大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和3年9月14日(火)10:31~10:50於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

今日は、私から冒頭2点あります。まず1点目が、サーキュラーエコノミーのイベント参加についてです。今日の夜、サーキュラーエコノミーの国際会議である世界循環経済フォーラム、WCEF、この一環として、「サーキュラーエコノミー及び資源効率性に関するグローバルアライアンス」、GACERE(ガセレ)というふうに言いますが、この第1回閣僚級会合にオンラインで参加します。この会合では、先週、政策対話を行ったインドのヤーダブ大臣を始めとする各国の大臣なども、またシンクタンクの関係者も出席をしますので、その意見交換に参加をする予定です。今回、私からは、日本においてプラスチックの資源循環に関する法律が成立したことや、循環経済パートナーシップ、このJ4CEを経団連と共に立ち上げることになったこと、この取組事例の英語版のウェブサイトを立ち上げることを紹介して、日本のサーキュラーエコノミーの取組を国際発信してまいりたいと思います。ちょっと前までは、サーキュラーエコノミーといっても全く認知度がない、そういう状況であったのが、今やサーキュラーエコノミー、循環経済という言葉が、専門用語であったところから、今では一般的に新聞記事や様々な報道でも見られる回数が増えてきたと感じます。また、これはヨーロッパ主導だというふうに思われがちですけど、日本がサーキュラーエコノミーの先進国だという国際的な認知もだいぶ出てきたというふうに思っています。これからも引き続き、このプラスチック新法の政省令の整備や海洋プラスチックごみの交渉など、サーキュラーエコノミーへの移行を積極的に進めていきたいと思います。そして、今日、2点目が、国立公園関係です。今日は、国立公園関係で3点申し上げたいと思います。これまで、国立公園などにおける「保護と利用の好循環」について強く問題意識を持って取り組んできました。ワーケーションへの活用もそうですし、廃屋の対策もそうです。そして、ゼロカーボンパークなど、国立公園のポテンシャルを引き出す様々な施策を実施してきたところであります。まず1つ目はですね、今日の閣議で、「自然公園法施行令の一部を改正する政令」及び「自然公園法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令」が決定されました。今年の通常国会において、環境省関連では4つの法律が成立しましたが、これらの法律を踏まえた政令の閣議決定はこれが第1号となります。改正自然公園法では、国立公園などにおける保護と利用の両方の取組を強化しました。今回の政令改正では、例えば次の2点の政令改正を行いました。1点目が、保護として、ヒグマなどへの「餌付け」に加えて、「過度な接近、つきまとい」についても規制対象となる行為として位置付けたことです。保護することが、結果として利用にもつながると考えています。2点目に、利用の観点として、電気自動車、EV時代に向けて、新たにEV充電施設などについても公園事業として整備できるようにしました。そして、2つ目になりますが、今日は第8回目となる国立公園オフィシャルパートナーシップ締結式を行う予定です。今日は、日産、そしてAIGLEなど、新たに7社と締結をして、パートナーシップ企業は全部で112社となります。最後に3つ目でありますが、今年の4月に農林水産大臣と発表した世界トップ25の国立公園を目指す林野庁との連携の進展状況をお知らせしたいと思います。現在、合同での見回り、看板の集約化、外来種対策、適正利用の検討など、各公園ですぐに着手する84事業の調整が進んでいます。今日、この写真で、スクリーンで示したものは、富士山の5合目のところなんですけど、このようにですね、林野庁の看板と環境省の看板がもう本当にまるでバリケードのように乱立しているという、こういった現状も、別に利用者からすれば、どこの役所とか関係ないですから、こういったことも集約をしようということで、こういったことも連携で、今では1つにこの小屋の中に集約をしようということで、小さな取組ではありますが、このように1つ1つの具体的な連携を深めているところであります。こういった事業を84事業、今、調整が進んでいるということです。そして、この例はあくまでも富士山の5合目を出してますけど、全国の国立公園、そういったところでも見られるというので、これは他の地域でも早期に実現をしたいというふうに思っています。また、新型コロナの状況次第ではありますが、10月に、日光国立公園の那須で、両省の若手職員の合同研修を実施する予定となっています。看板の集約化と同様に、省庁の垣根を越えた、「自然系」と言われるこの公務員の皆さんが同じように垣根を越えて育って、活躍をしていただきたいと、そして世界トップ25に入ると、こういった目標に向けて着実に連携を深めてもらいたいと思います。今日は冒頭、私から2点、以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社NHKの吉田です。先週土曜日なんですが、9月11日に福島の対話フォーラムがありました。今回、視聴者からの質問にたくさん、多く答えていたかと思いますが、改めて、除去土壌の最終処分や再生利用に向けた理解醸成の取組に何か手応えを感じられたところはありますでしょうか。また、再生利用の新たな実証先について、国が管理する場所や事業から探すという趣旨の発言もあったかと思いますが、今の検討状況のほうはですね、どうなっているのかお願いいたします。
(大臣)やはり対話フォーラムは継続してやることが大事だと思いました。決してこの対話フォーラムの意義は、小さいものではなくて、やる度に改善点も見つかるし、やる度にその意義を改めて実感している、そんな思いでいっぱいです。特に、今回、タレントの岡田結実さん始め、次世代の方が3名参加をしてくれたということもあって、地域を超えて次世代同士がつながり、理解を深めていく、その場としても非常に有効だなと思いました。それと、今回、完全オンラインということで、約700名が参加をしてくれましたが、やはりこのコロナ禍でそれだけ多くの方がリアルで集まるというのがなかなか難しい中で言えば、今後もこのオンラインを活用して対話フォーラムの場を重ねていくことも1つ有効な手段ではないかなと思いました。それと、以前も福島の記者さんからも、もっと双方向でやるべきだということを言われていたので、それはそうだと思って、今回、そういったことを強く反映しようと思ってやった結果、予想を上回る、本当に答えきれない、17問答えましたけど、圧倒的に多くまだ質問があった中で、それでも前回よりはそこの面で、双方向の面ではだいぶ改善できたかなというふうにも思います。これからもああいった形で回数を重ねて、実際に2点目の質問につながりますけど、具体的な事業の案件形成につながるようにしていきたい。そのためには、やはり理解が必要ですし、その理解を広げるためには、私は、やはり国が率先垂範をして、まず、我々が、今、鉢植えでやっているように、「国の関連するところから実際に再生利用の実施をやっています。使っています。」と、その案件を見せていくことが私はアプローチとしては大事なことだし、基本的な方向性としてはそれを考えて、今、環境省の中でもしっかりと案件につながるような努力、作業をやっているということであります。

