小泉大臣記者会見録(令和2年8月25日(火)10:36 ~ 11:00 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は冒頭まず、モーリシャスの件について申し上げたいと思います。このモーリシャス沖での油流出事故については、15日に私から環境省としても職員、そして専門家の派遣を調整しているということは記者会見でお伝えをしました。その後、環境省2名、そして国立環境研究所の2名、この4名を含む国際緊急援助隊(二次隊)、計7名の派遣が決定されました。援助隊は20日に現地到着して、翌21日から活動しています。私自身も佐藤副大臣と一緒に、21日に東京と現地をつないだウェブ会議に参加をして現地の様子を聞くとともに、現地のニーズを聞きながら、できるだけ、先手先手で支援を実施していくように指示を出し、また今後の状況を逐次把握していきたいと思います。次に、昨日24日までの4日間の活動状況を簡潔に御紹介したいと思います。二次隊は各国と協力をして、サンゴ礁やマングローブ林の現地確認調査を実施しています。今日最初に、今サンゴの様子がこのスライドで見られると思いますが、調査した海域のサンゴに関しては、派遣専門家によるシュノーケリング調査の結果としては、幸いなことに健全な状況を保っているということでもあります。ただ、次のスライドに行っていただければ分かりますが、油の拡散を防ぐために設置しているオイルブーム、これをつなぐロープが、今もサンゴの脇にあるロープが見えると思います。このロープがサンゴを傷つけている、そういった現状も把握ができるということで、油汚染の程度の少ないところは、むしろこのものを撤去した方がいいだろうということで、順次撤去すべきだということ。また、船の座礁のため発生したと考えられる海水の濁りによる影響を見るため、継続的なモニタリング調査が必要であることをモーリシャス側に助言をしています。そして、次の3枚目のスライドで、マングローブについて申し上げたいと思います。このマングローブに関しては、この写真が非常に分かりやすいと思いますが、油が強く残っている状況が確認できると思います。ここはなかなかアクセスしづらく、回収作業が進んでいないためのようであります。そして、スライドをもう1枚めくりますと、このマングローブの土壌、今、調査している専門家職員が入っている様子が分かりますが、このマングローブの下の土壌が大変柔らかく、この土壌に踏み込むと、油が入り込んで長い間残ってしまい、生育に影響を与えかねないため、そうした中でも油を除去することができるのか検討する必要があるとのことです。調査結果は、現地政府の対策会議でも発表しています。援助隊員はコロナ禍という前例のない環境でも、モーリシャスの美しい海や生態系を守るために、とても士気高く活動してくれています。現地はまさに、ここから環境回復、そして社会・生活面の課題対応が必要な局面であります。支援隊と東京にいる本省職員、そして関係する省庁と力を合わせて、引き続き日本ができることを全力で取り組んでいきたいと思っています。モーリシャスについては以上です。
 次に、南鳥島におととい視察に行ってきましたので、その報告を一つさせていただきたいと思います。現地の環境、電力需給、そして設備機器の状況、こういったものも見てきました。帰り道には、短時間でありましたが、硫黄島にも立ち寄ってきました。その報告をしたいと思います。まず1枚目のスライドで、今回この写真の様子を対外的に出すというのが、なかなか民間の入れない島ですので、制限もあるので、ほとんど南鳥島かどうかが分からない写真になっているという、これは御理解をいただきたいと思いますが、環境省として、離島のような厳しい場所でも活用できる分散型エネルギーシステムを構築するための方策について、防衛省と連携して検討を行っているのは以前もお話ししたと思います。その検討を深めるため、南鳥島で防衛省、国交省、気象庁の現地駐在職員に直接話を伺って、現在のディーゼル発電に必要な燃料の備蓄状況などの様子を現地で確認しました。これは南鳥島の事務所で、現地での様々な話を聞いている様子です。そして、次のこちらが、まさにこの中に燃料が入っている現地の燃料タンク、こういったものを確認させていただきました。そして、三つ目になりますが、これも南鳥島かどうかさっぱり分かりませんが、塩害や台風、これは塩害の被害が、本当に様々な機械がすぐに塩害でやられます。この塩害や台風の被害などの現地の厳しい状況に加えて、ディーゼル発電のために年間500キロリットルもの軽油、そして気象観測のための水素ボンベを島の外から調達していること、そして携帯電話がほとんどつながらず、厳しい通信環境の中で働いていることなどを確認することができました。防衛省、国交省、気象庁の現地職員の方々の御苦労、これは本当に百聞は一見にしかずで、改めて、その職員の方々には心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。また、こうした環境だからこそ、再生可能エネルギーのような分散型エネルギーシステム構築の必要性、ポテンシャルを強く実感することができました。今後、環境省としても、更に詳細な調査を防衛省、国交省、気象庁と連携して行って、国内外モデルとなるような再生可能エネルギーシステムを構築できるように、より集中して検討を加速化するように事務方に指示をしました。また、南鳥島は絶滅危惧種も生息していて、CO濃度をグローバルに観測する世界の30地点のうちの日本の唯一の拠点がこの南鳥島だと。そういうこともありますので、国境離島という日本にとって大切な存在を守っていくために、環境省としても最大限貢献していくための方策を、あらゆる観点から検討してもらいたいということで、今、事務方に指示したところであります。また、追って説明はしたいと思います。

