大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年3月8日(火)8:41~8:48 於:衆議院分館1階ロビー)

1.発言要旨

今日、私から発言させていただくのは1点で、世界の脱炭素化に向けた国際会議の開催についてです。世界の脱炭素化促進のために日本が世界を主導する分野に関連して、今週、2つの国際会議を開催しました。1つ目は、パリ協定6条市場メカニズムの推進。COP26での合意を踏まえて、2月17日(木)及び昨日3月7日(月)に、市場メカニズムの実施拡大に向けた環境省主催の国際会議をオンラインで開催しました。私も第1回に参加して、スピーチをさせてもらったわけですけれども、エスピノサUNFCCC事務局長、シャーマCOP26の議長、エジプトのCOP27担当大使などから御挨拶をいただき、第1回は102か国、第2回は88か国から登録を頂いて、盛況だったと思います。環境省としては、今回の会議の結果を踏まえて、UNFCCC事務局などと連携しながら、アジア太平洋地域を対象に、政府職員あるいは事業者の能力構築支援を展開していきます。市場メカニズムの実施拡大に向け、有志国や関係機関との連携を深めてまいりたいと思います。2つ目は、都市の脱炭素化の推進です。明日から、日米気候パートナーシップに基づいて、米国政府と共催する「脱炭素都市国際フォーラム」が開催されます。明日の開会に当たっては、岸田総理大臣からビデオメッセージを頂くほか、私とエマニュエル次期駐日米国大使から開会の挨拶を予定しています。14か国からおよそ30都市及び機関程度を招待しており、様々な都市の先進的な取組を共有して、一層の推進方策を議論する予定です。現在、脱炭素先行地域の選定を進めているところです。こうした我が国における「国と地方の協働モデル」も世界に発信していきたいと思います。また、横浜市との都市間連携を契機に、ベトナムのダナン市が2050年カーボンニュートラル目標を発表予定であると聞いています。こうした国境を越えた脱炭素ドミノを、本フォーラムを通じて、また加速させていければと願います。以上です。

2.質疑応答

(記者)毎日新聞の信田です。JCM拡大のためには、政府の資金で今やっていますが、民間資金を呼び込むことも重要だと思います。排出量取引制度というものが自治体レベルではありますけれども、政府としてはない中で、今、カーボンプライシングについても議論が進んでいますが、導入することの必要性についてどうお考えでしょうか。
(大臣)排出量取引制度については、確かに、制度設計次第で確実性を持って二酸化炭素の総量削減を実現できる仕組みだと思います。他方、どういう規模の排出者を制度の対象とするのか、あるいは排出量の上限設定をどのように行うのか、あるいは円滑な取引を行うための取引市場のルール設計をどのように行うか、そういうことをこれから考えていかなければいけないというふうに思います。カーボンプライシングについては、いろいろな、3つですね、基本的に。炭素税、排出量取引、あるいはJCMのような話、こういうものを、特徴をそれぞれ踏まえながら検討を進めているところです。排出量取引制度についても、今後、我が国の排出削減状況の推移も踏まえながら、将来的な制度の導入を含めて、引き続き検討を深めていきたいと思っています。JCMの拡大に向けては、民間資金の更なる呼び込みが重要であり、昨年11月に私が発表した「COP26後の6条実施方針」においては、「民間資金を中心としたJCMの拡大」を2つ目の環境省のアクションとしていたところです。これらについては、カーボンプライシングの検討を待たずに、政府内での検討を進めてまいりたいと思います。1月18日にスタートした「クリーンエネルギー戦略」に関する有識者懇談会でも、カーボンプライシングの方向性という中で、どちらかというと、今おっしゃっていただいた排出量取引もカーボンプライシングの1つですから、そういうことも踏まえて、検討を進めていきたいと思います。

(記者)読売新聞社の服部です。パリ協定の市場メカニズムの関係なんですけども、世界的実施に関しては、かなり機運が醸成されたというふうに考えているのか。あるいは、こういった会議をもっとやらないといけないと考えているのか。その辺を教えてください。
(大臣)脱炭素のいろいろな仕組みのことについては、国の内外問わず、相当専門的な知識を要すると思うんです。全国行脚で私自身も埼玉に行かせてもらったときに、直接いろいろオンラインで、市長さんあるいは町長さんからも話がありましたけれども、職員の方で、例えば脱炭素の先行地域の申込みをするときに、なかなか専門的な知識を要するから手伝ってくださいという話もありました。国外的にも、いろいろな国がある中で、政府の関係者の人がみんな必ずしも同じように詳しいわけではないので、そういう意味では、このオンラインという形ですけれども、いろいろと先行事例も共有しながら、こんなふうにしたらどうですかとかいうことで、キャパシティビルディングですね、能力構築を図っていくということが大事だと思います。仕組みはできたけれども、あとは魂を入れなければいけないので、その魂というのがキャパシティビルディングではないのかなと。日本としては先行しているわけですから、そのキャパシティに関しても、知識あるいは知見あるいは経験を共有できるようにするのが今は大事かなと。それによって、初めて拡大していく、あるいは脱炭素ドミノが起こっていくんだと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/XdGSXxmmYco

(以上)

配布資料

・ 第2回パリ協定6条国際会議の結果について