(記者)琉球新報の安里です。先日もですね、会見で質問させていただいたんですけれども、米軍が普天間飛行場から有機フッ素化合物、PFASを含む汚染水を処理し、公共下水道に放出した問題についてお伺いします。先日、宜野湾市がですね、放出当日に下水道から採取した水に国が定めた水質の暫定指針値を超えるPFASを確認したと発表しました。国の指針値自体1リットル当たり50ナノグラムとされているところを670ナノグラムが確認されたということです。米側は、指針値以下の1リットル当たり2.7ナノグラムまで浄化されていると説明していたんですけれども、結果的に市の調査と食い違っている面が出てきたということで、この件についての受け止めと、米側に対して抗議など、先日抗議されたということを大臣からお伺いしたんですけれども、改めてまた抗議などする御予定はあるかというのをお伺いしたいと思います。
(大臣)今、御指摘があったとおり、宜野湾市によれば、米軍が放流した当日、8月26日、普天間飛行場からの汚水が排出される公共下水から、当初米軍が示していた値を超えるPFOSなどが検出されたとのことです。また、普段の水質についても追加調査を行っていて、今後、結果を公表する予定だと承知をしています。環境省としては、関係自治体と連携をして、今後も情報収集を行っていきます。普天間飛行場におけるPFOSなどを含む水の取扱いについては、適切な措置がなされるように引き続き日米間で協議を行ってまいりたいと思います。そして、前回も申し上げましたが、話をしている段階で、全く事前に通告もなくああいった形で放流をされる、こういったことはあってはならない、そのことはこちらからも、前回もお示ししたとおり、抗議の中でも伝えているとおりであります。

