小泉大臣記者会見録(令和2年10月9日(金) 10:41~11:04  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日、愛玩動物看護師法の施行期日を定める政令が閣議決定されましたので、報告をします。今般の政令は、この法律の施行期日を令和4年5月1日に定めるもので、施行日から愛玩動物看護師の国家資格制度がスタートして、講習や試験などが実施されることになります。引き続き、共管省庁である農水省と連携をして、カリキュラムや国家試験の内容の検討を進めて、制度の円滑な施行によって愛玩動物の適正な飼養が更に進むように必要な準備を進めていきたいと思います。
 そして、2点目は、このたび新たに環境施策の情報発信に御協力をいただく「サステナビリティ広報大使」を創設するとともに、第1号となる方の任命を行う運びとなりましたので、報告をしたいと思います。持続可能で強靱な経済社会への「リデザイン(再設計)」を進めること、これを環境省はずっと言っています。環境省の目指す「脱炭素社会への移行」、「循環経済への移行」、「分散型社会への移行」の三つの移行と、それを実現する施策について理解と共感を広げて、一人一人のライフスタイルの中での取組につなげる必要があります。このため、思いを同じくする高い情報発信力を有する方々を「サステナビリティ広報大使」に任命をして御協力をいただくことにしました。その第1号として、今月は3R推進月間、そして食品ロス削減月間でありますので、ごみ問題について分かりやすく発信をいただいているマシンガンズの滝沢さん、お笑い芸人であるとともに、実際にごみ収集のお仕事をされている方でもあります。今回、この滝沢さんに第1号のサステナビリティ広報大使として「3R」、「食品ロス」、そして廃棄物に関する様々な現場のことについても御発信をいただいて、環境省の施策が結果として多くの方に広がっていくように御協力をいただければと思います。今日の午後2時からその就任式と意見交換、対談をさせていただきたいと思います。そして、環境省では、先ほど今月は食品ロスの月間だという話をしましたが、この食品ロス削減の一つの対策として、今年3月31日に、「Newドギーバッグアイデアコンテスト」の応募受付けを開始しました。ドギーバッグは、飲食店などで食べ切れなかった食品を持ち帰るための容器として、欧米においては一般的なものであります。食べ残しの削減には提供された料理を食べ切るとともに、食べ切れなかった場合には自己責任の範囲で持ち帰ることができることが重要です。日本でも、食べ切れなかった食品の持ち帰りを推進すべく、日本版のネーミングとデザインアイデアについて公募を行って、応募締切日の8月16日までに合計2723件という非常に多い応募をいただきました。その後、外食事業者や学識者などから構成される審査委員会において審査をしていただいて、今回、受賞作品を決定しました。本日はこのコンテストの結果を発表させていただきます。ネーミング大賞は大谷紗苗さんの、これで「mottECO(モッテコ)」というふうに読みます。もっとエコにというふうにも読める「mottECO(モッテコ)」、このメッセージがもっとエコだし、持っていこうと、これが読み取れるということで、審査員から大変好評だったというふうにも聞いています。その他の受賞作品はお配りした資料のとおり、またホームページに掲載も予定をしています。環境省としては、余ってしまった食品を持って帰るという行動が当たり前になるように、消費者庁、農水省とも連携の上で、飲食店などへの「mottECO(モッテコ)」の導入促進や、消費者の方への自己責任の範囲での持ち帰りについて普及や啓発に取り組んでいきたいと思います。広がるように後押しをしていきたいと思います。
