大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和2年2月21日(金)9:00 ~ 9:27 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

まず冒頭は、新型コロナウイルス感染症対策について報告をします。第11回政府本部での総理指示や厚生労働省が発表してきたガイダンスなどを踏まえて、環境省としても危機管理の一環としての業務継続に向けた取組を更に強化することとしました。これらの取組は、事態の今後の変化に対応できるようにするだけではなくて、職員自身が感染拡大の源になることを避けるとともに、働き方改革や交通需要マネジメントにも資するものとして、先行的、試行的に実施するものです。具体的には、政府が国民向けに発しているお願いに基づいて、職員へ感染・罹患防止を徹底するよう指示するとともに、テレワークにつきましては、昨日も維新の会の足立先生の御質問にお答えをしましたが、非正規職員も含めて全ての職員が必要に応じて行えるよう、テレワークの接続数を300台から1,000台へ3倍強増やすために回線を増強するとともに、関係規定の整備などを行います。そして、時差出勤につきましても、全ての職員が出勤のピークを回避して、幅広い勤務体系が可能となるように調整を行いました。環境省の本省では、現在、出勤時間が午前7時30分から30分ごとに午前9時半までの5パターンありますが、これを午前7時から午前11時半までの10パターンまで拡張して、最大限それぞれの働き方に応じながら活用できるように、必要な体制の整備を今日までに行ったところであります。そして、既に指示をしています指定職級のテレワークの進捗状況につきましても、今日の時点で新型コロナウイルス対応で現場に派遣されている1名を除く全員が実施することとなりまして、更に今回の対策での勤務体制が今後の働き方改革を促進していくものと考えています。さらに、イベント、会議、研修など、環境省の主催のイベントなどもありますので、そういったことの開催につきましては、環境省の主催するものは、まずはインターネットを活用したネット中継、動画配信などにより、なるべく人が集まることがなく開催することができないかを検討し、やむを得ず人が集まって開催する場合には、風邪症状のある方には参加を御遠慮いただくこと、来場者には事前に手洗い、マスク着用などをお願いすること、会場入り口にアルコール消毒液を設置すること、会場アナウンスでも感染症予防の観点からの注意喚起を行うといった感染症対策を万全に講じることとし、それが難しい場合には中止、延期を検討するよう指示しました。今後ともしっかり状況を注視して、政府一丸となって環境省が対応できるように取り組んでまいります。
 そして次は、スペースデブリのことについて触れたいと思います。2月19日水曜日に開催されました第3回スペースデブリに関する関係府省等タスクフォース大臣会合におきまして、私は、環境省が持っている衛星、これはGOSAT1号という温室効果ガスの観測をする専用衛星、このGOSAT1号機について、環境省が衛星の適切な運用と適正な処分を事業主体として責任を持って、自らこのGOSAT1号がスペースデブリとならないように、デブリ化を防止するために、これから環境省の中に来月を目指して省内の検討チームを立ち上げて、JAXAを始め関係機関としっかり連携し、対策を講じる旨発表をしました。私は大臣になる前に、自民党のスペースデブリの座長を務めていたこともありまして、今回、竹本大臣の御理解も得て出席をしたわけでありますが、今後、環境省としてもまさに自前のこの衛星、実は既に耐用年数が倍以上超えていまして、平成21年、2009年から運用していて11年たっています。耐用年数が5年というふうに聞いていますから、相当長く頑張ってもらっているわけですが、それもいつまでもというわけにもいきませんので、このGOSAT1号機がデブリにならないように、まずチームを編成して検討します。昨年6月のG20の環境エネルギー関係閣僚会合においても、環境省からもスペースデブリ対策の重要性について発信をしましたが、引き続き国際的にもアピールをしていきたいと思いますし、現在、文科省と共同開発中のGOSAT-GW、これにつきましても国際ガイドラインに沿って長期の持続可能性に配慮しつつ、関係機関と連携して、そこから知見を集積して国内外の取組に貢献してまいりたいと考えています。
 次は、レジ袋有料化に関する動きの一つを紹介したいと思います。コンビニの大手のファミリーマートさんが7月からレジ袋、これをバイオマス素材を配合したものにすることに加えて、それを有料化するという報道がありました。このファミリーマートさんの対応というのは、無料化でもできたものでも有料化にすると。そういったことというのは、改めて意思の強い前向きな取組だなというふうに、私としても、コンビニの大手がそういうふうに動きだしたということは、今回プラスチックの、最終的には資源循環、リサイクルが国内でも回っていくような社会を目指さなければいけないと進めている中でも、大変心強い動きだというふうに評価をしています。是非こういった取組が更に進んでいくように後押し、環境省としての支援もしていきたいと思います。
 そして、今日最後は出張のお知らせです。24日月曜日に私と石原副大臣で福島県を訪問しまして、福島復興再生特別措置法に基づく自治体との法定協議会である第20回原子力災害からの福島復興再生協議会に出席して、関係自治体の首長との意見交換をさせていただきます。これが24日の出張のお知らせです。
 あともう1点だけ、今日のこれからの予定の中の一つだけ報告をさせていただきます。今日の12時から、私と武田内閣府防災担当大臣で、有識者を交えまして「気候変動×防災」に関する意見交換会を開催することになりました。近年、豪雨や台風などの災害が頻発化、激甚化している中で、今後、気候変動の影響により災害リスクが更に高まる恐れがあります。そのような中、気候変動の影響を踏まえた抜本的な防災・減災対策の方向性を検討していく必要がありますので、武田大臣ともこの思いを共有していますから、今日は河川防災の専門家の小池俊雄先生、そして都市地域の防災の専門家、加藤孝明先生の2名をお招きして、意見交換を行うことになりました。今後もこうした意見交換を行って、6月には武田大臣と共同で気候変動の影響を踏まえた抜本的な防災・減災対策、気候変動適応策の方向性を示すようなメッセージを打ち出して、政策立案に生かしていきたいと考えています。冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)テレビ朝日の中村です。大臣が16日の政府の新型コロナウイルスの対策本部を欠席して地元の新年会に出席していたことをめぐっては、国会の場などでも厳しい指摘が相次いでいます。大臣はそうした指摘も踏まえて、今後、大臣としての公務や危機管理と政務との折り合いをどうつけていくべきとお考えか、改めてお伺いします。
(大臣)改めて今回コロナウイルス対策本部、これに私が出席をしないかわりに、八木環境大臣政務官に代理出席をお願いして、私は横須賀の後援会の会合に出ていたと。そういったことについて、野党の先生方からも、危機管理の上では問題はないけども、やはりそれは問題ではないかと、そういった御指摘を真摯に受け止めまして、反省しています。そして、今後、そういった御指摘のないようにしっかり取り組んでまいりたい。そして更に、反省しているとは言っているけども、おまえは反省の色が見えないとか、そういった御指摘に対しても、それはまさに私の問題でありますので、反省しているけど見えないという自分に対しての反省をしています。

