小泉大臣記者会見録(令和2年7月9日(木)18:00 ~18:40於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

(大臣)今日はこういう異例の夕方の時間にお集まりいただいてありがとうございます。ちょっと思いもあるもんですから、冒頭発言長くなるかもしれませんが、そこは御容赦いただきたいと思います。インフラ海外展開に関する新戦略の骨子が取りまとめられました。この中で石炭火力発電の輸出について、新たな方針を盛り込むに至りましたので、ここに御報告をしたいと思います。まず結論から申し上げますが、石炭火力発電の輸出に対する公的支援については、相手国のエネルギーを取り巻く状況課題や、脱炭素化に向けた方針をしっかり把握していない国に対しては、支援しないことを原則とすると変更をしました。新戦略は御案内のとおり、重点的に輸出を推進するインフラについて明記するものです。そういうものの中に、石炭火力発電については、支援しないことを原則とするという、支援しない方針を書き込むという異例の決着を見ました。お手元に、おそらく新戦略あるかもしれませんが、その中で、支援をしないものを書いたのは、ここだけであります。ここが最も重要な点でありますので、冒頭まず結論を申し上げました。今日は、私が環境大臣に就任以降、今回の石炭政策見直しに至るまでの一連の経緯、そして私としての思いを述べた上で、今回の成案について御報告したいと思います。まず、経緯について簡単に述べたいと思います。私が環境大臣に就任直後、ニューヨークで行われた国連総会で、気候変動とエネルギーをめぐる世界の話題の中心は、日本ではほとんど話題になることのない、石炭火力発電であり、日本の石炭火力をめぐる対応についての批判の大きさも感じました。このときから、石炭批判で覆われているせいで、本来であれば評価されるべき日本の取組や努力が伝わっていない現状を変えたい。そして、日本=石炭ではなくて、環境先進国日本の復権に向けた風穴を開けたいという思いを強くしました。昨年12月、COP25で、早速その機会が訪れました。5年連続で温室効果ガスの排出削減を実現していること、TCFD、SBT、RE100の取組は、日本が世界でトップクラスであること、そして、フロン、フルオロカーボンイニシアチブを立ち上げることや、日本企業の技術や日本国民一丸となった努力、イノベーション、様々な日本の取組で伝えたいことは数え切れないほどありましたが、こうした日本の取組を世界に届けるためにも、避けて通れないのが、石炭火力の問題でした。私がステートメントでなによりも強くこだわったのは、世界から批判されている石炭火力の問題から逃げないということでありました。とりわけ、途上国に石炭火力発電の輸出を推進し、相手国のエネルギー構造をロックインさせることを日本として公的に支援をしている。パリ協定の目標達成に向けた整合性が全く見えないまま、世界最高効率だということをもって、国際社会の批判を増幅させながら、輸出を推進しているという現状は、日本にとって得るものより、失うことの方が圧倒的に大きいと思っていました。残念ながら、そのときは、石炭政策については、新たな展開を生むには至りませんでした。批判も大きかったですね。ステートメントを述べた夜、マドリードでの内外記者会見で、私は、我が国のインフラ輸出のあり方については、今後も引き続き議論をしていく。これで終わりではないと、働きかけを続けていくと述べました。今年に入って1月にベトナムにおけるブンアン2という、今回の4要件見直しに至るきっかけとなった事業がありました。この件はすでに首脳レベルで推進することが合意されていたことから実施することになりましたが、この件をきっかけに、国会でもかつてないほど、石炭火力の問題が議論され、メディアの皆さんにも関心を持っていただいて、関係省庁とも調整をした結果、2月石炭火力輸出支援の4要件の見直しについて、次期インフラシステム輸出戦略骨子に向け、関係省庁で議論をし、結論を得ることで合意をしました。早速3月には、ファクト検討会立ち上げを表明し、4月から、国内外の最新の知見をはじめ、中立客観的にファクトを洗い出していく、ファクト検討会を開催し、座長の髙村先生はじめ、委員の皆さんに、まさに4要件の議論の土台を作っていただきました。好き嫌いや思い込みやイデオロギーを振りかざして対立するのではなくて、現実を直視して、ファクトを積み上げていくその作業が、今回の見直しに繋がったと認識しています。先週、梶山経産大臣から、国内の非効率な石炭火力のフェードアウトについて、より実効性のある新たな仕組みを導入すべく、今月中に検討を開始し、取りまとめるよう事務方に指示したと発表がありましたが、今日、石炭火力発電の輸出政策についても、梶山大臣はじめ、関係省庁間で議論した結果として、大きく前進させることができました。日本は、パリ協定に基づく長期戦略において、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すこと、そのために、パリ協定の長期目標と整合的に、世界のCO排出削減に貢献するエネルギーインフラの国際展開を進めていくという方針を掲げています。途上国のNDCを見ていくと、2030年に現状の2倍、3倍の温室効果ガスが排出される国もあります。長期戦略も日本は策定していますが、ほとんどの途上国は策定していません。こうした国々に対し、長期的な視点を持ちながら、実現可能かつ実効性のあるプランを提案するなど、相手国の発展段階に応じたエンゲージメントを強化していきます。寄り添う、伴走するという、そういったイメージです。早速、ベトナムとの政策対話を準備しているところであり、具体的な協力に向けた対話を開始したいと思います。具体的には、関係省庁が連携しながら、再生可能エネルギーや水素、CCUSや、バイオマスやアンモニア混焼技術などのCO排出削減に資する、あらゆる選択肢の提案や、脱炭素化に向けた政策の策定支援を行う脱炭素移行政策誘導型インフラ輸出支援、これを基本方針とします。