 最後になりますが、オンライン・プラットフォームについて、現時点でのアップデートをしたいと思います。オンライン・プラットフォーム、これを正式名称としては「Platform for Redesign 2020」という形で立ち上げて、9月3日に閣僚級のオンライン会合を開催します。今日の会見ではこの閣僚会合の目的、現時点での会合の内容、そして私の議長としての役割、この3点を御報告します。まず、1枚目のスライドにありますが、1点目の目的、この閣僚会合の目的は、各国における新型コロナ対策と気候変動、環境対策に関する具体的な行動や知見を共有すること。そして、コロナ禍においても気候変動対策が後退しないように世界の機運を高めていく、この二つを目的として開催をします。今、私たちは新型コロナと気候変動という二つの危機に直面をしており、今を生きる我々は、この二つの危機から逃れることはできません。新型コロナからの復興に当たっては、この二つの危機に対処するため、従来の経済社会に戻るのではなくて、より持続可能でレジリエントなものへと変革する経済社会の再設計(リデザイン)が不可欠です。また、この二つの危機に対処する上で、世界のすべての国が協力・連帯して取り組むこと、このInclusivenessというのが不可欠です。新型コロナウイルスの影響で、COP26が来年11月に1年間延期される中で、国際的な取組の機運を失うことなく、むしろ一層高めていくことが極めて重要です。こうした考えの下、COPのようにすべての参加国が参加できる形で、経済社会のリデザインに向けた閣僚級のオンライン会合を開催します。次に、2点目がこの閣僚会合の内容です。今、スライドでお示しをしているとおり、この会合は、国連の気候変動枠組条約事務局の全面的な支援の下で開催するもので、3部構成を予定しています。最初のセッションでは、各界からの有識者による三つの移行、この環境省が訴えている三つの移行をテーマにしたパネルディスカッションを予定しています。二つ目のセッションは、閣僚級のラウンドテーブル、ここで具体的な取組や知見の共有を行います。そして、三つ目の最後のセッションでは、若者、産業界、自治体の代表によるパネルディスカッションを予定しています。そして最後に、私の役割について御説明をしたいと思います。私の役割は、主に二つです。まず第1に、この会議の議長として全体を統括することであります。各国の閣僚級が二つの危機に立ち向かう意思と、具体的な行動を共有して発信することで、国際的な連帯を強め、気候変動対策の機運を高めることに貢献したいと考えています。そして、二つ目に、COP25以来取り組んできた日本の取組を発信することであります。一つ目のセッションのパネルディスカッションに参加するとともに、続く二つ目のセッションでは、ポストコロナ、ウィズコロナの中で経済社会を再設計(リデザイン)していくための日本の取組を発信する予定です。その中で、石炭火力の輸出方針、そしてゼロカーボンシティ、こういった我が国の脱炭素に向けた前向きなアクションについて発信をしたいと思います。石炭火力の輸出方針については、COP25の内外記者会見、これはマドリードで行いましたが、この内外記者会見で、「世界の金融の流れ、我が国のインフラ戦略、石炭火力の輸出自体が抱える課題、民間ベースの経済活動とは別に、石炭火力の輸出という事業に対し、公的信用を付けているという現状について何とかしたいと思っていたが、今回は石炭政策について新たな展開には至らなかった。しかし、我が国のインフラ輸出の在り方については、今後も引き続き議論をしていくべきだと考えている。」と私は申し上げました。これは脱炭素に向けて、日本を変革するという私としての国際社会への宣言でありました。この宣言の重みを自覚しながら、中立、客観的なファクトに基づいて、イデオロギーとかにかかわらず、ファクトの議論を先導することができて、石炭火力の輸出方針を抜本的に転換させることができました。こうした我が国の脱炭素に向けた揺るぎないコミットの好例を、国際社会に対してしっかりと発信したいと思います。また、閣僚級会合でも論点になると思いますが、経済社会のリデザインに向けては、政府が若者、産業界、自治体の取組の後押し、旗振りを積極的に強力に行うことが不可欠です。その具体例としては、ゼロカーボンシティが挙げられます。私が大臣就任直後に出張したニューヨークでの気候行動サミットで、私の働き掛けによって、横浜市が2050年までのゼロカーボン、これを宣言してくれましたが、その当時のゼロカーボンシティはたった4自治体でありました。この1年で約150に上り、日本の人口の半数を超えて、6500という目標を超える約7100万人となりました。こうした脱炭素に向けた不可逆的な流れをつくるという政府の役割、実績も国際社会にしっかりと発信していきたいと思います。この会合に合わせまして、ウェブサイトを立ち上げましたので、最後に紹介したいと思います。このウェブサイトが、先ほど言ったように「Platform for Redesign 2020」、こういった形で、ウェブサイトを立ち上げました。このウェブサイトはまだ立ち上げたばかりですが、これから会合までの間に、各国の新型コロナウイルスからの復興、気候変動・環境対策の政策や取組に関する情報、各国の大臣、さらには国際機関、地方自治体、産業界、市民など、あらゆるステークホルダーのビデオメッセージを順次公開していきます。さらには、閣僚会合の成果を含めて、会合後も情報を更新して、まさに世界のリデザインに向けたプラットフォームとして機能することを期待しています。
 最後になりますが、世界各国が参加する気候変動の閣僚級会合で、日本が議長を務めるのは京都議定書が採択された1997年のCOP3以来です。環境先進国日本の復権に向けて、新型コロナウイルスからの復興と気候変動・環境対策について、我が国が国際社会においてイニシアチブを発揮していきたいと思います。冒頭長くなりましたが、今日は以上です。

