大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和3年7月20日(火)10:36~10:54 於:環境省第1会議室

1.発言要旨

それでは、今日は私からは2点です。まず1点目がG20、明日から行ってきますので、G20について。そしてCOP26、今年ありますが、そこでジャパン・パビリオン、これを開きます。そのときに企業の皆さんに展示をしていただくための募集、これについて触れたいと思います。まず、G20についてですが、7月22日、明後日、そして23日金曜日にイタリア・ナポリで開催されるG20環境大臣会合、そしてG20気候・エネルギー大臣会合、この両会合に出席をします。その後にロンドンに移動しまして、25日の日曜日、26日の月曜日、この両日にわたって気候変動に関する閣僚会合に出席をします。今日は、このグラフをお示ししましたが、G20は20カ国で世界のCO2排出量の8割超を占めます。脱炭素社会の実現、生物多様性保全、そしてサーキュラーエコノミーといったグローバルな課題に取り組む上で、G20の結束が極めて重要です。気候変動閣僚会合では、議長国のイギリスの呼び掛けにより、COP26の成功に向けて閣僚間で率直な意見交換を行います。今回、およそ2年ぶりに主要国の環境・気候変動担当大臣との顔を合わせる機会でもあります。10月末のG20サミット、そして11月のCOP26の成功につながるように各国閣僚と議論をして、お互いの理解と協調を深めていきたいと思います。それに関連するものが2点目なんですが、COP26のジャパン・パビリオンです。10月31日からイギリス・グラスゴーにおいて開催予定のCOP26において、日本の優れた脱炭素技術、製品を世界に広く発信すべく、ジャパン・パビリオンを設けます。そこで展示する日本の脱炭素技術、製品などを本日より公募します。出展企業に私が求めたいものは、ナンバーワンのもの、そしてオンリーワンのもの、この2つです。脱炭素をめぐる大競争時代に突入している今、世界最大の投資分野である脱炭素に関して、国内外の市場を獲得していくことは、日本の成長戦略としても不可欠です。日本が強みを持っている分野も多くあります。今回のCOPでは、会場におけるパビリオンに加え、オンラインによるヴァーチャル・パビリオンの方式も予定をしています。オンラインで全世界に発信をしていきます。COPは各国の気候変動政策のトップに加えて、ビジネス関係者も集う場であります。国際発信の場としてこれ以上の効果的な場もありません。世界に誇れるナンバーワン、そしてオンリーワンの技術や取組を幅広く知ってもらうチャンスでもありますので、われこそはナンバーワンの技術を持っている、そしてオンリーワンの製品である、そのような企業の皆さんには奮って応募いただきたいと思います。今日は冒頭2点、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)毎日新聞の鈴木です。質問1点です。先日、日銀がですね、金融政策決定会合のほうで金融機関による気候変動対策の投融資を後押しする新制度の骨子案を取りまとめました。気候変動対策に対してですね、脱炭素に向けて金融面からも支援する姿勢だと思うんですけれども、これについて大臣の受け止めをお聞かせください。
(大臣)まず私としては、脱炭素の後押しになると期待をしています。今、中央銀行でさえも踏み込んで、気候変動のリスクが物価の安定とかそういったことにも影響するという考え方の下に一歩踏み込んだ対応をしている国も出ています。一番顕著なのはイギリスですけど。そういった観点から踏まえれば、日本がこれから、中央銀行が気候変動に一歩動いた、そして取組を進めている企業にとってそれが後押しをされる、こういった形は私としても非常に世界の趨勢とも合っている取組ではないかと思います。環境省としてもですね、日銀の取組に関心を持って注視するとともに、国内金融機関の取組促進の観点から、銀行セクターのTCFD開示に向けた支援やESG地域金融の促進などに取り組んでいきたいと思います。

