大臣談話・大臣記者会見要旨

笹川副大臣・堀内副大臣共同記者会見録(令和2年9月24日(木)15:31~15:49  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

(笹川副大臣)今日はそれぞれ記者の皆さん方、貴重なお時間を取っていただきましてありがとうございました。改めて、環境副大臣を拝命することになりました。衆議院議員の笹川博義です。選挙区は、群馬県第3選挙区ということであります。2年前に環境大臣政務官を拝命し、2年ぶりにまたこうして皆さんの前で、この立場でお話すると思っていませんでしたが、今回こういう拝命ということになりました。私の担務といたしましては、自然環境、気候変動、プラスチックの資源循環等々を担当させていただきたいと思っておりますので、一つよろしくお願い申し上げます。

(堀内副大臣)この度、環境副大臣及び原子力防災を担当させていただきます内閣府副大臣を拝命いたしました、衆議院議員の堀内詔子でございます。山梨県第2区は富士山のふもとからやってまいりました。担務といたしまして、環境再生・資源循環、環境保健、水・大気環境、原子力防災を担当させていただきます。私と環境の問題のつながりといたしましては、今年の夏、関東地方を中心に試験的に行われました熱中症警戒アラート、それを実証実験としてさせていただくために、いわゆる熱中症対策議員連盟というのがございまして、その事務局長をさせていただいておりました。また、自由民主党の党の部会でも、大変参加させていただきましたし、また、衆議院の委員会でも、環境委員会にも所属させていただいておりました。熱中症対策議員連盟においては、故望月義夫元環境大臣が大変熱心に取り組まれておりましたので、その薫陶を受けながら、これからも頑張ってまいりたいと思っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

2.質疑応答

(記者)幹事社の共同通信です。まず、御就任おめでとうございます。早速ですが、お二人に就任に当たっての抱負などをお伺いします。
(笹川副大臣)小泉大臣から就任後の政務三役最初の顔合わせのときに、脱炭素社会それから循環経済、分散型社会への移行について、これについての施策に取り組んでいただきたいというお話を承りまして、大臣の強い思いを大切にしながら副大臣としての務めを果たしてまいりたいと思っております。私も政務官を退任後、自民党の中に海洋プラスチック対策推進議連を立ち上げまして、その議連の事務局長を仰せつかっておりました。衆議院において取り組んだ海洋プラスチックの問題、これについても、今の立場の中で、取り組んでまいりたいと思っております。そして、今日実は養豚協会の方が私の事務所においでになりまして、豚熱の発生もございました、そういう意味において、この鳥獣害対策、これは農林水産省との共管ということになりますが、このことについてもやはり環境省としても、重要な案件でありますので、しっかりと取り組んでまいりたいという思いであります。
(堀内副大臣)私は先ほど、冒頭のところで申し上げましたが、熱中症対策の推進議員連盟を事務局長として仕事をさせていただいておりました。今、大変地球が温暖化してきておりまして、熱中症というのも非常にシビアな問題になってきております。このことにも取り組んでまいりたいと思っております。また、私の担当は環境再生・資源循環がございますが、私の地元山梨県では2014年2月に大変な雪害が起きまして、その折に、ビニールハウスが多く倒壊いたしました。自分の育てた大事な農作物、それが倒れて、そしてそれがビニールハウスごと倒れてその収集に大変頭を悩ませていらっしゃる方々を目の前にいたしておりました。そのときに、環境省の皆様方が、そのビニールハウスの廃棄に大きなお力添えをいただいた、そういったお姿を見て、本当に環境省の仕事というのは大切なんだなということを痛感いたしました。また、昨日は福島に伺わせていただきました。福島県のいわゆる双葉郡の4つの町を訪問して、実は前回、私自身は2016年に原発を視察させていただいているんですけれども、それから4年経って訪れた福島、そのときの皆様方の表情が、4年前よりもまた更に大分明るくなってらっしゃるのを感じました。これもひとえに、環境省の皆さん、粘り強く、一つ一つ、いろいろな復興に対して大きな力を与えてくださっている、そういったことの証左だと思います。国民の皆様方の安心安全をしっかりと守っていく、そういった環境省の姿、賛同しながら、一歩一歩、私も進んでまいりたい、そのように思っております。