この基本方針は、脱炭素移行を後押ししなければ駄目だということであります。その上で、脱炭素化に向けた方針等が十分に把握できない国での、今後新たに計画されるプロジェクトに対しては、支援しないことを原則とすることにしました。これら基本方針及び原則は、ファクト検討会の分析レポートから読み取れる、我が国のインフラ輸出は売れるから売るではなくて、脱炭素化へ向けた移行の一環でない限り、輸出しないとする、いわば脱炭素化原則を形にしたものと考えています。この支援を行わないことを原則とするとした部分については、私としては徹底的にこだわってきました。この部分の書きぶりですが、皆さんのお手元御覧いただきながら、見ていただければと思いますが、エネルギー政策や環境政策に係る2国間協議という表現、そして、相手国のエネルギーを取り巻く状況・課題や、脱炭素化に向けた方針を知悉といった表現があります。おそらく皆さんのお手元で言うと、パラグラフでこの石炭の見直しのところの、その上でというふうなパラグラフで、新たに切ってある、後半部分。この支援しないことを原則とするというふうに書いてあるところらへんの記述があると思いますが、今そこのことを話しています。ここで、エネルギー政策や環境政策に係る2国間協議ということについては、エネルギー政策だけではなくて、環境政策もしっかりと見ていく、そういった意味であります。また、相手国のエネルギーを取り巻く状況課題や脱炭素化に向けた方針を知悉という、普段、ほとんど見ないこの知悉という漢字2文字が入っています。この知悉という意味は、ある物事について細かい点まで知り尽くすこと、これが知悉という2文字の意味です。相手国の脱炭素化に向けた方針を単に知っていればいいという意味ではなくて、まさにこの言葉のとおり、そこについて細かい点まで知り尽くすこと。今後新たに計画されるプロジェクトが脱炭素化に向けた移行の一環であるかどうかを、細かい点まで把握する。そういう運用を環境省としてもしっかり対応していきたいと考えています。そのため、環境政策に係る二国間協議である、環境政策対話の場を積極的に活用していきます。この環境政策対話では、気候変動対策のみならず、広く環境問題全般について意見交換をする場です。仮に、新規石炭プロジェクトの話があった場合、大気汚染の観点、自然環境の観点や、地域を重視する環境省としては、地域住民、コミュニティの観点など、広く意見交換を通して、持続可能な社会に向けた責任ある態度で接していきたいと、そういうふうに考えています。このように、今回文言一つ一つこだわって、それが実効性を高める形で成案を得られるように調整を進めてまいりました。その結果、今、このスライドでお示しをしたとおり、この本来の、柱でもある、いわゆる4要件の厳格化、これについて、改めて触れたいと思います。どのように、厳格化が変化されたのか。これまでは、支援する要件のみ書いてあった4要件を、一つ一つ見ていただければわかりますが、一つ目の要件。エネルギー安全保障と経済性の観点のみを求めていたのが今まででした。そのことに加えて今回何が変わったかというと、エネルギー安全保障と経済性の観点に加えて、脱炭素化だということが前提とならない限り駄目だという形を、さらに今回1点目に加えています。そして二つ目、我が国の高効率石炭火力発電への要請があればということでありますが、今回新しく加えたことは、仮に我が国の高効率石炭火力発電への要請であったとしても、脱炭素移行の一環でなければ駄目。そういったことであります。そして三つ目。相手国のエネルギー政策や気候変動対策と整合的な形であることという要件は、今の相手国のエネルギー政策や気候変動対策と整合的な形ではなくて、パリ協定の目標達成に向けた政策や対策が継続的に強化をされること。それを今回の要件にしました。そして最後の4点目は、原則、世界最新鋭であるUSCいわゆる超々臨界以上という今までの要件は、常に最新の環境性能とする要件、USCであっても、USCの中でも最高効率ではないものもありますので、そういったことも含めて、常に最高効率でなければならない。こういったところをしっかりと、4要件を今回変更することで、調整が決着をして、今までの4要件に加えて、相当、徹底した厳格化がなされることになりました。以上のように、相手国のエネルギーを取り巻く状況・課題や、脱炭素化に向けた方針をしっかり把握していない場合は、支援しないことを原則とするという転換をすることができました。今後、関係省庁と連携をしながら、世界の実効的な脱炭素化への取組を進めていきたいと思います。そして、最後になりますが、環境省では、今回の改正を絵にかいた餅にすることがないように、具体的なアクションとして、政策対話から案件形成に至るまで、途上国の脱炭素移行に向けた一貫支援体制を構築していきます。さらには、民間企業や自治体、金融機関などとも連携して、環境インフラの海外展開を推進するため、民間企業への情報共有やビジネスマッチング、案件形成支援に至るまで、トータルでサポートするための官民連携のプラットフォームを設立し、より日本の脱炭素技術やノウハウが活用されるように、官民一体となって取り組んでいきたいと思います。早速、ベトナムとは政策対話の実施に向けた調整を始めています。関係省庁や関係機関とも連携しながら、相手国のニーズに即して、脱炭素化に向けた政策策定支援からCO削減に資する、あらゆる対策の提案、実施に取り組んでいくことで、世界の脱炭素化に貢献していきたいと思います。最後になりますが、私のような、手の焼ける大臣と、最後まで、向き合って調整に努力をいただいた梶山大臣をはじめ、経産省の皆さん、ありがとうございました。そして、関係省庁、ファクト検討会委員、及びヒアリングに御協力いただいた企業・団体など、これまでに、この議論に関わってきた関係者すべての皆さんに、心から感謝を申し上げたいと思います。うちの事務方も大変だったと思います。ありがとう。以上です。

