大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和4年1月25日(火)8:34~8:43於:衆議院本会議場正玄関側)

1.発言要旨

私から発言させていただくのは、今日は1点で、さいたま小川町メガソーラーに係る環境大臣意見についてです。今日、埼玉県小川町で計画されている太陽光発電事業に対し、環境影響評価法に基づく環境大臣意見を経済産業大臣に提出しました。脱炭素に向けては再エネの最大限の導入が不可欠でありますけれども、残念ながら、一部の再エネ事業について、環境影響が強く懸念され、地域への説明も不十分であるために、地域において迷惑施設とみられる状況が生じています。今回の小川町の事業は、外部からの残土搬入による大規模な盛土が計画され、地域では安全性の懸念や強い不信感が生じています。このため、大臣意見では、計画の抜本的な見直しを強く求めることとしました。再生可能エネルギーの最大限の導入のためには、環境に適切に配慮し、また地域における合意形成を丁寧に進めていただくことが不可欠です。環境配慮が不十分な事業には今後も厳しい態度で臨み、地域と共生する再生可能エネルギーの導入を促進してまいりたいと思います。

2.質疑応答

(記者)共同通信の水内です。今、御発言ありました環境アセス意見なんですけども、抜本的見直し、場合によっては事業実施の再検討、と非常に厳しい意見ですけども、これはまず、太陽光がアセスの対象になってから、こういった意見は初めてなのかということを確認したいということです。もう1点、2050年カーボンニュートラルに向けては、再生可能エネルギー、特に太陽光に頼る部分も大きいと思いますが、あえて非常に厳しい意見を出した狙いやお考えについて改めてお伺いします。
(大臣)太陽光発電事業がアセス法の対象になってから、確かに計画の抜本的な見直しを強く求める指摘は、今回の案件が初めてです。ちなみに、太陽光発電事業がアセス法の対象となったのは、2020年の4月からのようです。再生可能エネルギーの最大限の導入のためには、環境に適切に配慮し、また地域における合意形成を丁寧に進めていただくことが不可欠だという認識です。ただ、一部の再エネ事業については、こうしたことが不十分であり、地域から懸念や不信感が生じていると、こういう状況に鑑みた次第です。環境省としては、こうした状況を改善するためにも、環境配慮が不十分な事業には今後も厳しい態度で臨み、地域と共生する再生可能エネルギーの導入を促進していきたいと、そういう方針です。発電事業者の方々には、引き続き、地域住民の方々との合意形成を丁寧に進めていただくようにお願いしたいと思います。今回の事業計画については、発電事業としての必要性が確認できない大量の残土が、外部から持ち込まれることを前提としていると言わざるを得ないと、こういうことが1つあります。こうした点を問題と考えて、環境保全上の見地から、計画の抜本的な見直しを求めるに至ったものです。今後の環境アセスメント審査においても、環境保全上の観点から十分な検討がなされていない事業については、環境大臣としてしっかり意見を述べていきたいと思います。また、発電事業者には、地域住民の方々との合意形成が極めて重要だということを認識していただいて、事業の実施に当たっては、地域と共生する再エネ事業としていただくようにお願いしたいと、こういうことから今回の意見を出させていただきます。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。今日、脱炭素先行地域の応募が始まることになっていると思いますけれども、意気込み等あればお願いします。
(大臣)これは去年のCOP26でもって、世界全体が共通の目標として、1.5℃ということにしたわけですね。それに至るのに、もちろん日本の貢献というのが大きかったということを我々非常に強く意識しています。じゃあ、帰ってきて、岸田総理からも、「これから2030年、2050年に向けて頑張っていかなければいけないな」という言葉があった中で、国内においては、この地域脱炭素の先行地域という話、それに向けて臨時国会で補正予算の話をし、また、来年度予算の中でこの200億円、それから財投でも200億円、そういうことで、全体では約1,000億円という話もさせていただきました。そういう中での話です。今年は脱炭素元年という言い方もあるし、地域脱炭素ということでもって、脱炭素ドミノというものを日本の中でも起こしていくことが大事だという気持ちもあります。既に、この重要性をいろいろと地方自治体のほうでは認識いただいて、環境省との間でいろいろな意味でのやり取り、どんなことでしょうかという照会も含めて、たくさんあります。これは非常に野心的な試みですから、2030年までに前倒しして、このカーボンニュートラル目指していくという話ですから、非常に野心的な話なんですけれども、こういうことがあって初めて、日本の2050年のカーボンニュートラルが成り立つわけなので、今日から公募を正式に開始させていただく、地域脱炭素の先行地域、非常に大事な要素だというふうに思っています。こういうことを特に地方自治体の方々と、埼玉を始め、長野、大阪、あるいは福岡と、私あるいは副大臣の方々あるいは政務官の方々にも、全国でいろいろ説明を始めさせていただいているわけですね。そんな中で、地方自治体の首長さんの方々と話はしていますけれども、やっぱり企業のほうともいろいろと意見交換しなければいけないし、今日の日経新聞の一面で、パナソニックの蓄電池の話が出ていました。中国・韓国と厳しい競争だと書いてありますけれども、もうちょっと状況は厳しいと思いますね。競争というよりも、今のままだったらやられていると。これをどうやって挽回していくかという立ち位置だと思いますから、そういう意味では、企業の方々ともよく意見交換して、地方自治体、そして企業、また個人のライフスタイルの話もありますからね。昨日の国会答弁でも言わせていただきましたけれども、このグリーンライフポイントということも含めて、家計の部門からの電力消費が6割ということも踏まえれば、この辺も非常に大事なんで、そのうちの極めて大事な部分が今日から始まる地域脱炭素の先行地域と、ここから脱炭素ドミノを起こしていくと。企業もそれから個人も、全部みんなで心を合わせて、2050年のカーボンニュートラルを目指していきたいと、そういう位置づけです。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/RlMnEKT6fxc 

(以上)

配布資料

・ さいたま小川町メガソーラーに係る環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の提出について