小泉大臣記者会見録(令和2年10月23日(金) 11:00~11:22 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は冒頭私からはありませんので御質問からどうぞ。

2.質疑応答

(記者)テレビ朝日の藤原です。報道の方で菅総理が2050年までに温室効果ガスの排出実質ゼロを表明するのではないかというような報道がありましたが、それの受け止めと、もしこれが表明されることになれば、国際社会と向き合う中で日本の立ち位置や見え方はどのようになるとお考えでしょうか。
(大臣)まず、そういう報道があるのは承知をしていますが、正式に総理の所信表明演説の中身が公表されるのはまだですから、そのことについてのコメントは差し控えたいと思います。ただ、私は1期目から、特にこの記者クラブの皆さんは御存じだと思いますけど、もうたびたび2050年のゼロ、これを訴えてまいりました。ゼロカーボンシティという自治体のこの2050年のゼロ宣言、こういったうねりを高めてきたのもそのためですから、そういったことも含めて私の思いはもう明らかだと思っております。

(記者)毎日新聞の鈴木です。関連なのですけれども、先日、加藤官房長官が2050年ゼロに向けたゼロカーボンシティについて政府としても拡大すると言及をされました。大臣として、これまで環境省の政策をこの施策にするということでいろいろ頑張ってこられたと思うのですけれども、今回の政府の判断について受け止めを教えてください。
(大臣)まず、官房長官が昨日の会見でゼロカーボンシティを政府として拡大をしていきたいというふうに言っていただいたことは、まさに環境省だけが旗を振っているゼロカーボンシティではなく、政府全体として後押しをするというところにつながったわけです。ワーケーションのときもそうでした。ワーケーションも、環境省が旗を振って、その後、当時の官房長官の菅官房長官が官邸の方で政府を挙げてやると。まさに環境省がやらなきゃいけないことは、環境省の施策を政権のど真ん中に位置付けていく、こういったことですので、今日今まで官房長官ともお会いをしていましたが、昨日発言いただいたこと、私からも改めて感謝を申し上げました。このように、これからもう菅政権としてデジタルとグリーン、このデジタル化とグリーン化というのが二つの成長戦略の柱だと、そういうふうに私は思っていますので、その中でしっかりと環境省の施策が、とうとう経済と環境は同軸の時代に入ったと、それが私は始まってきたなとうれしく思います。そこを導いてくれたものは、今までずっと一緒に支えてくれた環境省の職員が、このゼロカーボンシティの拡大も地道に自治体に対する働き掛けを私ができない部分もやってくれました。こういった職員の皆さんの総力がこうやって環境省の施策が政権のど真ん中に入ってきた。心から感謝をしたいと思います。

(記者)フジテレビの三上です。昨日、西村大臣と面会されたようですが、どういった話をされたのかというのと、諮問会議や成長戦略で議論が進むことなどへの期待などがもしあればお願いいたします。
(大臣)西村大臣は今経済再生担当大臣で、今後の成長戦略会議ですか、この担当でもあります。そしてコロナ対策もやられています。ですので、環境省の施策とも連携が不可欠な担当大臣でもありますので、私から三つの移行、そしてリデザイン、これがどういう発想なのかということも改めて時間を取って西村大臣には説明をさせていただきました。そして、これから政権を挙げてこのグリーン化というものを進めていく中で、私としては、例えば電気自動車(EV)、こういったものも、先日、日産の視察もしましたが、世界の先進国と比べたときに日本のEVの支援が圧倒的に低い状況であること、そして世界の市場がガソリン車を市場から締め出すような、そういった動きもカリフォルニア、ヨーロッパなどで出ていること、こういった脱炭素をめぐる世界の事情なども私からお話をさせていただいて、西村大臣も以前から成長戦略の柱の一つはグリーン化だと、これを言っていただいていて、先日も環境省の事業でやっている大牟田の石炭火力、CCSですね、こういったことなんかも現場の視察もいただいているので、非常に話もかみ合って、今後も連携を更に深めていこうということで、連携策を具体的に進めていくように今後も議論を進めたいと思います。バイオマスですね、CCSというのは。

