大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年7月10日(金)10:30~ 11:00於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 まず改めて、今、雨の被害が拡大をしています。お亡くなりになられた方々、そしてまた被災をされた方々にお悔やみ、お見舞いを申し上げたいと思います。被災地の生活再建のため、災害廃棄物を一日も早く撤去することが極めて重要でありますから、災害廃棄物の担当でもある環境省としては、本省の管理職を6日から熊本県に派遣をしていることは前回お伝えをしたとおりでありますが、昨日9日からは福岡県、そして大分県にそれぞれ派遣をして、北海道、近畿、関東、中四国の各地方環境事務所からも応援要員を派遣するなど、省を挙げて今取り組んでいるところであります。また、7月7日の政府非常災害対策本部において、総理から災害廃棄物の処理について自衛隊と共に撤去作業の支援を進めるように指示がありました。早速、被害が大きい熊本県の人吉市では、仮置場への搬入を円滑にするため、防衛省・自衛隊の協力を得て場内の整地を行うとともに、アクセス道路の設定、場内の車両待機スペースの確保、区画を分けて搬入口を2カ所にするといった対策が実施されました。これによって搬入の状況が改善されてきたというふうに聞いています。引き続き、この週末もまた状況が変わると思いますから、しっかり状況を見て、速やかに対応したいと思います。さらに、九州地方環境事務所長、そして派遣した本省管理職に、人吉市をはじめとする被災地において、被災地のニーズに応じて防衛省・自衛隊との具体的な協働を進めるように指示をしています。今後も情報収集に努めて、現場のニーズを積極的にくみ上げて、迅速かつ的確な支援を行ってまいります。今日もこの会見が終わりましたら、現地に派遣されている職員とオンラインでつないで、現地の状況を的確に把握したいと考えています。
 今日はもう1点、飼養管理基準について御報告をしたいと思います。動物愛護管理法、動物の愛護及び管理に関する法律、これに基づくペットショップやブリーダーなどの動物取扱業の飼養管理基準について、今日、今まさにこの会見と並行して開催されている検討会において、事務局である環境省から案をお示ししました。今、私はこの会見に出ていますので、佐藤副大臣が出席してそちらで御議論いただいているところであります。まず、今日は環境省の案について御説明、御報告をしたいと思います。昨年6月に改正された改正動物愛護管理法は3段階で施行されることとされています。3段階というのは、この①、②、③になりますが、①は既に施行済みで、動物虐待罪に対する罰則の引き上げ、これはもう既に以前の会見で説明をしたとおりです。そして今回、来年施行される上で環境省が案を出したものがこの2番目の飼養管理基準、この具体化であります。このことがまさに今回論点で、特に大きな論点、また話題となっているのは、下に書いている三つなどが主な話題となっている、ケージの大きさ、従業員数、繁殖回数・年齢、こういったことが関心の高い三つの大きな論点だということであります。この飼養管理基準の検討は、動物の健康や安全を確保する、こういう動物愛護の趣旨にのっとって進めていく方針としています。過去数カ月、様々な意見交換を重ねてきましたが、今申し上げたとおりの三つの点を今日は特に説明したいと思います。本日お示ししている環境省のポイントは3点あります。まず第1に、悪質な事業者を排除するレッドカードを出しやすい、そういう明確な基準とすることであります。これまでの定性的な基準による指導では、不適正事業者に言い逃れをされる面がありました。事業者に改善を促して、改善の意思がなければ登録を取り消すといった自治体職員による厳格な指導監督を可能とする明確な基準としました。そして二つ目のポイントが、自治体がチェックしやすい統一的な考え方で基準を設定することであります。例えば飼育の方法にも、平飼いと呼ばれる柵で囲う方法や、ケージで休ませ運動場で運動させる方法などがあって、犬や猫にも様々な品種やサイズがあります。こういったことを前提に、施設のサイズは個体の体長をベースに規定するなど、統一的な考え方で基準を定めることにしました。そして第3に、この動物愛護管理法というのは議員立法により改正をされています。閣法ではありません。国会が改正法に込めた動物愛護の精神にのっとった基準としたこと、これがその三つ目のポイントであります。基準自体は環境省令に委任をされていますが、立法者である国会の意思を十分に尊重して、動物の健康や安全を守るための基準はどうあるべきかという動物愛護の精神にのっとった基準としました。