小泉大臣記者会見録(令和2年7月21日(火)10:41 ~ 11:07 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まずは、熊本の災害について触れたいと思います。先週の木曜日、熊本県の豪雨被災地を訪れた際に、多くの自治体の関係者の方から御要望をいただきました。特に御要望の中で大変思いを持たれていたのは、被災家屋の、特に半壊の家屋に対する財政支援をしてもらいたいということ、そしてグリーンニューディール基金の活用なども大変関心の大きいところでありました。そして、その木曜日、視察をした後に、私はこの場であらゆる角度から検討してほしいと事務方の方に指示をしました。そして、その後、事務方が大変頑張ってくれまして、その日のうちに決着を見ることができました。半壊家屋の解体を補助対象とすること、そして、いわゆるグリーンニューディール基金も活用して、地方財政措置も含めて熊本地震並みの97.5%以上の財政措置をする。税収以上の一定規模の事業費が発生する、そういった場合は最大で99.7%の補助となる。こういった、いわば被災地の皆さんの最も求めている要望内容について、最大のスピードでこの形をつくっていただいた名倉課長をはじめとする担当の努力、これは相当なものがあったと思います。私も改めて誇りに思いますし、被災地の皆さんには安心して、これからの復旧・復興に取り組んでいただきたいと思います。引き続き現場のニーズは様々時々刻々と変化をすると思いますから、緊張感を持ってそのニーズにしっかりと対応できるように見ていきたいと思います。冒頭、まずはそれが1点目です。
 そして、二つ目、今日は骨太と成長戦略が閣議決定をされましたので、御報告をしたいと思います。まず、骨太の方針では、昨年までと異なって総論部分に環境に関する記載が盛り込まれました。具体的には、ポストコロナ時代の未来に向けた新しい経済社会の姿として、気候変動などの地球規模の課題に対応し、持続可能で環境と調和した循環経済の実現などによって、国際協調や国際連帯の構築強化を主導する役割を担える国を目指す、こういったことが掲げられました。上の部分です。そして、次に成長戦略ですが、かねがね発信をしてきたように、新型コロナウイルス感染症からの経済回復に当たっては、コロナの危機と以前から存在するグローバルな課題である気候危機への取組を両立させながら、脱炭素社会、循環経済、分散型社会、この三つの移行が重要だと、そういうことを訴えてきました。今回それが閣議決定の中で明確に位置付けられました。三つの移行の閣議決定の記載は、この同じ日の定例閣議で決定された統合イノベーション戦略2020に次ぐものであります。今、ヨーロッパではグリーンリカバリーが盛んに提唱されていますが、今回のコロナの危機の克服において、脱炭素社会の構築に向けた流れと整合させることが世界のトレンドになっています。こういった中で、9月3日に開催をするオンライン・プラットフォームは、日本が議長国として議論を主導します。二つの危機の克服には国際協調が不可欠であります。日本が主導して、気候変動に関する国際的な機運を維持していきたいと思います。また、次のスライドにありますが、今般の骨太の方針と成長戦略は、全体の分量がスリム化をする中で環境分野の施策が多数盛り込まれました。代表的なものをここに列挙していますが、非効率石炭火力のフェードアウト、これも初めて、もちろん盛り込まれましたし、石炭火力輸出の新しいインフラ戦略の骨子、これに基づいた対応、つまり原則支援をしないということです。そして、ゼロカーボンシティ、気候変動×防災、その中で訴えている適応復興、プラスチック、そしてワーケーション、福島の脱炭素化と新しい未来志向のまちづくり、そしてESG、インパクトファイナンス、こういったことなども盛り込まれました。今後、骨太、そして成長戦略に盛り込まれた方針に基づいて、三つの移行を着実に進めて、ウィズコロナ、ポストコロナ社会の設計に向けた政府全体の議論に積極的に貢献をして、環境省における来年度の概算要求の検討作業も進めていきたいと思います。
 三つ目は、今、ワーケーションも触れましたが、こちらについても報告をしたいと思います。今日、今年度の補正予算に計上した国立公園などにおける地域の雇用維持・確保や誘客、ワーケーション推進のための補助事業について、採択案件を決定しました。501件を採択して、1000人以上の雇用に貢献できる見込みです。予算額は22億円に対して72億円の申請をいただき、大変高い関心を持っていただきました。ここに書いてあるとおりです。そして、あした、22日水曜日に新宿御苑にあるインフォメーションセンターをリニューアルして、全国に34ある国立公園の情報を発信する「National Parks Discovery Center」をオープンします。私は内覧のときに訪問をしましたが、素晴らしい施設です。今日、今から少し、30秒の動画を皆さんにお見せしたいと思います。ぜひ、こういうこともこのセンターで紹介されると、ちょっとイメージをつかんでいただければと思います。どうぞ。
