大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年4月21日(火)10:33 ~10:52 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 今日は2点、冒頭あります。1点目は、クールビズの実施についてであります。気候変動対策と節電の観点から、今年も5月から9月末までのクールビズの期間として、夏季の室温の適正化とその温度に適した軽装を広く呼び掛けるとともに、昨年は10月でも夏日が10日前後に及ぶ地域があったことから、こうした地域の室温の適正な管理と、各自の判断による軽装を呼び掛けてまいります。さらに、近年は異常気象の影響もあって、11月以降も季節外れの暑い日や極寒の日もあることも踏まえ、環境省としては、例えばネクタイをする・しない、ジャケットを着る・着ないといった様々な選択肢の中から、それぞれの判断で軽装をはじめとした適切な服装の選択などを行っていただけるように呼び掛けていきます。環境省では皆さんも御存じのとおり、私が就任して以来、一人一人のパフォーマンスの向上を図るため、期間を定めず、職員それぞれの判断で働きやすい服装での勤務を奨励しています。来年度に向けてこうした一人一人のパフォーマンスの向上の視点、そして新型コロナウイルス対応をきっかけとして、人々の暮らし方、働き方が大きく変わる可能性も踏まえながら、脱炭素化などのライフスタイルが定着していくように新たな呼び掛けを検討していきたいと思います。繰り返しになりますけども、今月は新任職員も入ってきます。そういう若者とか世代とかも関係なく、一人一人大人ですから、自分で考えて、ネクタイをする・しない、ジャケットを着る・着ないを考えていただきたいし、もう既に報道では、環境省では期間を定めずという報道が出てから、この前本会議場に行ったら何人かの先輩議員たちから、「小泉さんいいね、1年中しなくて済むようになるといいんだけどな」、そういう声もありました。国会のことは国会がお決めになることでありますが、環境省は1年、期間を定めずに一人一人が判断をしてやっていくと、そういったことで政府の中でも呼び掛けていきたいというふうに私は思います。冒頭、クールビズについては以上です。
 二つ目は、新型コロナの関係です。新型コロナウイルス感染症拡大防止に率先して取り組むために、職員の7割について出勤回避するように指示をしていました。本省勤務の職員全体のテレワークや在宅勤務によって、先週17日金曜日には、出勤回避率が7割を超えたことを御報告します。今74.6%ということであります。感染拡大収束に向けて、この勤務体制を引き続き維持できるようにしていきたいというふうに思います。今回、この7割達成は、恐らく霞が関では初めてではないかなというふうに思います。そういった中で、こういった7割をまずは政府の一員である我々から率先して取り組む、その姿を国民の皆さんにしっかりと見ていただくことで危機感を共有して、この感染拡大の防止に一緒になって取り組んでいく気運を改めてつくっていきたいという思いでした。この7割という、今までやったことがない、そういった中で様々な苦労をしながら協力をしてもらっている職員すべての皆さんにも感謝したいと思います。7割、すべてで8割ということもありますが、せめてこのレベルを維持できるよう、これからも働き方をより柔軟に多様な形で対応できるように準備を進めて気運を高めていきたいと、そういうふうに考えます。
 また、19日日曜日の西村大臣の会見でも御紹介がありましたが、私の地元である横須賀市においては、PCR検査のウォークスルー、ドライブスルーじゃなくてウォークスルー検査などの自治体独自の取組が進められています。このウォークスルー方式の導入によって、PCR検査の機会拡大だけではなくて、検査に係る病院の負担を軽減して治療に専念していただけるようになるものと期待をしていますし、今、不足が深刻な状況にもなっている防護服、この防護服の節約にもつながる方式でもありますので、こういった自治体の取組というものが西村大臣を含めてしっかりと情報共有がされるように、これからもしっかりとやっていきたいと考えます。政府一丸となって取り組んでまいります。冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの岩田です。2点お伺いします。まず、石油価格と環境問題への影響についてお伺いしたいのですけれども、本日、ニューヨークの先物市場で石油価格が史上初のマイナス価格を付けました。世界経済は先の読めない状況になりつつあることを意味するものだと思うのですけれども、このことが世界の環境への課題、また環境コミュニティーにどういうインパクトを与えるのか、そういった辺りを大臣はどうお考えでしょうか。2点目ですけれども、今日、第2回目の石炭火力発電のファクト検討会が開かれますけれども、コロナ後も見据えたファクトの積み上げが必要になってくると思のですけれども、大臣のお考えを聞かせてください。
(大臣)2件目の方からいきたいと思います。今日、ファクト検討会はウェブ会議で開催をされます。私もテレワークで、ウェブで出席をしたいと思っています。今回、本日の検討会では企業や団体の方から提出された書面でのヒアリング結果などについて議論される予定であるというふうに聞いています。各委員やヒアリング対象者などからそれぞれの分野からのファクトが出されて、これらが積み上げられることによって今後の議論の土台となることを期待しています。本来であれば、対面型でやられる想定もありましたし、予定であれば、先週も開催をする予定ではありましたが、今回、緊急事態ということを受けて、こういう形で影響がスケジュール的には受けていることも事実ではありますが、できる環境の中で最大の成果を出す有識者の方、そしてヒアリングの対象の方、そしてオブザーバーの関係各省の協力、そういった中で一つ一つのファクトを積み上げることができることを期待しています。そして、1件目になります。今、石油の価格、そしてまた環境問題ということで、どういうふうに考えるかというお話がありましたが、この前、単純に石油だけのことに限りませんが、今、世界全体で産業の停滞、そしてサプライチェーンの断絶、そういったことが起きている中で、世界中でのCO排出は減っている状況だと、今、推計ですが、見られます。ただ、残念ながら、リーマン・ショックのときの教訓を踏まえると、その後に逆に反動で一気にCO排出は増える。そういったことに加えて、仮に今回石油の価格が下がるということは、もっと価格を気にせずに、コストを気にせずにがばがば使っていこう、経済復興はそういうことで好都合だというようなことが起きてしまえば、それは環境にとっては必ずしもいいことではないわけでありますから、いずれにしても大事なことというのは、この石油のことを含めて、国際秩序がこのコロナの後にどういった、米中の関係に限らず、様々な新たな秩序への胎動のようなものが見られると思っています。そういった大きな世界の秩序が変わりつつあるということをしっかりと踏まえた中で、日本としてはどのようなコロナ後を見据えた戦略を立てていって、日本の自立とそして繁栄を築いていくのか、これは非常に重要なことでありますから、気候変動の文脈で言っても、今度、ペータースベルクの対話がドイツの主催で、私もウェブで参加をする予定でもありますけど、そういった中でやはり関係国と共有をしなければいけないのは、決して今後、今、世界の幾つかの国々ではコロナから自粛の緩和モードに入ってくる国々もありますが、そういった経済が回復をしていく過程の中で、決して環境が置き去りになることがないような、その意思を確認することが大事なことだと考えています。

