大臣談話・大臣記者会見要旨

山口大臣閣議後記者会見録(令和3年11月2日(火)10:28~10:49於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。今日、私から発言するのは、2点です。改正地球温暖化対策推進法の施行期日を定める政令等の閣議決定について、もう1つは、沖縄県及び鹿児島県への軽石大量漂着による被害への対応についてです。初めに温対法政令の閣議決定について、本日の閣議で、先の通常国会で成立しました改正地球温暖化対策推進法の施行期日を定める政令及び地球温暖化対策推進法施行令の一部を改正する政令が決定されました。改正法による地域の再エネを導入する仕組み等について、来年4月1日から施行することを決定したものです。環境省としては、改正法に基づく仕組みや本年6月に策定した「地域脱炭素ロードマップ」を踏まえた支援策などにより、地域と共生する再生可能エネルギーの導入を促進していきます。次に沖縄県及び鹿児島県への軽石大量漂着による被害への対応についてです。先週28日、「海底火山『福徳岡ノ場』の噴火に係る関係省庁対策会議」が設置されました。環境省は本会議の構成員として、沖縄県及び鹿児島に対し、被災状況の確認と補助金の活用に関する助言を行っています。港湾や漁港以外の海岸における軽石の回収や処理については、環境省の「海ごみ補助金」により、海岸の管理者である地方公共団体に対する支援を行っていきます。引き続き各地方公共団体としっかり連携して、軽石の円滑な回収に協力してまいります。冒頭以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社のTBSの緒方です。軽石問題なんですが、先ほど大臣からもお話ありましたとおり、沖縄や鹿児島などでいろいろな影響が出てるかと思うんですけど、自治体との連携というものを具体的に教えていただきたいのと、軽石のほかにも様々な海洋ごみなどで相談などを受けているのであれば、そちらも教えていただきたいです。
(大臣)海岸には、国内外を問わず、様々な地域からプラスチックや流木などの海洋ごみが漂着しており、地元の自治体の努力のみでは海洋ごみの処理を行うことが困難となっていることはよく承知しています。このため、国と自治体が密に連携をして対策を実施していくことが重要であるとの観点から、国が自治体に「海ごみ補助金」を交付し、海洋ごみの回収処理や発生抑制対策の支援を行っているところです。今回の軽石の件に限らず、定期的に自治体の声を吸い上げて、海洋ごみの処理や発生抑制に対する自治体の相談に丁寧に対応をしてまいります。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。選挙ありましたけれども、選挙中に麻生さんが「北海道の米は温暖化で美味しくなった」と発言して物議を醸していましたけれども、海外報道もされるような中でですね、今回COPで岸田総理が今イギリスに向かわれていますけれども、日本政府の本気度が問われかねないような、認識も問われかねないような内容だったと思うのですが、この麻生さんのコメントをどのように大臣は受け止めていらっしゃるでしょうか。
(大臣)政府与党みんな、カーボンニュートラルを目指して頑張るという気持ちは変わりありませんから、そういう意味では、私自身もそういう枠の中で捉えております。
(記者)発言内容に関してはどういうふうな所感をお持ちですか。
(大臣)それは麻生さんに聞いていただいたほうがいいんじゃないでしょうか。私的には、先ほど申し上げたとおり、政府与党一体となって、カーボンニュートラルに突き進んでいくというところで、何も変化はありません。
(記者)あと、冒頭発言がありました軽石の対応についてなんですけれども、海岸ごみについては、いわゆる海岸漂着物等地域対策推進事業のことだと思うんですが、予算として、当初、交付されているのは、鹿児島県でおよそ2億円、沖縄県で1億円と聞いているんですけれども、現地自治体からは「到底足らない」という声も出ていると、増額等を検討されるか、またどれくらいの規模なのか、その辺り、教えてください。
(大臣)今いろんな意味で状況を確認中ですから、そういう意味では「検討中」というのが、答えになると思います。
(記者)既に自治体等、回収でかなり大変なことにもなっていますけれども、具体的な状況はどのくらい把握されている。
(大臣)できるだけ対応できるように努力していきます。
(記者)特に数字等はお持ちではないですか。
(大臣)特に今言える数字はありません。しっかり検討して、その結果が出たときに、お伝えできればと思います。
(記者)すみません。COPに関して、今、今回1日から、また首脳級始まっていますけれども、石炭火力について、イギリスが全廃を掲げている中でですね、山口大臣がグラスゴーに着く前に、例えば4日のエネルギーのテーマの日であったりとか、日本がまた化石賞を取るなどですね、矢面に立たされ、非難される可能性は十分にあると思うんですけれども、この点、日本に対応が求められた場合、どういうふうにするか、お考えをお聞かせください。
(大臣)我々の基本的な方針というのは、2050年のカーボンニュートラルに向けて、再生可能エネルギーの主力電源化の推進、それから火力発電の脱炭素化、もう、ここははっきりしているわけですね。その中で、石炭火力については、電力の安定供給を大前提に、2030年までに非効率石炭火力のフェードアウトを進めて、石炭火力発電の比率をできる限り引き下げるとともに、2050年に向けては水素・アンモニア、CCUS等を活用することで脱炭素型の火力発電に置き換えていく、そういう取組だということは、今までお伝えしているとおりだと思います。その上で、この脱炭素化とエネルギー安全保障を併せて考えることが必要ですし、2050年のカーボンニュートラルへの道のりは、各国のエネルギー事情はそれぞれあるわけで、脱炭素技術の開発の動向によっても様々でしょうから、COP26においては、我が国のエネルギー事情、あるいはこれを踏まえた火力発電の脱炭素化の方針を丁寧に説明して、理解を求めていくつもりです。
(記者)日本が、30年度時点で19%石炭火力というのは、大臣は十分だと、堂々と主張できる数字だとお思いでしょうか。
(大臣)我々が再生可能エネルギーをできるだけ進めていくということがポイントですから、何もそこで胸張ったり云々ではなくて、できることをしっかり進めていくということだと思います。

