佐藤副大臣記者会見録(令和2年2月20日( 木 ) 11:00 ~ 11:20 於:中央合同庁舎第5号館25階会見室)

1.発言要旨

 本日は主に2つのプロジェクトについて、御報告をさせていただきたいと思いますが、いわゆるデジタル技術を使った環境政策として2本。1つは「気候変動×デジタル」、それともう1つは「資源循環×デジタル」というプロジェクト、この2つを副大臣室で進めて参りましたので、その結果について、途中経過を含めて、まず御報告をしたいと思います。まず「気候変動×デジタル」でございますが、昨年11月28日に、お手元にお配りしておりますポンチ絵ですけれども、資料の1ページ目にありますように、「気候変動×デジタル」のプロジェクトとして、まず「J-クレジット制度におけるデジタル技術の活用」について検討する旨を御報告させていただきました。本日は、その後の検討状況についてお知らせをしたいと思います。2ページ目にありますとおり、課題意識としては、J-クレジットの申請手続が紙媒体中心で今、行われているということ。そして2つ目が、クレジット認証について、削減量の、いわゆる排出量の削減のモニタリングや、算定に人手が必要とされるために、正確性を担保するための第三者の検証が必要になっているということ。それから3つ目は、クレジットの取引について、クレジットの売買後に、登録簿上でクレジットの移転や償却を事務局に申請する必要があるということなどがありまして、特にこれらは人手不足の中小企業、言わば家庭はもとよりですけれども、そういった人手不足の中小企業で、もっぱらこれを処理するために人を1人つけられないというような状況もございますので、こうした人手不足の中でコストと時間をかけるということに懸念のある現状について、J-クレジットへの参加のしにくい要因になっているのではなかろうかという、問題意識を持っていたということでございます。こうした現状の課題に対しまして、まずは申請手続きの電子化、それからブロックチェーンなどのデジタル技術を活用して、このJ-クレジットの取引市場を創出して、そして拡大させていくということで、最速では2022年、令和4年の4月の運用開始を目指していきたいと思っております。そのために、来月から関係事業者を含むワーキンググループを進めまして、詳細な検討を開始しまして、そしてその成果を今年の6月に取りまとめて、成長戦略、そして令和3年度の予算要求に反映して参りたいと考えております。これらの検討に当たって、削減活動からクレジット認証、取引に至るまで、シームレスに、しかもオールジャパンで、誰もがいつでもどこでも取引できるというような、アクセスしやすい仕組みになりますように、検討を進めたいと考えているところであります。3ページ目は、このプロジェクトが目指す将来像について御説明をしておりますが、3ページ目に示しておりますとおり、J-クレジットの取引として、今は既存の相対取引や入札システムがありますけれども、それらに加えて、この民間が運営主体となるブロックチェーンを使ったオールジャパンで、いつでもどこでも誰でもというような形で活用できる取引市場の構築を促進して参りたいと考えております。この新しい取引市場を作ることによりまして、例えば、事例を申し上げますと、1つに、太陽光発電のパネルを導入したような家庭で、これを遠隔監視で、いわゆるセンサーなどを活用してモニタリングをし、どれだけ排出量が減っているかをモニタリングし、認証手続きを簡素化する。そして、ブロックチェーンの活用によってタイムラグを小さくしながら、クレジットの取引をいつでもどこでも誰でも簡単にできるようにしていくというような形で、クレジットの創出を増やしていくということが可能なのではないかと思います。それから2つ目は、企業サイドにおいても、やはりこのブロックチェーンによって、クレジットの活用をしやすくすることによって、例えば、RE100など企業の脱炭素化に向けた取組を後押しできるのではないか。あるいは、ESG金融への関心が高まっています中で、こうした企業価値の向上、例えば金融融資のときの査定に、こうした情報がうまく有効活用できるのではなかろうかなど、J-クレジットだけでなく、多面的なデータ利用にもつながっていく可能性もあろうと考えておりますし、また今般、地方公共団体において、いわゆる2050年のゼロカーボンシティの宣言を増やしていただいております。こうした活発な動きで、例えば、再エネの努力をしていただいている地方公共団体で創出されたクレジットを、地方公共団体のみならず、地方の企業・家庭全てですけれども、そうした地方で創出されたクレジットを、例えば、都市部の大企業が購入をするということで、その購入した大企業の代金が、今度は都市部から地方に還元されるということで、地方創生にも資する資金循環ができ上がるのではなかろうかと期待をしているところであります。こうした観点で、J-クレジットの取引の活性化が1つの起爆剤になって、家庭や企業、地方公共団体による環境投資、脱炭素化に向けた動きを後押しして、いわゆる政府で目指しております、「環境と成長の好循環」の一輪を担っていくことに期待しているところでございます。これが「気候変動×デジタル」のJ-クレジット制度のお話でございます。
 続きまして、2つ目もそのまま続けてお知らせをさせていただきたいと思いますが、2つ目のプロジェクト「資源循環×デジタル」。昨年の秋には、その他ありうるということで、具体的にお話をしておりません。今回初めてになりますが、この資源循環の分野におけるデジタルの活用ということで、お手元のもう一つの資料を御覧いただきたいと思います。近年、使用が増えていますこのリチウムイオン電池ですけれども、吉野さんを含め3人の方がノーベル賞を受賞されたわけでありますけれども、このリチウムイオン電池あるいは電子基板といった部品には、貴金属のほかにリチウムやコバルト、ニッケルといったレアメタルが使用されております。これらの資源というのは天然資源の採掘時に、環境破壊を伴うものでもございまして、中には御案内のとおり、コバルトのように、児童労働の問題などが発生しているケースもあるわけでございまして、したがってこの使用済製品の中に含まれている物を取り出してリユースやリサイクルをするということは、やはり重要な観点・課題であると考えております。中古品などとして海外にこれらが流出いたしますと、やはり日本として見れば、資源が散逸するということでもありますし、このリユース・リサイクルの産業が国内で空洞化しかねないというおそれも感じるわけであります。したがって、この使用済製品や有用金属などの戦略的な利用を進めるためにも、国内で効率よく回収をし、リユース・リサイクルをして、国内で循環利用するという仕組みを作るということが重要であると考えたところでございます。そこで環境省では各種リサイクル法によりまして、製品ごとの対策や、それから各種リユース、リサイクル技術の開発、実証などに取り組んでまいりましたけれども、今回、資源循環を推進する上でのプレイヤー間の取引、いわゆる民間の企業さん、リサイクル業者、あるいはリメイクする事業者など、様々なプレイヤーがございますけれども、こうしたプレイヤー間の取引や連携というものを、シームレスに、ここも円滑にできるようにするための、デジタル技術だということで、このデジタル技術を活用した国内情報プラットフォームの在り方について、引き続きこれから検討していきたいと考えております。このプラットフォームによって国内のリユース・リサイクル市場を活性化して、資源循環産業が国内でもきちっと産業競争力を高めていただいて、新たな成長分野として育てていくために、本プロジェクトの検討を進めていくということでございます。2本目のプロジェクトは以上でございますので、ここで私の御報告は終わりにさせていただきます。