(記者)エネルギージャーナル清水です。エネルギー基本計画の原案がですね、今日発表されますけど、そこで伺いたい点が2点あります。1つは、もうエネルギー基本計画ではなくて、環境エネルギー基本計画に直さなければいけない時代に来ているのではないか。それは、理由は、1つは46%というキャップがかかっていて、その中でエネルギー政策をやらなければいけない。もちろん安全保障の問題もありますけれども。ということで、そういう問題意識を環境省は、持って提示すべきではないか。その点が1つ。それについてどう思われるか。もう1つは、関連するんです。太陽光の発電、これは「再エネ最優先」、エネルギー基本計画案でもそういう具合に明示されるはずです。御承知のように大臣が前からおっしゃっている太陽光主力でいくと、空間スペースとかね、そういう制約がものすごくあると思います。仮に5キロワットの太陽光を1万箇所やったって5万キロワットぐらいにしかならない。そこでやっぱり打開策としてね、これは縦割りの弊害だと思うんですが、やっぱり火力発電所の中に太陽光を義務付けるとかね、原子力発電所の中に太陽光をやるとか、メガソーラー級のものでもいいですし、そういう言わば利用されていない土地をね、土地は要らないわけですから、積極的に活用して、分母を大きく、規模の大きい分母をね、広げていく、そういう対応が必要ではないか。やっぱり環境省も、屋根置きとか、そういうのも分かりますけど、もうちょっと規模の大きいというか、そういうものにね、検討をですね、した方がいいと思うんですけれども、その2点についてどう思われますか。すぐというのはなかなか無理かもしれませんけれども、後でもいいですけれども
(大臣)いつも清水さんの御質問はすごく考えさせられる質問が多く、2点目についても、私、何で太陽光を言っているかというと、これは恐らく、いかに46%、50%の目標を達成しようかという立場に置かれたら、誰もがその結論に行くと思います、私じゃなくても。それが残された選択肢ですから。リードタイムが短く、いかに再エネが入るのか、2030年までという時限を考えたら間違いなく太陽光、それは好きとか嫌いとかを超えている話だと思います。その中で屋根置きという話をよくしますが、これは屋根置きだけを言っているわけではなくて、未利用で活用できるところはどこでもだと思っています。ですので、今、農水省とも連携をして耕作放棄地、そういったこともそうですし、今、清水さんが言った電力会社の敷地の中、そういったところもぜひ進めてもらいたいと思いますし、電力事業者というと、「それは経産省です」みたいな話になると思いますが、我々としても、今、経産省と再エネをやらなきゃいけないというところは頭は同じですから、今の清水さんのアイデアもしっかり共有をしたいと思います。そして、1点目のエネルギー基本計画はもはやエネルギーだけではない、これは私も同じ考え方です。特に日本の中で脱炭素というとエネルギーばかりが注目されます。もちろんエネルギー分野を脱炭素しなければ脱炭素社会は実現できないので、それは当然のことだと思います。ただ、やはり他の国々と比べて、まだ日本の取組として強化しなければいけないのは行動変容を巻き起こすための施策、例えばヨーロッパにおいては、電車と飛行機で2時間半以内の路線があれば、飛行機の路線は廃止をするなど、かなり強烈な行動変容をやりますよね。そういったことも含めて、日本の中で、今まで日本は企業の取組を自主的に促すという、この企業の自主性に委ねるというところが多かったんですけど、それだけで2030年までのこの目標達成ができるか。私は、一段と踏み込んだ対応も必要だろうと考えています。ですので、エネルギーだけを変えて、そこが変わるのを待っていれば、今までの経済や暮らしをあまり変えなくても脱炭素社会は実現できるんだというのは、これは全く誤解です。暮らしの在り方、経済の在り方も変えていかなければ達成できません。そういった観点から、我々も経産省やエネ庁に対しては意見をしています。また同時に、世界の比較をすれば、こんなに細かいエネルギーごとのパーセンテージを出す国はないですよ。しかも、それに対して使っている官僚の労力といったら半端じゃないですよ。私は、そういった何%から何%というよりももう少し方向性というものを示す、そこでいいんじゃないかという思いはありますけれどね。かける労力は、私はそこじゃないなと。非常に前向きな政策を立案するために、優秀な官僚の皆さんの労力を割くべきだと、そういうふうに思いますね。必要な意見はしっかりと言っていますし、最終的に、今週1つの素案みたいなものが出るのかもしれませんが、正式決定までまだ時間がありますから、そこに向けて、私からも今後とも主張すべきことはしっかり言っていきます。
(記者)関連して、すみません。やっぱり、火力発電のCO2をどう削減していくかというのは、火力分野ですね、やっぱり46%削減にとって非常に大きいと思いますね。そこで、先ほど質問させていただいたことに関連しますが、どんどん火力発電所はフェードアウトといいますか、老朽火力はスクラップの時期に差し掛かっているのが、年間500万キロワット以上あるわけですよね。プラス石炭火力の30年フェードアウトという課題も待ち構えている。ということは、雇用問題やそういう観点から見てもね、地域にとっては、やっぱりそういうスクラップ対象の火力発電所、経年火力の発電所の再活用というものがね、非常にグッドチョイスだと思うんですけれども。これは経産大臣に言った方がいいという話になるかもしれませんけれども、ぜひそういうところの問題意識を提示してもらいたいなと思います。
(大臣)清水さんの意見として承っておきたいと思います。

