大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(令和元年7月2日(火)10 :43 ~ 11:00 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 それでは、今日は6、7件ございますけれども、よろしくお願いいたします。
 まず、本日、環境影響評価法施行令の一部を改正する政令が閣議決定したところであります。今回の改正は、環境影響評価法の対象事業として一定規模以上の太陽光発電事業を追加するものでございます。施行は令和2年4月1日を予定しております。
 続きまして、本日の閣議において環境省幹部の任免が了承されたところでございます。発令は7月9日付となります。具体的には、森本英香環境事務次官、高橋康夫地球環境審議官および田中聡志水・大気環境局長の勇退を認めました。環境事務次官の後任に鎌形浩史大臣官房長、地球環境審議官の後任に森下哲地球環境局長を充てることといたしました。他は、大臣官房長の後任には正田寛自然環境局長、地球環境局長には近藤智洋大臣官房審議官を、水・大気環境局長には小野洋大臣官房審議官を、自然環境局長には鳥居敏男大臣官房審議官を充てることといたしました。なお、勇退する森本環境事務次官は、7月10日付で環境省顧問に就任させることといたします。高橋地球環境審議官、田中水・大気環境局長も環境省参与に就任させるつもりであります。併せて、他の部長・審議官級の人事については、既にお手元にお配りしていると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次でございますけれども、先月来の災害に関する環境省の対応について申し上げます。まず、このたびの大雨の災害によりお亡くなりになりました方には、心よりお悔やみ、お見舞いを申し上げます。被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。まず、台風3号および梅雨前線停滞による大雨については、先週6月26日より環境省災害情報連絡室を設置し、現地の情報収集を行っておりますが、これまでのところ廃棄物処理施設や国立公園施設などの稼働等に影響のある被害報告は出ておりません。各都道府県に対して、災害廃棄物が発生した場合の処理について、初動時の対応、仮置場の確保および災害廃棄物の分別の徹底など事務連絡を発出しているところであります。また、先月18日の山形県沖を震源とする地震につきましては、昨日、山本防災担当大臣を団長とする政府調査団に、当省より名倉廃棄物適正処理推進課長を派遣したところであります。なお、7月8日には災害廃棄物の収集運搬および処分に係る補助金の現地説明会を実施する予定であります。今後も現地での情報収集を進めるとともに、自治体等から積極的にニーズを汲み上げ、迅速かつ適切な支援を行ってまいります。なお、本件につきましては、今朝の閣議前の閣僚会議でも安倍総理御自身からさらにしっかりと対応するようにと、こういう御指示があったところであります。
 続きまして、先月28日、29日に大阪市においてG20大阪サミットが開催され、大阪首脳宣言が採択されたところであります。環境をはじめ多くの分野で、G20として地球規模の課題に協調して取り組む力強い意思を世界に発信できたということで、極めて有意義であったと思っております。特に海洋プラスチックごみに関しては、G20首脳間で2050年までに汚染をゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有し、軽井沢の大臣会合で取りまとめた「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」を支持することで一致したところであります。気候変動に関しては、G20としてイノベーションを通じた「環境と成長の好循環」の実現の重要性に合意したほか、軽井沢での大臣会合におけるイノベーションに関する行動計画などの成果に留意することで一致をしたところであります。議長国の環境大臣として、こうした大阪サミットの成果を踏まえ、海洋プラスチックごみや気候変動問題などの地球規模課題に関する国際的な議論をこれから引き続きリードしていきたいと思っております。
 6月29日から30日に、小笠原の世界自然遺産、国立公園の管理の状況について、外来種対策等を中心に現場を視察したところであります。環境省や関係機関が中心となったノネコ、ノヤギ対策により、固有種であるカラスバトや希少植物が回復しているということを確認することができました。一方、野外で探し出して駆除することが困難な、グリーンアノール、トカゲでありますけれども、やウズムシについては、一度侵入した外来種を根絶することの難しさを再認識し、引き続き対策を強化していく必要があると感じております。特にグリーンアノール、トカゲ対策として、新たな技術を活用した調査や駆除を強化するとともに、絶滅の危険性の高い貝類(カタツムリ)の増殖や再導入等をさらに推進するよう指示をいたしました。引き続き、関係機関と連携して取り組みの強化に努めていきたいと思っております。
 最後の点ですけれども、熱中症予防の強化月間について御報告いたします。環境省を始めとした関係省庁では、熱中症に対する意識を高めるために毎年7月を熱中症予防強化月間として定めておりますが、昨年に引き続き、近年の酷暑を受けて、本年は月間を7月から8月まで延長いたしまして、より一層の熱中症予防対策の取組を推進いたします。月間の初日となる昨日は、官民一体で取り組む啓発イベントを主催したところであります。私も渋谷のハチ公前広場でスタート式を行いまして、直接国民の皆様に熱中症予防の大事さを呼びかけたところでございます。さらに環境省では、全国840地点で、「暑さ指数」を発信しているところであります。今後とも皆様には、この指数を熱中症の危険度の指数として捉えていただきたく、NHKさんを含む報道におきましても暑さ指数と併せて「熱中症予防情報」という形で発信をお願いしているところであります。国民の皆様には、本格的な夏を迎えるにあたり、熱中症の予防を心がけ、お互いに声をかけあっていただきたいと思います。まずはこの熱中症予防対策にしっかり取り組むということもありますし、それぞれの個人がやるべきこともたくさんございますので、是非その辺も皆さん注意喚起していただければと思っております。私からは以上でございます。