2.質疑応答

(記者)時事通信の武司です。大臣は昨年から石炭火力の輸出の見直しについて取り組んでこられましたが、今回の結果について希望したことがどの程度反映されたというふうに、お考えなのかという点と、あと今回の政策方針の変化によって海外からの日本への評価が変わるというふうにお考えかという2点についてよろしくお願いします。
(大臣)まず私としては、一番、事務方にも調整の中で、大臣に上げる前までのこの積み上げの中で、最も重視してもらいたいというふうに、調整に対する私の基本方針、これは、原則支援しないということだと。そこをもう言ってありましたので、今回、そういった結果になったこと、私としては、御理解いただいた梶山大臣はじめ、経産省、そして外務省、財務省、関係の省庁の皆さんに、まず心から感謝をしています。特に梶山大臣とは腹を割っていろいろお話をさせていただきました。私も初めて、経産大臣室に昨日伺いましたが、その中で、政治家同士の、腹を割った議論をできたことも、最後、このように、原則支援をしないと、支援しないことを原則とすると、そういった、特に、重視をした点についても、一緒になって、この結論を見ることができたこと、心から感謝をしています。私も、率直に申し上げて、ここに来るまでは、我が省の中でもいろいろありました。相当、事務方の中での激しい議論もありました。これは、梶山大臣も同じような側面があったと思います。そういったことを乗り越えて、この山を登ったこと、特に梶山大臣は、エネルギー政策の所管大臣ですから、その御苦労は想像すれば容易にわかると思います。その中でも、リーダーシップを発揮していただいて、ともにこの調整を、努力をいただいたこと、私からは心から感謝を申し上げたいと思っています。そしてこのことを機に、国際社会の評価ということでありますが、国際社会で、特にこの気候変動に関心を持っている方々、特に4要件の見直しは注目をしていました。そしてこの要件の見直しに対する評価は、正式に今行われたインフラ戦略の会議で、決定されたわけでありますから、その評価はこれからどういうふうに出るかと、そこはしっかり見ていきたいと思いますが、すでにこの4要件の見直しが行われる前に、梶山大臣の御発表があったとおり、国内でも非効率のものをやめていくと、この具体化に向けて動いたことと合わせ、輸出も原則やめていく、こういったことを大きく踏み出したことは間違いなく、石炭に対しては、いくら言っても動かないと思われた日本が、とうとうこの石炭を皮切りにエネルギー政策と気候変動政策を一体として進めていく歩みを始めたと評価されるものと私は確信をしています。