(記者)福島民友の桑田です。対話フォーラムのことを聞こうと思ったんですが、先に聞かれてしまいましたので。前回ここの場でお話ししたとおり、双方向の意見交換が増えてですね、17問を1時間20分ぐらいかけて答えたかと思うんですけれども、非常によかったというふうに率直に受け止めました。前回参加した立場から、意見を反映していただいてありがたいと、福島の立場として言わせていただきたいと思います。そうした上で、今、先ほど大臣は、なかなかコロナの状況もありリアルに集まるのは難しいということですが、3回目以降の展望があったら1点まずお聞かせいただきたいと思います。
(大臣)ありがとうございます。やはり福島大熊町出身の遠藤さんが参加をしてくれていることで、我々には提供できない価値をあのフォーラムに提供してくれているなと思います。やはり地元で実際に苦渋の決断のもとで行われている中間貯蔵施設の事業と、それを最終的に県外に持っていくということに対しても、決して他の地域に悲しい思いをさせたくないという、ああいったスタンスを毎回遠藤さんはお話をされることで、より考えるきっかけを参加者の皆さんに与えてくれているんじゃないかと思います。ですので、私としては、今後のフォーラムの持ち方としては、遠藤さんのような、毎回、遠藤さんが出席をしてくれたら私はそれはすごくいいことだと思いますけど、是非地元の方にも参加いただきたいですね。そういう形で回数を重ねていくことで、私は必ず理解が深まって案件形成につながっていくと思っています。何か、改めて、今回のことを受けて改善点はありますか。
(記者)改善点はあまりないですけど、大臣がおっしゃったように、オンラインであればですね、福島にいながらでも地元の方々がシンポジウムに参加する、フォーラムに参加することも可能なので、そういった可能性は、今おっしゃったように、地元の方との直接対話というのも、もしかしたら可能になるのではないかなとは今思いました。あと、別件でもう1点ありまして、福島の環境再生事業に関するワクチン接種についてです。昨日、国全体としては国民の5割がワクチン2回目の接種が終わったということですが、環境省としては、大臣がかねて意欲を示されていましたように、福島で住民票がない除染や家屋解体に携わる方々のワクチン接種が近々始まるということですが、今回の職域接種に対する期待とですね、円滑にどのように進めていかれるのか、お考えがあればお聞かせください。
(大臣)これはようやく職域接種が実現をする運びになったと。環境省としても協力は惜しまないという話をしていた中で、今回協力できるところは協力をして実現することで、地域の皆さんにとってもより安心して、この事業の進捗とコロナの感染拡大の防止策、これがしっかりなされているんだな、そういうメッセージを伝えることができると思いますし、何よりも中間貯蔵施設を、この事業をちゃんと完遂をさせるために、コロナの中であっても変わらずに作業に従事している皆さんがコロナのリスクをしっかりとワクチン接種によって下げて、安心・安全な事業の遂行とそしてコロナによる健康管理、感染防止を働く皆さんに対しても実現ができる、これはものすごく大事なことですので、よかったと思っています。今後もしっかりと環境省としてできる協力は最大限やっていきたいと考えています。

(記者)読売新聞の服部です。福島の除去土壌の関係でお伺いします。飯舘村の実証施設のところがあると思うんですけれども、今、現地の見学会というのを実施されていると思うんですが、なかなかコロナというのもあるし、決して近いところではないので、たくさんの人が行っているわけではないと思うんですけど、その辺をもっとあそこの現場を人に見せることは大事だと思うんですけど、何か取組の考えがあれば教えてください。
(大臣)今、うちの部局でもその実現をどうやったらコロナ禍でもできるか、それで現場を見てもらう取組を支援する方策、それについても、今、具体的に検討と準備を進めています。本来であれば、学生さんで京都の方いましたね、淺野さん、が、やはり京都から見ていると、いくら勉強しても、現場に行かないと分からないことがいっぱいあるという話をされていたように、多くの方に実際の現場を見てもらいたいと思っています。そういったことを、このコロナの緊急事態の中では難しいですが、そうではない環境の中で実現できることを考えて、例えばメディアの皆さんにも現場をまだ見られていない方がいらっしゃると思うので、まずはメディアの皆さんに現場を見ていただくということも大事だと思っているので、例えば琉球新報さんも今日いらっしゃいますし、北海道新聞さんもいらっしゃいますから、まさに北から南まで、実際福島でどういう事業でどういうふうにやられているのか、各地方のメディアさんにも是非一緒になって見ていただくという機会が提供できないだろうか、これは環境省が考えているところであります。もし、そういったところに積極的に参加をいただけるメディアの方がいらっしゃったら、その機会を設けようと思っていますので、実際に現場の方ともお話しいただきたいし、見ていただいて感じることを多くの国民の皆さんに届けていただきたいと思っています。その先にあるのは、もちろん多くの一般の方にも福島に行っていただけるような、そんな後押しをできる施策も考えているところであります。

(記者)テレビ東京の松並です。総裁選についてなんですけれども、小泉大臣は先日の閣議後会見で河野大臣について、「まずは出馬会見をしっかり見る」と御発言されていましたが、実際に御覧になって、今どうお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
(大臣)1候補、1候補に対する論評をする立場ではないので、それは控えますが、私としてどういう方針でこの総裁選を、どなたに応援をするのか、そこは今日、地元でも、支部として集会の会合がありますので、そこで地元の県議、市議を含めて意見交換をした上でしっかりとまとめていきたいと、その上で表明をしたいと、そう思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/rIwdKrcDL5o

(以上)