大臣談話・大臣記者会見要旨

小泉大臣記者会見録(令和元年12月12日(木)18:00 ~ 18:10 於:COP25日本代表団部屋前)

1.質疑応答

(記者)まず今日1日終えられて、いかがでしょうか?
(大臣)今日は、南アフリカのクリ-シ-大臣、グテ-レス国連事務総長、そしてエスピノ-ザ気候変動枠組条約事務局長、ロビンソン元アイルランド大統領、そしてコスタリカのロドリゲス環境大臣とのバイ会談を行うとともに、ジャパンパビリオンで開催された二つのイベントに出席をしました。南アフリカのクリ-シ-大臣は、今、市場メカニズムこの六条の交渉のファシリテ-タ-をお務めしているお一人ですので、キ-パ-ソンの一人です。そのクリ-シ-大臣に対して、日本が交渉で重視をしているところがどこか、そのポイントをお伝えをし、またコ-ファシリ-テ-タ-として、今クリ-シ-大臣が感じておられるところ、そういったところを率直に意見交換できたことは、よかったと思っております。そして、南米グル-プ、交渉の中にはいくつかのグル-プがありますが、南米グル-プの一つであるコスタリカ、ロドリゲス大臣とも同様に今のコスタリカの考えているところ、日本のポイント、そういったところを共有しあったということもプラスだと思います。そして、グテ-レス国連事務総長とのバイ会談においては、私から昨日の私のステ-トメントで、「石炭中毒」、こういった表現をグテ-レス事務総長の言葉として引用させていただいた、そういったことを改めてお伝えをし、そして私が今感じていること、そしてまた今日本で自治体の動き、そして企業、そういった、いわば脱炭素化に向けた覚醒が連鎖をして起きているということ、こういったことをお伝えさせていただいて、全面的に応援する、そういった後押しをいただいたことも大変心強く思いました。ロビンソン元アイルランド大統領とは、日本で10月にもお会いをしています。そしてコスタリカのロドリゲス大臣とは、9月ニュ-ヨ-クでそれぞれお会いをしました。このお二方は環境問題、気候変動に大変造詣の深いお二人ですので、再会できたことは大変嬉しく思いましたし、ロビンソン元大統領とは更なる今後の様々な連携も含めて、そしてまたエルダーズという有名なNGOを率いているのがロビンソンさんですので、ロビンソンさんからは日本の若者とのこれからの連携とかについても意見交換できたのは良かったなと思います。そしてコスタリカのロドリゲス大臣とは、日本が立ち上げたイニシアチブ、「フルオロカ-ボン・イニシアチブ」、そして「大阪ブル-・オーシャン・ビジョン」、これへの賛同を呼びかけたところ、どちらとも快諾を得ることができたことは、これも一つの成果だと思います。そして若者といえば Climate Youth Japanの 皆さんの主催イベントでは、彼らからは持続可能なオリンピック・パラリンピックに向けたユ-スの活動と環境省との共同案の提言書を受け取りました。これを受けまして、来年の東京オリンピック・パラリンピックがClimate Youth Japanが言うところのサステイナブルなオリンピック・パラリンピックという意味を込めた「サステイナリンピック」、こういったことになるように提言を踏まえて、環境省としても協力できることをやっていきたいというふうに思います。最後に、先程開催された第7回のJCMパートナー国ハイレベル会合では、バングラデシュのウッディ大臣を始め、17のJCMパートナー国のうち、15カ国の代表と進捗を共有して、パリ協定の実施を契機として、JCMを通した各国との協力を一層強化していくことを確認できました。今後は交渉が更に深まっていきますので、日本の今、私と一緒に取り組んでいる交渉官、交渉団と専門家レベルでの協議を更に詰めていただいて、今後も事務方からの報告、連絡を密に聞きながら、いつ閣僚級の交渉が開かれても万全の対応ができるように準備をして、明日に備えたいと思います。以上です。