(記者)日刊工業新聞の松木です。生物多様性の関係で、来年のCOP15で決まる新しい目標について大臣は常々、数値目標の設定が経済活動に影響するという趣旨の発言をし、COP15に向けた議論でも積極的に貢献していきたいと発言していると認識しています。先日のエコ・ファーストの認定式でも、数値化がルールメイキングにつながるといった発言をしていたと思います。新しい目標のドラフトには、生産活動とサプライチェーンによる生物多様性の負の影響を50%削減するなど、企業活動の制約になりそうな数値目標が入っています。大臣はその数値目標を緩くして企業活動の制約を少なくした方がいいとお考えですか。それとも、日本企業が市場で有利になるような数値目標の設定を求めていくお考えですか。もう一つ、環境外交に力を入れているということなので、アメリカに対して生物多様性条約を批准するように求めていくお考えがあるのかお聞かせください。
(大臣)まずアメリカについて、そちらからお答えさせていただきたいと思いますが、いかなる多国間の枠組みの中でも、アメリカ抜きの多国間の国際協調の枠組みというのは私は実効性に欠けると思いますので、COP、これは生物多様性、またパリ協定両面においてアメリカの関与というのは私は不可欠だと思っています。それは、大統領選挙真っ最中ですから、今後その結果いかんによって大きく変わる可能性も秘めています。いずれにしても、アメリカと日本というものは、日米関係、同盟関係の枠組みの中でも、多国間の枠組みだけではなくて、これは2国間の枠組みの中でもできることをしっかりと協力を深めていく、そこを大事にしたいと思います。そして、愛知目標の後継目標について話がありました。私は、持続可能なサプライチェーンの構築とその可視化を進めるためには、ポスト2020生物多様性枠組において経済活動に関連する数値目標を設定することが重要だと考えています。そのような動きを後押しするために、先日の国連生物多様性サミットでこの数値目標にコミットする国際的な企業アライアンスが結成されることを期待したいと申し上げました。そして、今御指摘のあった生産活動及びサプライチェーンが持続可能であることを確保することにより、生物多様性への負の影響の少なくとも50%の低減を達成するという目標、これに触れられましたけど、その目標が提案をされていることは事実です。ただ、生物多様性の負の影響を測れる適切な指標は何なのか、そしてその負の影響をどれぐらい減らすべきなのか、こういった論点については国際交渉の場で今も議論が続けられている段階だと聞いています。先月、経団連との連携合意の場で、このポスト2020枠組みにおいて数値目標の議論が行われていることも踏まえて、経団連に対して生物多様性について議論を深めていきたいという私の思いを伝えました。経済界との意見交換が事務レベルで今行われていますが、私からも引き続き経団連に積極的に働き掛けて議論を深めていきたいと思います。

(記者)NHKの吉田です。クマの関係で伺わせてください。今朝のことなのですけれども、8時半ごろに福井県の敦賀市でまたクマの出没がありました。JRの敦賀駅の近くで出没し、JRの作業員さんが2名ほどクマに襲われてけがをしたという報道が出ているかと思うのですけれども、改めて、けがをした人が出たことについてどう大臣は受け止められているのか。また、先日来、クマの出没の報道が相次いでいるのですけれども、こうした駅の近くやショッピングセンターなど人の生活に近い場所での出没が目立ってきているように思うのですけれども、そのことへの大臣の御見解についても伺わせてください。
(大臣)まず、今回被害が出たということに対しては、このけがをされた方、被害をされた方には心からまずお見舞いを申し上げたいと思います。そして、このクマの被害が、また出没の情報、これが多く最近出てきている中で、先日も言ったとおり、10月26日、この週明け月曜日に、環境省、警察庁、農水省、林野庁、こういったメンバーとするクマ被害対策等に関する関係省庁連絡会議を開催して、関係省庁が一層密に連携してクマなどによる被害防止に向けた取組を進めていくことにしたいと思います。ただ、クマが人里に下りてくる、また市街地の中に最近出没をするということは、これは国環研の五箇先生もたびたび言っているし、私もいろんなところでメッセージを出していますが、このコロナというのは我々人間活動、経済活動とやはり野生生物のこの領域の衝突というか、生態系に対する重大なメッセージがこのコロナでもあるということはたびたび言っています。改めて、今後のコロナからの復興を、元に戻すんじゃなくて、いかに自然との共生を含めて、そしてより持続可能な経済社会の在り方に再設計をする、リデザインをしていくためにも、人と動物、この関係性が今までとは違う形に入ってきている一つの現象ではないかと。これは私としても様々な論点があると思いますから、しっかりと関係の省庁とも議論をして、何が必要な対策なのか、人間本位だけではなくて、全体の生態系のことも含めた発想で捉えていく必要があるんではないかなと思っています。

