小泉大臣記者会見録(令和2年9月8日(火) 10:21~10:34 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず、1点目は原子力防災についてです。令和2年度に国が行う原子力総合防災訓練については、女川地域を対象として実施することになりましたので御報告をしたいと思います。今回の訓練では、新型コロナウイルス感染症対策を考慮して、原子力施設からおおむね半径5キロ圏内のPAZやPAZに準ずる5キロから30キロの圏内の準PAZ、ここにおける住民避難などを実施する予定ですが、今後、具体的な訓練内容を調整していきます。また、実施の時期につきましては、例年秋ごろに実施をしていますが、具体的な時期については今後関係機関などと調整を進めてまいります。1点目は以上です。
 そして、2点目なんですが、皆さんのお手元にはたぶん後で届くと思いますが、「気候変動×スポーツ」の取組について紹介をしたいと思います。一見すると距離のある気候変動とスポーツというテーマでありますが、うまく連携させることでウィン・ウィンの効果を生み出すことができます。また、国際オリンピック委員会(IOC)は2030年冬季オリンピックからはCO排出を実質ゼロにする取組を義務付ける、こういう発表をしています。スポーツ分野における気候変動対策はもはや不可欠な状況になっています。スポーツチームは地域と密接な関係がありまして、熱心なサポーター、ファンも存在をしています。チームや選手が中心となって気候変動対策に取り組むことで、地域全体やサポーター、ファンの行動変容にもつながると考えています。スポーツチームが地域やサポーター、ファンと一緒になって脱炭素化を先導することによるインパクトは非常に大きいと考えています。また、スポーツチームにとっても、気候変動対策をはじめとした環境問題への対応に前向きであれば、昨今のESGの流れもありますから、新たなスポンサーの獲得などにもつながり得るものと考えています。私は今年の3月、Jリーグのサッカーチームであるヴァンフォーレ甲府の皆さんと面会をしました。そのとき、COP24で発足した「スポーツを通じた気候変動枠組」、これに署名をしたことや、チーム活動で排出されるCOのカーボンフットプリントを計算して見える化をするという先進的な取組をヴァンフォーレ甲府が始めたこと、こういったことについてお話を伺いました。中身ももちろん素晴らしいのですが、環境への熱意、そして本気度に感銘を受けたことをよく覚えています。このヴァンフォーレ甲府がこのたび事業者のSBT目標、この設定などを支援する事業の支援対象となることが決まり、昨日7日、その旨を公表したところであります。ヴァンフォーレ甲府は、これまでの先進的な取組に加えて、更に意欲的な目標設定にもチャレンジすることで環境先進チームとしての地位を確立したいという思いで申請をされ、このたび採択に至ったと聞いています。現状では日本のスポーツチームがSBT目標を設定している例はありません。ヴァンフォーレ甲府にはこの事業でしっかりと成果を上げていただくことを期待しています。これを「気候変動×スポーツ」の取組の第一歩と位置付けて、環境省としても、その成果を活用しつつ、情報発信などを行って、他のサッカーチーム、そして他のスポーツの競技にも取組を広げていきたいと思います。なお、9月3日に開催したオンライン・プラットフォームでも政府以外の関係者の取組を後押し、旗振りを強力に行うことも政府の重要な役割の一つである旨、私からも発言をしました。この目標設定支援事業では、ヴァンフォーレ甲府以外にも多様な業種、企業を支援対象としています。引き続き、この事業をはじめ、様々な形で政府以外の関係者の取組も環境省が盛り上げて、一緒に脱炭素社会に向けて歩みを進めていきたいと思います。あとはお手元の資料も御覧いただければと思います。
 最後になりますが、今日14時から私も参加をして、環境インフラ海外展開プラットフォーム(Japan Platform for Redesign : Sustainable Infrastructure)、この設立式をオンラインで行うこととなりました。スライドも用意をしてありますが、この環境インフラのプラットフォームは環境インフラの海外展開に積極的に取り組む日本の民間企業、自治体などと政府機関とが一体となって環境インフラの海外展開を推進する枠組みであり、情報共有、ビジネスマッチング、案件形成支援などを行います。このプラットフォームには、企業、自治体、金融機関など環境インフラに関係する様々な団体に呼び掛けを行って、現時点で277団体の皆さまに御参加いただけることとなりました。今年の7月に取りまとめた「インフラシステム輸出戦略に関する新戦略の骨子」では、従来の石炭火力発電の輸出政策を脱炭素移行型の支援へと抜本的に転換することを発表しました。石炭火力発電に代わるものとして環境省が海外展開を支援するのが再エネ、省エネの設備、廃棄物発電といった環境性能の高いインフラであります。例えばベトナムでは、私は何度も紹介をしていますが、二国間クレジット制度(JCM)によって高効率の変圧器の導入を進めていて、これを受けてベトナムの電力公社が日本の変圧器の技術を標準仕様として取り入れた結果、この4年間でベトナム全体の6%に相当する高効率の変圧器が導入をされました。今後、この6%というのが40%以上に達する見込みであります。先週3日に開催されたオンライン・プラットフォーム閣僚会合でも、世界の多くの国や地域とコロナ復興後に持続可能でレジリエントな社会経済のリデザインに向けた取組を進める必要性について共有しました。これはまさに我が国の企業が有する環境インフラ関連技術に対する新たなニーズの創出につながる取組だと考えています。今後は、日本の技術、ノウハウを世界各地で更に広げるべく、このプラットフォームを活用して、政策支援による相手国ニーズの喚起、相手国のニーズを捉えた案件形成、設備導入といった上流から下流までのプロセスを一気通貫して分野横断的に支援をして、相手国と一緒に環境インフラの導入を通じて国際社会全体のリデザインを進めていきたいと思います。今日は冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)産経新聞の奥原です。国際社会のリデザインを進める環境インフラプラットフォームはいい取組だと思います。これは7月の政府のインフラ新戦略を受けた流れかと思います。途上国の環境インフラ輸出に関する脱炭素移行型を輸出の基本にしていきますよ、ということは、私自身すごく画期的な取組、政策の転換かと思いますけれども、大臣御自身、テレビ番組などを通じた発信という面で、石炭火力の原則輸出というところに比重を置き過ぎているのではないかと率直に思っておりまして、こういった供給サイドというか、途上国の環境インフラを脱炭素移行型に変えていくところに対する政府の方針の転換をこれから内外メディアに大きく発信していく考えがあるかということと、菅さんを支持された理由について率直にお聞かせください。
(大臣)まず1点目ですけど、ありがとうございます。ぜひ奥原さんには産経新聞でインタビューをやっていただければ、私、その転換についてお話をしたいなと思いますので。その石炭火力の政策転換、抜本的な転換、これは総理もビデオメッセージで述べたとおりでありますし、それに加えて、奥原さんが言うとおり、今後は再エネ、省エネ、廃棄物発電、こういったものについても力強くこのプラットフォームで約300団体を含めて展開していきますということを、確かにより発信をすべきことだと思いますので、ぜひそういった機会もいただければなというふうに思っています。我々もしっかりと発信をしていきたいと思います。
 2点目、官房長官について支持理由はということでありますが、今、報道で見ると、菅官房長官のイメージ、そして今後の、仮に次期総裁となられたときに、安定性、継続性、この2点が盛んに言われていました。しかし、私の抱いている官房長官のイメージはそれとは異なります。官房長官イコール改革です。私の官房長官の今までの10年以上党内で、また政府内で一緒にお仕事をさせていただいているイメージの原点の一つが、野党時代に総務会の中で、当時の執行部に対して一人で反対論をぶっている、そういう官房長官の姿が非常に印象的です。そして、野党時代に郵政民営化の法案が、改革が逆戻りしかねない、そういったことに対して、自民党の方針に反旗を翻して、私も結果的に一緒になりましたけど、造反をした、そういう行動を取られたのも菅さんです。そして、私が農林部会長のときに農業改革、全農改革を含めて取り組んでいました。そして、海外のインフラ輸出、今で言う食の輸出も取り組んでいたときに、官邸からバックアップをしてくれたのも官房長官でした。そして、この石炭火力の見直し、これについても、最後インフラ輸出の戦略の会議の座長は菅官房長官ですから、官房長官の理解なくしてはこういった改革というものはできなかったと思います。そういったことからすれば、私が期待をしているのは、世の中が言われている安定、継続というよりも、思い切った改革を断行していただく、そして官房長官はそういう改革の方だと私は思っています。

