大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年3月3日(火)8:43 ~ 8:50 於:参議院本館1階階段踊り場)

1.発言要旨

 今日は冒頭、コロナウイルス対策について報告したいと思います。環境省は、新宿御苑については感染防止策を徹底した上で開放を継続いたしますが、人の動きなど状況の変化をよく見て、柔軟に対策を講じたいというふうに思います。そして、全国には国立公園がありますけども、登山、そして自然散策などの利用情報の案内対応、危険情報の提供などを行うビジターセンターなどについては開館を継続します。引き続き、施設の消毒や咳エチケットの徹底などは、しっかり感染予防に最大限取り組みたいと思います。また、環境省が主催をするイベントにつきましては、昨日の時点で174件を中止または延期して、24件をネット中継、または動画配信に切り替える対応を行いました。例えば3月8日の「気候変動×防災」の国際シンポジウム、これは400名規模で予定していましたが、これも延期です。そして、環境省の職員のみ参加した省内の会議についてですが、2月26日に「選択と集中」実行本部の第2回会合を開催しました。この際、テレワークを実施中の職員も多いことから、大臣室に集まってもらった一部の者を除いてウェブ会議形式で実施をしました。これに限らず、環境省の新型コロナウイルス感染症対策本部もウェブ会議形式で実施をしています。さらに、事務方より省内の打ち合わせにウェブ会議が活用されていると報告も受けていますので、新型コロナウイルス対策を講じながら、必要な業務を行う体制整備が進んでいます。なお、新宿御苑の関係ですけども、今月は桜の開花も予想されている中で、聞くところによると桜の季節、新宿御苑は相当な人出で、最大で7万人ぐらい来られるということも聞いています。ですので、今回、入園待ちということが、例年ですと長いときは1時間ぐらいの入園待ちもできるというふうに聞いていますので、この入園待ちの行列における感染リスクを下げていくために入園券の事前購入、キャッシュレス促進策の強化、そして年間パスポートの販売促進、発行手続の簡素化、窓口での年齢確認における身分証明手続の簡素化などを講じて対応していきたいと思います。私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)毎日新聞の鈴木です。先月が提出期限だったNDCは結局提出されていないのが現状です。大臣はこれまで提出については期限に縛られてはいけないという趣旨の発言を繰り返してこられました。見送られたことについての受け止めと、今後の提出時期についての見通しを教えてください。
(大臣)COP25とか昨年のニューヨークであの気候変動コミュニティーのいわゆるインフルエンサー、そういった皆さんともかなり親しくさせていただいています。そういった中で、最近も状況を確認するコミュニケーションを取ってみると、やはり一番大事なのは提出の中身で、早く出すことではないというメッセージは届いています。そして、石炭の4要件の見直しも前向きなメッセージが届いていますので、改めてこの2月にとにかく締め切りだということが最優先されるような形にならずに良かったと思います。そして、今4カ国しかNDCを出していないというふうな報道もあるし、私も確認をしていますが、よく見ると、スイスの出しているものはNDCというよりも、まずその前の報告に近い。結局今の時点でG20でNDCを出している国は1カ国もない。そういう中で、改めて日本として一番重要視しなければいけないことは、今年はパリ協定にとって野心の引き上げというものが問われる、そういうCOP26を控えていますから、そしてまた9月にはヨーロッパと中国のサミットもあって、その中でヨーロッパと中国が話し合うことがこの気候変動の野心の引き上げについてだということも耳にします。そういった中で改めて日本として、とにかく締め切りで、中身はともかく締め切りを守るんだということは成り立たないと。それが一つ。2月が締め切りだと思われていたことを、もっと国際情勢を見て、現実を見れば、G20はどこも出していない。改めて調整の中でしっかりと、パリ協定に水を差すことのない、そういった中身に少しでも近づくことができるように最後まで最終調整をしっかりやりたいと思っています。

(記者)産経新聞の奥原です。小泉大臣が考えているNDCの提出時期のめどに関してと、NDCの報告、中身に関しての思いをお願いします。
(大臣)まず時期については、この気候変動条約事務局長のエスピノーサさんの2月28日のツイッターが明確だと思います。COP26までにすべての政府から野心のある目標を提出してもらうことを楽しみにしていると。まさにそれに尽きると思いますので、そこまでにしっかり出したいと。中身についての思いというのは、やはりこの野心の目標というものが問われている中で、日本はなかなか厳しい状況にあるのはその通りです。だけども、どういう提出の在り方だったら国際社会に対して日本が前向きな行動を示そうとしていると、そういうメッセージが伝わるような中身にできるか、まさに毎日、今調整をやっていますので、最後まで予断を許しません。しかし、少しでも前向きなものにしていきたいと。だんだんお互いの信頼関係、コミュニケーションというのは、少しずつ思いの共有が始まりつつあるんじゃないかなと私は思います。

(以上)