(記者)共同通信の水内です。総理もイギリスに出発されて、現地でスピーチされると思います。先ほどもありましたけども、議長国英国からは石炭火力等々ですね、いろんな要求がされているという状況だと思います。きちんと総理が現地入りして、日本の存在感を高めることができるのかどうかということが注目されると思うんですけども、大臣はどのように見ていらっしゃるか、どういったことを期待されるか教えてください。
(大臣)カーボンニュートラルに向けて、いろんな道のりがあると思うんですよね。石炭の話もその1つだし、それから、例えばマーケットメカニズムをいろいろと整えていくというルールづくりというのもその1つだろうし。いろんな意味で、日本が貢献できる道があると思いますから、総理からもそういう観点で、別に石炭火力のみならず、いろんな観点からの努力を訴えていくということが大事だと思っています。
(記者)追加で。特別国会が10日の見通しだと思うんですけども、それを経て、大臣も現地入りされるおつもりがあるかどうかお聞かせください。
(大臣)国会の事情が許せば、行きたいところですね。そこ次第で。大事な会合ですから、国会の事情が許せば、行かせていただきたいと思います。

(記者)NHKの吉田です。共同通信さんの質問の続きになるんですが、先ほど、COP26のところで、「日本が貢献できるところもあると思う」というような趣旨の御発言があったと思うんですけれども、このCOP26で「日本が貢献できるところ」というのは、具体的にどういうことを想定されていらっしゃるんでしょうか。
(大臣)まだ、私自身がどういうことを打ち出すかということを、今、事務方でもいろいろと議論している、あるいはするわけですから、そういうことを踏まえて、焦点が合ってくると思うんですけども、例えばマーケットメカニズムの話、これも1つ、私の念頭にあることです。
(記者)そのほかという部分は何かもう少しありますでしょうか。
(大臣)また、事務方ともいろいろと協議して決めていきたいと思います。

(記者)共同通信の水内です。すみません、追加で。大臣、今「市場メカニズムの点でしっかり貢献していきたい」というお話でしたけども、その点のみで日本の評価として、十分なのかということをどのように捉えていますか。
(大臣)もちろん、それだけではないですよね。これ、かなり道のりの長い話だと思いますから、今回、一発で行ければ一番いいですけど、やっぱり千里の道も一歩からのうちの大分来ている中での話でしょうから、1つ1つ実現していくということが大事だと思っています。それのみではなくて、いろいろと相談させてください。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。選挙終わりましたけれども、環境大臣として、初の選挙になったわけですが、結果への受け止めをお願いします。
(大臣)自民党的に260を超える議席を確保させていただいたというのは、1つ大きなポイントじゃないかなと思うんです。ほかの党がどうこうというのは、私から言う必要もないと思うんですけれども、やはり政権を運営するに当たっての必要な議席というのは、確保させていただいたことが一番大きいんじゃないでしょうか。私自身はいつも全力投球ということでどういう立場であれ、どういう事情であれ、全力投球でやってきた、その結果が出ているということで受け止めさせてもらっています。大きな期待を、またいただいたというふうに受け止めて、全力投球、そういう意味では、環境大臣として臨ませていただいた選挙、そのことについて、地元のこと、あるいは環境大臣として、日本のため、あるいは世界のために頑張ってこいよという趣旨でいただいた信任だと思って、受け止めさせてもらっています。