2.質疑応答

(記者)TBSの中谷です。モーリシャス沖の件でお伺いいたします。今回の視察を踏まえて、今後どのような対応を予定されているかなどありますでしょうか。また、追加の派遣などあれば、お考えをお聞かせ願います。
(大臣)まず、先ほど申し上げたとおり、幸いにも確認したところのサンゴ、これは健全な状況を保っているということで、そこはよかったと思いますが、今後、継続的なモニタリングは必要です。そこもしっかりと環境省としても貢献していきたいと思いますし、マングローブ、これについては、さっき見たとおり、油の付着が根っこの方とかも強くある状況も見られるので、今後、優先的な油の除去が必要なのはこのマングローブであろうと思います。そして、この油による中長期の影響の把握のためには、今後も継続したモニタリングが必要です。マングローブ内の油の除去も含めて、更なる対策を取る必要があると考えていますので、更に詳細な現地調査、そして技術的な検討を進めているところですから、そういったことも状況を逐一、今ウェブなどでも直接つなぐことができますので、こういった状況の報告を受けて、職員、そして専門家を、今後必要であればもちろん派遣をしますし、環境省としてできることを、あらゆる方向から考えて、政府一体となって取組を進めていきたいと考えています。

(記者)NHKの吉田です。オンライン・プラットフォームのことで伺わせてください。閣僚級会合の規模感を伺いたいのですが、現時点でどれぐらいの国や地域が参加を表明しているのかという数の部分と、9月3日11時まで開催して、成果物、議長声明ですとか会合としての取りまとめというのはどういうようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。
(大臣)まず規模感ですが、昨日の8月24日時点で、既に約60カ国からの参加の回答を得ています。そのうち大臣、もしくは副大臣級が参加を予定としている国が約40カ国という状況です。各国以外の出席者についても調整中ですが、まず、セッション1のファシリテーターとしては、国際的なシンクタンクとして、気候変動分野においても大変活発に存在感のある活躍をされているWRI、これは世界資源研究所とも訳されますが、WRIのアンドリュー・ステアー会長がファシリテーターを務め、セッション2は、国連事務総長グテーレス事務総長付の気候変動特別アドバイザーのセルウィン・ハート氏、この2者がファシリテーターを務めるという予定です。セッション3については、今、検討中ですが、先ほど申し上げたとおり、若者、自治体、ビジネス界、こういった各主体からのメッセージを発信する予定です。そして、成果物でありますが、もちろん議長としての取りまとめ、総括のようなもの、こういったものをまとめて対外的には発信をする予定でありますので、今のところはそういう状況です。