特に改正に大変御尽力された超党派の犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟、これは尾辻先生が会長を務めておりますが、その超党派の議員連盟からは4月3日に議連の要望として具体的な基準案の提案もいただいています。そして、この議連の事務局長を務めるのが福島みずほ参議院議員でありますが、この事務局長案というものも我々にお示しをいただいているところであります。この議連の事務局長案は超党派の議連案を更に精査して内容を絞り込んだものであります。4月以降、私自身も多くの方々と直接お会いをして、この飼養管理基準についての御意見を直接伺ってまいりました。皆さんが口をそろえておっしゃっていたのは、この超党派議連の基準案を採用してほしい、そういう御意見がありました。こういう状況を踏まえまして、環境省として議連の案を最大限尊重しつつ、その上で更に動物にとってよりよい基準はどうあるべきかを十分に考慮したものとしました。結果として、ケージの大きさ、従業員の数、繁殖の回数・年齢といった重要事項について事務局長案の水準をクリアすることができたと考えています。議連にも様々なお考えをお持ちの先生方はいらっしゃいますが、全体として議連の先生方にも御評価いただけるものとなったと考えています。実際に牧原秀樹議連の動物愛護法PT座長も今回お話をさせていただいて、プロセスも含めて丁寧にやっていただいたと、環境省はよく頑張ったと、そういった声もいただいているところでもあります。今回の環境省案は一言で言えば、動物目線の基準とすることができたというふうに考えています。具体的な基準の案として、主な項目のポイントを紹介したいと思います。今お手元に配布をした資料、そしてまたスライドにも提示していますが、例えばこの一番上にあるケージの大きさについては体長の2倍掛ける1.5倍、高さが体高の2倍として、体の大小によらず日常的な動作が可能な大きさとして、さらに外に出して運動することを義務付けます。平飼いの場合は走るといった動作も自然にできるように、ケージの6倍の面積を確保します。そして二つ目、従業員1人当たりの飼養頭数。これにつきましては、1頭当たりの世話に必要な時間を試算して、繁殖用の犬で15頭、それ以外で20頭としました。そして最後、繁殖については、これはやや専門的でありますが、犬の場合は6カ月から10カ月という発情のサイクルに個体差があります。6カ月の犬もいれば10カ月の犬もいます。こういった繁殖生理を考えて交配年齢を6歳までとする。ただし、満7歳時点で生涯出産回数が6回未満の場合は7歳までとしました。このように、年齢で基準を定めれば、繁殖生理の特性から年に何度も繁殖することはできないので、おのずと繁殖回数が制限されることになります。さらに、今回議連の案にはありませんでしたが、不適正事業者に対応するため、動物の状態を直接規制する定性的な基準も新設をしました。今ここに書いてある例がそうでありますが、爪が伸びたままになっていることも駄目、毛玉で覆われていることも駄目、毛にふん尿がついて固まっている、これは要望などで浅田美代子さんなど動物愛護団体の方々からも写真を持ち込まれて、犬の体がまさにふん尿で固まっている、玉のようになっている、そういった状況も拝見をしましたが、それも駄目。動物を不適切なこのような状態に置く悪質な事業者については、仮にケージサイズなど他の基準を満たしていたとしても、動物の状態から判断してレッドカードの対象とすることで、厳格な対応をより一層速やかに進めることができることになります。その上で、さらに環境省に不適正事業者に対応するための相談窓口を設置します。不適正事業者に厳格に対応して、必要な場合にはしっかりレッドカードを出せるようにしていくためには、基準の具体化に加えて、自治体の指導監視の取組を支える仕組みづくりが必要です。相談窓口の設置によって、勧告、命令、取り消し処分などの事業者への対応のノウハウを蓄積して、自治体にフィードバックするなど、具体的な対応を今後進めていくことにしています。なお、今回は環境省として初めて具体的な基準案をお示ししたところでありますので、今後も様々な御意見に耳を傾けて検討を続けていきたいと思います。具体的な基準案の内容などについては、別途事務方に御確認をいただきたいと思います。今後のスケジュールについても触れていきたいと思います。今日の検討会の後、この夏のうちに再度検討会を開催して基準案を取りまとめていただいて、その後、秋ごろに中央環境審議会動物愛護部会で御審議いただき、1カ月間のパブリックコメントを経て、答申を得た上で、環境省令等において基準を定める予定です。来年6月までの本規定の施行に向けて、動物のよりよい状態の確保につながるように、今後も動物の健康や安全を確保するという動物愛護の趣旨にのっとって必要な検討を着実に進めていきたいと考えています。私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)時事通信の武司です。豪雨の関連でお聞かせいただきたいのですけれども、災害廃棄物の発生状況や環境省の今後の対応についてもう少し詳しくお聞かせください。
