大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年11月13日(金)8:50~9:05於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 

2.質疑応答

(記者)日経新聞の鈴木です。昨日、菅総理がバイデン氏と電話会談をされた中で、気候変動問題を連携してやっていくという話があったと思うのですけれども、それに関して大臣の受け止めと、それを受けて総理から新たに何か指示等ありましたでしょうか。
(大臣)総理が昨日、日米の電話首脳会談を受けて新たな指示ということはしていません。ただ、会話の中で日米の気候変動対策、これにも言及があったと思いますから、改めて10月26日、あの所信表明、菅総理からのカーボンニュートラル、この宣言が先にあったことで、このために働き掛け、また今までの果実、そして産業界の理解、こういったことを深めていくために取り組んでいきたいと、環境省の思いをこういう形で宣言していただいて、改めてよかったなと思っています。これからまさにそれを日米の間でも、気候変動だけじゃなくて環境行政、環境政策全般の理解も協力も広がっていくと思いますので、これから日米の間でしっかりと連携を深めたいと思います。

(記者)朝日新聞の戸田です。カーボンプライシングについてお聞きします。梶山経済産業大臣が先日、朝日新聞のインタビューでカーボンプライシング導入について語っていました。そこでは「いずれそういうこともあるかもしれないが、最初から取り入れると大変なコストになる」と答えて、早期の導入には慎重な姿勢でした。確かに経済界からは負担と取られる制度ですが、50年実質ゼロの観点からはこういう強い制度や、社会システムの変化が必要という見方もあります。環境大臣としてはカーボンプライシングの導入や情勢についてどう捉えているかお聞かせください。
(大臣)一部の報道でも脱炭素の取組を前向きにやるような企業、そういったところに対しての減税、こういった報道もありました。私、当初から環境省の中での議論もあったときに、やはり最初にインセンティブを世の中に感じてもらうこと、これはすごい大切なことではないかなという問題意識を持っていました。ですので、仮に今そういう方向で、脱炭素の方向に行くことは成長戦略の鍵なんだと、企業にとってもそれが収益につながっていく、よりマーケットが広がる分野なんだと、このメッセージが伝わることは非常に大事なことだと思います。一方で、このカーボンプライシングというものは日本の中は既に入っています。ただ、その入っている水準が、国際社会の中で、欧米先進国の中でカーボンプライシングなどを取り入れている国と比較をしたときに、その水準は低い、圧倒的に低い、そういう理解がまず共有をされた上で申し上げれば、カーボンプライシングというものは、結局は脱炭素社会をつくるための一つのツールですよね。そちらに向けたドライバーとして働いていくという、それからすれば、今、日本の税制を見れば、特に石油石炭税、石石税と言われるものですけど、一番税率が安いものは石炭になっているわけで、石炭、天然ガス、そして石油、こういった形で税率がだんだん階段のように上がっていく。しかし、それは脱炭素と逆行していますよね。こういったところを正していく。それは菅総理が宣言をされたカーボンニュートラル、この実現に向けて、それと逆行するような制度は正していく。当たり前のことだと思います。

(記者)河北新報の吉江です。宮城県の村井知事が女川原発再稼働の地元同意をされました。これに関する受け止めをお願いいたします。併せて、知事を含めて地元側は避難道路の整備を強く求めておりますが、これに関する考え方もお願いいたします。
(大臣)まず、報道にあるとおり村井知事、宮城県から女川原子力発電所の2号機の再稼働に同意する旨の表明がなされたことは承知をしています。また、地元での再稼働の是非に関する議論の中で避難計画の実効性に関する指摘、これがあったことも承知をしています。先月19日には私も現地を視察して、宮城県村井知事、そして女川町長、石巻市長、この皆さんのお考えなども伺って認識を共有したところであります。改めて原発が存在してそこに核燃料がある限り、原子力防災体制の充実強化、これは地域住民の安心・安全の観点から非常に重要なことであると感じています。女川の原子力防災体制は、今年の6月、原子力防災会議において女川地域の緊急時対応の内容を報告して了承いただいたところでありますが、それで終わりではなくて、継続的改善の一環として、原子力総合防災訓練を今後、女川地域で実施する予定であります。ですので今後、しっかり常に改善を続けて、今後も国と自治体が連携をしてより実効性のあるものになるように、原子力防災体制の充実強化に継続的に取り組んでいきたいと思います。そういった点においては原発の再稼働、そして再稼働しない、そういったことにかかわらず、地域の住民の皆さんの安心・安全の観点から、我々として道路整備をはじめとしてしっかりとした緊急時対応がつくられるように努力を絶え間なく進めていく、ここに変わりはありません。