(記者)時事通信の武司です。クールビズについてなんですけれども、毎年5月に職員さんがかりゆしなどを着て宣伝するというのをやっていたのですけれども、今年はそういうことはされずに、もう各自で判断してくださいということになるのか伺いたい。
(大臣)まず、かりゆしについては、あれは内閣府の方が担当で、5月1日はかりゆしを着ましょう、そういうことでやられているので、それは引き続きやられるというふうに私は理解をしています。そして、環境省として、かりゆしを着たい方は5月1日に限らず、毎日でも着ていただいて構いません。そして、アロハシャツを着たいという方がいれば、例えば私の地元の神奈川県の、これは河野大臣の地元の茅ケ崎でしたかね、役所の皆さんは夏の間アロハシャツを着ています。そういったこともありますので、まさに一人一人自分の中で、TPOとか、そういったことも考えながら判断をしていただくというのが一番いいんじゃないでしょうか。ネクタイをする・しない、ジャケットを着る・着ない、私は人に言われて判断をするようなことではないと。そして、15年ぐらいこのクールビズをやってきて、私はもう完全に根付いていると思いますし、例えば世界各国の国際会議を見れば、季節を問わずネクタイをする国の大臣もいれば、1年中別にネクタイをしない、そういうスタイルの大臣もいれば、そこはもっと一人一人の自主性、そういったものに委ねていると思いますね。ですから、今回、環境省としてはもう昨年9月、私が就任して以来自由になっていますけど、政府としてどうかといったときに、5月から9月はクールビズ期間として設定は今までどおり今年はやりますが、10月も夏日が多いということもありますから、10月もそういった形で整理をして、それ以降、11月以降も今日申し上げたとおり、それぞれ適切な判断をしていただければいいんではないでしょうかということを、私としてはずっと言っていきたいというふうに思います。

