大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年4月17日(金)10:31 ~ 10:53 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 本日は、冒頭1件です。暑さ指数の情報提供などについて御報告をさせていただきます。熱中症を未然に防止するため、今年度は、本日から環境省熱中症予防情報サイトにおいて、熱中症の危険度を示す暑さ指数の予測値、実況値の情報提供を開始します。近年、気候変動の影響などで熱中症による救急搬送者数や死亡者数が増加傾向にあり、我が国の社会全体にとっての大きな課題となっています。特に高齢者が自宅で熱中症になっている割合が高いと言われています。熱中症は、適切な予防、対処を行うことで、その発症や重症化を防ぐことができる病気であります。国民の皆さまには、熱中症の予防情報である暑さ指数などを活用して、積極的に小まめな水分補給などの対策に取り組んでいただきたいと思います。本格的な夏を迎える前から、熱中症の予防を心掛けていただきたいと思います。また、先日発表した新たな情報発信として、熱中症警戒アラート、この詳細を検討するために、環境省と気象庁との共同研究検討会の第1回を来週22日の水曜日にウェブで開催をします。本検討会には、環境省から佐藤ゆかり副大臣が出席予定です。今後作業を進めて、7月から関東甲信地方において先行的に実施できるよう準備を進めたいと思います。冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)日本テレビの岩田です。この夏の熱中症対策についてお伺いしたいのですけれども、このままいくと、この夏までには新型コロナが収束している可能性は低いと思うのですけれども、熱中症対策となるとエアコンを使うことが推奨されています。コロナ対策であるところの密閉空間になってしまうと思うのですけれども、これまでと違った熱中症対策も必要になってくるかと思います。環境省として新型コロナ対策、感染対策を想定した熱中症対策も必要になってくるかと思いますけれども、その発信などについて大臣の考えをお聞かせください。
(大臣)まさに今年の夏というのは、新型コロナウイルス、この対策とそして熱中症対策、これを同時に進めていかなければいけない、そういう夏になると思います。そういった中で、先ほども冒頭、私が特に高齢者の方が自宅で熱中症になっている割合が高いというふうに言われていますので、今もコロナウイルスの自粛の要請に伴って御自宅でこもっている、そういう高齢者の方が多く出ていることによって様々な健康面での不安などもあると思います。それに加えて、これから暑くなる、そして部屋の中の室温、湿度も含めてどういうふうにしていくのか。恐らく例年どおりの熱中症対策の呼び掛けだけでは終わらないだろう。そういったことに知恵を出して国民の皆さんの命を守る、そのために環境省そして気象庁を含めて関係省庁で今年の夏のコロナウイルスの中での熱中症対策に何ができるか連携をして考えていきたいと、そういうふうに思っています。

(記者)朝日新聞の水戸部です。靖国神社の例大祭が21日に開かれます。例大祭中に参拝する御予定はあるかということと、あるとすると何日に参拝する御予定か。参拝しない場合でも、真さかきを奉納する御予定があるかを教えてください。あともう1点だけ。3メガバンクが石炭火力の融資に関する発言で、おとといにみずほが、昨日は三井住友が、3メガそろって日本では石炭火力発電所の融資を行わない方針を新規については打ち出されたんですけれども、これについて大臣の受け止めと、現在行われている石炭火力の輸出の政府による支援要件の見直しについて何か影響があると思うか、大臣御自身の御意見をお聞かせいただければと思います。
(大臣)まず1件目につきましては、個人として適切に判断をしてまいります。そして、2件目につきましては、おっしゃるとおり、15日にみずほフィナンシャルグループが、そして16日に三井住友フィナンシャルグループが投融資方針を改定して、石炭火力発電への投融資について対応方針を厳格化することを発表したのは承知しています。これで、今おっしゃったとおり、日本の三つのメガバンクすべてが石炭火力発電への新規投融資を原則、行わないということになります。国内の金融機関の間で近年こうした動きが続いていることは認識していまして、第1回ファクト検討会においても、日本の銀行のコーポレートポリシーに関する情報について、環境省側の参考資料として提供させていただいたところでもあります。今回の方針改定は民間企業の御判断でありますが、こうしたファクトを積み上げて、今後の議論の土台としたいと思います。今、世の中はコロナのニュースで一色でありますが、もしそういう状況じゃなければ、間違いなくこの気候変動のコミュニティー、こういった世界の中ではビッグニュースの一つとして注目されるような一つの動きだと思いますが、いずれにしても、今ファクト検討会の中でファクトを積み上げて各省情報を持ち合って議論しているところですから、こういった民間企業の一つの前向きな行動もそういったファクトの一つとして議論の材料になるんではないかなと思います。