(動画視聴)
 これは一部ですけど、あしたは環境特別広報大使の柴咲コウさん、そしてアソビュー社長の山野智久さんとトークセッションも行います。私もこのトークセッションには参加をする予定です。柴咲さんは、自然や国立公園に関心が非常に高く、今までも環境省の様々な事業に御協力をいただいている環境特別広報大使です。そして、山野さんにおかれましては、地域での体験の価値に重きを置いて、日本最大級のレジャーの予約サイトにおいて国立公園内の自然体験アクティビティを多数扱っていただいております。この柴咲さん、そして山野さんお二人の体験談を交えながら、国立公園の魅力やその楽しみ方についてお話しできればと考えています。なお、あしたから今週末の26日まで、新宿御苑の芝生にリモートワークが体験できる大型のテントを設置する予定です。トークセッションもそのテントの中で開催をしますが、もし屋外で、新宿御苑でリモートワークをやってみたいと、そういう方がいらっしゃいましたら、今週日曜日まで体験できますので、ぜひ活用いただきたいと思います。なお、あしたのイベントについては、新型コロナウイルス感染症対策を徹底して実施する予定でありますので、プレスの皆さんにも御協力をいただければと思います。
 それでは、今日は最後となりますが、先週の会見で環境省幹部の人事について御報告をさせていただきましたが、本日付で発令となりましたので、御紹介をしたいと思います。今後、新任の環境事務次官として後任には中井徳太郎環境事務次官、そして近藤智洋地球環境審議官が本日付で着任をしました。引き続きよろしくお願いしたいと思います。その他、本日発令された局長級を御紹介したいと思います。まず、和田篤也総合環境政策統括官、そして小野洋地球環境局長、山本昌宏水・大気環境局長、そして森山誠二環境再生・資源循環局長、この新しい体制で気候危機、そしてコロナ危機の克服に向けて経済社会を再設計(リデザイン)するための三つの移行、これをしっかりと進めていただいて、社会変革担当省だという環境省らしい、スピード感を持って柔軟でクリエイティブな仕事をしてもらいたいし、環境省の中で進んできている働き方改革についても、決してコロナの前に後戻りすることなくやってもらいたいと思います。そして、最後になりますが、勇退されるお二人のことについて私から触れたいと思います。鎌形浩史前環境事務次官、そして森下哲前地球環境審議官が本日御勇退をされます。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。鎌形前事務次官は、昭和59年に環境庁に入庁以来、36年間にわたって人と環境を守る、そのために社会を変えていく、これをミッションとして、水俣病問題、東日本大震災対応、原子力規制組織改革、廃棄物・リサイクル対策や地球温暖化対策など様々な諸問題に取り組んでこられました。その真摯な姿勢と環境行政への熱い思いは、気候危機、コロナ危機を乗り越えていくためにも環境省が皆で引き継いでいくべきものだと思います。特に最後は私のような大臣が来て、大変な御苦労をされていたと思います。本当にお疲れさまでした。森下前地球審は、昭和61年に環境庁に入庁以来、34年間にわたり化学物質対策や海洋汚染、環境技術開発、廃棄物・リサイクル対策などにその深い知識を生かして携わられました。さらに、気候変動の国際交渉については、パリ協定の締結、実施指針採択など非常に重要な節目に大変御活躍をいただき、そして私にとっても忘れることはないでしょう、昨年末のCOP25、マドリードで、現場のことをすべて隣で見ていただき、支えていただいたのが森下さんでした。本当に長い間、環境省でのお仕事、お二人ともお疲れさまでした。そしてまた、大臣としてお支えいただいたこと、お二人の環境省の職員としての1ページに私自身も関われたこと、私も大変光栄に思います。ぜひ、これからも健康に御留意されて、その経験をこれからも環境省にも様々な形で生かしていただきたいなと思います。改めてお二人に心からの感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。それでは、ぜひぜひ、嫌いなサプライズですけども、ちょっとこれはお祝いさせていただきました。(拍手)ありがとうございました。もう今日はこのまま終わりたくなっちゃいますね、いい雰囲気でね。