(記者)朝日新聞の松尾です。この週末も金沢の方に政務と公務で出張されると思うが、コロナの進展いかんによってはそのまま予定通り行かれるのか、それとも変更があり得るのか、どういった対策を取って行かれるなら行かれるのか、その辺りも関連でお聞かせいただきたい。
(大臣)まず環境省が主催をする、そういったイベントに対してどのように向き合って開催の可否、これを検討していくかというのは先ほど冒頭に申し上げた通りです。そういった中でも動きは日々さまざま動くので、例えば自民党の党大会、これも来月、3月8日だと聞いていますけど、中止とか延期、そういった報道もあります。ですから、今日も含めて、最終的にもしかしたらコロナ対策本部もこの週末も入る可能性だってありますし、しっかりと万全の危機管理を講じた上で判断していきたいと思います。今、金沢で環境省の主催の、そしてまた政府でお招きを受けている、そういった講演、こういったこともありますが、しっかりと今回いただいているような御指摘を踏まえて、どのようにすべきかを判断したいと考えております。

(記者)産経新聞の奥原です。16日の新年会に参加されていたということで、厳しい追及を野党側から受けておりますが、翻って、立憲民主党も危機管理に絡めて質問されていますが、立憲民主党フェスティバルなどを、令和とかが党大会に関しては延期、中止をされる動きもある中で、敢行しています。そういう方々に対して、正論ではあるとは思いますが、延々と質問されることについての何か受け止めがあればお願いしたい。あと、先ほどから繰り返されている、反省の色が見えないことに関して反省をされていると、何か禅問答のような感じで分かりにくいのですが、どうされるんですか。反省しているように装うというか、言葉はあれですが、反省の色というところも大々的にPRしていくとか、言葉は悪いですがどういうふうにされるのかお願いします。
(大臣)改めて自分を振り返る、まさに反省というのは省みることですから、自分は反省していると言っても、なかなか反省が伝わらないのが自分のよくないところだなと。しっかり、ああ、こいつは反省しているなと、そういうふうに思っていただけるように真摯に仕事を頑張ろうと、そういうふうに改めて思いますし、野党の先生の大切な質問時間を私の反省をしている色が見えないということに費やしてしまっていることを、本多先生を含めて、共産党の宮本先生もそうですけど、改めて反省しています。
 他党の主催をすることとかについては、それぞれの判断になると思います。そこについはて私が是非を言うことではないと思います。ただ、昨日の本多先生の御質問の中でも、本多先生御自身も私がまず危機管理上は問題はないということ、そしてその他の指摘についても一律全てを自粛してやめろとか、そういったことを言っているわけではないというような前置きも質問の中で挟みながらの御質問だったと私も記憶しています。ですので、今の時点で、それぞれ自治体はいろんな動きがあります。例えば大阪の動きは大阪の動きもあるし、私の地元の横須賀は6月までイベントを横須賀主催のものはやらないというような発表をしたそうです。ですので、それぞれの判断で、その判断をどこまでやるかやらないかというのはあると思います。その中で仮にやるとしたら、万全の対策を講じた上でやられるというのが現時点での判断だと思います。仮にこれが例えば一律だとか、そういった判断になった場合は、それはそれに伴った対応というのがまた出てくるんではないでしょうか。

