大臣談話・大臣記者会見要旨

G7気候・環境大臣会合(5月21日)小泉環境大臣発言

 生物多様性条約COP15 と気候変動枠組条約COP26 の「二つのCOPの成功」が今年の目標であり、このG7 会合は、それに向けた機運を高めるよい機会であり、英国のイニシアティブに改めて感謝。

 人類の生存基盤である生物多様性を保全し、自然と共生する社会を実現するために、今、経済社会のリデザインが必要であり、あらゆる手段をこの目的に向かって投入する必要がある。

 今回、日本が、Resetting our relationship with nature に関して、力を入れている3つの取組を紹介したい。

 第一に、「2030 年までに、地球上の陸と海の少なくとも30%を保護及び保全する」という目標について。日本は、ワンプラネットサミットの機会に、「自然と人々のための高い野心連合(HAC:High Ambition Coalition for Nature and People)」に参加した。日本は、G7 各国とともに、2030 年までに、生物多様性の損失傾向を食い止め、回復に向かわせるべく全力で取り組んでいく。

 第二に、民間との連携。環境省は、日本最大の経済団体である経団連と約30 年にわたり、生物多様性の主流化に向けて取り組んでいる。生物多様性を経営理念に入れている企業の数は、ここ10 年で255 社とほぼ倍増した。これは世界最高水準である。

 これらの多くの日本企業は優れた技術、製品、サービスを活用して生物多様性保全に貢献している。環境省と経団連では、こうした優良事例をとりまとめており、新しい国際枠組である「ポスト2020生物多様性枠組」の達成に貢献する具体的なソリューションを世界と共有したい。

 第三に、「SATOYAMA イニシアティブ」。地域資源の持続可能な利用と生物多様性保全を進め、気候変動対策にも資するものや、サーキュラーエコノミーへの移行を含む地域的な良き実践例を積み重ねてきた。今後、「SATOYAMA イニシアティブ」を踏まえた生物多様性国家戦略が策定されるよう、途上国を支援していく予定である。

 日本は、環境と地域経済再生の好循環へのsolution を提供するこのイニシアティブを、多くのパートナーとともに発展させていく。共に、2つのCOP の成功に導こう。