(大臣)災害廃棄物の対応については、先ほど申し上げたとおり、今、現場への派遣、本省の対応、これは両方とも強化をし続けています。例えば現地への派遣は、先ほど申し上げましたが、本省の管理職を派遣しているのは先日お伝えしたとおりでありますが、新たにそれぞれ拡大した地域、福岡県、大分県などにも派遣をして、そして全国の環境省の地方事務所からも応援要員の派遣を省を挙げてやっていると。そしてまた、この本省の中の災害廃棄物対応をしている部局も相当業務が増えてきて負担が増していますので、本省の中の部局に対する増員、こういったことも今は行っているところであります。そして、やはり気掛かりなのは線状降水帯が長く停滞をしているということで、この週末を含めて引き続き雨が続く見込みでありますので、この結果、影響によってまたその状況も変わりますから、逐次状況を把握した上で必要な体制の強化を更に考えていきたいと思います。その上で、私もできる限り早く現地に伺って状況を確認したいという思いはありますが、やはり現場でのコロナの対応も含めて、できる限りの混雑や3密など、そういったことも回避をしながら現場に御迷惑の掛からない、そういった形で実現をしなければいけないというのをしっかり考えて、そこは検討していきたいと思います。だからこそ、今日はオンラインで現場から直接状況を見ながら話を聞こうと、そして必要な対応はすぐにその場で指示をしたいというふうに思っています。

(記者)テレビ朝日の藤原です。動物愛護の観点なんですけども、大臣もこれまで動物の虐待と見られるような写真とか見てきたと思うのですけれども、それを見たときにどのようにお思いになったのかということと、動物との共生社会という点において大臣が将来的に描かれているものと、それを踏まえた上での今回の事務局案はどういう位置付けなのかということを教えてください。
(大臣)こちらが、特にこの三つ目、これは大事なところなので改めて触れますと、法律には閣法と議員立法があります。この議員立法で動物愛護管理法は改正をされた。この国会の意思、そして議員の皆さんの努力によって改正をされた。この経緯を考えたときに、我々が何を重視すべきか、そこはおのずと明らかなことだと思っています。ですので、今回の案を改めて、もともと出されていた超党派議連の案、そして超党派議連の案を更に絞り込んだ超党派議連の事務局長の案、そして環境省の案、そしてまた一方で動物の業界団体といいますか、そういったところから出されている案、こういったことをしっかりと読み込んでいただければ、今回、環境省がこの原点にしっかりと立脚をして、今日この次のスライドで動物目線の基準だというふうに表現をしましたが、この動物愛護の精神にのっとった行政をしっかりこれから実効たらしめる、この思いというのは御理解いただきたいし、引き続きより多くの方に御理解いただけるように説明を丁寧にしていきたいと思います。そういった意味でも、今回相当超党派議連の案を求められる方が多かった中で、実際に数字を、また数字では表せない定性的なところで環境省が議連の案を上回る形で今回新たな規制案をしっかりやって、さらに今後、環境省に相談窓口を設置するというまさに対応を連続して議連の案から積み上げていった、その土台づくりに大きく貢献していただいたことに、超党派議連の皆さんには改めて私からも敬意を表したいと思います。引き続きそういった我々の今回の案を出したその背景にある思い、そして我々の考え方、これが的確に伝わるように我々も引き続き、これは案を出したわけですから、まだ案ですから、それを最終的に取りまとめるのは今後でありますが、この案の考え方については引き続き説明を丁寧にしていきたいと思います。何か事務方から補足はありますか。大丈夫ですか。

(記者)NHKの杉田です。飼養管理基準の関係でお伺いしたいのですけれども、ケージの大きさについて特に厳しい基準が設けられると廃業せざるを得ない業者も多く出るのではないかという声も上がっています。そうした声に対して大臣としてどう受け止めているのかということと、もし廃業が多く出た場合に、動物の保護をどうしていきたいと思っているのか、お伺いできればと思います。