2.質疑応答

(記者)日経新聞の安倍です。よろしくおねがいします。G20の大阪サミットの件で一つお尋ねします。プラスチック分野では今ご説明があったように、2050年までにゼロにするということが決まりました。プラ対策にとっては一つの大きな節目になると思いますが、一方で、これが本当にできるのかどうかという声も上がっています。環境分野を所管する環境省として、この目標についてどのように捉えていらっしゃるかお聞かせください。
(大臣)非常に高い目標をこのG20という場で決めていただいたところであります。しかるが故に、相当、各国、また私どももそれを目指して努力しなければいけないと考えているところであります。まず、今回のG20では、いわゆる先進国、途上国と言われる国々が一致結束して同じ目標を目指すということでありますから、それは非常に意義がある会合だったと思っております。併せて、この実施につきましては、相当努力をしなければいけないし、まさにそれをどうやって今度具体化していくか、実施していくかということが大事なことになるわけであります。10月には、この実施枠組の運用のための第1回目の会合として、資源効率性に関するG20としての具体的な議論を行うG20資源効率性対話という会合を予定しているところです。これは前からある会合ではありますけれども、この場をこれから海洋プラスチック問題の、一番中心の活動舞台として活用していかなければいけないと思っております。この実施枠組を念頭に置きながら、この会合は10月に予定しているところでありますけれども、そこでしっかり日本としての取組を進めていきたいなと。そのためには相当しっかりとした内容をこれから詰めていかなければならないわけであります。少なくともわが国はG20に向けて、例えばアクションプランをしっかり国として定め、また様々な実施計画もございます。それらをまとめまして、できるだけ早く資源効率性対話の場で原案を出せるように、日本としてそういう思いでこれから相当作業を進めなければならないと思っております。何しろ大事なことは、目標が決まることと併せて、それをいかに実施して実現するかということであります。そういうことで、今後しっかり臨んでいきたいと思っております。

(記者)NHK金沢と申します。熱中症対策について、去年に続いて延長ということですけれども、今年改めて、去年にはない環境省として熱中症を防ぐための具体的な取り組み等があれば一言お願いします。
(大臣)その時に私が申し上げましたように、例えばやり方自身はどうすれば身を守れるかということについては、もう既に言われているところでありますから、ちゃんと水飲みを忘れないとか、例えば男性も日傘をするというようなこともいろんなアイデアとしてはありますから。いずれにしても、我々が当たり前と思っていたことを、さらに改めて再確認してそれを実行するということが大切ではないかと思っております。とりわけ、昨年の酷暑は、みんな驚きをもって体験したところでありますし、今年は5月ですかね、あれは何か特別な気候状況でありましたけれども、5月の間に大変な酷暑を、39度を超える気温を日本が体験するというようなことがありましたから、相当な覚悟を持ってこの熱中症予防月間に臨まなければならないと思っております。

(以上)