(記者)日刊工業の松木です。すみません、大臣に聞くには細かい話かも知れないですが、ジャパン・パビリオンの要件で、「オンリーワンやナンバーワンの技術の出展を求めたい」ということでしたけれども、応募条件の5番目にある「営利を目的としないこと」ですとか、「特定の企業、商品又はサービスの宣伝等に利用しないこと」というのが、大臣がおっしゃっていたことと矛盾するような気がして、ちょっと分かりにくいかなと思ったのが1つと、このパビリオンは、技術の展示だけではなくて、他国のようにビジネスリーダーが集まって、CEOなどがディスカッションするような場も持ってほしいなというのが要望です。
(大臣)1点目、これはちょっと確認させてもらいます。おっしゃるとおり、最終的には世界での技術、そして市場を取っていかなければいけない話で、それにつながるために展示するわけですから、それがいったいこれは何のためにやるんだというふうに思われたらよくないので、ちょっと確認させてもらいます。それとディスカッション、これは、前回COP25のときも、かなりサイドイベントでパネルディスカッションもあったように、今回も、例えば福島から参加いただく自治体もそうですし、企業、これは経団連の皆さんともCOP26の参加協力、こういった話も、以前もしています。ただ、あとですね、これが最終的にリアル開催というところと、私はそのつもりでいますけど、最終的に企業の皆さん、政府関係者ではない方が、このタイミングで、コロナの状況もあってどう対応できるかということも絡んでくると思いますので、オンラインも今回やりますから、そういったところでの参加も含めて、ディスカッションの時間も取っていきたいと、そういうふうに思います。あとは事務方から、今の1点目について、もしあれば。
(事務方)おっしゃるとおりでして、ぜひですね、企業の優れた技術を紹介していただくという場です。ただ、単に技術を紹介するというか、自社製品を紹介するというだけではなくて、この技術がどういう観点でCO2削減とか、脱炭素社会に貢献するのかという、そういう観点を強調していただきたいということで、「特定の企業の宣伝でないこと」、「営利でないこと」というふうに書いてあります。ちょっと分かりにくい点があるかと思いますので、募集要項にはしっかりその辺書いてございます。また、ちょっと、どういうふうに公募したらいいかというのを考えていきたいと思います
(大臣)正確に言えば、「営利のみを目的としないこと」ということでしょう。
(事務方)そういうことでございます。
(大臣)なので、これ、ちゃんと変えさせます。御指摘ありがとうございます。

(記者)フジテレビの安宅です。大臣も野球をされていて、鳥取県の高校球児の話をどう受け止めていらっしゃるのかというところと、今週からオリンピックが開催されます。いろいろまだ波紋がありますけれども、そのオリンピックについて現在どう感じていらっしゃるかをお聞かせください。
(大臣)鳥取の米子松蔭高校ですか、再試合が決まり、明日が試合だと思いますけど、私も元高校球児として、仮に今回の決定が覆る前の状況であったら、学校の関係者の方1人がコロナで、野球部の関係者には出ていない、そういった中でそのまま引退ということですよ。こんな引退は、高校3年かけてやってきたことを、燃え尽きることはできないですよね、やり切ったという。ですから、私も発信もしましたし、総理や萩生田大臣にも、これはちょっとどうなんですかねというお話はさせてもらいました。ぜひ明日、思い切ってプレーしてもらいたいと思いますね。そして、オリンピック、これは明日から福島県で、ソフトボールが開催されると思います。私はその明日から日本を離れますので、隔離期間中も含めれば、オリンピック期間中はほとんど外国に加えて隔離ということになりますので、外国にいる間は恐らく見る時間もないでしょうから、帰ってきてから隔離期間中、その隔離の中で、家でしっかりと応援をしたいというふうに思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/BSn0CF39xf4

(以上)