(記者)朝日新聞の水戸部です。総裁選について、日曜日の台風の関係閣僚会議の後に菅長官とお会いになられたかと思うのですが、どういうお話をされたかということと、前回、前々回の総裁選では石破氏を支持されていたと思うのですけれども、今回そうではなかった理由と、今、改革精神を長官からは感じるということだったのですけれども、他の候補者にはそういうところは感じないのかという点を教えてください。
(大臣)まず、そういうことはありません。一方の方をこう言ったから他の人は違うということではなくて、それぞれに私もお仕事を一緒にさせていただいたり様々なお付き合いをさせていただいていますので、本当に3名とも総裁候補の有資格者でありますし、政策論争を充実したものにしていただける3名だと思います。そういった中で、現時点での私の思い、そして今までのことも考えた上で、今このコロナがある中で、私は今一番必要なのは大胆な改革だと、そういうふうに思っています。もちろん、安定や継続というのは大事なことだと思います。しかし、国際社会も大きく動き出している中で、私は菅さんというのは改革だけではなくて大胆な改革をする思いを持っている方だと思っていますので、そういった改革に期待をしたいと思っています。
(記者)関係閣僚会議の後は。
(大臣)災害対策の後ですか。日ごろから官房長官とは様々なコミュニケーションを取らせていただいているので、その一つです。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=U-N1ICNNw18

(以上)

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