大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和3年4月20日(火)8:38~8:50於:衆・分館1階ロビー)

1.発言要旨

今日の閣議におきまして、皇居外苑における御製碑の設置について了解が得られました。この閣議了解は、天皇陛下の御即位を奉祝して民間団体などが天皇陛下が詠まれた和歌を刻んだ石碑を皇居外苑の和田倉噴水公園に設置したいという申請があり、その許可に先んじた手続として行ったものであります。和田倉噴水公園は、上皇陛下の御成婚の際に整備され、天皇陛下の御成婚の際に改修された両陛下と御縁の深い場所であります。天皇陛下の御製碑が設置されることで、既にある上皇陛下の御製碑とともに、来園者が両陛下をより身近に感じていただけるものと考えています。
 今日は冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社TBSの亀井です。先日の日米首脳会談で、温室効果ガスのNDCについては特に目標数値の公表っていうのはありませんでしたけれども、そのことについての受け止めと、それを経て現状、また気候サミットが今週開かれますけれども、環境省として数値の調整状況、また大臣として野心的な数値になっているとか、実現可能なもので積み上げたものの数字なのか、その辺の感触を教えてください。
(大臣)まず、日米のこの会談の最大の成果の1つは、初めて気候変動に対して協力の枠組みができたということですね。このパートナーシップが出来上がって、その中で1.5度目標の達成に向けて協力をするということが明確になったこと。そして両国共に再生可能エネルギーというものをまず最初に持ってきたこと。そして3つ目が、この気候変動の対策において自治体の役割というのが非常に重大だという認識を両国共に共有したこと。これは環境省が今までずっとゼロカーボンシティのことを広めてきましたけど、こういった認識が世界にも、日米にも広がったという、私としても非常に嬉しく思っています。ですので、日米がこれから、結んだパートナーシップが今後の気候変動対策における1つの礎として、基盤として間違いなく歴史的にも生きてくると思います。
 そして、その数字の調整状況ということですが、昨日の総理の有識者会合での発言で22日を1つの節目にという話がありました。まさにそれに向けて、最終調整まで、最後まで関係閣僚、関係省庁と緊密に調整を進めていきたいと思います。

(記者)日本経済新聞の岩井です。再生可能エネルギーの部分に関してお伺いします。先日開かれた資源エネルギー庁の審議会で、2030年の再エネの目標に関して議論が出されまして、その中で委員から温対法を通じて確保する再エネの経常的な数値が必要という意見が出ていましたが、大臣の見解はいかがでしょうか。
(大臣)まず、温対法の中で促進区域を設定していきますので、鍵となるのはやはり自治体が活用していただけるかどうか、こういったところがポイントですから、今からしっかりと周知も広報もやって、法律が成立した暁には、それを多く使っていただいた結果、再エネが広がると思いますので、そこに向けてしっかりやっていきたいと思います。
 エネ庁の会議の御意見というものはしっかり受け止めた上で、両省が連携して、とにかく頭が合っているのは、再エネが進まない限り2030年の目標を積み上げプラス野心で達成することはできませんから、とにかく再エネ。あと9年間で入れるためには、やはり鍵は太陽光ですから、その後に少しリードタイムの長い風力とかが出てきますけど、やはりそこまでできるものは徹底的に、これは政府を挙げてやることだと思います。

(記者)毎日新聞の鈴木です。先ほどおっしゃっていた日米の共同声明の中で、1.5度に制限するという踏み込んだ答弁もありました。今回の共同声明の中で特に文言調整において大臣がこだわったところ、特に思いを入れたところはどこかということを教えてください。
(大臣)1つは自治体ですね。やはり自治体の皆さんの強力な後押しのお陰で私は日本も政府としてのカーボンニュートラルもあったなと思いますので、今後それが日米の中で間違いなく1つの共有する問題意識として位置付けることができたこと、これは非常に私としては意義深く感じています。
(記者)1.5度は日米双方の要望で入った表現なのか、その辺の経緯を話せる範囲で教えてください。
(大臣)経緯は私からつまびらかにすることは控えますが、いずれにしても最大のポイントは、1年前だったら誰が想像しましたかね、日米で気候変動がパートナーシップができるなんて。この日米の同盟の関係の中で新たに脱炭素、気候変動、この協力の領域が広がったということが私は最大のポイントだと思います。

(記者)読売新聞の山下です。国・地方の実現会議についてお伺いしたかったんですけれども、今回のポイントと、NDCで政府が高い目標を示した際に、そういう議論も今後の国・地方の会議にどういうふうに影響があるかどうか、お聞かせください。
(大臣)いずれにしても、2030年目標を2050年カーボンニュートラルと整合的なものにしていくということは間違いないので、今までの2050年までの80%で、26%2030年に削減をするという、この前提ではない頭でロードマップを作っていこうとやっていますので、仮にこれから目標が変わったときにも対応できる、それだけのものを用意しなければいけないという頭でやっています。