(記者)日本経済新聞の安倍です。よろしくお願いします。二つちょっとお聞かせください。一つがですね、政策の変更についてなんですけども、見た感想、やっぱりファクト検討会での報告がかなりそのままに近い形で反映されているのじゃないかなというふうに私は思いました。あとですね、環境省のやっぱり意見がかなり入ってる形だと私は思います。その上でなんですけどもあえてお聞きするんですが、例えば欧州だとカナダとかドイツであると国内も国外も基本的に禁止するという方針を打ち出していると思います。日本の政策にそうした選択肢はなかったのかどうか。それを取らなかったのはなぜかっていうこと、改めてお尋ねしたいのが一つです。もう一つが、今回、かなり小泉大臣、梶山大臣といろいろコミュニケーションをとられてるっていうのは私も見ていて思いました。その上で、会見も、大臣、梶山大臣共同で会見するというスタイルも、僕はあり得るのじゃないかなと思うんですが。そうした考えはなかったのかどうかということをお聞かせください。
(大臣)まず2点目から申し上げれば、梶山大臣とは特にコミュニケーションをとらせていただいたのは、もちろん所管のエネルギー政策を担当するということで、相当、やりとりをさせていただきましたが、外務省も財務省もこの調整には関わっていました。ですので、もちろん、可能性としては、両大臣で合同だということもあり得たかもしれませんが、やはりこの決着は、両省だけの決着ではない。両省庁がこの見直しを合意して、その中で運んできた結果だということに加えて、最終的には政府全体の方針で、今回決定されたわけでありますから、こういう形が適切なのかなというふうに思っています。1点目につきましては、私も各国の大臣たちとコミュニケーションする中で、世界の中で、例えば脱石炭というふうにもうすでに方針を決めているドイツ、そしてまたイギリス、そういった国々の大臣と意見交換をして、率直に腹割って話すと、彼らも日本の状況には理解を示しています。それはなぜかというと、石炭に対する依存度が全然違うからです。イギリスは1割もありません。日本は3割です。そういった中で、原発もなかなか動かない。エネルギー政策がまさに、袋小路に入った状況の中で、特に原発事故もありましたから、こういった中で日本の課題、状況、これは率直に話すと、その上でわかると、だけども、前向きな一歩というのがどうやって出てくるかということに注目をされたわけです。今回、こういった結論を見たことは、私は、不十分だという評価よりも、よく一歩動いたというふうに、大臣同士の間で必ず理解をされると思っています。そしてそういう、調整の中のかなり具体的なこの調整過程についても、私から、関係の国々、そして注目をされていた国連事務局含めて、私からシェアをしたいと思っています。そうすれば間違いなく、理解は深まるのではないかなと考えております。

