大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和3年2月16日(火)8:57~9:31 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は閣議案件はありません。そして、冒頭2点あるんですが、1点目が、震災10年を迎えるに当たりまして福島県知事との会談を行いますので、そのことについて触れたいと思います。2点目が国・地方脱炭素実現会議のヒアリングも今日行いますので、それについてもやりたいと思います。ただ、今日はその2点の前に、アイスブレイクの話じゃないんですけど、災害、地震もありまして、この機会に改めて被災をされた皆さんにお見舞いを申し上げたいと思いますし、環境省としては、食品ロスの削減とかこういったことも考えて実行している中で、改めて今回、備蓄のことに関連して少し国民の皆さんに知っていただきたいなというふうに思うことがあって、一つ紹介をしたいと思います。
 今日はペットボトル、このお水をちょっと持ってきたんですね。なぜかというと、結論から言うと、賞味期限切れの備蓄を簡単に捨てないでいただきたいと、そういった思いです。それは食べ物も、例えば備蓄されているものからすると、缶詰とか長期保存の可能なものはよく備蓄として使われると思うんです。ただ、これはこの前の国会答弁でも言ったんですけど、3年以上持つもの、そういった長期保存ができるものに何年何月何日という、そういった日付に過度に頼り過ぎることなく、賞味期限というのはあくまでもおいしく食べられる目安、おいしい目安が賞味期限だし、そういったことを考えて御自身でも判断いただきたいと思います。ある専門家の方によれば、かなり甘い糖分を使っていたり味付けが濃いもの、こういったものであれば、研究のものでは10年以上たったものを開けても全く菌が入っていない、そういったことも発表されていますし、例えばお米や乾麺とかこういう水分があまりないもの、そういったものについても賞味期限として設定されているものに比べても何年も食べても全く問題ない、そういったものが単純に賞味期限を見られて捨てられる、こういったことはできる限りないように、この機会に改めて訴えたいと思います。お水なんですけど、これもペットボトルに入っているお水はこのキャップのところに日付が書いてあります。ただ、これは飲める日が書いてあるわけではなくて、このペットボトルに、蒸発をしてもこの期日までは表示された量が入っています、それが書いてあるのがこの日付なんです。だから、飲めるかどうかは全く関係ないんです。これが少しでも過ぎていると水が大量に捨てられる、こういったことも起きている現状なので、この機会に、今回、行政の方で保管をしている備蓄の中でもこういったものがあるかもしれませんし、個人のお宅でそういうものがあるかもしれないので、ぜひこの機会に、お水に書いてあるこの日付の表示は飲めるかどうかの期日ではないと。安易に捨てないでいただきたいし、ぜひそういったことを知っていただきたいなと。そのことによって少しでも食品ロスを減らせればそれだけCOも減る、脱炭素の方向にも資するということですから、ぜひこういったことも知っていただきたいと思います。
 その他、あれですね、世の中脱炭素がますます動いてきましたね。何とジャガーがこれから全部電動車にするという報道もありますし、私は感銘を受けたのは、日本の軽自動車の代表でもあるスズキさんの会長のお話ですね。私は、ジャガーという高級車がEVの方に行くのはある意味合理的な方向性だろうと思うんですけど、一般の多くの皆さんに求めやすい、そういう多くの方にとっての足になっているこの軽自動車の分野でも、少しでもEVを進めていく。経営者というよりも一人の人間として、1%でもカーボンニュートラルに近づけたいというこの鈴木会長の思いには感銘を受けました。こういった企業が少しでも前に進みやすいように、この国・地方の脱炭素会議でも地域が元気になるような、そういう政策を練っていきたいなと思っています。