(記者)朝日新聞の川田です。22日からの気候サミットで期待することと、ポイントは何かということを教えてください。
(大臣)総理が昨日1つの節目として判断したいと言ったとおり、やはり日本を含めて世界の主要国がいかに気候変動対策を強化するというメッセージが世界全体に同じような思いで表明することができるか、こういったところがポイントだと思います。それに向けて今、日本は作業、準備をしていますから、最後までしっかりとやっていきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。NDCの基準年について伺いたいんですけれども、今、提案上は13年比、30年度目標だと思うんですけども、この30年度という中間ゴールをずらすとか、これらの設定を変える考えはないでしょうか。
(大臣)それはまず日本だけでやれることでもないので、世界の中でパリ協定で何年ごとにレビューをするかという、それも様々各国の交渉の立場があります。ですから、2030というのがまず1つの、今、中間目標として世界各国がNDCとしてこれから出していくものなので、それはそれで日本としてはしっかりやった上で、ただ何度も言っているように日本の事情はあと9年間で入る再エネは限られていますから、その再エネをある程度の今後の長期的なトレンドを見据えたときに、30年以降に角度がぐっと上がって入ってくることも見込まれるということも含めて国際社会に発信することが大事じゃないかなと思います。いずれにしても大事なのは、2030が中間目標と言われるように、中間ですから、目標はまさに1.5度目標というのは、日米で共に共有したあの1.5度というのは、2050年のカーボンニュートラルに整合的にするには1.5度なんですね。今までみたいに2度だとすると2050年に間に合わないんです。なので、この2050年のカーボンニュートラルに整合する、そういったこれからの経路を世界全体、特に主要国でしっかりと示せるか、こういったところがポイントですね。

(記者)NHKの吉田です。日米の関係で、少し抽象的なことになってしまうかもしれないんですけれども、伺わせてください。今後の日米関係、特に脱炭素の分野なんですけれども、日本とアメリカを比べると財政規模が違うと思いますが、菅政権で設置した脱炭素基金が2兆円に対して、アメリカのバイデン政権で用意したアメリカン・レスキュー・プランでは大体2兆ドル、100倍ぐらい違う予算をかけて脱炭素化を進めていると思います。財政的な面で見るとかなり違う。100倍くらい違う。かなり非対称的な形になっているかと思うんですけれども、今後、日米で協力して、特にインド太平洋で脱炭素化の支援をする、あるいは両国国内で脱炭素化を進めるというときに、日本としては日米という環境の中で何ができるのか教えていただければと思います。
(大臣)まず、8年間で220兆円というアメリカの額の中には、厳密に日本とそのまま比べるられることができるかといったら、そうではありません。他のインフラ関係とかを含めて結構いろんなものが入った上で220兆を出しています。日本の2兆というのは、これは研究開発です。ですから、これから研究開発の2兆に加えて、私は間違いなくヒト・モノ・カネの支援を自治体に対してもしなければいけないと思っています。人材も含めて、再生可能エネルギーの導入にこれから自治体だけではできないことがありますから。だから、あとはそれを政府全体として、民間の世界で3,000兆円と言われるようなこのESGのお金を地域にも流していくことができるような呼び水となるような政府の政策、これが不可欠だということは政府内でも常々申し上げています。そして、日米で共にインド太平洋に、例えば再エネの協力とか、少しでも高炭素から低炭素への移行が進むように協力をするというのは、間違いなく今回のパートナーシップの中でもそれを見据えたことになっていますから、それが実現をできるように、このパートナーシップをフォローする役割も一つ私が負わなきゃいけないことですから、ジョン・ケリー気候変動特使等も含めて、このパートナーシップに続くような具体的なことが出てくるようにしっかりと両国の連携を深めていきたいと思います。
(記者)その上でもう1点だけ、両国が協力してインド太平洋で脱炭素化を進めていく上で、インド太平洋におけるルールメーキングですとか、すぐに日程はまだないかもしれないですけれど、何か、また会議を開くとか、その辺りの予定や見通しはいかがでしょうか。
(大臣)今、インドというところで言うと、日米豪印というこのQUADの中で気候変動の作業部会、これが立ち上がることはもう既に合意をされています。あとはそれをどうやって動かしていくというのはまだこれからなので、私としては1つそこを具体的に動かしていくということも大事だとは思っています。これは外務省とも連携をしなければいけないことですけど。それに加えて、環境省としては、自治体を、クアラルンプールと東京が共に協力をし合って2050年のカーボンニュートラル宣言をしたように、これをいかに次にまた生んでいくか。そして、インドネシアの廃棄物発電で具体的に環境省も入る形で今回第1号案件を作ったように、このプロジェクトを1個1個進めていくということをしっかりとやっていきたいと思います。

会見動画は以下にございます。
https://youtu.be/gobNb15GlG4

(以上)