それでは、質問に行きましょうか。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の水戸部です。国立公園のワーケーションの件なんですけれども、たくさんの事業者から応募いただいたということなんですが、先日、Go Toキャンペーンについて東京が対象外となることが決まりました。全国的に感染者が増えていることもあって、Go Toとは関係なく県外への不要不急の移動を自粛している方もいらっしゃるのかなと思っていて、ワーケーション自体は、コロナ収束後、大きく需要は伸びると思うのですけれども、時期尚早という意見もあるとも思うのですが、国立公園の観光の現状についての大臣の御認識と、県外移動がままならない中でこうした環境整備やアクティビティをどう活用していってもらいたいと考えているか教えてください。
(大臣)まず、今回、約1000人規模の雇用に貢献をしているというふうに紹介をしたとおり、この観光というのが回復をするまでの間をどうやって支えていけるのか、こういったことにまずは重きを置きました。ですので、そこは今のコロナの現状がどのようになろうともしっかりと支えなければいけない皆さんがいる。そこにしっかりと事業を実施していくということで、大変多くの方に今回御応募いただいて、採択に至ったことは、その雇用の維持や、いざ再開、しっかりと観光を楽しんでいただける状況になるときに、その環境を案内をしていただいたり、支えていただく事業者の皆さんを支えるということにおいても非常に大きなことだと認識をしています。ただ一方で、水戸部さんおっしゃったとおり、今こういった状況でなかなか遠出の観光というものに対しては二の足を踏んでしまうような状況がある中では、私もやはり身近なところから、特に県内、こういったところから改めて観光の魅力を再発見、再発掘をしていただく機会にしていただきたいと思っています。特に、最近私も様々な事業者から話を聞くと、例えば山梨県内のキャンプ場では、来訪者のうち県外からの来訪者が95%を占めていて、山梨県内の来訪者はわずか5%だったと、そんなデータも聞きました。近いからこそなかなか気付かないということもあると思うので、今回こういった機会に、逆に県内の皆さんに、国立公園も含めてその価値を、魅力を味わっていただければなと思います。別の調査結果もあります。例えば、全国での移動自粛要請解除後、行ってみたい旅行として最も多かったのは、車での近場への旅行が50%、最大の回答だったという結果があります。ですので、まず、皆さんがお住まいの身近な国立公園をぜひ一度行ってみてもらいたいですね。それをきっかけに全国の国立公園にも関心を持っていただいて、そして東京の方に対しても、今、新宿御苑に、あしたから行けば、新しいこのセンターで様々な4Kシアターでの魅力を体験していただけますし、デジタルサイネージ、そして国立公園案内カウンター、様々情報提供ができますので、こういった機会をより遠出の観光ができるときに備える、また準備をすると、そういったことも含めて活用いただければと思います。

(記者)共同通信の迫野です。九州南部などの7月豪雨の半壊家屋の解体に関連して、一部報道で、今回に限らず特定非常災害については今後も半壊も補助対象にするという報道がありました。この事実関係と大臣の所感をおねがいします。
(大臣)そこは大事なところです。そのとおりです。今回の災害に限らず、今後も災害で大量の災害廃棄物の発生が見込まれて特定非常災害に指定された場合には、今回と同様の支援を行います。すごく大きなことだと思います。
(記者)もう少しそこの意義だとか、目的部分を聞かせてもらえますか。
(大臣)まず、意義としては、やはり災害が発生して被災をして、さあ、自分の家が全壊か半壊か、こういった判定の中で、今までも言われてきたことですけど、事実上もう住めないにもかかわらず、ちゃんと建っていますよねとか、1階だけですねと、こういったことによって半壊認定がされて国の支援が下りない。結果、自己負担だったり、その後の復旧に対する見通しも、スピードが思ったより進まない。こういったことについて、もうこれからは特定非常災害に遭って大量の災害廃棄物が発生した場合は、即、半壊も見ますと。こういった見通しが間違いなく立ったわけですから、今後、今回の熊本をはじめとする被災地に限らず、今後、仮にですよ、ない方がいいですけど、例えば、これから台風シーズンのときに台風で被災をするところが出ました、大量の廃棄物が出ました、そして特定非常災害に指定されましたといったら、役所に対する要望活動は必要ありませんから、即その場で支援ですから、これは非常に大きいことだと思います。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。