(記者)共同通信の松浦です。南鳥島の視察についてお伺いします。自衛隊が駐在している離島といいますと、与那国島や奄美大島もありますが、南鳥島には、河野防衛大臣も7月11日に視察されております。この南鳥島を選んだ理由について、防衛大臣が視察されたことも理由の一つになるのでしょうか。また、防衛大臣に対してシンパシーを感じる部分があれば教えてください。
(大臣)それは前からも言っているとおりで、あらゆる連携はやっていこうと。そして、環境省として、今、気候変動に取り組む中で、私の認識も河野大臣の認識も、気候変動対策というのはもはや国家の安全保障である。この環境と国防、これは切っても切れない時代になっている。そういった中で、この南鳥島の視察を私も実際にして、この国境離島における環境省ができることというのは、考えるよりも、行ってみてより多くのことができるのではないかと、そういう感触を得ました。河野大臣は7月11日に南鳥島に視察をされて、そのときに、こういうふうに言っています。これだけの離れた場所は燃料輸送も大変だ。地産地消のできる再エネは役に立つのではないか。そういう思いを防衛大臣が持っているように、私も全く同感でありますので、今、私は今回、飛行機で行く手配をしていただきましたが、片道4時間、現地滞在2時間、帰りもそれぐらいかかります。その中で、船で、今、輸送している油とか食料、そういったものは片道4日とか、それぐらいかかるわけですから、万が一何かあったときに、燃料など、そういったものが非常に大変です。ですので、まさに自己完結型の島にできて、再生可能エネルギーで生活、そして任務を全うすることができれば、より国境離島の防衛にとっても、これはプラスのことになりますので、その可能性も含め、そしてまた気候変動、世界で30カ所のうちの日本の唯一の拠点が南鳥島である、こういったことを環境省としても受け止めて、できることを今後も検討させて、次々にやっていけることはやっていきたいと思います。

(記者)産経新聞の奥原です。首相の体調が不安視される中で、マスコミや与野党の議員らが一挙手一投足を注視しております。国のトップの健康状態というものは、永田町の最も関心の高い事項でありますけれども、一部の野党は、臨時国会を開いて、首相自らが自身の体調を説明せよと要求されています。こういった事象についてどういうふうに思われますでしょうか。
(大臣)まず、もちろん国会を開いたことを、与党と野党とそういったことが、合意が仮にあった場合、国会に対して行政府である我々内閣がしっかりと説明責任を果たしていくこと、こういったことは重要だという上で、体調のことを国会で報告しろというのは、私はそういったものではないと思います。今、総理、政治家に限らず、世の中には御自身の持病、そして体調、そういったものと闘いながら、また、何かしらの悩みとかストレスとか病とか、こういったものといろんな努力をしながら働いている方、生きている方はいっぱいいます。私は総理であっても、そこは例外ではないと思います。もちろん総理大臣たるもの、この日本の国家の安全保障、そして国民の生命と財産を守ること、ここに責任を負う最高の立場にある方ですから、その方の健康状態というのは、もちろん政治の世界では重要視されることは当然だと思います。ただ、それに関して、今様々な臆測に基づく議論やうわさ、根掘り葉掘り様々なことが出て、そして尾ひれが付いていろんなことが出る状況というのは、私は醜いと思います。そういった議論に私は参加するつもりもありませんし、今、安倍内閣の下で、環境大臣としての職を全うしていきたいと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。温暖化のことについて2点ほど。オンライン会議の参加国は先ほど60カ国ぐらいとおっしゃったのですが、アメリカや途上国で中国をはじめとするその辺の動向を伺いたい、それが1点。それから、目的で気候変動対策を後退させないという言い方をされていますけれども、これは国際合意のどういうところを捉まえて後退させないという考え方を出しているのか、その2点です。
(大臣)まず、冒頭については、事務方からも詳細、答えられる限りで答えさせたいと思いますが、後退させないというのは、今パリ協定の下で、各国この目標達成に向けて2℃目標、できれば1.5℃目標、このことに努力をしているわけです。ただ、コロナによって、各国の置かれた状況が一変した中で、どうしても政策の優先順位が、今までよりも気候変動対策というのが重きを置かれないようなことがあってはならない。さらに、COP26という大変重要な、日本にとっても残されたピースである6条というこの条約の交渉も、今、停滞している。この中で、来年の11月までの間にCOPが開かれないことが、結果として、気候変動対策に各国の協調が弱まることがないようにしなければならない、そういった思いであります。詳細は大井さんから。
(事務方)1点目につきまして、事務方から補足させていただきます。各国の参加の状況につきましては、正直申し上げて、まだ各国といろんなやりとりをし続けているところでございます。個別の国の参加状況については、現時点ではちょっとお答えを差し控えさせていただきますけれども、いずれにしても、米中をはじめとする主要国、それから、できるだけ多くの国に参加をいただくよう、今、働き掛けを行っているところでございます。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=1y18bAACZvc

(以上)

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