(記者)日刊工業新聞社の松木です。今の質問で、続きなんですけども、気候変動対策の実施、実現、進めていくには、国民の理解が必要かと思うんですけれども、今回の選挙の中で、そういう環境政策というのが有権者の方に響いたかどうか、理解が進んだかどうか、その辺の感触がありましたら教えてください。
(大臣)私自身がバックグラウンドとして、やっぱり「世界の中で頑張れよ」というふうに、みんな思っていただいている中で、私が言ったのは、「環境問題に国境なし」だということで、例えば二酸化炭素減らすにも日本だけでやれることではないし、世界の心合わせがどうしても必要な中で、私自身も出番だと思って頑張りますということで訴えさせてもらったんですけれども、その中で、地域の方々にやっぱりそれが切実感を持って、あるいは、それがどういうふうに地域の、更に発展につながるかというところはあると思うんですね。これから、「地域脱炭素ロードマップ」、あるいはその前の地域再エネ導入を促進する仕組みの中での再エネ促進区域とか、いろんな仕組み、これから、さらに具体化、具体的にみんなに訴えていくことになると思いますから、選挙的には、そこまで、まだ言えてませんですけれども、今ある意味で、私自身のバックグラウンドも踏まえて、環境問題に対して、私の意気込みをまず受け取っていただいて、それで、みんなも、「そうだ、頑張っていきなさいよ」という受け止めをしていただいたのが、今回の結果だと思います。

(記者)電気新聞の匂坂と申します。COPの前のG20のサミットもイタリアであったと思うんですけれども、声明の中にも、気候変動が様々ちりばめられていますけれども、改めて、この声明の意義ですとか、大臣としての受け止めですとか、感想ですとか、ございましたらお聞かせいただければなと思います。
(大臣)G20の中で、G7で言われていたこと、そのことが「新しい排出削減対策が講じられていない石炭火力発電に対する国際的な公的資金の提供を2021年末までに終了する」、これはG7で合意されていることだと思うんですね。それをG20でもコミットできたということが大きな1つの成果だと思います。また、「30 by 30」について、これを確保するために実施している取組を「認識する」というところは言われたわけですよね。それから、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」に基づく、海洋プラスチックごみへの取組強化も盛り込まれたというところは成果だと思います。これから、G20まで来たわけですから、更に大きな合意が取り付けられるように、あるいは、前向きの、更に野心的な取組を進められるようにというのが、これからの課題なんじゃないでしょうかね。

(記者)テレビ朝日の川﨑です。軽石なんですけれども、関係閣僚会議も開かれて、軽石が漂着してから、かなり時間もたっています。どういうふうな方法で、今、環境省としては、実態を把握しようとしているんでしょうか。
(大臣)各地方公共団体との協議ですよね、まず。そこから地方公共団体的には、「海ごみ補助金」ということを念頭に置いて、いろいろと相談があるわけですから、その中での状況把握、その中でのどれぐらい必要かの検討、そういう形になっているわけですよね。
(記者)現場からは、もうお金が足らないという声も出ていると聞いているんですが、それも実態としては、まだ把握中ということなんですか。
(大臣)いろいろ把握した上で、財政当局とも議論しているわけですよね。
(記者)増額等の検討もまだされてないということですか。
(大臣)先ほど申し上げたように、今検討中だというのが私の答えになります。
(記者)規模感に関しては、まだ分からない。
(大臣)それも今検討中ということで答えさせてください。
(記者)かなりこの問題に関して注目されていて、官房副長官の会見でも、環境省の補助金の制度を使うというふうな話、明言されていたんですが、内容については、まだ検討中ということ。
(大臣)できるだけ、前向きに、もちろんやるわけですけど、検討中ということで御了承ください。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/vchuel0Dbuw

(以上)