(記者)共同通信の水島です。世界遺産についてお伺いいたします。14日にユネスコが今年の世界遺産委員会を中国での開催を延期するという発表がございました。環境省が中心になって奄美・沖縄世界登録を今年目指していたかと思いますが、そちらへの与える影響と環境省の今後の対策、また例年ですと5月のゴールデンウイーク前後にはIUCNからの勧告等もございますけれども、こちらに対してどのように今後向き合っていくかという大臣のお考えをお聞かせください。
(大臣)今月14日にユネスコが本年6月に予定されていた世界遺産委員会の開催延期を決定したところです。延期後の日程などについては、現在ユネスコで検討中だと承知しています。環境省としては、委員会が延期されても、本委員会で審議予定の奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の登録に向けて、引き続き地元自治体等とも緊密に連携を図りつつ、万全を期してまいりたいと思います。IUCNによる勧告につきましては、通常、世界遺産委員会開催の6週間前までに締約国に送付されることとなっていますが、ユネスコ事務局やIUCNからの特段の情報は来ていないところであります。いずれにせよ、政府として世界遺産への登録に向けて引き続き万全を期して取り組んでいく所存です。

(記者)産経新聞の奥原です。昨日、政府の方で新型コロナウイルス対策に関連しまして緊急事態宣言が47全都道府県に広がりましたということの受け止めと、1世帯当たり30万円の現金給付の案は、公明党や野党などの批判もありまして、自民党の政調会議で決まったものが土壇場で覆されて一律10万円給付ということになりました。その受け止めをお願いいたします。
(大臣)まず1件目、この緊急事態というのが全国に広がっているということにつきましては、そのとおりの事態が起きていると思うので、私は適切な判断だと思っています。そのような危機感で日本全体が一丸となって緊急事態という、今は平時ではなくて戦時に近いものなんだと、そういった認識を持って、政府こそがまず率先した姿を示さなければいけないと思いますので、今、残念ながら、8割の接触を避ける、そういったところがまだ達成できていない状況でもありますので、改めて、今は平時ではないんだと、そういったことを政府の方から体現をして示すことができるようにしなければいけないと考えています。環境省としては、まずその姿を率先して示そうということで、今、在宅勤務、テレワーク、そして休暇などを含めて、64%が今環境省には出勤をしていない状況になっています。ほぼ7割出勤者削減、これが目の前のところでありますが、これは必ず7割まで持っていきます。7割にとどめることなく、環境省が最大の危機感を持って示していきたいと、そういうふうに考えています。そして、10万、30万という話がありました。こういった政策変更でありますが、間違いなく異例なことではあります。ただ、今回コロナのこの緊急事態、危機において各国の対策、そして各国政府が取っている動きを見ると、その時々の状況において今までの政策にとらわれないで変えるところは大胆に変えている、そういったところはいろいろ各国あります。ですので、今回政治的にもいろんなことがあったと思います。ただ、今はそういったことをいろいろ言うのではなくて、いかにこれから、30万ではなくて1人10万だと、そういうことが決まったとするならば、早くその詳細を詰めて、そして一日も早く必要とされている方に届けるスピードを持った行政の在り方を実現しなければいけない。私は、奥原さん知っていると思いますけど、大臣になる前に国会改革に取り組んでいました。その中の一つはペーパーレスでした。このペーパーレスについても、私はもしもこの予算書を含めてペーパーレスというところが進んでいれば、これから補正の組み替えとなったときに、今、紙で印刷したものを届けなければいけないというルールになっています。しかし、あのときに私がずっと言っていたのは、紙の印刷だけではなくて、電子化で配布をするという、そういう選択肢も同時にあってもいいではないかという選択肢を新たに設けるということでした。今回もしもそういった対応が取られていれば、間違いなくこういった予算のプロセスの中で、印刷で何日もかかるとか印刷だけで数時間待機しなければいけないとか、そういったことというのは起きないわけであります。だからこそ、このコロナで世界中がデジタル化、そういったことを今一気に進めていますが、今、日本の中でもそのIT化、デジタル化の社会実装の遅れ、そして政治、行政のIT化の遅れというのが結果コロナウイルス対策の遅れにつながっていますから、改めて私としては、もう変化があったプロセスの中での様々なことを言うよりも、いかにスピードを上げるか、そのために何ができるかということを注力すべきではないかなと、そういうふうに思います。