冒頭お話があった、骨太方針と成長戦略に関連して伺いたいのですけれども、当面のコロナ克服という経済対策はよく分かるのですけれども、環境との共生、気候変動との共生という意味では、骨太方針の中で目立つのは革新的エネルギーイノベーション戦略とか、戦略という言葉がいろいろ出てくるのですけれども、技術開発に大きく依拠している感じがするわけです。そこで伺いたい点は、COの排出量の世界的な削減やエネルギーの削減は、どの時点を環境省が掲げている気候変動との対応の共生を目指すのかその基点を伺いたい。というのは、定性的な言い方はいろいろあるのですけれども、数量的にどの時点を今後のウィズコロナ、アフターコロナの環境対策、気候変動対策、CO対策の基点にするのか、その点どうでしょうか。
(大臣)そうですね。環境省としては、その数字の認識については政府の中で最も野心的なものを持ちながらの調整に当たるべきだと思います。ですので、私はかねがね申し上げているとおり、2030年のエネルギーミックスについては、再生可能エネルギーが22%から24%となっていますけど、これは上限ではないと。いかにそれを上回ることができるかなと。こういったことは、やはり我々エネルギー政策を所管しているわけではありませんが、環境省としてできる需要サイドへの働き掛け、そしてその環境整備、こういったことで環境省が言わなければ一体誰が言うんだ、この思いを持った上で、政府全体の数字的な今後の目標値だったり、野心的な数字を政府のものにできるように働き掛けを強めていく。そして、2050年の、今80%カットという政府の目標がありますが、これも国際社会は、今2050年のゼロカーボン、もしくは早い国で言えば2045年とか、こういったことも出てきている中で、いかに野心的な目標を国としては掲げることができるのか。これを政府を挙げて、その野心的な方向に動きだす機運を高めるべく、ゼロカーボンシティの掘り起こしだったり、様々なことをやっているわけです。そういった中で、結果、清水さんが期待をされるような、より野心的に数値が引き上がっていくような方向に環境省としては最大限の努力をしていきたいと思います。そういった観点から言えば、骨太、成長戦略、この中にこういった記述だったり、様々な施策が盛り込まれたというのは、これからの努力に向けても一つ意義のあることかなと、私としては思っています。

(記者)フリーの横田一記者からの質問を代読させていただきます。リニア新幹線についてです。静岡県知事がJR東海との仲介案を示した国交省次官との面談で、本年の関連工事の着工を再び認めず、リニア新幹線の2027年の開業延期が確実となったことに対する受け止めと、知事がコロナ時代にリニア新幹線が必要なのか見直すべきというふうなことをおっしゃられたとのことなんですが、それについての御感想を、そして大臣が訴えるコロナ後の新しい社会において、リニア新幹線というものの需要予測とか収益性というのが環境破壊のリスクに対して、果たして公益性を有するのか否かということの検証は必要ないのかということ、あと現地の視察や知事との面会といったことは考えていらっしゃらないのかについて教えてください。
(大臣)まず、以前も同じような御質問があったときにお答えをしていると思いますが、国交省がリニア中央新幹線静岡工区有識者会議を設置して、これまでに議論が4回実施されています。この会議には、国交省の要請に基づいて、環境省から推薦した有識者が加わっていて、また、環境省自身もオブザーバーとして参加をしています。環境省としては、まずは国交省における有識者会議の議論を見守りたいと思います。ちなみに、環境大臣の環境影響評価書での意見、この中には、中央新幹線は、その事業規模の大きさから本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を最大限回避、低減するとしてもなお相当な環境負荷が生じることは否めない。さらに、国交大臣におかれては、本事業者が十全な環境対策を講じることにより、本事業に係る環境の保全について適切な配慮がなされることが確保されるよう、本事業者に対して適切な指導を行うことを求めるという意見を出しています。 そして、知事と会うかどうかという話ですけど、現時点で、川勝知事からの面談依頼などはありませんが、昨日もウェブ、そしてリアル双方で、自治体の首長さんとも意見交換をしたように、自治体の首長さんから会いたいと、そういったお話があれば、いつでも喜んで調整したいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=2MLV_UNQAqg

(以上)

ページ先頭へ