(記者)共同通信の深谷です。2050年実質ゼロについてお話を伺うのですけれども、2050年実質ゼロを目指すのであれば、2030年の目標を大幅に引き上げなければならないという指摘があるのですけれども、大臣自身は2030年目標についてどれぐらい削減が必要とお考えでしょうか。
(大臣)まず2030年は、もう既にNDCを我々は提出をしています。そういった中では、意欲的、野心的な努力を積み重ねて数値を目指す、追求をすると。そして、今既に掲げている削減目標にとどまらない削減努力を追求するということが書いてあります。ですので、もともと、これから政府の方針、長期目標がどうなろうとも、既に2030年のこの目標を現状にはとどめず努力をするということが書いてあります。ただ、今後仮に何かの変更があったとするならば、それをどのように受け止めて政府としての2030年目標を作っていくのか、それこそまさに、今環境省と経産省が合同の審議会でやっている温対計画の見直し、そして来年に予定されているエネルギー基本計画の見直し、こういったところにすべてつながってくる話だと思いますので、一つ一つ状況の変化、最新の状況も踏まえた議論をしていって、国際社会にも胸の張れる、そんな形につなげていければと思っています。
(記者)石炭火力発電なんですが、2050年実質ゼロを目指すに当たっては、石炭火力を全廃しなければいけないのではないかという意見もありまして、現状では高効率の設備は継続できるようになっているのですけれども、これについては大臣はどのようにお考えでしょうか。
(大臣)大事なことは、いかにCO削減をするか、そして実質的にゼロにするか、そういったことだと思います。最近、石炭火力に対するマーケットの動き、民間企業の動きが加速度的に進んでいます。もう3大メガバンクは新しいプロジェクトにはファイナンスを付けない、損保も保険を引き受けない、そしてさらに自ら石炭火力を持っているJERA、中部電力と東電が出している会社ですけども、このJERAが2050年のCO実質排出ゼロ、そして火力発電だけども実質CO排出じゃないゼロエミッション火力というものに乗り出していく、こういった話がありました。ですので、そういった新しい技術も活用しながら、どうやって2050年の方向に、脱炭素社会に向かっていくか、それは我々としてもしっかりと考えていかなければいけないことだと思います。

(記者)環境新聞の小峰です。新宿御苑について、ソフトな質問とハードな質問を両方させていただきます。小泉大臣は昨年秋、当時の河野太郎防衛大臣と新宿御苑の菊花展を視察されました。二人でそれぞれの鉢に菊の苗を植えたとき、じょうろで水をやりながら、「ちゃんと咲くといいですね」、「自分のだけ枯れたら嫌だな」と会話を交わされていました。そこで、今年の菊花展にお二人でその菊がどうなったか確認するために見に行く予定はありますか。ハードな質問で、一方、去年の菊花展視察のスタートとして小泉・河野両大臣の連携が深まり、環境と国防の関係が強化されました。そして、今、河野太郎さんは行政改革・規制改革・北方沖縄担当大臣ですが、小泉環境大臣は河野大臣とはどのような新たな連携を考えているのでしょうか、できれば具体的にお聞かせください。
(大臣)早速11月1日から菊花壇展をやりますので、今日閣議のときに前後に河野大臣とお話をして、「大臣、今年どうします」と言ったら「行きたい」と言っていたので、また一緒に行きたいと思います。花がどっちが咲いているか、環境省所管ですから、職員に聞いて、咲いている方を僕のにしてもらいたいと思います。それは冗談としても、確認もしたいと思いますし、昨年の一緒に行った菊花壇展から新宿御苑はだいぶ改革を進めまして、あのときなかったものは、再生可能エネルギーが100%でなかったんですね、河野大臣と私が前回行ったときは。あのときは30%です。今は再生可能エネルギー100%の新宿御苑になっていますので、そういった状況も、これから再エネの分野でも規制改革を考えておられる、そういう河野大臣に新宿御苑の取組を紹介したいと思います。そして、今、ソーラーパネルでベンチが造られていて、携帯やパソコンも充電しながら新宿御苑を楽しんでいただけるようにもなっています。マイボトルの給水器もできました。こういったことを進捗も併せて河野大臣に御紹介をして、今後、規制改革の分野などでも連携を深めていくことができればと思っています。

