大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和3年6月4日(金)8:42 ~ 8:54 於:衆・分館1階ロビー)

1.発言要旨

 今日は閣議の関係はありませんが、冒頭2点あります。1つが環境月間について、そしてもう1つが環境省と文科省の連名の通知についてです。 まず、明日、これは「環境の日」であります。今回、この「環境の日」を目前にした中で、環境省の提出した法案が4本、無事に成立の見込みとなっていること、私が入院で1回抜けた中でも、無事に全ての提出法案がこのように順調に進んできたことは、支えていただいた職員、そして関係の与野党の先生方を含め、本当に多くの方のお陰です。大臣としても、ほっとしています。最後まで緊張感を持って今国会に臨んでいきたいと思います。そして、明日が「環境の日」で、今月が「環境月間」ということですけど、今までの様々なキャンペーンをやっていたものを、もう少し統合的に今月やるべきだということで、今年度からはごみのリサイクル関係、そしてオゾン関係、そして地球温暖化防止月間、大気汚染、こういった4つの週間などを今月、集中的にやっていこうということになっています。お手元の資料のとおりです。なかなかコロナの中ですけど、オンラインとかも通じて、様々な催しなどが開催されることを期待しています。そして2点目が、これは文科省との通知ですね。6月2日に改正温対法が成立されたことを受けまして、やはり学校現場でのカーボンニュートラルの教育などが非常に重要だということで、文科省と連名で通知を出すことになりました。このことによって学校の教職員の皆さんの教材、そしてまた生徒の皆さんにどのようにポイントとしてお伝えいただきたいか、こういったことについても分かりやすく、我々としても協力をしたいと思います。今日は冒頭2点、以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社共同通信の水内です。今月、プラスチック新法が成立する運びとなりました。資源循環と温室効果ガスの排出、現在は一括回収なんですけれども、現時点でごみ収集の見直しに慎重な自治体もあるようです。実際に多くの自治体がどう進んでいくのか、実現できるのかどうか、見通しやお考え、お聞かせください。あと、常々おっしゃっている、頑張っている自治体へのインセンティブというのはですね、今後具体的に行われていくのでしょうか。
(大臣)今後、自治体が進んでいくように、我々がなぜこのプラ法を出したのか、この意義というのもしっかりと説明をさせていただきたいと思いますし、世界の中で、今までだったらごみを出して輸出をして、こういう環境すらももう変わってきて、我々国内で処理をしなければいけないということも含めて、気候変動対策とこのプラスチックの資源循環、サーキュラーエコノミー、こういったこともよく御説明させていただきたいと思います。そういった中で、我々として今回の制度で一括回収のモデル事業とか、またあと、やっぱりポイントになるのは循環交付金、この循環交付金の要件として、もう明確に回収を含めて、燃やすんじゃなくて分別回収なんだと、こういった新たな方向へと明確にしています。これも今までの答弁で言っているとおり、もはや熱回収というものはリサイクルではないということを明確に、これからも言い続けていきたいと思います。そしてインセンティブについては、昨日ホームページで今回初めて公表しましたけど、自治体ごとの回収したプラスチックの品質、これを1位からずっと自治体名を挙げて出していますから、こういった頑張っているところが一目瞭然になったことで、しっかりそういったところが支えられるようなインセンティブというものを今後もどのような形でできるか、今、省内でも議論をしています。そして、ごみの有料化など東京23区はまだやられていませんが、このごみの有料化などにしっかりと取り組もうと思っているところも、我々としては評価をすることに、この循環交付金もやっていますので、こういったことを1つ1つやって、ごみのカーボンプライシング的なことが、頑張っている福岡の柳川市とかも含めてですね、住民の皆さんに理解を求めながら頑張っているところがちゃんと報われるようにしたいと、そう考えています。

(記者)フジテレビの鈴木です。今、環境省さんのほうで取り組まれているサステナブルファッションについてお伺いします。改めて、その狙いと、中でも洗濯による繊維ごみがまた海洋プラスチックの問題にもつながっていくわけですが、それについてのお考えをお願いします。
(大臣)その洗濯によるマイクロプラスチックが流出して海洋汚染になると。この対策で頑張っている民間の事業者もいますので、マイクロプラスチック流出防止ネット、こういったことも環境省として紹介もしています。今、隣で梶山大臣が会見をやっていますけど、経産省ともこのファッションロス、この問題は連携して取り組んでいます。さらに、今日井上大臣とも話をしまして、消費者庁も連携して、このファッションロスというものが、食品ロスとファッションロスと、そしてエネルギーロスと、非常に大きいと。今後、国民の皆さんにカーボンニュートラル時代に行動変容をお願いしていくときに、一緒に訴えることができないかということで井上大臣の方からもお話しいただいたので、今後、関係省庁の連携を強化して、このサステナブルファッションの取組も発信をして、国民の皆さんに、変わる必要性を訴えていきたいと思います。