(記者)環境新聞の小峰です。昨日の日米首脳会談についてお聞きします。最も日本国が大事だったことは、バイデン氏が、我が国固有の領土である尖閣諸島に対し、日米安保条約第5条を適用し、尖閣有事の際には米軍の介入を保障しました。一方、小泉大臣は尖閣諸島の実効支配のためにも人工衛星による詳細な生態系調査に着手することを表明しています。今回のバイデン氏の米国の防衛義務言及についての所感をお聞かせください。また、小泉大臣は抜き打ち上陸をするのではないかと環境新聞は見ているのですけれども、小泉家の力をしてそういうことをやるんじゃないかという、抜き打ち調査、大臣自身のそういうこともあり得るでしょうか。
(大臣)まず、日米同盟は揺るぎないと。これは民主党政権、共和党政権、そこにおいて変わりない、これが改めて示されたことだと思うので、これは間違いなく日米同盟にとってプラスのこと、そして地域の安定にとってもプラスのことだと捉えています。抜き打ちにつきましては、いつも小峰さんからの質問が抜き打ちだなと感じておりますが、引き続き日本の固有の領土、そしてそういった環境を含めて環境省がやるべきことを全力で尽くしていきたいと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。行政レビューが昨日から始まりました。環境省も幾つかテーマがあると思うのですけれども、それへの大臣としての取組の姿勢といいますか、重点について、それが1点。関連して、COの公表制度を温対法で見直す方向は非常にいいことだと思うが、今までのひとつ大きな問題というのは、COの排出量は、電力を換算する場合にいつも間接的な排出係数、ある年の結果が起きたものを前提に、地方自治体にしろ企業にしろ計算をしているわけです。欧米はそういうやり方をやめて、電力が直接排出したCOを前提に排出量の計算をやっている。直接スタイルか間接スタイルかという問題なんですけれども、これは自治体などは非常にやりにくい。そういうものを見直しの対象にする意味があると思うのですけれども、細かい点で恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
(大臣)まず1点目、清水さんのお尋ねのあった行政事業レビュー、これについては再生可能エネルギー、省エネ、こういったところが対象になるということは聞いています。特に再生可能エネルギーで言えば、洋上風力、これについて河野大臣も問題意識を持っておられるというのは私も聞いています。特にこの洋上風力で言いますと、着床式が経産省、そして浮体式が環境省、こういった役割分担がある中で、同じ洋上風力と言えば同じ洋上風力なわけであって、着床式か浮体式か、この違いによってどうして省庁が分かれているのか、こういった問題意識を恐らく内閣府側としては持たれているのではないかなと。我々としては、この洋上風力の中で言えば、着床式は残念ながらほぼ海外勢が製造しているメーカーを含めて席巻している状況で、浮体式は日本は事実上2位の中にある。そして、これからの伸び代を考えたときには非常に高いものがあるだろうということで、初期のところから支援をしてきたというのはあります。今、長崎の五島でやっていますが、これからその地域も伸ばしていきたい。私も実はこの前、ウェブ会議で五島の市長、そして現場の漁協の組合長とウェブでつながせていただきました。なぜかというと、よく再エネって地元の反対があると言いますよね。特に洋上風力になると漁業者の反対がある、こういったことも言われるんですが、意外なことに、この長崎の五島市は漁協の組合長自身がものすごい後押しをしてくれていて、しかもほかの洋上風力浮体式を検討している地域に、長崎県五島市の漁協の組合長が、これは素晴らしいことだよというふうに宣伝をしてくれているという素晴らしい実情があります。私もいろいろ聞くと、やはり浮体式の海に隠れている部分、ここに海草などが付くことによって実際の漁礁になる。これが漁業の振興にもプラスになる。まさに地域全体が再生可能エネルギーによってプラスの効果を生むということではものすごいいい事例だと思いますので、こういったことも知っていただくという機会に行政事業レビューがなればいいなと。最終的に内閣府としてどういうような意見を述べられるのか、それはしっかり、この日曜日にもあると思いますので、我々としても伺ってみたいというふうに思います。そして、2点目の報告制度、これについてはカーボンニュートラルの実現に向けて歩調を合わせるような、プラスになるような報告制度にしていきたいというふうに思います。具体的に清水さんがおっしゃったようなそういう方式をどうするかについては、今後しっかり事務方と協議をしていきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。前環境政務官の八木哲也さんが会長を務められている「日本を明るくする会」というのがございます。大臣も先日、入会が、厳正な審査の結果、認められたということなんですけれども、私の知人から、小泉さんは髪がふさふさで、なぜハゲの会に入れるのかと、はげている方から非難の言葉を個人的に聞きまして、所感を伺えればなと思っております。
(大臣)あれは一言で言うと、私は八木政務官に感謝しているので、八木政務官に、大臣の私を政務官時代支えていただいてありがとうございますと。八木政務官もお疲れさまでしたという慰労ということで、昨日お顔出しをさせていただきました。入会資格というものは非常に面白くて、秋田の議員の方も入会しているんですけども、その方もふさふさなんですね。何で入っているんですかと聞いたら、「秋田はなまはげです」と、そういう理由でした。そして北海道の議員の方も入っている。北海道の方に、何であなたもふさふさなのにと聞いたら、「毛無山というのが地元にあります」と、こういうことでした。ちなみに毛無山は北海道に限らず、日本の中には複数あるようです。そういったことも含めて、大変懐の深い会として、「日本を明るくする会」というのが正式名称だそうですが、明るくしていくことに、思いはどのようなヘアスタイルであっても共通するものではないでしょうか。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/UMQRe2LECic

(以上)