(記者)NHKの杉田です。2点ありまして、1点目が、相手国のエネルギー政策との整合性という点に関して、どこの省庁がどういうふうに判断して、確認していくのかっていうところをお伺いしたいなということと、あと、もうすでに動いてる計画に関しては今回対象外となってると思うんですけども、そうした施設の高効率のものに転換していくだったりとか、そういう支援っていうのも、お考えはあるんでしょうか。
(大臣)まず、既にあるものをどうやって脱炭素化に向けて支援をしていけるかっていうのは、これは大事なことだと思っています。そして、これは国内についても、大切なことだと思っています。今回梶山大臣からは、国内での非効率な石炭火力をフェードアウトさせることを具体化するという話がありました。では、高効率なものはどうするのかといったことについては、先日も私申し上げたとおり、高効率なものをより高効率にしていく施策、そしてまた様々な、例えばですね、ガスへの切り換えとか、もしくは、今新しい技術で、アンモニア、そしてバイオマス、こういったものを混ぜれば、それだけCO排出は減る。最終的にこういったアンモニアも含めて、混ぜるという混焼ではなくて全部燃やすという、いわゆる100%ですね。ゼロエミッションの火力、こういったことも今イノベーションで出てきています。私、昨日経団連とも意見交換をしましたが、経団連の参加された企業の提出された資料の中には、LNG火力でカーボンニュートラル、カーボンニュートラルLNGというのがありました。これもカーボンニュートラルLNGになったら、実際は火力だけど、CO排出がゼロだと、こういう形になりますので、こういったことを環境省としても後押しをしていくということが非常に重要なことだと考えています。そして、今後新たに計画される石炭火力発電プロジェクトについては、いつから見直し要件が適用されるかということは、それは今後、新たに計画されるものはすべて適用されるし、環境省としては、2国間の枠組みづくり、長期戦略などの支援、できるところから速やかに着手をして、東南アジア諸国を中心として、石炭火力発電のニーズが今後もあると見込まれている途上国において、脱炭素化を徹底的な後押ししていきたいと、その具体的な一歩はベトナムとの政策対話から始まるということです。

(記者)毎日新聞の鈴木です。まず、これまでの日本の石炭政策について、諸外国からですね、無策故の批判というのが多かったと思います。今日のこの方針と先週の経産省の国内の政策の方針転換を踏まえて、これからは無策というわけではないかなというふうに感じています。今後ですね、日本として、どういう気候変動対策を世界に打ち出していくかっていうタイミングでもあると思うんですけれども、よく大臣がお好きで使われてる反転攻勢のチャンスでもあると思うんですけれども、今後どういうふうに絵を描いていくんでしょうか。もう1点は、先ほどベトナムとの政策対話という話もあったんですけれども、具体的にどのような時期に、そしてどのような内容で進めていくかっていうことを、今、検討してる中で、わかってる範囲で教えてください。
(大臣)まず、今回、具体的に動いたことで、反転攻勢、これを経産省を含めて、協力するところは協力をして、切磋琢磨することは切磋琢磨をして、ともに進めていくという、そういったフェーズになってきたと、かみ合ってきているところはかみ合ってきていると、間違いなくそう思います。今まで、苦労したことは、気候変動の所管である我々環境省、エネルギー政策所管の経産省、そういった中で、そこのコミュニケーションに苦労しながら、私自身もCOP25で、相当、批判も受けとめました。ただ、その問題提起から始まって、今回こういう決着までは、様々激しいやりとりも含めて、お互いの腹を割ったやりとりを、事務方も、そして私も含めてやったことで、石炭輸出の政策の見直しから始まって、国内の石炭の見直しと、そしてエネルギー政策全体の脱炭素化への見直しということを、私は当初思い描いていましたが、石炭の輸出の4要件の見直しということを始めてから、むしろ、これが決着する前に、梶山大臣のリーダーシップで、国内の石炭を非効率のものをやめていくというふうに、前向きなリーダーシップで、動いたこと、そして結果今回今日、輸出の方も動いたこと、これは、今度、未来投資会議の場で、環境エネルギーの議論が始まりますが、来年のエネルギー基本計画含めて、石炭から始まって、ドミノが倒れるように、エネルギー政策全体の前向きな見直しを関係省庁一緒になって、気候変動と向き合って、脱炭素社会の実現という一つの基本方針のもとに進めていく素地ができたというふうに思っています。きっと、このことを契機として、COP26は、COP25と比べたら、より前向きなものを持ってくることになるのは、私は間違いないというふうに思っています。ベトナムの対話、これがいつかということでありますが、今、この政策対応の実施に向けた調整を始めている段階です。具体的に、もし杉本さんから、あればお願いします。
(事務方)事務方の方から御説明いたします。今ベトナムとの政策対話、オンラインでのものも含めまして、この夏を目指して調整をしてございます。また、そういったものスケジュール等決まりましたら、御報告したいと思います。