(記者)時事通信の木田です。新型コロナウイルス感染症対策本部の関係で伺います。昨日の予算委員会を見ますと、大臣が反省しているように見えないというよりは、謝罪を求めるというのが本多議員の質問の趣旨だったかと思います。大臣は反省という言葉は繰り返し口にされましたが、謝罪はされませんでした。どういう理由から謝罪をされなかったのかお聞かせください。
(大臣)まずは、危機管理で不備はなかったということは本多先生も指摘をしてくださいました。そしてその中で、そこは問題はないんだけども、やはり地元の会合に出席をしていたのは問題ではないかという御指摘、そういったことは、私も自分の中でそれは真摯に受け止めなければいけない声だなと、そういうふうなことを感じていますので反省をしています。ですので、もう私がしてしまったことなので、それを取り返すことは、今後の仕事でしっかりと反省をして前を向いてやるしかないので、仕事でその反省の色がちゃんと見えるように私としては努力をしていきたいと、そういうふうに考えています。

(記者)共同通信の松浦です。自民党内では最近、総裁選挙についての話題が出ています。それに関連して、8カ月ぶりに、2020年以降の経済社会構造会議を再開された意図についてお願いします。
(大臣)あの会は僕ら仲間内では2020(ニイマルニイマル)というふうに言っているんですけど、大臣になると自民党本部に行くことがほとんどなくなります。これは大臣になってからすごく感じるのは、そういった中で同僚の仲間の議員たちとの接点、時間というのもそれまでとは全然違うことになります。ですので、今回この2020の中で久々に多くの議員が集まってくれて、最近のお互いの関心事、そして近況、こういったことを率直にシェアをする、そういった場だったんですけど、仲間っていいなと、ほっとしましたね。そういう場としても、仲間の大切さとか、そういったことを感じる機会でもありますので、純粋にこれからもいろいろ意見交換をしながら、お互いの関心事を共有するというのは、国造りにおいても、やはり環境大臣だと環境省の所管のことがメインになるのはもちろんですから、それ以外のさまざまな専門分野を持っている議員たちとの意見交換、これは結果として視野も広げてくれるし、大変有意義な会なので、今後も続けていきたいと考えています。