(大臣)今回この案を固める過程の中ではそういった立場の、例えば犬猫適正飼養推進協議会、そういった団体の方々ともお会いをして、そういった声も私も直接伺わせていただきました。ですが、今回そういった声も踏まえた上で、我々環境省として立つべきところはどこか。それは間違いなく動物愛護精神によった立場に明確に立たなければいけないと考えました。ですので、もちろんこの案が実際に仮に取りまとめられて、それが施行されるということになれば、間違いなく世の中が変わっていきます。その変わっていく変化の中で様々な状況が発生する可能性はありますので、そこについては引き続きしっかりと見た上で必要な対応は取っていきたいと、そういうふうに考えています。

(記者)エネルギージャーナルの清水です。石炭火力に関してちょっと伺いたいのですけれども、小泉大臣が去年のCOP25以降努力されて、ここまで来たのは大変なものだったと思います。多少輸出4要件の見直しでは、結論として環境省と経産省の間にちょっと解釈の違いがあるようですけども、その違いの認識は何かありますでしょうか。問題は国内の石炭火力をどうするか。特に新増設、あるいは既設も含めてだろうと思うんですね。輸出で厳格化の方針を小泉大臣も含めて政府として決定しようとしているわけですから、国内の石炭火力新増設及びこれから計画しようとしているものについても厳格化が必要だと思うのですが、その辺どうでしょう。
(大臣)まず、経産省と環境省はちょっと違うところもあるのではないかということでありますが、昨日私が会見で発表したインフラ戦略の骨子、この新戦略、この骨子は環境省、経産省のみならず、政府全体で一致をしたものであります。そして、特に私が重要だと思っていることは、今、清水さんは、厳格化という表現をお使いになりましたが、これからまさに支援しないことを原則としたわけです。これを文書の中に入れているんです。特に昨日も強調させていただいたように、インフラ戦略の骨子は、どう考えても普通インフラとして輸出をしていくものを推進したいからつくる戦略なんですよ。その中にあえて輸出をしないという、原則支援をしないということを明記した政府決定、骨子になっている。これは政府全体の統一ですので、そこは御理解をいただきたいというふうに思います。そういった中で、それをどういうふうに発信をするかにおいては、省庁ごとにコミュニケーションのスタイルというものがありますので、そこは私としては、違いではなくてそういうものだろうと。そもそも違うところもあるから各省庁がいっぱいあるわけですから。ただし、最後に決まったのは政府の統一したものであると、そういったことだと思います。そして、国内のという話がありました。国内はまさに梶山経産大臣からは2030年のフェードアウト、これを実現性をもって具体化をしていくということでありますが、もちろん非効率なものはやめていくけど、非効率以外のものをどうするのか。こういったことについては、この前申し上げたとおり、高効率のものをより高効率に、そしてガスへの切り替え若しくはガスへの切り替えや石炭の中でもバイオマス、そしてアンモニアの混焼、そして最終的に、今もう新しい技術の中では火力発電だけどもゼロエミッションである、こういった技術というのも開発が進んでいますので、今、国際的には火力発電イコール悪である論調というのも一部ありますが、ゼロエミッションであること、これは一番大事なこと、脱炭素社会に向かう上では。そういった中では、そういった可能性を後押ししていくこと、そういったことも環境省としてはやっていきたいと思います。
(記者)環境省は環境アセスメント法で個々の石炭火力については今までいろいろ意見も付けていますね。これからも出てくるかもしれない。着工中のものもいろいろ意見が出てきますので、いろいろ意見を出していますので、環境大臣意見として。今おっしゃった考え方でアセスメント法上も環境省としてはそういう考え方で臨むし、今まで認可したものについてもフォローアップするというようなお考えはありませんか。
(大臣)アセスについて必要な意見はこれからも間違いなく言っていきたいというふうに思います。そして、アセス以外でも電力事業レビュー、これは環境省が毎年やっています。この電力事業レビュー、今調整をしていますが、そういった中でも今清水さんがおっしゃったような環境省の思い、見方、そういったこともしっかりと入れ込んでいきたいと考えています。

(記者)TBSの中谷です。昨日から今日にかけての話題で恐縮なんですけれども、IUCNのレッドリストが公表されまして、その中にマツタケが絶滅危惧種に追加されました。マツタケが絶滅危惧種に追加されたことについて、大臣の受け止めなどあればお願いいたします。