2.質疑応答

(記者)共同通信の水島です。「気候変動×デジタル」、「資源循環×デジタル」とそれぞれ1点思ったのですが、まず「気候変動×デジタル」ですが、運用開始が22年4月と相当かなりハイペースだなという印象を受けるのですが、その運用というのは家庭や中小企業を含めて相当周知等も大変だと思うのですが、イメージとしては、例えばどこか実証都市みたいなものを選んでやっていくイメージなのでしょうか。どういう形で運用を考えていらっしゃるのか。
(副大臣)先ほど申しましたように、まず今年6月の成長戦略に載せたいと思っています。その上で、令和3年度の予算要求にも反映したいと考えています。この令和3年度の予算要求というのは、まさに実証を中心とした予算要求で、令和3年度に実証をさせていただいて、早ければ令和4年度の本格運用にこぎつけたいと考えているところでありますが、いかんせん、やはり、2030年、マイナス26%の排出削減目標が、あと10年に迫ってきておりますので、そういう意味では、大企業の努力のみならず、中小企業も家庭も、オールジャパンで排出削減する努力の背中を押す意味で一つの歯車としてJ-クレジットを拡大させていくということは、急いでやってまいりたいと思っております。
(記者)もう1点資源循環の方ですけれども、来年度、経産省と合同でリチウムイオン電池を捨てる際の、処理場に火災等の発生を抑制するためのマークや処分方法などを議論する審議会も予定されていらっしゃいますけれども、それとの関係はどういうふうになるのでしょうか。
(副大臣)これから関係省庁、特に経産省さんとも、当然、連携をしていかなければなりませんし、連携を図りながら、様々、今遡上にのぼっているものをうまく連携させて、シームレスな仕組みを作り上げていきたいと思います。