(記者)フリーの横田です。岩田健太郎教授の告発動画に対する大臣自身の受け止めと、閣議や対策本部内での意見、議論の内容を教えていただきたい。あと、米国のシンクタンクにおられた経験を生かして、米国と日本の対応があまりに違うのではないか。米国は基地内に隔離施設があって、ダイヤモンド・プリンセスにいらっしゃった方も14日間滞在するという対応を取ることになっているが、日本でなぜそういう施設がなくて、対応が取れなかったのかに対する大臣自身の見解をお聞きしたい。原子力防災においても、日本とアメリカの差は歴然としていると泉田前知事が言われていて、住民避難用のバスの運転手の被ばくの健康被害に対する保障がないということと、アメリカではリストアップされているのに、日本では全然そろっていないなどアメリカに学ぶべき点は幾つかあると思うが、それを含めて3点お伺いしたい。
(大臣)3点ですか。3点以上あったんじゃないかなと思いましたけども、まず、僕は岩田さんの動画は全部は見ていないので、何ともまだ自分の中ではコメントするものではないなというふうに思いますし、感染症の関係の専門は、まさに所管は、今、厚労省が前面に出て頑張っていますので、我々としては、日本に入港したクルーズ船において新型の感染症が発生して、これに対応するために前例にとらわれない措置を政府の対策本部が決定して、所管する厚生労働省が中心となって講じていることを環境省として全力でサポートしていくと。実際に環境省からも厚生労働省、そして内閣官房、そこに職員を派遣しておりますので、環境省が持ち場としてやるべき対策に全力を尽くしつつ、人の面も含めて厚労省を全力でバックアップしたい、そういうふうに考えています。なお日米、そういった中での対応の差という御指摘もありましたけども、まさに日本の中で、今、前例にとらわれない対応が求められている中で努力をして、何が最善かということも考えてやっているのが厚労省ですから、しっかりそれを環境大臣としてはサポートしていくということに尽きると思います。そして、使用したマスク、そしてホテル、観光施設、家庭からの廃棄物の処理につきましても、1月30日付で各都道府県知事、各政令市の市長に対して、使用したマスクなどが廃棄物となって処理される際に、廃棄物処理事業者において実施すべき感染防止策を通知したところです。廃棄物処理事業は、国民の生活を維持するために不可欠なサービスの一つであり、我が国において新型コロナウイルスが流行した場合においても安全かつ安定的に廃棄物を適正に処理し、事業が継続できるように、引き続き関係者の取るべき対応について周知してまいりたいと考えています。
(記者)原子力防災のバスの運転手の件は、泉田さんからお聞きになっていないのか。
(大臣)聞いていません。泉田先生は今は知事ではなくて自民党の議員ですので、もしその件に御関心があれば、ぜひ泉田先生にも聞いていただければと思います。
(記者)防災担当大臣として避難計画がずさんだということで聞いているのですが。
(大臣)原子力防災担当大臣として、自治体と一緒になって、一体として緊急時避難、緊急時対応、そして避難計画作り、これをサポートするのは当然のことであります。そういった中でも、現在なかなか避難計画とかが十分にできていないところに対しても、どのようにしたらそれができるようになるのか、それを作っていく、内閣原子力防災としての務めを果たしていくことは当然のことですので、これも全力を尽くしていきたいと思っています。

(記者)環境新聞の小峰です。冒頭のスペースデブリの件ですが、大臣は、GOSAT1号の耐用年数が切れていて、これをデブリ化させないように上手に廃棄する方法を今後検討するという発言をされました。私も関係省庁会議に出てましたけれども、今までの環境省の第1回、第2回会合ではGOSATに宇宙のごみがぶつからないように、それだけが心配だということでしたが、この発言は一歩踏み込んだ大臣の方針だと思います。ということは、環境省は、地球環境保全だけではなく、宇宙環境保全にテリトリーを広げる宣言であったと受け止めてもよろしいでしょうね。
(大臣)小峰さんの思いが大分にじみ出た御質問だと思いますが、ただ、今、世の中の廃棄物は環境省が所管をしていると。一般廃棄物、産業廃棄物、災害廃棄物、そしてその先にあるのが宇宙廃棄物というデブリ、という見方というのは、これから考えなきゃいけない中で、環境省はどうあるべきなのかといったときに、一つの視野としては、それぐらい大きな視野を環境省は持つべきだというふうな思いは私もあります。そして、このデブリの座長を自民党では私、務めていましたので、この問題に取り組むきっかけとなったのは、人口減少、そして高齢化、今後将来にわたって日本がどのように国際社会の中でプレゼンスを発揮して、規模ではかなわなくても、日本にしかできない貢献をどこだったらできるのかということを考えた結果の一つが、このスペースデブリの問題に日本にしかできない世界の貢献をやっていく。もう5Gの世界、そしてデジタルエコノミーの世界では、衛星なくして我々の日々は回らないわけです。そういった中で、いつ衛星のデブリによる破壊、そして我々の日々のインフラや生活のブラックアウト、そして破綻、こういったものがいつ起きるか分からなくて、今でもJAXAが所管する衛星などは、この環境省の所管をしているGOSATもそうですが、デブリの回避行動を実際にもう既に取っています。ぶつかる可能性が高いときにはアラートがありますから。そういった危機感を持って取り組まなければいけない課題に、まだ世界中が解を見いだしていない中で、これは軍事とか安全保障とかの観点も関わる機微な問題ですが、安定的な継続利用のために宇宙環境をどのようにするかということを、環境行政をつかさどる環境省がアプローチをするということは、私は一つの意義としてあるのではないかなと。ですので、来月を目指して省内で検討チームを立ち上げて、夏ごろをめどにこのGOSAT1号機のスペースデブリ化を防止するための運用継続の可否に係る判断基準などをまとめる予定でいます。まさに今までよりも一歩踏み出した対応だとは思いますが、それぐらい私は、環境省というのが今後果たすべき、日本の中での役割にとどまらず、世界の中での役割は大きいというふうに捉えているということだと御理解いただければ幸いです。

(以上)