 そして、今日の最後になりますが、先月29日に「環境大臣ホットライン」を設置したことを報告しました。10日ほど経過をしたところで、10月8日までに本省、そして地方事務所の職員さんからも既に32件の意見が届いています。そのすべてについて私自身が目を通していますが、これらの意見の中から実際に実行に移していく、若しくはこれを受けて移したもの、その幾つかを御紹介したいと思います。まず、1点目は、「職員へ退庁を促す目的で、毎日夜の8時に環境省執務室を一斉消灯しているが、電気が消えた後、直ちに点灯して再び仕事を始めている、電気を点灯するという無駄な作業が増えているだけ」だと、こういう御指摘、声が職員からありました。形式的に消灯を行うことだけでは慣れていくだけですから、取組の効果を期待することができないため、夜8時の一斉消灯を昨晩からやめることにしました。代わりに、実際に夜遅くまで残業している職員がどれぐらいいるのか、改めてその実態を調査して具体策を考えるように事務方に指示しました。今回寄せられた意見の対応をはじめとして、業務の合理化、効率化を進めて、働き方改革、具体的な取組を一つ一つ実行に移していきたいと思います。そして、2点目は、これは地方事務所の方からの声でした。「入札公告を地方環境事務所の前の掲示板に紙で掲示している。ホームページで確認ができるため廃止したいが、事務所の判断で勝手に廃止することはできない」と、そういう声が上がりました。環境省全体で昨年度は計1800件の公告が紙で貼り出されていて、職員に負荷がかかっています。入札公告はこの御指摘、声を上げてくれた地方職員の言うとおり、ホームページに掲載をしていますので、掲示板へ貼り出すことは不要だと考えられます。そこで、早速昨日、通知を改正して、本省、地方事務所とも貼り出しを不要としました。そして、3点目は、「これまでの職員からの業務効率化に関する提案に対して、今後検討する、対応する」とされていたものについてフォローアップをすべきじゃないかという声をいただきました。もっともな意見だと思います。これまでに寄せられた提案の多くは、「選択と集中」実行本部の取りまとめにも盛り込んだところでありますが、改めてこれまでの貴重な職員提案についてのフォローアップも行うように事務方へ指示をしました。そして、改めて私も拝見をさせていただきました。4点目は、「新型コロナウイルスが収束に向かっても、5Gの普及、デジタル庁の設置といった社会の流れを見ると、テレワークやリモートでの会議というのはニューノーマルになっていく。反面、新社会人などは友人関係を築くことができず、うつ傾向になっているといった報道も見ると。テレワークに伴うメンタルヘルスの変化について勉強会の開催を検討いただきたい」という声が上がりました。今の状況にも合っている切実な声であると感じています。テレワークを推進する一方で、こうしたフォローの体制をしっかり組むべきであると思いますので、環境省として、まずは年内に勉強会あるいは研修会を実施するように事務方へ指示をしました。今年の4月に入省した新入生約50名も、入省直後にテレワーク、そういった状況が続いていました。その中で、私は今回入省した約50名を3グループに分けて、全員とウェブで、一人一人のことを把握するための時間をウェブ上でも持たせてもらいましたが、こういったきめ細やかな対応というのも、やはりこの新しいニューノーマルの中ではしっかりやらなければいけないと思います。ただ、この問題は環境省だけの問題というよりも、霞が関各省庁の共通した問題でもあることから、人事院をはじめとした関係各省とも連携協力しながら対応していきたいと思います。「環境大臣ホットライン」に届いた声、今日紹介したもの、これは一部でありますが、実行できるものはどんどん実行へ移して、また即座に解決できなくても、その検討の結果を職員ポータルへ掲示をしていきます。そして、これから、今日この会見を聞いてくれている職員の一人一人にも、ぜひこういった声は遠慮なく届けていただきたいというふうにも思いますし、こういった一つ一つをクリアして、よりよい社会変革省の名にふさわしい環境省にしていくことが、まさに環境省自身のリデザインにつながることだと考えています。一緒に職員の皆さんと共にこの取組、リデザインを進めていきたいと思います。今日は冒頭、以上です。