(記者)日経新聞の安倍です。冒頭の石炭火力発電の関連で補足でお尋ねします。小泉大臣はCOPのころから繰り返し石炭火力、それだけではなくて温暖化対策について問題点を繰り返し指摘されていたというふうに思っています。今回のみずほと三井住友の判断はいろいろな状況を踏まえてということだと思いますけれども、小泉環境大臣が発信し続けてきたことがこの判断にどういうふうに影響したのかということをどう考えていらっしゃるかということをお聞かせいただければ。
(大臣)私の発信がどうこういう判断に影響したのかというのは、まさにこういう判断をした企業のプレス、記者会見とか、そういったところにぜひ先方にお尋ねいただきたいというふうには思いますが、今回、例えばみずほフィナンシャルグループからは、この石炭火力向けの投融資を今後ゼロにしていくということを発表している中では、こういうふうに書いてあります。「ステークホルダーからの期待・目線を踏まえて投融資における環境・社会への配慮を強化するため、従来は、環境・社会に対する負の影響を助長する可能性が高いセクターに関する取組方針を定めていましたが、今般、セクター横断的な禁止・留意項目を加えた包括的な方針に改定しました。加えて、気候変動リスクへの対応強化の観点から、石炭火力発電所の新規建設を資金使途とするファイナンスを行わないという方針への厳格化や石炭採掘セクターの追加、石油・ガスセクターにおける移行リスク対応の確認追加等の改定を行い、本方針に基づいて石炭火力発電所向け与信残高を削減する定量目標を設定しました」ということで、今後2030年度までに2019年度比50%に削減、そして2050年度までに残高ゼロというふうにすると、このように今後の道行きを明確に数字等含めて目標を立てたのが、みずほさんでありますが、こういったことというのが、ここのみずほさんの出されたものに書いてあるとおり、気候変動リスクへの対応強化の観点、そしてステークホルダーからの期待・目線を踏まえて投融資における環境・社会への配慮を強化するためというふうに書いてあることが真実なんだろうというふうに思いますので、間違いなくこの気候変動リスクというものが高まっていることを真摯に受け止められた行動であるということと、様々なステークホルダーがより脱炭素の方向にということで期待をしていたり、そういった目を向けている、若者たちがみずほさんの前でデモをやるみたいなこともありましたけど、そういったことなども、いろんなことがあったんじゃないかなと捉えています。こういったファクトをしっかりファクト検討会の中でも一つの参考とさせていただいて、各省まさにファクトベースで議論を進められればと思います。

(記者)NHKの杉田です。新型コロナウイルスに関連しておたずねしたいのですけれども、帰還困難区域の解体や除染土の運搬、中間貯蔵施設での作業について遅れなどの影響が現時点で出ているのかどうか、また防護服が今後不足するなどの懸念が出ていないかどうかお伺いできればと思います。
(大臣)まず、何よりもコロナ対策ということに併せて、というわけではありませんが、いつも、今でも、このコロナが起きる前も最重要だと考えているのは、安全第一で輸送も含めて行うことです。ですので、こういった今コロナの関係で様々な対応が強いられて、そして福島の中でもコロナの感染者がいらっしゃる中で、まず最優先にすべきことは、こういった中で、さらに安全対策、そしてそこに従事する方々の健康、安全というのは最重要だと思っています。ですので、予定されているスケジュールというのはありますが、予定されているスケジュールをコロナであっても決して遅れないようにという中で、働いている方の健康、そして地域の皆さんの安全、これがないがしろにされることが絶対にあってはならないと思っていますので、そこはしっかり現場の状況を見て対応したいと考えています。

(記者)神奈川新聞の川口です。育休の関係なんですけれども、大臣が取得表明をしてから先日で3カ月がたちました。あの時とはかなり、コロナがあって、状況が変わりましたけれども、あの表明があったからこそ省内の在宅勤務の対応もしやすくなったのではないかとも思います。改めてこの3カ月の振り返りと今後の御自身の働き方についてのお考えをお願いします。
(大臣)こういった状況ですから、私のそういったことについては、またしかるべき時期に発表した方がいいなというふうに思います。今は何よりもコロナの対応、こういったことでしっかりと環境省を挙げて取り組んでいくことが大事であると。そして働き方についても、この機会に在宅勤務、テレワーク、そういったことをしっかり加速をする一つの機会として捉えて、徹底的に進めていきたいと思います。恐らく、今環境省は霞が関の中で最もテレワークなどが進んでいる一つの省庁になっているんではないかなというふうに思います。そういった中でやっぱり気付く課題というのはいっぱいあります。家の中で自分のパソコンを持ち帰ってテレワークをやっている場合などは、例えばこれからお子さんの学校の中でもPCを活用して教育している学校もあります。そういったときに、家の中で親と子どもでのPCの争奪戦になっているときにどうするのかとか、また、なかなか十分テレワークの環境がない中で、そのインフラをどうやって整備させるかとか、そして、この前も言いましたが、各省ばらばらでシステムを使っている課題とか、こういったこともやはり一つ一つクリアしていくためには、まず環境省自身が徹底してやると、そういったことにしたいと思います。最近、在外の外国にいる環境省の職員とウェブで、私からすれば、外国でも元気でいるかなと、そういったことも、職員の命、健康は大事ですから、つないでもらって確認をしました。中には、今派遣をされている海外の働く状況は日本よりもかなり多様で、柔軟にIT化も進んでいるので、今コロナの関係でその国でもテレワークを徹底させられているらしいですね。ただ、ものすごくテレワーク環境、またシステムがスムーズで、今後いつか環境省に戻ることを考えたら、日本の霞が関に戻るのが怖いと話していました。あまりにも遅れているので。そういった職員に、今環境省は64%がテレワークとか在宅だと、そして私の秘書官も日替わりで今テレワーク、そして事務次官以下指定職は全員テレワークをやっていると、そんな話を報告したところ、みんな驚いていましたね。自分たちの知っている環境省じゃないと。ですから、今在外にいる環境省の職員がまた任期を終えて日本に戻ってくるときに、環境省がそういった進んでいる国と比べて全く見劣りするようなことがないように、私がいる間にデジタル化を徹底的に進めたいと思っています。

(以上)