(記者)朝日新聞の菊地です。関連でJ-クレジットについて、一部の企業等ではすでにJ-クレジットを使った制度を運用しているところでありますけれども、昨今はブロックチェーン技術等で取引を可視化する関連でデジタルの課題等あると思うのですけれども、実証が進む中で課題となっている点については特段ないという御認識か確認したい。
(副大臣)実証の中で課題というのは、当然、今見えていないものが新たに出てくる可能性がありますので、実証というのはまさにそのためにやる実証ですから、その中で課題をクリアしながらできるだけ早く本格運用にもっていきたいということであります。
(記者)(ブロックチェーンについて)今ネックとなっている、顕在化している問題点というのは特段ないということでしょうか。
(副大臣)いろいろデジタルの特性というのがあると思いますが、それを今まさにこれからワーキンググループでもみながら、できるだけ速やかに問題がいない形で、実証に移れるようにしていきたいと思います。
(記者)小泉大臣がかねがね提言されています石炭火力輸出の4要件についてなのですが、当然、副大臣、政務官も同じ見解の元に現在調整を進められているのだと思いますけれども、副大臣の輸出4要件に対するお考えをお伺いしたいのですけれども。
(副大臣)輸出支援の4要件というのは政府で決めているものでありますので、その遵守というのは基本だと考えております。私は大臣がおっしゃっている御見解と全く同一でありますので、環境省としてはそういうスタンスでやっております。

(記者)読売新聞の松田です。1つずつあるのですけれども、まず「資源循環×デジタル」の方で、プラットフォームの機能の中で、トレーサビリティ確保とマッチングが事例として示されているのですけれども、もう少し細かく、具体的にどういうことをやっていくイメージなのかを教えていただきたい。
(副大臣)今回ポイントは、リユース業者とリサイクル業者、ここがキーポイントではないかと考えています。従来、製造事業者がリチウムイオン電池や様々な部材を使って製品を製造し、その製品が使用され、そして排出され、排出事業者がそれを取りに行くという状況だと思います。これをリユースする場合、使用済製品がリユース業者に回りまして、そうするとこれがまた製造事業者に回って、再加工をされたり、リメイクされて、そして再生されてまたメーカーの中には新たな部材として使われていくと、この1つ循環があります。それに対して、リサイクル業者にあるケースですけれども、要するにリメイクせずに、もう素材としてつぶして、素材としてリサイクルをするというケースです。その場合には、資源がリサイクル業者の方に回りまして、そこから今度は再生原料として資源が再生されて、また新たな資源として、今度は素材の事業者にそれが回ります。それを素材事業者からメーカーがまた取得して、ものづくりに回っていくということで、リユースとリサイクルの、この2つのルートが資源の循環にはありますけれども、この2つをきっちりとデータ管理をして、振り分けていく。そういうことも含めたシームレスな、素材事業者、製造事業者、製品の使用者・排出事業者、修理業者・リユース業者、廃棄物処理・リサイクル業者が全部つながるような、そういうプラットフォームの構築を考えているということです。
(記者)こういった場合のトレーサビリティというのは、例えば何か一つ製品を作って、その中にレアメタルどれくらい含まれていて、どれだけ回収しましたということが追えるようになるイメージでしょうか。
(副大臣)トレーサビリティというのは、いろいろな観点が当然あると思いますけれども、1つにはこれは中古の話になっていきますので、そうしますと中古というのは、どのくらいいつ製造されて、その部材が製造されて、どういうコンテンツで製造されてというのがありますけれども、その製造情報と、いつ誰がどのような使用の仕方をしているかという使用者の情報と、どのくらい摩耗しているとか、そういったことをまずきちっとデータ管理をしませんと、取引がなかなか根付きづらいというものがあります。その意味でのトレーサビリティというのが1つあると思っておりますし、また製品のそのコンテンツそのものの純度だとか、当然そういったもののトレーサビリティというのもあると思います。あらゆる意味で、このデータをできるだけきちっと管理する。それが煩雑にならずに、できるだけ効率よく管理をするという意味で、やはりここもデジタル技術、例えばブロックチェーン、そういったデジタル技術でできるだけ効率的、安価に管理をしていくという発想でございます。
(記者)こちらの気候変動の方ですけれども、ワーキンググループの話がありましたが、ワーキンググループは具体的にどういった方が入って、何人ぐらいの規模かというところまでイメージできているものでしょうか。
(副大臣)ワーキンググループの方々は、専門家の方々で構成をするということでございまして、メンバーは発表前ですか、まだ。
(事務方)ワーキンググループにつきましては、まだメンバーは発表してございませんけれども、J-クレジットに関わっておられる関係の事業者さんを中心に、専門的な立場からお話をいただくといったようなことを考えております。

(以上)

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