 それでは、1点目、冒頭長くなりましたが、福島の知事の面談についても触れたいと思います。来月11日、東日本大震災から10年の節目の日を迎えます。福島が本格的な復興・再生に向けて取り組むステージや歩みを進めるこの機会に、政府として、そして環境省として何をすべきかについて様々検討してきました。大臣就任当初に知事とお会いしたときに、知事からは「苦渋」と「信頼」というこの言葉を忘れないでもらいたいと言われました。それは中間貯蔵施設、この立地地域の皆さんに大変重い御決断をいただいたこと、これがまさに苦渋の決断であり、その後、復興を進めるにおいては信頼が不可欠だという知事の思い、そのとおりだと思います。そういった思いを改めて自分の中でも考えたときに、また環境省という組織として考えたときに、この節目に改めて今まで以上に力を入れなければいけない課題だというふうに思っているのが、2045年までの県外最終処分の実現に向けた取組を前進させる、そのことが最重要課題であると改めて今感じています。除去土壌などの再生利用、そして最終処分に関する全国的な認知度が残念ながら低いという課題に対して、福島の復興は福島だけの課題ではなくて日本全体の課題であると、そういう思いで取組を強化していきたいというふうに思います。また、知事からは、震災の記憶のない福島の小中学生が出始めているという強い問題意識を私は受けました。こういったことに対しても強く共感をするものもありますから、この後、知事とも更に意見交換を重ねて、この知事の思いを形にするような取組も環境省として実現をしていきたいと思っています。こうした背景から、今後の福島の復興に向けた取組について、今週19日金曜日に知事とウェブでの会談を行います。当日、知事から忌憚のない御意見を頂いて、改めて、福島のための取組をしっかり考えて進めていきたいと思います。また、東日本大震災から10年の節目に関する取組の一環として、来月12日金曜日、そして13日土曜日に、福島のJヴィレッジでシンポジウムを開催する予定です。いろいろコロナもありますけど、事情が許せばこのシンポジウムに出席をして県民の皆さんとともに、改めて復興の思いを共有したいというふうに思います。1点目は以上です。
 そして、2点目が、今日ヒアリングが5時からありますが、「国・地方脱炭素実現会議」、これについて触れたいと思います。改めて、環境省は今、全省を挙げてこの「国・地方脱炭素実現会議」という、環境省にとっては初めて官邸で事務を担う、そういった会議を実りあるものにするための検討を進めています。この会議の目的というのは、5年間で集中的に先行的なカーボンニュートラルのエリアをつくって脱炭素ドミノを展開していく、そして、この会議の出口としては、ライフスタイル分野、特にこの分野についてロードマップを作っていく、これがこの会議の主な目的です。各部局横断で全省を挙げて取り組むと同時に、関係している省庁とも意見交換を重ねています。今日ヒアリングを行いますが、関係する省庁や出席メンバーになっている自治体の関係者の皆さんにも入っていただきます。そして、今日のテーマは「地域における再エネの持続的な普及拡大」がテーマです。出席者の中には、バイオマスにより消費電力が100%再エネ化、そして地域活性化を目指している岡山県真庭市の太田市長や、国内外で自然エネルギーによる地域振興事業を進めている千葉エコ・エネルギー株式会社の馬上社長など、7名の方々が参加をされます。私も議論に参加しながらヒアリングを実施していきますので、プレスの皆さんにもオープンになっていますので、よければお時間が許す方は議論を聞いていただければと思います。来週は第2回を行います。「消費者、住民の脱炭素につながるアクションを広げる方策」、これが第2回のテーマです。さらに、3月にも数回ヒアリングを実施する予定ですので、こういった一連のヒアリングを通じて様々な方々から今後5年の集中期間の間に、できる限り多くのゼロカーボン、このエリアを創出するために必要な具体的なアイデアを伺いたいというふうに思います。このヒアリングを踏まえて、4月に予定されている第2回の官邸で開催される「国・地方脱炭素実現会議」でロードマップ、そしてその実現方策の検討を更に深めていきたいと思います。私からは冒頭、今日は以上です。

2.質疑応答