(記者)時事通信の武司です。御就任おめでとうございます。お二人にそれぞれ質問があるんですけれども、まず笹川副大臣には、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでいらっしゃるということなんですけれども、群馬県の選出ということで地元が内陸ですけれども、海洋プラについて、地元に対してはどういうふうな啓発などをされているのかということをお伺いしたいです。堀内副大臣には、熱中症の取組をされているということなんですが、最近高齢者の方がエアコンがなくて、この夏特にたくさん亡くなったというふうに問題があったみたいなんですけれども、これについてはどういった対策が必要とお考えになってるかお聞かせください。
(笹川副大臣)確かに360度見渡しても海はございません。ただ100km先は海がございますので、日本海側も太平洋側も、時間的な距離からすれば、等しく近い感じがするのですけれど。山が細れば川が細る、川が細れば海が細る。山と川と海というのは、まさに一体なんです。私の選挙区は山があり、川がある。そしてその先に海がある。我々日本を取り巻くのは四方海であります。そして海を通じて、世界の人たちともつながっております。そういう意味において、海というもの、これがやはり我々日本人にとっても、日本国のこれからの存在にとっても、私は海の課題というのが大きいと思うのです。その中で、国会議員として、この問題を大きくとらえて、取り組んでいく必要がある。それは決して、周辺見渡して、海が見えないからというわけではなくて、山に住んでいる、内陸に住んでいるからというわけではなくて、日本列島ということで考えて、日本人ということになれば、それは海外から受けた恩恵というのは計り知れないものがありますよね、文明にしても何にしても。この問題というのは、これから我々の、この後の子供たち、次代を担う子供たちにとっても、やはりすばらしいものを引き継いでもらいたい。また、その責任が我々にはある。その大きな責任を果たすためには、この海の自然というものをもう一度見つめ直して、そして、元に戻していくんだと。そういうことになったときに、この海洋ごみ、海洋プラスチック、このごみの対策というのが一番大事なことではないのかなと思うのです。我々を支えている海洋水産物もそうですよね。ですから、そういうものを含めた中で、この問題というのは実は、住んでるところ関係なしに、我々、この地球に住んでる限りには決して避けて通ってはならないと思っているのです。世界共通の課題だと思っていますから、そういう意味でその意義を私はしっかりとかみしめて、今、この問題に取り組んでいると御理解いただければと思います。
(堀内副大臣)熱中症によって、御高齢者が多くお亡くなりになることについて、どういう考えを持っているかという御下問だったと思っております。熱中症というのは、いわゆる死に至る可能性のある非常に重篤な病気である。けれども一方、個々人の方々が気をつけてしっかりと予防して、しっかりとした対処をしていけば、その命を守っていくことができるものだと思っております。実はちょっと話がそれるかもしれませんが、私は、今回、環境省の副大臣にならせていただきましたが、前は政務官は厚労省の方でさせていただいておりました。いわゆる様々な福祉の問題、独居老人の方々に対するいろいろな問題もございました。やはり、お近くに住む方が一歩手を差し伸べて、独居老人の方に声をかけて、こんなに暑いんだから、冷房つけないでいたら、おばあちゃん、おじいちゃん大変なことになりますよ。そういったことを、声かけ運動のようなことをしていく必要があるのではないかと思っております。