大臣談話・大臣記者会見要旨

G20環境大臣会合開会挨拶(小泉環境大臣ビデオメッセージ)

(はじめに)
 日本国環境大臣の小泉進次郎です。議長、本日はトロイカとして日本に発言する機会をいただき、感謝します。本日、やむを得ない公務のため、ビデオメッセージでの参加になることご容赦ください。

 まず議長のサウジアラビア、アブドゥルラフマン・アル・ファドリ環境・水資源・農業大臣、そしてサウジアラビアのチームに対して、G20史上初めて環境大臣による単独の会合をオンラインで開催いただいたことに感謝します。昨年日本で開催した軽井沢大臣会合に続き、G20の環境大臣が様々な環境問題について議論することは極めて重要です。コロナ禍の中での準備は大変だったと思いますが、議長国サウジの努力とホスピタリティに心より敬意を表します。

 私は9月3日、「Platform for Redesign 2020」と題する閣僚級会合を、UNFCCCと主催しました。多くのG20国から、ビデオメッセージ含め参画いただき、ありがとうございました。計96カ国に参加いただき、気候変動関連のオンライン国際会議としては、世界最大規模の会議となりました。COP26が1年延期された中、この会合により、国際的な連帯を強め、気候変動対策の機運を高めることに貢献できました。

 そこで共有されたキーワードは、Redesignと3つの移行です。経済社会をより持続可能でレジリエントなものに再設計(Redesign)するため、脱炭素社会への移行、循環経済への移行、分散型社会への移行が不可欠との認識を共有しました。今後も日本は先頭に立って、国際社会の連帯を強め、3つの移行によるRedesignを進めていきます。

 今回議題として取り上げられる土地劣化と生息地の損失、及びサンゴ礁保全は、いずれも生物多様性保全の観点から極めて重要な課題です。

 今回の会合における議論の成果が、来年5月に予定されている生物多様性条約(CBD)COP15における「ポスト2020生物多様性枠組」( Post-2020 Global Biodiversity Framework)の策定にも貢献することを期待しています。日本は、COP15を機に、地域の自然資源を持続可能に利用する「SATOYAMAイニシアティブ」(the SATOYAMA Initiative)の取組を発展させたいと考えています。

 また、関連して、モーリシャス共和国における油流出事故について、今回の油流出事故に対応してきたモーリシャスの政府と国民に敬意を表するとともに、日本政府としてもこの事故を重く受け止め、モーリシャスの要請を受け、直ちに国際緊急援助隊を派遣し、資機材を提供しました。引き続き、迅速かつ、中長期的な視点で、環境モニタリング等への協力を進めたいと考えます。

 昨年のG20大阪サミットで合意した「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」、「2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロとすることを目指す」。G20を超え、世界の半数に迫る 86の国と地域と共有したこのビジョンを、世界共通のものとしたいと考えています。

 また、その実現に向けたG20「実施枠組」に基づき、議長国であるサウジアラビアのリーダーシップの下、各国の取組をまとめた第2回目のレポートを作成できました。

 この課題解決に向けては、多様な主体を巻き込みながら、それぞれの状況に応じた取組が重要です。日本は今後もこの問題解決に向けた取組をリードし続けていきます。

 本日は、G20各国の閣僚間でこうした重要課題について率直な意見交換が行われ、G20そして世界の連帯の機運向上につながることを心より期待します。ありがとう。