(記者)朝日新聞の水戸部です。COPから長かったと思うんですけれども、今回その支援しないことを原則とするっていう、支援しないっていう部分の条件を明記できたことっていうのが一つの成果であるというふうなことだったんですが、大臣は、今そこに書かれている、石炭火力発電の輸出は支援しないことを原則とする。結構スパッとこう実は言い切りたかったんじゃないのかなと思ったりもするんですけれども、今回その点っていうのは大臣の中でどういうふうに感じていらっしゃるのかっていう点と、あと、政治家同士でいろいろ最後、最後の詰めをされたと思うんですけど、そこら辺どういうふうにお二方の間で決着したのかっていうところ。あと、やはり例外とはいえ、高効率なものであるとか、あと、また何十年後にちょっと、大分未来にしかまだ実現しないかもしれないCCUSとかをセットでなら輸出するところが残ってしまうことについて、やはり批判っていうのは出てくると思いまして、そこの点については、大臣はどのように考えていらっしゃるのでしょうか。
(大臣)今言った、CCUSとか、いろんなことについては残ってしまうではないかということに対しては、よくよく、今回の決定された文言を読み込んでいただくと、この厳格化された4要件を、クリアをして出せるものっていうのは、本当にどこまであるのかという、正しい理解が進むのではないかなと私の中では思います。そして、今回、やりとりの中で、私は梶山大臣に心から感謝をしているのは、これはエネルギー政策ですから、所管は経産省です。そしてそういった中で、我々は気候変動の観点から、このまま政策を継続していくことは、日本が得ることよりも失うことの方が大きい、そういった思いで、調整をさせていただきました。本当に、昨日の何時ですかね。最後の最後まで、やりとりをさせていただいて、おそらく今まで、経産大臣室に行って、直接、調整をすると、これは2人で向き合わさせていただきましたが、そういったことも今までなかったんではないかと思います。その中で、この文言のやりとり、そこで我々が望むもの、そして経産省の考え、それを突き合わせる中で、梶山大臣は常に、最初からどうやって跳ねつけるかというスタンスではなくて、どこだったら、受け入れられるかというスタンスで臨んでいただいたと思います。それを、繰り返した結果が、この支援しないことを原則とする。私が当初から事務方に、そこを絶対に、大事にして欲しいと、そういった基本方針を踏まえて、このように、合意ができたことは、私からすれば言うことはありません。

(記者)産経新聞の奥原です。今回の輸出支援をしないことが原則とされるということによって、これまでの4要件と比べて実際、どの程度、日本の石炭火力輸出がなくなるのかということを伺いたいのが1点と、あと日本の輸出政策もそうなんですけれども、脱炭素型に向けたソリューションを、日本が発展途上国に提供されていくっていうことが、より世界の脱炭素に向けては意義のあることなんじゃないかなと私自身思いますけれども。その点について大臣の御所見を伺えればと思います。
(大臣)どの程度なくなっていくかということは、数字で言うのはなかなか現時点では難しいと思いますが、先ほども4要件の見直した点を、一つ一つ説明させていただいたとおり、どれか4要件の一つが変わったというのではなくて、全部変わりました。そして全部が厳格化です。このことを、クリアしてでも、輸出できる案件、これは、この現行の4要件と比べて、どうなるかというのは、私は答えは明らかだというふうに思っていますし、この4要件の見直しに至るまでの間にも、世の中の変化は大きくありました。例えば、JBICの前田総裁、もう前田総裁は新しい石炭をやらないというふうに明確に、2度も言っています。そして、民間企業、金融機関、大手についても、石炭の輸出については、新しいものをやらないというふうに、方針をより厳格化したところも出てきました。こういった周辺環境も含めて、考えていくと、この4要件だけでの政策変化に加えて、もう大分世の中変わっていると、それを考えれば、おのずと、今後は、果たして、この市場は拡大をしていく市場なのか、それとも衰退市場なのかといえば、間違いなく衰退市場であると。ですので、今回、このインフラ新戦略、ここに、環境省としては、今日、私の方から会議の場で発言をさせていただきましたが、よりSDGsとか、相手国のニーズに応じたより貢献できるものをしっかり売っていきたいと。例えば、環境省は浄化槽の関係なども関係しています。この浄化槽はなんとこの6年間で、世界への輸出の導入実績、6年間でなんと100倍です。それだけ伸びています。ニーズがあります。そして、高効率の変圧器というものを海外に輸出していますが、ベトナムで、日本の高効率の変圧器、これが、ベトナムの電力公社が日本の技術を標準仕様というふうに取り入れました。このことで、この4年間でベトナム全体の6%に相当する高効率の変圧器が新たに導入をされて、今6%ですけど、今後、高効率変圧器の割合は40%以上に達する見込みであると。まさにこういったものが、衰退市場ではなくて、成長市場じゃないでしょうか。