また、訪問介護、訪問看護、そういったものもございますが、そういったとき、そういう患者さんのところに御自宅に訪問したときにも、患者さんの家庭環境、御老人の方の置かれている環境をよく御覧になっていただいて、熱中症を予防していく、そして、対処していくことを周りの方がもっと働きかけを御老人の方にしていただければと思っています。それに対しまして、先ほど申し上げたように、今年、熱中症警戒アラートを関東甲信地方だけで試行いたしましたけれども、これを全国展開して、関東だけじゃなくて日本全国にはもっともっと暑くなる地域がいっぱいありますので、熱中症警戒アラートをもっと全国に広げていく、そういった取組をしていかなくてはならないと思っております。
(記者)堀内副大臣にお伺いしたいんですけれども、今の熱中症警戒アラートのお話だったかと思いますが、今年、これまでの国内の熱中症の状況というのをどういうふうに見られているのかというのと、今、熱中症警戒アラートという言葉が出ましたが、環境省が今年から試験的に導入してる熱中症警戒アラートというのがどういう役割、今回の熱中症の患者数などに対して果たしているのか。また、課題がどういうところがあるのかとか、改善するならこういうふうに、来年から全国展開する方向であると聞いてますけれども、それをする上で、こういうことを変えていかなきゃいけないんじゃないかとかあれば教えてください。
(堀内副大臣)ありがとうございます。今年の熱中症についての見解につきましては、私が記憶している限り8月17日から23日までの救急車による搬送者数が、今年は昨年の2倍になっていたというふうに記憶しております。いろいろな防御をしながらも、熱中症警戒アラートも発動しながらも、やはりなかなか実際問題としてその年の気候によって、熱中症が発生してしまうということはどうしても防げないものがあります。そして、先ほど記者さんがおっしゃったように地球は温暖化しておりまして、だんだん暑い日が増えております。猛暑日が増えている地域、多くございます。そういった中で、より熱中症についての警戒を強めていかなくてはならないと思っております。昨年、熱中症で亡くなられた方の数はもう1000人を超えておりまして、それは、例えば、今般の新型コロナウイルス感染症拡大によって亡くなられた方の数が、もう1000人はとっくに超えてはおりますけれども、そういった方々の数と比較できるほどの大勢の方々がお命を落とされているといったのが現状であると思います。気を引き締めてしっかりとやってまいりたいと思います。また、熱中症警戒アラートについて御下問があったと思うんですけれども、熱中症警戒アラートの方法等についてより考えがあるかということだと思うんですけれども、この熱中症警戒アラートというのは、登録させていただきますと、いわゆる暑さ指数が高くなるとアラートで教えていただけるというものであります。熱中症というものは、先ほど御下問があった御高齢者の方の話もそうですけれども、その状態に慣れてしまいますと、温度と湿度がかなり高くなっていても自覚症状が伴わない場合が多くあるんですけれども、熱中症警戒アラートにより多くの方に携帯などで登録していただくことにより、思ったより熱中症の危険性が高いんだということを体感していただいて、体で覚えていただいて、アラートを見て、これぐらいが危ないんだということを体で覚え込んでいただくようなことができればと思っております。これを全国展開していくことによって、日本全国の方にそのようなことをしていただけるようになれば、熱中症警戒アラートは大変有効ではないかと思っております。このときに御高齢者の方、やはりそういう電気機器、スマホなどをお使いになるのに慣れていらっしゃらない方も多いと思うんですけれども、そういう方にもどうやってこの熱中症警戒アラートをしっかりとお届けして、用心していただけるかというのは、まだまだこれから現実的に詰めていかなくてはならない課題ではないかと思っております。