(記者)エネルギーフォーラムの松崎です。今触れられた再エネの規制緩和の部分についてもう少し詳しくお聞きしたいのですが、先日、日経のインタビューで河野大臣が触れられたと。今いろいろ語っておられましたけれども、特に聞きたいのは、農地法の関係も出されていましたけれども、小泉大臣は農林部会長としての経験もおありなので、その辺りはどう捉えられたか。規制緩和の部分については、具体的にどう環境省として取り組んでいくのかという部分もお願いします。
(大臣)環境省は何でも規制強化的なイメージを持たれていると思いますが、一概にそんなこともなくて、例えば国立公園の中での再エネ導入、これももしかしたら河野大臣の頭にあるのかもしれませんが、国立公園での地熱、こういったことに関する規制緩和は既に2度環境省はやっています。こういったことをしっかり周知をしなければいけないと思いますし、まだ我々としてできる規制改革があれば、それは忌憚なく話を伺ってできることをやっていきたいと思っています。農地法との関係も御質問がありましたが、今日の夕方に野上農水大臣と今後環境省との連携の締結をさせていただきます。その中に盛り込まれる内容の一つは、この農林水産業全体の2050年までのゼロエミッション、脱炭素、そして再生可能エネルギーの導入の加速化、こういったことはもう既に両省の思いは同じですから、この中でいかにこの第1次産業の分野における再エネのポテンシャルを発揮していくか、それを政府全体で捉えれば、再エネを主力化させていくわけですから、例えば第1次産業で何か再エネを導入する壁が、障害があるとしたら、それを一緒になって話して進めていくような、そんな連携もこれからできればと思っています。

(記者)朝日新聞の水戸部です。2050年実質ゼロなのですけれども、国際的なアピールになるというのも一つではあるのですが、お尻を決めることの意義はすごく大きいと思っていまして、要は、2050年ゼロと決めたら、20年以上耐久年数があるような、また、脱炭素にそぐわないような技術が2030年時点では設置できないという話になるわけで、2050年というお尻を決めることで2030年までにやっておかなければいけないことというものは、大臣の中で具体的にこれとこれはやらなきゃいけないという考えが今ありましたら教えてください。
(大臣)まず、政府としての方針は正式決定はしていません。その上で私は2050年のゼロを今までも訴えてきた立場として申し上げれば、世界を幾つもの国がもうお尻を決めて動きだしています。隣の中国は2060年ですけど、2030年でピークアウトをさせるということを言っています。ドイツや様々なヨーロッパの国々においても、産業構造を転換しなければいけない、そういった分野に対していかに前向きに、よく公正な移行というふうな言葉を言われますが、この移行をスムーズに進めるための支援、こういったことも私は不可欠だと思います。単純にCO排出の多い分野、業界だからといって切り捨てるということではなくて、いかに話をして一緒になってこの脱炭素という地球規模の課題に取り組んでもらえるか、そういったコミュニケーションは非常に重要になると私は思っています。

会見動画は以下にございます。

https://youtu.be/Iy6hBKBnkuo

(以上)

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