(記者)朝日新聞の水戸部です。もう1問だけすいません。ベトナムのブンアン2なんですけれども、大臣一度問題提起されたと思うんですが、今回の要件の見直しで、今後ブンアン2のような案件っていうのは、支援される対象にならないと考えていいのか、政策対話をされるということなんですけど、確認なんですが、ブンアン2については、この政策対話の中には入ってこないということでいいでしょうか。
(大臣)ブンアン2の案件のようなものはもうないと思います。
(記者)根拠というか理由は。
(大臣)まず、ブンアン2の時に、私も、あそこで一つのきっかけとなりましたけど、今回の合意の見直しに至る問題意識、問題提起のきっかけはブンアン2でした。あの時、やはり、このブンアン2の案件の具体的な中身を見たときに、本当に胸を張って脱炭素化原則だといえるのかというところで、やはり、それぞれ理解していただけることもあったので、4省庁が、合意の方向に舵を切ってくれたわけです。それで今回、特にですね、2番目の4要件の我が国の高効率石炭火力への要請があった場合、ということが、ブンアン2とも絡む一つの要件でもありましたが、これは、高効率であるだけでは駄目で、高効率でもさらにこの四つ目の要件で、常に最新でなければいけないということに、要件をより厳格化をされているということに加えて、この二つ目の要件の中でも、高効率であるだけでなくて、脱炭素移行の一環でなければ、それは支援をしないということになっていますから、同じようなブンアン2型みたいなものが来たとしても、それは成案になることはないというふうに私は思っています。
(記者)政策対話はそうすると、ブンアン2のことはやるやらないのところは入ってこずっていう、その続きからということになりますか。
(大臣)今回の4要件の見直し、新方針は、今後新たなプロジェクトということです。

(記者)日経新聞の安倍です。すいません。短くお聞きしたいと。大臣、前の会見で動かざる、エネルギー政策についての動かざる山に風穴が開いたというメッセージを送られていました。今日の会見でも、山を登り切ったというお話がありました。一番の難所はどこだと考えでしょうか。
(大臣)そうですね。どこでしたかね。あまりにいろんなエピソードがありすぎて、正直今日もドラマがありましたよ。最後まで。我が省内でも。だけど、今こうやって、笑顔で、みんなこうやっているのは、いろんなエピソードはあったけど、ともに、山を登り切ってよかったなと。そして、この石炭の輸出政策の見直しがなぜ私がこれだけ思いを持ったかといえば、石炭の輸出政策の見直しが、石炭の輸出政策の見直しのみにとどまらないからです。エネルギー政策全体に間違いなく風穴を開けるからです。これはもうすでに、今の動きを見れば明らかだと思います。今後、官邸で行われるエネルギー環境、この未来投資会議の場。そして、今後、温対計画の見直し、それと、エネルギー基本計画の見直し、こういったところで、しっかりと、この見直しの中で得たものを踏まえた上で、環境省としてしっかり、協力と切磋琢磨を繰り返していきたいと思います。

会見動画は以下にございます。

https://www.youtube.com/watch?v=wYck28_FjQM

(以上)

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