(大臣)マツタケという話がありましたが、その前にIUCNレッドリストの評価について触れたいと思います。これはマツタケだけではありませんが、マツタケなどが新たに絶滅危惧種に分類されたということです。IUCNレッドリストは、世界の野生動植物の生息の状況を踏まえて評価をされていて、一つの科学的知見だと受け止めています。一方で、国内の野生動植物の生息状況の評価については、現在、環境省において第5次レッドリストの公表に向けて作業を実施しているところです。環境省レッドリストの公表に向けては、少なくとも6000種を評価する必要があって検討に時間を要するため、公表は令和6年度より後になりますが、引き続き国内の野生動植物の生息の状況など把握に努めて、評価作業を進めていきたいと思います。なお、マツタケについて特に質問がありましたが、マツタケは我々日本人にはなじみのある、だけど、なじみはあってもなかなか食べる機会はない、それは今も変わらないことだと思いますが、マツタケは日本だけに分布している種ではなくて、アジアからヨーロッパにかけて広く分布しています。IUCNレッドリストは、世界の状況を評価して絶滅危惧種と判定したというふうに承知をしています。マツタケは現時点での環境省レッドリストの評価では絶滅危惧種となっていませんが、第5次レッドリストの作成作業の中で、今後、マツタケについても評価のための情報収集を進めていきたいと考えています。

(記者)産経新聞の奥原です。環境行政と異なるんですけども、大切なことなので伺おうかと思うのですけれども、香港における共産党政権に対する抗議活動を取り締まる国家安全維持法が施行されて10日たちました。多くの逮捕者が出るなど、あと、アグネス・チョウさんらが違法集会を先導したということで起訴されたりとかですね、相次いで民主化団体も解散を決めるなど、言論の自由を保障した一国二制度が揺らいでおります。これに対する受け止めと、香港市民やウイグル・チベット市民の人権を弾圧しているいわば共産党政権の最高責任者と言える習近平さんの国賓としての来日について自民党内で今議論が起きてますけれども、小泉さんとしての受け止めといいますか、どう考えておられるか教えてください。
(大臣)香港情勢については、国際社会や香港市民の強い懸念にもかかわらず、香港特別行政区における国家安全に関する法律が制定されたことには遺憾の意を表明する外務大臣談話が発出されています。自民党の決議については、8日に官房長官に申し入れがあって、官房長官からは、党からの個々の要望の対応について答えることは差し控えるが、要望は真摯に受け止めるというコメントがあったと承知をしています。また、習近平国家主席の訪日については、今は具体的な日程調整をする段階にないというのが政府としての立場だと承知をしていますが、私の立場で追加して申し上げるとすれば、以前も申し上げましたが、中国は気候変動、そして海洋プラスチック、こういった問題も含め、また生物多様性、これは来年、中国の開催、議長国です。こういった地球環境問題に共に取り組む立場として責任ある行動が不可欠だと認識をしています。日本は民主主義国家でありますから、我々がよって立つ価値は民主主義、自由、法の支配、そういったことに立脚をした価値をいかに世界と共に共有していくか、この努力は不可欠だと思います。また、個人的に農林部会長、厚労部会長という部会長を二度務めた立場からすれば、今回、自民党の外交部会という部会からの御意見ということでありますが、部会の声というのは国民を代表する政治家の声でもありますから、そういった声は真摯に受け止めるべきだと私は思います。

(記者)TBSの中谷です。マツタケに戻って申し訳ございません。環境省ではレッドリストを作成しているというところは今お伺いしたのですが、マツタケの量というのは現在採取量が減っているわけで、大臣も先ほどなかなか食べる機会がないとおっしゃっていたと思うのですけれども、市民の手から離れていく状況についてはどうお考えになりますでしょうか。
(大臣)そうですね。これはウナギの話もありましたよね。まさに環境省としては、日本の食文化には欠かせないということもそのとおりでありますが、その食文化を守るためにも、これ以上の個体数の減少につながらないように乱獲防止、そして生息環境の保全、こういったことに配慮していくことが重要だと、そういうふうに考えています。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=4T-4uSKII3U

(以上)