(記者)東京新聞の蒲です。長崎県の五島列島で、最大級のオオスリバチサンゴが国立環境研究所の調査で確認されました。西海国立公園内に生息しており、サンゴ礁学の権威で三重大学の目崎茂和名誉教授が、天然記念物指定が必要な貴重なサンゴと指摘しています。そこで御質問ですが、1つは、大臣は、このサンゴの生息状況についてどう把握していらっしゃいますでしょうか。それから、2番目が、明日6月5日は「環境の日」でもありますが、生物多様性保全の観点から、西海国立公園内で確認されたオオスリバチサンゴについて、海域公園地区への指定など保護などの面で、どんな施策が今後必要とお考えでしょうか。
(大臣)まず私としても今回、国環研の調査で、学術分野で記録されている中で最大級のサンゴが発見された、そういった可能性があると明らかになったことは聞きました。今御指摘のとおり、海域公園地区の指定、こういったことがどうかということですけども、それも考えられると思います。ですので今後、地元の関係者とよく話して、いかにこの保全と利用を進めていくか、よく検討したいと思います。そして天然記念物がどうかということに対しては、これは天然記念物指定は最後は文科省になりますので、文科省の方でも考えられることなのではないかなと、文科省にもお尋ねいただきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。環境新聞の記事で、岸防衛大臣が国家安全保障戦略の見直しをされる際には環境安保の盛り込みに意欲を示されましたが、受け止めをお願いします。
(大臣)岸大臣とは連携を深めて、先週も意見交換をさせていただいた中で、環境、気候変動がもはや国家安全保障の問題であると。この認識を共有できたことは、今御指摘のような「環境安全保障」という言葉なのか、「気候安全保障」なのか、世界の中ではいろんな表現がありますが、間違いなく日本の中でもその認識を防衛大臣とも共有していると、その段階に来たということだと思います。

(記者)毎日新聞の鈴木です。先日、国のほうで策定した成長戦略の素案について。原子力政策をめぐる表現について、経産省が求めていた「最大限活用」という表現が修正されたことが一部報道で出ていました。その修正をめぐっては大臣や河野大臣が反対したという報道もあるんですけれども、それについてどう受け止めていらっしゃいますか。
(大臣)今までも会見で、「低エネルギー政策については、所管じゃないけどどうするんですか」という問がありました。そのときに私がずっと言っていたのは、気候変動対策全体を取りまとめる立場として、「必要な意見は申し上げる」と言いました。必要な意見は申し上げました。そして、なぜ菅総理がカーボンニュートラルの宣言をしたのかといえば、原発を最大限活用するためではなく、再生可能エネルギーを最大限導入し、それを、再生可能エネルギーを最優先の原則で進めるというその意思です。これはずっと言っているところです。ですので再エネ最優先、最大限導入、こういった形で菅政権はカーボンニュートラルの実現に向かっていく、そして国家の自立も高めていく、その方針が菅政権の方針だと、私も必要な意見は常に申し上げています。

(記者)テレビ朝日の藤原です。昨日ですね、国交省と経産省との三者で住宅分野の脱炭素化に向けての会議が開かれまして、そこで素案として、「住宅の太陽光パネルについての義務化」という言葉は、文書の中には盛り込まれていませんでしたが、大臣としてのお考えを教えてください。
(大臣)義務化が否定されたわけではなくて、やはり率先してやるのが大事なのは公共部門だと思っています。今日もいろいろ報道が、表現はいろいろありますけど、「公共部門は原則、太陽光パネル設置」、そういう方向性になっているのは、やはり義務化のような措置も考えながらの議論でなければ、「公共部門の原則、太陽光パネル設置」すら私は議論の高まりを見せなかったと思いますね。ですので、まずは公共が示していく、そして国や自治体ですね。その中で、例えばカリフォルニアのように、様々な例外規定はありつつも、使えるところは徹底的に活用していくという中で、民間の動きを後押しをしていくような流れが生まれればいいんじゃないかなと。だから、いい議論ができたと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/X42z_3OtSZM

(以上)