(記者)フジテレビの三上です。今おっしゃった、国・地方脱炭素実現会議について、3月のテーマがもし決まっていたら、検討したりとかしていたら、お願いします。また、4月の官邸会議の中ではどういったところを中心に議論していくのか、追加で何かありましたらお願いします。
(大臣)まず、3月のヒアリングは、もちろん今日と来週の2月のヒアリングも受けて、改めてこういうテーマがいいね、こういう方々に聞きたいねというものが出てくるとは思いますが、基本的には自治体の取組を伺いたいと、そんなふうに思っています。そして、4月、官邸で開催される第2回の本体会議、これがどういう会として位置付けているかということですが、ここで脱炭素ロードマップ、この素案を示していきたいというふうに思います。ですので、今月、来月、この4月に開催される2回目の会議のロードマップの素案作り、こういったことに傾注すると、そういった動きになると思います。

(記者)読売新聞の山下です。先ほど大臣から発言があった最終処分場の関係なんですけれども、おっしゃるとおり非常に重要な課題だと思うのですけれども、一方で、他県で最終処分場を選定することは決まっていると思うのですけれども、かなり難航するんじゃないかとか、専門家からは2045年は現実的ではないのではないかとか、厳しい意見も出てきているかと思うのですけれども、今後どのように最終処分場の合意形成なり決定をしていかれるお考えか教えてください。
(大臣)簡単な課題ではないというのは重々承知した上で、この福島の原発事故のときに多くの方が改めて認識をしたことは、福島で、原発でつくられた電力を我々首都圏に住んでいる一人一人が使っていたという、そういう事実ですよね。改めて、この最終処分の課題は福島県だけの問題ではなくて、日本国民全体の課題として御理解をいただけるように、環境省として2045年までに最終処分場を福島県外に確保する、こういった約束を法律にも基づいて私たちは進めていく決意です。ですので、簡単に御理解を得られるものではないというのはそのとおりだと思いますが、誰が汗をかくのかといったら、環境省が汗をかかなきゃいけないし、ぼこぼこになっても少しでも御理解を得られるように多くの方々にその必要性と、我々が取り組んでいく中で福島県の皆さんのまさに苦渋の思い、そういったことも我々からもお伝えをしていきたいと、そういう決意です。改めて、そんなことも福島県知事と19日にもお話しをしながら、今後、具体的にどのように県外の皆さんに御理解を求めていけるのか、そういったことも考えていきたいと思います。

(記者)共同通信の田井です。先ほどアイスブレイクでお話しいただいた、備蓄食材などの件で、我が家も、ようかんは長期保存が可能だということを改めて知らせていただいた気がするのですけれども、この備蓄食材は自治体も含めていろんなところでロスが出ていて課題だという認識はあったと思うのですけれども、身近なところも含めてどういった対応や対策が可能であるか、お考えがあればお願いします。
(大臣)まさに、ようかんなどは甘いですし、あれだけ糖のあるものは比較的長く持ちますから、よく言われるのは賞味期限の2割増し、こういったことで大丈夫だというのは専門家の方もよくお話しされています。まず、何よりも五感をしっかり使って自分で確かめてもらいたいというふうにも思います。それと併せて、備蓄を賞味期限が切れたからといってそのまま捨てるのではなくて、例えば昨年、農水省が何をやったかというと、備蓄の中の賞味期限切れのものを福祉団体に寄付をした。これはもう国の中で運用の方を変えまして、賞味期限切れのものでも提供できるようにしてあります。なので、今、環境省としても、昨年農水省が先駆けとなってこういったことを実現いただいているので、環境省が持っている備蓄の中でもそういった形で無駄にならないような、そして歓迎されるような形で実現できるように、我々としても特に食品ロスの観点からも、フードドライブとかフードバンク、こういったことも含めてできることがあるのではないかなと思いますので、我々環境省としてもできることを考えたいと思います。あとは、一人一人個人の生活の中では、例えば時々備蓄用に買ってあるものを日常の暮らしの中でその備蓄の一部を使ってもらう、それで、また使ったら新しいものをそこに買い足して備蓄の側にストックをしていく、これはローリングストック法と言うんですけど、そうやっていけば備蓄のものが賞味期限切れになることをずっと防げるわけですよね。こういった生活スタイルもひとつ、いつ自然災害、地震があるか分からないという日本の中ではより多くの方に実践をしていただければなと思っています。