(記者)もう1問お願いいたします。明日COPの期間として最終日ということになりますけれども、中々バイ会談が開かれて状況も中々見えてこないこともあるかと思いますけれども、明日合意出来るのか、もしくは会期の延長を見通しているのか、交渉状況が分かれば、何となく言える範囲で構いませんが。
(大臣)日本は最善の努力をしてます。そして心強いのは交渉というのは、最後まで何があるか分かりませんが、楽観を持ちながら、そして何が起こるか分からないという健全な危機感を共有しながら現場の交渉官、専門官、汗をかいてくれてるのは、私として、日本の環境大臣としても、政府代表としても、我が日本チームを誇りに思いますね。そのチームの努力があれば困難と思われてるような壁も、きっと前向きな一歩が踏めるのではないかなと。予断は許しませんが、全力で彼らを支え、そして閣僚級に上げてこられた時に、しっかりと日本のプラスになるような、そういったアクションが起こせるように準備を進めたいと思います。

(記者)NHKの杉田です。交渉において、大臣としては、どんな役割を果たしたいか、教えていただけますか?
(大臣)今日もバイで、よく分かるのは、交渉の中ではいろんなことが起きます。不測のことが。人間同士がやっていることなので、これは政治も同じなんですけど、時には感情的なぶつかり合い、こういったことも起きます。ただそういったことが交渉官レベルで、仮に発生をしたとしても、そこで決定的な決裂を起こさないために、閣僚レベルの信頼関係が、そういう時にはいきます。ですので、今日、私からはバイ会談で私とカウンターパートの大臣と、そしてそれぞれの交渉官レベル、双方同席もしましたから、そういったことを確認し合う、いざ何かあっても、我々が最後何とかしようね。そういったことは、非常に政治家同士、大事な事であるなと思いますけど。

(記者)時事通信の武司です。今日グテーレス事務総長と、石炭政策についてお話されたと思うんですけれども、昨日のステートメントについて何か、グテーレスさんからコメントなどあったでしょうか?
(大臣)昨日のステートメントについて、特に言及はなかったですけれども、今回、私からもお会いしたいと思っていたんですけど、先方からオファーをいただいたので、そこはすごく伝わっている部分があるんだな、と改めて思いました。自治体の動きも国連サイドから日本にいるときから資料をくれと言われていた部分もあるので、改めてそれもお渡ししましたし、石炭の部分についても、私から、事務総長の「石炭中毒」いう言葉を使わせていただいた思い、そういった思いを率直にお伝えをし、そして、昨日の内外の記者会見で、私は4要件についてお話をしましたが、そういったことについても改めて事務総長には、私から、そういった課題の認識を私は持って臨んだのだと、そういったことをお伝えさせていただきました。
(記者)それに対してのお返事は?
(大臣)大変前向きに、サポートをする、と。そしてあの仲間たちは皆つながっていますから、コミュニテイーというふうに私はよく言いますが、この気候変動のコミュニティーの中で、明日お会いをするトゥビアナさん、そして今日お会いしたロビンソンさん、まさにあのお二方が、この前、毎日新聞に共同寄稿していただいたあのお二人を含めて、日本が前向きな取組を進めたいと思っている、そういう私も含めた、プレーヤーが出てきているということを心強く思っている、ということをあちらからも言っていただきました。

(記者)テレビ朝日の中村です。今の関連でほかにグテーレス事務総長側から、何か伝えられたことがあれば、可能な範囲で教えていただきたいのと、あと、このCOP期間中にグテーレス事務総長と個別会談をした意義をどういうふうに考えているか、お願いします。
(大臣)先ほども申し上げましたけど、グテーレス事務総長はアポをとるのが大変です。ニューヨークでも私は総理とグテーレス事務総長のバイに同席をさせていただきましたけど、大臣としてグテーレス事務総長とのバイを、こちら側からではなく、事務総長側からオファーをいただいたということは、私は、期待の表れだと思いますし、何とか前に進めたいという、その思いを共有しているからこそ実現をしたのだと思っています。そういったことは大変ありがたく、まさにこれからCOPが終わった後に、日本に帰ってから、どのようなアクションを、応援してくれる方々とともに進めていけるのかっていうのは、今日はとても励みになりました。

(以上)