大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年12月8日(火) 10:33~10:39  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は冒頭は1点だけです。温室効果ガスの排出量の速報値が出ましたので、それについて触れて、その後は幹事社に振りたいと思います。日本の温室効果ガス排出量の2019年度の速報値を取りまとめました。前年度から2.7%減少して12億1300万トンとなりました。そのポイントは二つです。一つが2014年度以降6年連続で減少したということ。これは削減目標の基準年から14.0%の減少に相当します。そして二つ目のポイントが、速報値ベースでは排出量を算定している1990年度以降過去30年間で最も少ない排出量であって、2年連続で過去最少の排出量を更新したということ、これが2点目です。速報値ベースではありますが、6年連続での排出量の削減、そして2年連続での過去最少の更新となったことは、省エネの進展や再エネの拡大など、国民の皆さまの取組が反映されたもので、評価されるべきことと考えています。他方で、2030年度26%削減目標の確実な達成に向けてはまだ道半ばであります。今回の結果を楽観視せず、引き続き取組を進めていく必要があります。今年3月に提出したNDCで掲げた2030年度26%の確実な達成、この水準にとどまらない中長期両面での更なる削減努力の追求、そして2050年カーボンニュートラルの実現に向けては、この歩みを止めることなく更なる削減が必要です。地球温暖化対策計画の見直しの検討を進めるとともに、自治体、企業、国民などあらゆる主体の取組がますます加速するように今後も全力を尽くしていきたいと思います。冒頭、今日は以上です。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの川崎です。温暖化の話で6年連続減少ということですけれども、2050年までの実質ゼロを目指すにはまだまだ大きな隔たりがあると思います。その辺りを改めてもう一回、どのような思いでしょうか。確認させてください。
(大臣)この2050年カーボンニュートラル以前の2050年80%削減という今までの目標でさえも、連続性の中での階段を上がっていくだけでは到底目標には達成できない。それがさらに2050年カーボンニュートラルなわけですから、今ある技術をいかに脱炭素の方向に社会実装していくか、これに加えて、今はまだ社会実装されていない、ただ可能性のあるイノベーションをどうやって花開かせていくか、こういったことが併せて大事です。そして、エネルギー政策、これをいかに再エネを増やしていくか、これは最大に重要なポイントの一つでもありますが、併せて、やはりライフスタイル、これが変わっていかなければ最終的にカーボンニュートラルは実現をしないので、今回、排出量自体は6年連続で減少、そして過去最少の排出量を2年連続で更新ということになりましたが、これが、やはり経済の落ち込みが排出量の削減になるというのではなくて、よくこの世界ではデカップリングというふうに、排出量は下がるけども経済は伸びる、これが離れていく、デカップリング、こういうふうなところがトレンドとして続いていかなければいけないと。ここがこれからまさに総理が言う、もはや地球温暖化対策を強化することは経済のコストではなく、それこそが成長戦略であると、この言葉をいかに形として進めていくか。今回の速報値はコロナの反映をしていませんし、またカーボンニュートラルを総理が宣言した後のことも反映されていません。最近の総理の発言以降の社会の動き、企業の毎日どこかしらが再エネや新たな脱炭素の取組に動きを加速している現状を見れば、この発想の転換というのが社会で進みつつあって、脱炭素という世界最大の投資の分野に日本の企業も目が向き始めたと前向きに捉えております。

(記者)テレビ朝日の藤原です。選択的夫婦別姓についてお聞かせください。大臣は先週の会見でも選択できるところに関して賛成だという意見を述べられていましたが、自民党内でまだ反発の声もあると思います。そこに対する受け止めと、先週と同じ質問になりますけれども、改めて大臣の考えをお聞かせください。
(大臣)先日申し上げたとおりなんですけど、仮に別姓でなければ駄目だという制度改正がされるとしたら私は反対です。ただ、別姓も選択ができる、そしてそれを望まない人は選択しないという選択肢もある、つまり今までと変わらないということですよね。それは私は一人一人の希望がかないやすい、より選択できる社会をつくるという観点からいいことだと思いますので、選択ができる、このことに反対することは私は何もないのではないかと思います。ただ、一人一人価値観は違いますから、そういった中での賛成、反対があるのは私は当然のことだと思います。なので、私も自分自身の考えの中で選択できる、そういった形に制度が進むのであれば、それは賛成です。党内、こういった価値観に基づくような話というのはありますから、一人一人考えがある、その上で最終的に判断をどうするかということだと思います。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/wZkKwVmYA14

(以上)