは、省エネも含めての話です。それを、やっぱりスピード感を持って着実に実施していくことが更に求められるようになったということだと思います。

(記者)電気新聞の匂坂と申します。よろしくお願いします。先ほどの質問と、冒頭の熱中症対策とも少し絡むんですけれども、熱中症対策には適切なエアコンの使用ですとか、大事だと思うんですけれども、今までも、この夏も電力の需給の逼迫が予想される中で、節電を要請する可能性もある中で、電気を使ったり節電したりといった、なかなかアナウンスが難しいのではないではないかと想像するんですけれども、その辺り、どういったメッセージを発信していくのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
(大臣)熱中症対策との関連ね。それは確かにね、熱中症という意味では、いろいろな工夫がある中の一つがやっぱりクーラーだと思うんです。それは匂坂さんがおっしゃるとおり、少し電力の節約ということとは矛盾するんですけれども、ここは人の命に代えられないというところもあるとは思うんです。シニアの人で、年金だけで暮らしておられる、あるいは、お財布の中を心配しながらクーラーを使っておられるという方、夜、電源を節約する、あるいは電気代を節約する。その中で、クーラーを使わずに、結局熱中症になってしまったというのもいろいろあるやに、よく聞きます。そういう意味では矛盾するんですけれども、ほかのことでもって電力節約をしながら、熱中症対策としての電力というのは、そういう意味での節約というのは矛盾するようだけれども、そこはきっちり、命を大事にしていただかなきゃいかんなと。だんだん人数は減っているみたいなんですよね、熱中症で亡くなる方の数というのは。去年は700人台だったみたいだけど、その前は1,000人を超していたとは言いながら、微分したら徐々に減少化しているみたいな。だから今年も1,000人というのは超えないようにしたいなという中で、若干矛盾するようだけど、クーラーというのはその点、大事なものかもしれません。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。10月に大臣に就かれてから半年ということで、8日も岸田総理が政権発足の受け止めと今後について会見を行ったということなんですけど、大臣は就任会見で、「仕事の打率が大体9割ぐらい」と御発言されたと思うんですけれども、半年を振り返ってみて、仕事の打率はどうだったんでしょうか。
(大臣)まだ道半ばですからね。そういう意味では、数字が出てくるのはまだちょっと早いと思うんです。でも、振り返っていただいたらね、まずCOP26での合意の成り立ちというのは、すさまじい結果だったんじゃないですかね。強烈だったと思うんですけどね。そういう意味では、関係者のそれぞれのスタッフの方の蓄積によって、パリ協定の6条の市場メカニズムに関する提案を日本がやって、それが長年の宿題として残されて、いいところまで行ってはまとまらず、そういったものが、まとまりそうだと。そうしたら、昨日、エスピノサさんという、国連の気候変動枠組条約の事務局長さんと話をさせてもらったんですね、お越しになられて。彼女も同じことを言っていましたね。それが1つ、まとまりそうだったら、全体の1.5℃も何とかまとめようじゃないかというところが大きかったと。私もそれは感じました。最後にインドとか中国とかの石炭についてのコメントがあったので、一瞬ひやっとしましたけれども、全体をまとめようというモメンタムのほうが勝ったということをはっきり感じました。そういう意味では、あれはものすごく大きかったと思うんです。それから、この間、衆議院を、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金、これを含む、更に脱炭素化支援機構の創設を含む、地球温暖化対策推進法の一部改正を通してもらいました。まだ参議院での審議をしていただかなければいけないんですけれども、でも、これも着実に進めさせてもらっているなと。それからJCM、国外においてはJoint Crediting Mechanismという、このパリ協定6条の市場メカニズムの延長上の話としてのJCM、これについてはそれぞれの国が能力構築をしてもらわなければいけないしというので、2月と3月に、オンラインの国際会議のセミナーを開かせていただきました、日本が主催でね。これも本当に環境省のスタッフの人、みんな、それは大きな蓄積を持っておられることによって可能になったと思うし、それの延長上として、今度は岸田総理がこの間、インドに行かれて、今まで17か国のJCMパートナー国、今18か国目になるかどうか議論しましょう、検討しましょうということで、今それが始まったと。着実に進んでいるようにも思うんです。その間に、このウクライナの戦争が起きたと。一瞬の乱気流だと思いますけれども、ヨーロッパ等では、カーボンニュートラルに向けての大きな乱気流かもしれませんけど、日本的にはカーボンニュートラルに向けて、我々が再エネの導入と、このことによって自前の、国産のエネルギー源を確保するという大きな柱の1つですから、それはますます、これからモメンタムを大きくしていかなければいけないと思うし、それについての国民の理解というのはもっともっと深めていかなければいけないですよね。それで全国行脚というのをずっと、私も、2人の副大臣の務台さん、大岡さん、それから2人の大臣政務官の中川さん、穂坂さん、本当にみんなそれぞれが全国を飛び回っていただいて、その辺のことを、脱炭素先行地域のことも含めて、カーボンプライシングのことも含めて、相当回っていただいている。たしか22か所は回ったと思うんです。ほぼ半分行きましたね。オミクロンで少し遠慮した部分もありましたけどね。それから、東北のほうは新幹線の脱線事故で、少し予定も延期されたと思うけれど、これは5月いっぱい、場合によっては6月の初めまでに全部できるだろうと思います。国民の理解というのなくして、こういう脱炭素は成り立たないですから、主体は国というよりも、国もそうだけれども、地方自治体、更には国民のお一人お一人、それから産業界、その辺の心合せをすることによってということで、着実に仕事を進めるというのが私のスタイルですから、派手にやりませんけれども、振り返ったら、なんかこれもあれもなんか進んでいるなというのが私のいつもの仕事のやり方です。着実に来させていただいているつもりではあります。
(記者)そういう意味で言うと、打率で言うとどのくらいに。
(大臣)まだ計れないですね。バットをぎゅっと、ここまで持ってきただけで、それが実際にどういう動きになるかね。これは私一人のプレーというよりも、本当に環境省全体でやらせていただいているし、場合によっては岸田総理も含めた内閣の連携があっての話ですから、そういう意味では、私の打率というより、そういう岸田内閣として、カーボンニュートラルを大きな国家戦略として描いていく。そのことによって、日本の産業界のカーボンニュートラルに向けての競争力も確保していくというところもあろうかと思います。その点で言ったらね、1月18日のクリーンエネルギー戦略の有識者懇談会という、これの意味も大きいですよね。そこでは地域の脱炭素、それから国民のライフスタイルの変容、それからカーボンスタイルの方向性等、総理から明示的にインストラクションがあるわけですけれどもね。そういうこともしていく形にしていかなければいけないですね。まだ道半ばです。

(大臣)匂坂さんのところで、サブスクリプションというのをちょっと言わなきゃいけなかった。環境省ではサブスクリプション方式を活用した初期費用なしのエアコンモデル事業を開始するということにしました。ということで、熱中症対策行動計画改定という中で、熱中症警戒アラートの活用促進や優れた取組事例の周知、それからカナダの熱波とか、そういうときのために、地方自治体を中心として事前の計画の策定。場合によっては、どこに避難しようかとか、そういうことですね。すみません、それを申し上げるべきでした。追加させていただきます。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/KLZ2Cq0-SHI 

(以上)