2.質疑応答

(記者)共同通信の田井です。環境省の水素ステーション導入補助金に対して、請負事業者の大半で再生可能エネルギーを使って水素をつくるなど要件を十分満たしていなかったと会計検査院から指摘があったようですが、大臣の御見解をお願い致します。
(大臣)この件については、環境省が平成27年、2015年に開始した地域再エネ水素ステーション導入事業について、会計検査院から事業見直しの指摘を受けているものだと聞いています。現在、会計検査院において令和元年度決算検査報告を取りまとめ中だと聞いていますので、個別の検査内容についてはお答えすることは控えたいと思います。なお、予算を適切に執行することは当然のことでありますので、今後も適正な業務執行の確保を徹底していくように努めていきたいと思います。

(記者)環境新聞の小峰です。今日、読売新聞の朝刊の一面トップを見て驚いたのですけれども、政府は8日、自衛隊基地など安全保障上重要な施設の周辺の土地を外国人らが取得することへの監視を強化するため、新法を制定する方針を固めたと。それで具体的には小此木国家公安委員長と菅首相が昨日話し合ったということで。近く有識者会議を設置し、年末をめどに提言を受け取るということですけれども、これは自衛隊の基地や原発周辺等の重要な安全保障上に関わることだけじゃなくてですね、もう一つ環境保全の観点からもですね、北海道の水源地や山林を中国資本が大規模に買収していることは小泉大臣も周知のことだと思います。ですから、この有識者会議に環境省が乗り遅れることなくですね、自然環境の保全という観点も含めてですね、安全保障面だけじゃなくてですね、参加する必要というか義務があるんじゃないでしょうか。小泉大臣、率直なお考えをお願いします。
(大臣)今までもそういった事例などは様々なところで指摘をされていた中で、中々、では、対策はといったときに難しかった現状があったと思います。報道について私はまだ確固たることは聞いていませんし、その報道に対するコメントも関係大臣のところからまだないとは思います。ただ、その中でも、しっかり日本の国土が正しく活用されなければならないし、今、環境省との関係という話がありましたが、我々国立公園、これを所管していますから、その中の敷地の中でどのようなことが起きているか、こういった課題に対してしっかりと把握をしていくこと、そしてあるべき姿に対して対策を取っていくこと、これは当然のことだと思います。

(記者)テレビ朝日の藤原です。昨日、ALPS処理水の関係で意見を伺う場が設けられまして、堀内副大臣も出られたかと思うのですけれど、そこで処理水の海洋放出について反対の意見が漁業や水産の関係者などから聞こえました。これの受け止めについてお伺いしたいのと、環境省として今後取り組むことなどお考えがあれば教えてください。
(大臣)昨日は環境省から堀内副大臣に出席をしてもらいました。今御指摘のあったとおり、福島県水産加工業連合会、そして全国漁業協同組合連合会からの意見表明があって、主に海洋放出には断固反対、そして海洋放出したら福島県だけの話ではなくなる、そして風評被害、こういったことに対しても御意見が出されたと、そういったことの報告を受けています。経産省からは、この御意見を伺う場の今後の開催の要否については、今回いただいた御意見を踏まえて検討していくというふうには聞いています。環境省としても地元の関係者などの御意見をしっかりと受け止めて、政府としてのその後の検討に生かしていきたいと思いますし、福島県の復興、これは我々の最重要課題の一つです。来年は10年という節目を迎える中で、こういった処理水に対する御意見、これについては特に現場の最前線に立っている例えば大熊町の町長さん、そして双葉町の町長さん、こういった方々からも御意見を伺っていますので、我々としてはそういった意見をしっかりと大切にして必要な貢献をしていきたいというふうに思っています。

