大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年2月8日(火)9:58~10:08於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

私のほうからは、温暖化対策推進法の一部を改正する法律案について、報告させていただきます。本日、温暖化対策推進法の一部を改正する法律案が閣議で決定されました。私も署名させていただきました。本法律案は、2050年までのカーボンニュートラルや、2030年度の温室効果ガス削減目標の実現に向けて、民間事業者及び地方公共団体の取組に対する資金面での支援を強化するものです。改正の具体的なポイントは、脱炭素市場に民間資金を大胆に呼び込むため、株式会社脱炭素化支援機構による新たな出資制度を創設することです。なお、地方公共団体の脱炭素化への取組を後押しするため、国による地方公共団体への財政上の措置も明記しました。カーボンニュートラル実現に向けて、事業者や地方公共団体の取組を一層加速し、地方創生、グリーンビジネスの拡大につなげるべく、引き続き新型コロナの感染状況を踏まえつつ、全国行脚により意見交換を行うとともに、今国会での本法案成立に全力を尽くしてまいります。以上です。

2.質疑応答

(記者)共同通信の水内です。冒頭発言ありました温対法改正案についてです。新たな機構設立と民間への出資制度の創設を盛り込んで支援の仕組みを整えますが、収益性や人材面など、民間を巻き込んで脱炭素化を進める上での課題をどう認識されていますでしょうか。また、課題を踏まえて脱炭素事業を広めるため、環境省としてどのように取り組むお考えか、お聞かせください。
(大臣)まずは、この認知度を高めていくということもあろうと思います。出資制度、交付金制度といったツールを、資金支援ニーズのある多くの事業者、自治体に活用いただけるように、認知度をしっかりと高めていきたいと思います。今、地方環境事務所等を通じながら、自治体や地域の事業者と丁寧なコミュニケーションを取っていく一環として、全国行脚も行っているところです。出資制度の活用に当たっては、機構の体制の整備も重要と考えます。特に、ある意味で金融出身者だけというよりも、更に今回、今までのいろいろな事例も念頭に置きながら、どうしても今回先行させたいという強い気持ちを持っていますので、そういう意味では、環境省的にも、人材の確保、あるいは、これからの、それぞれのプロジェクトについて、いいプロジェクトを発掘、形成、そしてまた、それが実施される中で、よく連携を取って見ていきたいなというふうに思います。特に、人材の確保については、意を用いたいなと、よくそこは見ていきたいなというふうに思います。その意味では、収益性、あるいは脱炭素効果などの目標も設定して、適切に監督を行うという言い方になると思います。

(記者)NHKの岡本です。温対法改正案について、追加で御質問します。新しく立ち上がる脱炭素化支援機構は、いわゆる一種の官民ファンドに当たるかと思うんですけれども、官民ファンドについては、これまで結構、民業圧迫とかですね、あと、運用がうまく行かなかったケースもありまして、課題というのが指摘されたと思います。今回、こういう形を取った理由について教えてください。
(大臣)このグリーンの世界というのは重要だということは、だんだん認識されつつあると思うんですけれども、将来の予見可能性とか、あるいは収益についてどうだろうかとか、いろいろな意味で、まだ未知の世界が多いと思うんです。しかも、この額が巨額だと、巨額の投資が必要とされると。そういう意味で、資金の手当てが難しい事業も存在するという観点から、どうしても、更なる民間投資を呼び込むというためには、最初の呼び水的にも官の存在というのが大事だろうというふうに思います。そういう意味で、官民ファンドということで、今回、民間の知見も活用しながら、そういう中で、ビジネスの目線を取り込んでやっていくという形を取るのがいいんだろうなというふうに思う次第です。

(記者)朝日新聞の関根です。先日の官房長官会見でも出ていましたけれども、IMFが公表した日本経済に関する審査の声明について、草案段階ではですね、石炭火力に関する言及があったわけですけれども、それが削除されていたということが分かったと。これは、ロイターの質問だったんですが。このことに関してですね、石炭火力の言及が落ちたということに関して、環境大臣としては、これは承知されていたことなのでしょうか。また、そのことに対する意見というのはどういうものだったのか。可能な範囲で教えていただきたい。
(大臣)関根さん、正直すみません、今、初めて聞くのですけれども、IMFが、日本が二酸化炭素排出量の多い石炭プロジェクトへの融資を続けていることを批判する一文を削除したと、今、関根さんはそういうふうに言われたのだと思うんですけれども、このIMFが作成するに当たっては、いろいろな人と意見交換したんだと思いますけれども、私として、その作成過程について、私が知っているとか、知っていないとかというのは、日本政府としてコメントする立場にないと思うんです。でも、私の最初の反応からして、私がどういう状況だったかというのは、推して知っていただければと思います。

(記者)電気新聞の匂坂です。温対法改正案に戻って恐縮なんですけれども、まず、国会への提出は2月上旬といいますか、近くということでいいのかということが1点と、もう1点が中身のところで、法律には今回、「地方公共団体に対して国が必要な財政上の措置を講ずるように努める」といった文も規定するとのことですけれども、この意義といいましょうか、今までも補助事業として支援をしていたけれども、あえてこの法律に書き込むことによって、どんな意味があるのかといったところの御説明をいただければと思います。
(大臣)今日、閣議で決定されたので、したがって、これから立法機関の国会に提出するわけですけれども、この提出は今日の夕方の予定です。地方公共団体への言及というのがあるわけですけれども、それは、いわゆる地域脱炭素移行・再エネ推進交付金というようなことを念頭に置きながら、この話がきちんとした格好で行われ続けるように、確かに予算的な枠組みでは、既に今年の補正予算でいろいろなものがあったり、あるいは来年度の予算の中で話を進めている。いろいろなことも含めて、このお話をきちんと固定化したいなという気持ちの中で、この話も法律の中で書かせていただいたと。物事を確実に根付かせたいなという趣旨で盛り込ませていただきました。
(記者)何か新しい制度といったものの新設とかも考えていらっしゃるのでしょうか。
(大臣)脱炭素化支援機構というのは新しいけれども、こっちの話というのは、今までいろいろと説明させていただいていることが主ですから、そういう意味では、これを法律に明記することによって、仕組みとして固定化・定着化させることによって、更に強固なものにしていきたいという話です。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/nP57-INsKJY 

(以上)

配布資料

・地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について