(記者)神奈川新聞の川口です。今日あるファクト検討会のことなんですが、先ほど外務省が今日のファクト検討会に鈴木副大臣が出席されると発表されていましたが、外務省はオブザーバーだったと思うのですが、政務三役の方が出席されるのは非常に珍しい印象があるのですけれども、これは外務省も問題意識を共有しているということでしょうか。大臣の期待もあれば教えてください。
(大臣)鈴木馨祐副大臣とは以前からいろんな、同じ県内の先輩議員でもありますし、交流やお話はする仲です。そういった中で、鈴木先生自身が外務副大臣になる以前から、このエネルギー問題、そういったことについても大変関心を持っている方でもありまして、今回そういった形になったのかなというふうに思っていますし、オブザーバーという立場でありながら、副大臣が自らぜひ出席したい、こういうことを言っていただいたのであれば、それは歓迎すべきことだと思いますし、別にオブザーバーであっても発言することは可能ですから、ぜひ今日私もウェブで出席をしますので、鈴木副大臣には今感じておられることを積極的にファクトを積み上げるのに貢献していただければと、そういうふうに思っています。そして、今後、仮に経産省、財務省、他のオブザーバーとなっていただいている省庁の政府の方も、まあ鈴木副大臣も出るんだったら、俺も、私もということがあれば、それはいつでも大歓迎であります。

(記者)毎日新聞の鈴木です。世界自然遺産の関係で1点お伺いします。奄美・沖縄の登録について、今後、IUCNの勧告を受けてユネスコが正式決定するという流れがあると思うのですけれども、そもそも世界自然遺産というものは、認定を受けた時点でブランド力がついて、地域の観光振興につながるものだと思うのですけれども、今、コロナでインバウンドなど人の流れが止まっている中で、いつ登録が出される時期が適切かということについて、これはユネスコなどが決める性質だと思うのですけれども、大臣のお考えがもしあれば教えてください。
(大臣)今鈴木さん御指摘されたように、今回、この世界遺産委員会が今月14日にユネスコが、今度は6月に予定されていた委員会の開催延期を決定したと。延期後の日程を現在ユネスコで検討中、そういったことであると思います。そういった中でどう考えるかですけど、地元の自治体の皆さんは、一日も早くという思いがあるからずっと取り組んでこられたわけですよね。そういった中で今回コロナということで、外から多くの方に来ていただけるような状況にはない。そういった中で、じゃ、仮にこれから世界遺産ということになったときに、今の状況とすれば心の底から喜べるタイミングと環境なのかといえば、それをどういうふうに捉えているかは、まさにその御地元の皆さんの声というのもしっかり理解しなければいけないなというふうには思います。ただ、やはり世界遺産にという、この思いというのは大事ですし、それは変わらないことだと思います。これが仮に延期の後の日程がちゃんと委員会で決まって、そして我々が一緒になって取り組んでいる世界遺産ということが認められた暁に、多くの方に来ていただける環境をいかにつくっていけるかは、このコロナが一日も早く感染拡大のピークを打って、これからはまさに緩和できる、そういったところにどうやってつなげていけるかがすべてを決めると思いますので、今我々として最優先にすべきはこの感染拡大を止めると、そこに集中していくことが、結果、ここに取り組んでいる地元の皆さんのためにもなると、その思いで取り組んでいきたいと思います。

(記者)会見の入場制限で会見に出られない方からの質問の代読です。フリーの横田一さんからの質問なんですけれども、PCR検査についてお伺いします。在日米国大使館が自国のアメリカ人への帰国要請についてということなんですけれども、今月3日に出されたということです。日本政府の新型コロナウイルス対応が、検査数が海外に比べて桁違いに少ないため実態を表していない、国際標準未達とアメリカに見られていることへの受け止めについて聞きたい、ということです。
(大臣)日本においてそういうような御指摘もありますが、今その検査数を増やすべく対応を続けているところだと思います。そして、アメリカ、またアメリカだけではなくて他の外国もそうですが、国際社会に対して、今、日本の取組が理解をされるようにしっかりと説明責任を果たしていくことももちろん重要なことだと思います。ただ、やはり各国こういった感染症の対応の体制、そしてまた効率、そしてまた今までの経験、そういったことの差があるのも事実です。そういった中で、とにかく日本としてはこの規模のパンデミックということを経験したことがあまりないわけで、試行錯誤もあると思います。先ほど私が、横須賀市のウォークスルー方式、ああいったことの導入とか、そういったことも、今なかなか防護服も足りない、だけどPCRはいかに増やしていけるか、そういった中での自治体の一つの知恵だと思いますので、まさに今、各自治体がそれぞれ知恵を絞りながらやっていける体制をしっかりと後押しすることも、政府としてはとても重要なことだと考えています。

(以上)