(記者)テレビ朝日の藤原です。カーボンプライシングについて、明日経産省でも検討会が始まっていくかと思いますが、一部報道を見ていますと、経産省は夏ごろには取りまとめを目指しているとありましたが、それらを含めて環境省としてはいつごろを目指すのか、改めてお聞きしたいのと、経産省としての結論、環境省としての結論になると思うのですが、政府としてはどう取りまとめていくのか、今回二つ立ち上がっている意義を含めて伺えたらと思います。
(大臣)まず、カーボンプライシングが今回、経産省、環境省共にスタートする、その経緯をもう一度お知らせしたいんですが、これは総理の指示の下で、私と梶山大臣でそれぞれ検討を進めるようにという指示を受けて始まっています。ですので、梶山大臣にはお話をしてありますが、明日の経産省のカーボンプライシングの会が終わったら、私と梶山大臣でもう一回総理のところに行って、それぞれの現状を総理に対して報告をする機会を一緒に持ちましょうと。それで、最終的にはこれは総理の指示の下で始まっていますから、総理の決断、そういったものがもちろんなければ進まないものでもありますから、我々としては総理の判断に資するような実りある具体的な議論を重ねていきたいと。経産省とも連携をして、そして明日の会議は環境省からも事務方が出席をしますので、お互い情報共有をしっかりしていきたいと思います。また、経産省の方はメンバーの中には日商も入るという話も聞いていますので、我々の方にも日商に入っていただいたらどうかという声もありますので、今後、日商の皆さんにも小委員会の委員に加わっていただく方向で我々も考えているところです。

(記者)産経新聞の奥原です。関連で、日商の方にはもうカーボンプライシング小委に入っていただくように打診などはされたのかということと、カーボンプライシングは、かねがね大臣は梶山さんと一緒に成長に資するカーボンプライシングと強調されていますけれども、制度上、コスト負担というデメリットの部分は存在します。コスト負担が掛かることに関して今後、大臣はどう国民の理解、業界の理解を得ていきたいか伺えればと思います。
(大臣)まず、日商さんにお話はしているのかということですが、今これはもう既に調整中だというふうに私は聞いています。そして、環境省と日商さんの間では定期的な意見交換を開催することもやっていますので、先日、開催させていただいた私が日商さんに伺って意見交換した際にも、三村会頭を含めて、このカーボンプライシングについての日商さん側の思いも、私も承ったところでもあります。これからも、このカーボンプライシング小委の中でも改めてメンバーとして伺っていきたいというふうに思います。あとは、後半の質問、どうやって理解をということですが、まず全体の少し引いた目からしますと、再生可能エネルギーを主力電源にする、このことは政府全体として目指している方向性です。そして、併せて、中長期のイノベーションのことを考えたときに、水素、これを実現しなければいけない、これも各国、先進国が特に取り組んでいます。日本は世界で初めて水素戦略を作った国でもありますし、世界で初めて水素バスを市場投入した国でもあります。こういった中で、これから日本が各国から追い抜かれない水素社会を実現する上でも、再生可能エネルギーを主力電源化する上でも、いかに他のCOを排出する化石燃料型のエネルギーと比べたときに、コスト競争力を持てるかどうか、これが再エネの主力電源化と水素社会の実現にとっては不可欠な要素ですね。そのときに私は、この水素社会の実現においても、カーボンプライシングのようなそういった仕組みが世界各国が共通として、カーボンプライシングと水素社会の実現というのはセットではないかなと、そういう方向で進んでいます。なので、日本の中で水素社会を実現したいという例えば自民党なんかの議連もあります。そして、水素社会を実現するために頑張っている岩谷産業さんとかトヨタさんとか、いろんな企業もあります。