(記者)読売新聞の服部です。先日、福島県飯舘村の除染土の再生利用で野菜を栽培した結果が報告されたのですけれども、放射能濃度としてはかなり国の基準と比べると相当低い数字が出たと。この結果について大臣はどのように評価されているのかということと、その結果を今後どのように生かしていくのかというのを教えてください。
(大臣)今御指摘いただいたとおりですね、今年度から試験栽培を開始した食用作物のうち、放射能濃度の測定が完了したものの結果を公表したところであります。今回は一部の結果を公表したものであって、今後測定を行う作物の結果も含めて専門家にも御相談をすることとしていますが、これまで得られた結果は、厚生労働省が定める一般食品の放射能濃度の基準値である1キログラム当たり100ベクレルよりも十分低い値でありました。除去土壌の再生利用を進めるに当たっては、安全性の確保が大前提です。今後とも、実証事業で得られる科学的なデータについてしっかりと情報発信に努めていきたいと思います。なお、この食用作物をやる経緯の中では、私が今年2月に現地に訪問した際に、現場で再生利用の取組をされている地元の住民の方から、昔からやっていた食用作物、こういったものをやりたいと、そういった現場での切実な声がありました。そういった中でやはりこの飯舘村長泥地区は再生利用に非常に協力をいただいているところで、その地元の皆さんの声を受けた再生利用の実証の在り方を実現する後押しをしたいという思いもありました。今回、それを受けて食用作物が実際にこのように実証で結果が一つ得られて、それが次に前に進むような一歩になればいいなと思っています。これからも現場の声をしっかりと形にしていきたいと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。縦割り行政と環境政策との観点で伺いたいのですが、先ほども質問でましたけれども福島の汚染水処理、これを個別問題として菅内閣全体として解決すべきことじゃないかと思います。共通して、放射性廃棄物の最終処分場の問題が、北海道で文献調査に同意するかどうかということで大議論が巻き起こっています。町長さんもだいぶ苦労しているようですけれども、そのことに共通するのは環境保全の観点から、環境省もそういうことに積極的に関与してやっていくべきじゃないかと。恐らく、この弊害は、環境基本法と原子力基本法との所管が依然として曖昧で、環境省は前へ出られないということだろうと思うんです。まさに菅内閣が掲げている前例主義、縦割り主義を打開していく個別ケースの非常にいい前例となるし、国民にとってもこういう喉にとげが刺さったような問題について、環境省は単に委員を出すということだけじゃなくて、根本的なところで環境保全と原子力との調整を一体的にやる仕組みが必要ではないかと思うんです。いきなりこういう質問をして大変でしょうから、その感触を、あるいはどういう認識をされているか、その辺をぜひ伺いたいということです。
(大臣)まずは、処理水のことは政府全体の課題じゃないかというのはそのとおりで、菅総理がこの前、現場の方に福島の方に視察に行かれていました。そこで行動で示されているとおり、これは一省庁だけの問題ではなくて、福島の復興は全員がまさに復興大臣、そういった意識で取り組む、これが菅内閣の基本方針でありますので、その中で政府全体で我々もその意識で関与して貢献をしていきたいというふうに思います。エネルギー政策の縦割り、こういったことの中での様々な政府内での汗をかかなければいけないところというのは、まさに私が環境大臣になって石炭の部分で気候変動対策とそしてエネルギー政策をどのように統合的に整合的な形で進めていくか、この必要性と重要性を痛感しているところでもあります。今後、まさに脱炭素社会の実現に向けてどのように政府の目標を、私は2050年ということを言っていますが、そういった思いを共有するための努力をいかに政府全体でしていくのか、こういったことについても清水さんおっしゃるとおり、環境省だけが言っていては形にならないことを私も承知していますので、政府全体の方針になっていくように私としても汗をかいていきたいと思います。そして、必要な縦割りはしっかりと打破できるような対策についても何ができるか、大事なことは環境省、その他省庁、連携を深める具体的な実行策を一つ一つ作っていくこと、コミュニケーションをしっかり図っていくこと、この先に縦割りの打破があると思いますので、そういった各省連携というのも実際に形にしていきたいと、それが2期目の大きな方針の一つでもあると考えています。
(記者)汚染水処理問題で具体的なことを申し上げますと、今タンクに入っている処理水はいったん原発の敷地外に出ると環境省の所管になるわけですよね。今はどういう排水の仕方をするか自体も決まっていない。恐らく。タンクからどうやって公海に流すのか、そういうところで実際に水質汚濁防止法とかそういう法律を持っているわけですから、そういうところで漁民や何かの人にこういう対応をするんだ、こういう対応を事業者に要求するんだということぐらいは発信すべきだと思うのですけれども、そういう意味で申し上げたのですけれども。
(大臣)まだ政府としてどのように決定するかというのは、この意見を伺う場を重ねていく中で決定はまだされていない段階では、予断を持ったことを対外的に申し上げるというのはなかなか難しい状況だとは思いますが、今後想定をされるような様々なことに対してしっかりと議論をして備えていくこと、そして環境省として復興のためにプラスになるような取組を我々の立場でしっかりとやること、これは不可欠なことだと思いますので、しっかりとそういった議論は進めていきたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=qxPkopK4GHE

(以上)

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