(記者)環境新聞の小峰でございます。小泉進次郎環境大臣は、今年8月15日、少なくとも平成以降、終戦の日に環境大臣が靖国を参拝されたのは初めてだと思いますが、その参拝をなさいました。そこで、副大臣お二人にお聞きしたいんですけれども、国会議員になられてから靖国神社を参拝されたことがありますか。そしてまた、今後、靖国神社を参拝するつもりはありますか。お聞かせください。
(笹川副大臣)参拝をしたことあるのかという御下問でございましたが、春と秋、参拝をさせてもらっております。今後については適切に自分自身で判断をさせていただきたいというふうに思っております。
(堀内副大臣)私も笹川副大臣と同じく参拝はさせていただいております。そして、今後につきましては、個人として適切に判断してまいりたいと思っております。
(記者)環境新聞の小峰です。引き続いて、別の質問なんですけれども、まず堀内副大臣にはですね、お父上が自民党の総務会長のときに、経産省の旧石油公団、現在JOGMECというやつのですね、この不正経理を徹底的に暴いて、廃止に持ってくというですね、経産大臣、経産省指示をですね、大変なことをやった立派な方です。お父様をどのように思って、そして、政治家になった理由をお聞かせください。笹川副大臣の方はですね、自民党の国対副委員長で、農水委員会も担当されてましたけど、今後環境政策と農水省の政策がいろんなことでリンクしてくるのではないかと思うのですが、その辺のところのお考えをお聞かせ願えたらと思います。
(堀内副大臣)ありがとうございます。父の好きな言葉に克己心というものがございました。やはり、己のいろいろな気持ちを乗り越えながら、自分の正しいと思うべき道を進んでいったのが父の姿ではなかったかと思っております。私自身も、そういった父の背中を見ながら、いろいろなことがありましてもきちっとした政治の道を歩んでいきたいと思っております。また、私自身がなぜ政治家になったか、志しさせていただいたかという点につきましては、これは、実は女性が世の中に半分いるのに、日本の政治の世界においては、あまりに女性の数が少ないといった問題を常日頃から耳にしておりました。そういった意味で、私がぜひ政治の世界で、女性の意見をしっかりと反映したい、生活者の意見をしっかりと政治の世界に持ってきたい、そういった思いを持っておりましたところ、父も大変背中を押してくれて、そして、国会議員に立候補させていただくという経緯になりました。
(笹川副大臣)私も環境副大臣を拝命するまで国対の副委員長をやって、農水委員会担当させてもらいました。その前が国対の副委員長として、環境委員会を担当させてもらいました。農水省と環境省、ある意味私はいつも言ってるのは、これ親戚同士という言い方をさせてもらっております。やはり、その間にあるのはこの気候変動だと思うのです。この気候変動には緩和と適応があるわけでありますので、そういった中で、農水省の場合にはやはりその適応ということがあろうかと思います。先ほど、私、冒頭申し上げたこの豚熱、このイノシシですね、これが協会の人に言わせると、非常に北上してきたというようなお話でございました。この気候変動によって、動植物の生態系にもかなり影響を与えているということだと思うのです。そのことがやはり、農産物の生産について影響が出ていることはもう間違いないと思うのです。そういう意味において、気候変動への適応ということを一つのかけ橋として、農水省と環境省それぞれが連携を密にしてやる必要があるということはもう間違いないと思います。先ほどの御質問で海洋の話が出ました。この海洋についても、水産物の水揚げについても、これが大きく影響していることも間違いございません。そして、この陸上からの、人間が生活している中で、排出されたこのごみの影響を受けて、水生生物にも影響を与える。そのことがまた順繰りめぐって、陸上の動植物に影響を与えていくという、この生態系の循環とでも言いましょうか、そういうことを考えたときに、やはり環境省と農水省とお互いに力を合わせてやっていくことがまさにこの車の両輪ではないのかなと思っております。

(記者)栃木県にある下野新聞社の田崎です。御就任おめでとうございます。堀内副大臣に質問をさせてください。御担当の原子力防災について、お尋ねしたいと思います。来年の3月で、福島第1原発事故から10年となりますが、福島はもちろんですが栃木県でも、放射性廃棄物、放射性物質を含む廃棄物の処分方法がまだ決まっていないという問題がありまして、こうした問題や福島の再生に向けて、副大臣としてどのようにリーダーシップを取っていかれるお考えか聞かせてください。
(堀内副大臣)栃木県の皆様方におかれましては、放射性物質に汚染された廃棄物を長く保管いただいていることについて、心から感謝申し上げます。昨日も、先ほど申し上げましたように福島の方には伺わせていただきました。大きな原発事故から来年の3月で10年ということでございますが、その中で、廃棄物処理も徐々に進んできているところだと思っております。栃木県におかれましては、その方法をまずお考えになっていらっしゃるというところでございますが、それは、皆様方の考え、地元のお考えにしっかりと寄り添った形で進めようと思っているところでございます。