そういった水素というプレーヤーの皆さんに対しても、このカーボンプライシングの意味、国際的な動向、こういったものをお話ししながら、少しでも御理解が得られるように進めていく、そういったことが大事なんだと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。環境外交についてお伺いしたいと思います。去年の10月のカーボンニュートラル、地球温暖化官邸の会議とか、あるいは今通常国会の菅総理の施政方針演説、環境外交の重要性を指摘されると思います。国際的な発信にも取り組むようにという指示もありました。それから、各国との連携を強めるということもありました。そこで伺いたいのは、中国に対する日本の対応あるいは小泉大臣の考え方、御承知のように、中国は最大の排出国でもありますし、かつCOの削減目標も2060年カーボンゼロとか、あるいは2030年にGDP当たりの排出量以下だとか、目標についても、世界の標準レベルからは非常に遅れているという現実があると思います。冒頭、大臣がおっしゃったスズキ自動車の社長の話に比較すると、国内の努力をやっても、何か中国のためにやっているような感じすらしなくもない状況だと。環境外交で小泉大臣は、日本がアジアとしてのリーダーシップに対応されていく中で、中国の削減強化、これは必須だと思います。その辺はどうお考えになっているかお聞かせください。
(大臣)清水さんと同じく、中国の削減策の強化が必須だと思います。2060年のカーボンニュートラルも、我々先進国が表明しているものと比べて10年遅い。そして、2030年までにピークアウト、こういったことも、我々既にピークアウトしている中で、これからも排出を続けるということですから、このことをそのままでいいとは思いません。そして、バイデン政権、ジョン・ケリー氏、この前、明確にしましたけども、他の外交安保の領域と気候変動対策の協力でディールはしないと、これは私も同じ立場です。こういった中で、世界第1位の排出国の中国が、新たにパリ協定に戻った世界第2位の排出国のアメリカと、そして日本も含めて多くの排出をする主要排出国、こういったメジャーエコノミーの各国と同じような野心の高さでこれからパリ協定の目標実現に向けて歩んでいけるのか、その試金石となる一つが4月22日のアメリカ主催の気候サミットでの在り方だと思います。日本は、日中韓環境大臣会合のTEMMの枠組みもあります。そういったことも含めて、日本だからこそできるアジア、そしてインド太平洋、こういった地域全体が脱炭素の方向に更に前向きに進んでいけるように我々としてできることをアメリカともしっかりと連携してやっていきたい。アメリカと連携をして、インド太平洋全体の脱炭素化を後押しするというのは、まさにバイデン政権が誕生して、脱炭素という領域が日米同盟、そして日米豪印、クアッドともいわれますが、こういった中でも可能性が出てきたんではないかと、そのように思います。
(記者)大変心強いと思います。尖閣列島問題とか、小峰さんあたりに後でフォローしてもらいたいのですが、やっぱり中国の振る舞いというか、そういう面では、こんな気候変動問題を無視してというか、ある意味で努力不足を棚に上げてやっているところは非常におかしいと思います。もう一つ言いたいのは、中国は再エネ産業や何かで、世界である意味で稼ぎまくっているというか、日本の国内市場にどっと来ています。それを自分のところの国になぜ仕向けないか、あるいは石炭火力が35基も40基も、かつ原子力もやるという、そこでピークアウトを2030年以降に延ばすというのは、世界にとってもあるいは日本にとっても、何のためにやっているんだと思います。具体的に日中韓の枠組みをおっしゃったのですけれども、アメリカとか、気候変動で中国包囲網とか、そういう具体的なアクションについて何かお考えありませんか。
(大臣)とにかく大事なことは、今、清水さんがおっしゃったように、2030年の目標、NDCが最も今年大事な一つの試金石であるといわれている中で、2030年までの排出は続けますという、こういったことをそのまま放置するわけにはいかないと、こういった思いというのは、私は各国共有していると思いますし、世界第1位の排出国は、世界全体の目標達成に向けて責任ある行動をしてもらうようにする、そういったためにも何が大事かといえば、中国以外の国々を含めても、我々がこれだけやっていることが結果として中国がより前に対策を進めていくような、そういう環境もつくっていきたいと思います。

(記者)日刊工業新聞の松木です。昨日、日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)から、年末年始の電力の卸取引市場の高騰について、高騰が起きた原因の徹底究明を求める意見書が出ました。原因が徹底的に究明されないと、再生可能エネルギーを扱う電力事業者の新しいプレーヤーが入って来られなくなると思いますけれども、この高騰について大臣の御意見とか御感想があれば教えてください。
(大臣)まず、このことが今まで頑張ってきた新電力、再エネ事業者の皆さんの努力をくじくようなことになってはならないと、そういうふうに思っています。そういった中で、今回、様々な理由は言われています。LNGの逼迫とか太陽光が十分に足りなかったとか。しかし、国会での質疑もこの前、自民党の秋本先生からありましたし、あそこでも建設的な議論が交わされたと思いますが、私はこの問題の本質の一つは、やはり制度の未成熟なところにあるというふうに思います。こういった制度を改めて点検する、必要な見直しをやってもらう。そして、情報公開において、こういったことがなぜ起きるのか、国会の中ではグロス・ビディングの話とか様々ありました。ぜひそういったことも受け止めて、今、河野大臣の下での再エネタスクフォースもこのテーマでも動いています。そして、経産省の方でも、まずどのようなあるべき姿が再エネの主力電源化に資するのか、こういったことでも改めて点検したいということを梶山大臣もおっしゃっています。脱炭素社会の実現には、地域の中で資金循環が起きるような、そういった地域の再生可能エネルギーのプレーヤーが不可欠ですから、今日もヒアリングを行う中にはそういった思いで頑張っている方もいますし、ぜひ経産省にはそういった思いを受け止めて、再生可能エネルギーが今回のことで不当な不信論に襲われることがないようにしていただきたいというふうに思います。

(記者)環境新聞の小峰です。ここ10日ほど、かねがね疑問に思っていたことですが、小泉環境大臣が赤坂の議員宿舎で、総理がお住まいの、たびたび目撃されたという情報があるのですけれども、そして、先ほどのエネルギージャーナル社の清水さんと大臣とのやりとりで、インド太平洋、中国問題から外交問題は大変なことだから、毎晩のように行かれているかなということは分かりましたが、河野大臣や小此木大臣、坂井学官房副長官まで行って、そんなに気候変動問題は4人の大臣が集まるような大事なことなのでしょうか。
(大臣)まず、小峰さんが言われているのは、あくまでも臆測に基づくお話だということで、私は様々な形で総理に対して必要な問題意識を一閣僚として、菅内閣を支える、菅総理を支える立場で情報提供したり意見交換をさせていただいたり、これは必要なことだと思いますので、これからも様々な形でやっていければと思っています。気候変動が重要なことは、総理がグリーン社会の実現、そしてカーボンニュートラルの宣言、そしてカーボンプライシングの指示、こういった総理の具体的な我々に対する指示を見ていただければ、総理の思いが分かると思いますし、おととい、総理は日曜日、トヨタさんと日本製鉄さんとお会いをされています。特にこの2社は、脱炭素社会の実現の中で大きな苦労をされる2社です。EVへの転換、そしてカーボンプライシングを含めて、いかに代替の効かない鉄というものを、どのようにCOを排出しない形で鉄を生み出すことができるのか、大変な御苦労だと思います。そういったプレーヤーに対して、総理はしっかりと目を向けておられる、私はそういうメッセージだと思いますので、こういったことも含めて、総理に対して外交の最重要課題にも挙がってきている気候変動の重要性を、私は一閣僚の立場でこれからも貢献していきたいと、そういうふうに思っています。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/HtzbZzzGU7E

(以上)