大臣談話・大臣記者会見要旨

原田大臣記者会見録(令和元年6月14日(金)9:02 ~ 9:26  於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 それでは、私から2件御報告をいたします。
 いよいよ今週末の15日、16日に軽井沢におけるG20史上初の「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合を」を開催し、私が議長を務めてまいります。また、閣僚会合に先立ち、本日午後には軽井沢へ向けて出発いたしまして、地元主催のサイドイベントに参加する予定でございます。軽井沢駅前の「G20イノベーション展」を各国大臣と視察、その後、地元主催の歓迎ディナーにも参加する予定です。明日からの一連の会合では、イノベーションによる環境と成長の好循環や、地球規模で大きな問題となっております海洋プラスチックごみ問題などについて議論を行います。特に海プラごみ問題については、新興国および途上国を巻き込み、G20として実効性のある対策に合意すべく、議長国の環境大臣として全力を尽くしてまいります。また、3月より海洋プラスチックごみ問題解決に貢献するイノベーションを実施している企業・団体、研究者の方々にずっとお会いをしてまいりましたが、今般、それらの叡智、経験や知恵をお手元の事例集としてまとめました。これらの取組について、G20各国に我が国がどういう取組をしているかを革新的ソリューションとして発信してまいりたいと思っております。G20については以上であります。
 2点目でございますけども、一昨日の参院本会議におきまして、議員立法により「動物の愛護及び管理に関する法律等の一部を改正する法律案」および「浄化槽法の一部を改正する法律案」が可決され、成立いたしました。動物愛護管理法につきましては、犬猫へのマイクロチップの装着義務化、愛護動物への虐待罪等の厳罰化、生後56日以下の犬猫の販売の禁止などが主な改正内容となっております。また、浄化槽法の一部を改正する法律につきましては、単独処理浄化槽から合併処理への転換の促進や、浄化槽の維持管理を向上するための措置などが主な改正内容となっております。いずれも形の上では議員立法でございますが、当然私ども政府としても、答弁にも立ちましたし、一体となってその趣旨に沿って運営管理をしていかなければいけない、こう思っております。今後、所管省庁として丁寧な周知を行うなど制度の円滑な運用に努めてまいりたいと考えています。
 私からはこの2点を御報告させていただきました。

2.質疑応答

(記者)共同通信の石川といいます。明日から始まるG20の軽井沢の会合ですが、一部先行して今日からイベントも始まります。開幕直前ということで改めて大臣の思いや意気込みと、あと今回、海プラなどいろいろたくさん議題が挙がっていますが、その中でも特に大臣の思い入れの強い議題があれば、その辺の意気込みをお願いいたします。
(大臣)いよいよ明日、明後日ということになったところであります。このG20に向けまして、私どもも様々な検討を進めてきたところでございますが、まず最大のテーマの一つ、海プラ対策では、国際的な喫緊の課題であり、昨年から既に世界全体がこの問題に取り組むべく、G20でこの問題を議論する旨を総理も再三発表されているところであります。今度の閣僚会合におきましては、総理の御趣旨、方針にも沿って、新興国、途上国も含めてG20全体の行動を促進する実効性の高い枠組みに合意をしたい、こういうふうに考えているところであります。この問題の重要性は各国同意するところでもあり、議長として先月31日に決定しました海洋プラスチックごみ対策アクションプランやプラスチック資源循環戦略など、我が国の率先した取組をアピールすることでリーダーシップを発揮し、成果を取りまとめ、大阪サミットでの建設的な議論につなげていきたいと思っています。今回、気候変動の問題等も当然テーマになるわけでありますが、いずれにいたしましても、私ども今日まで様々な会議等でいろいろ発信もしてきましたし、また世の中の動きもしっかり受け止めながらやっていかなければなりません。とりわけ、何度も申し上げますように、いわゆる先進国と発展途上国、これらの国々とはとにかく一体としてこの地球環境を守っていくのだと。その辺の取組こそが一番大事だろう、こういうふうにも考えておりまして、私の役割といいますか、議長国としての役割は非常にまた大事な問題ではないかと思っております。気候変動の問題につきましても、今回、今世紀の後半のできるだけ早い時期に脱炭素社会を実現するのだと、実質排出ゼロの実現を目指すということをしっかりと発信いたしまして、気候変動問題についてもG20の議論を引っ張っていきたいと考えております。そのベースとして、環境と成長の好循環ということを私はしっかりまた踏まえまして、環境政策、環境対策というのは、国にとっても、また企業にとってもコストとして受け取られた部分が昔からありましたけど、決してそうじゃないんだと。そこを進めることによってむしろ経済も産業も発展するのだ、そこでイノベーション、技術開発なんかも進めていく動機にもなるのだと、こういうことをしっかり訴えたいと思っております。お配りしました私どもの勉強成果も、ある意味では基本的には企業の方の実践的取組もかなり事細かに、抽象論ではなくて具体的な形で書いておるところでありまして、そういう意味ではやはり環境と経済の一体性、好循環というのは、ぜひ主張していきたい、あるいは外国の方でまだそういうところに気付いていない方がおられるとしたらしっかり参考にしていただきたい、こう思っております。

(記者)日本経済新聞の安倍です。G20の関連で、今のお話の中で、海プラについて今回実効性の高い枠組みを目指していきたいというお話がありました。ここをもう一歩、大臣のお考えを具体的に教えていただけますでしょうか。
(大臣)実効性の高いということをどう具体化していくかということがやはり一番大事なことだと思います。そういう意味で、例えば海洋プラスチックごみ対策アクションプランにつきましても、私どもは相当細かく具体化していると考えております。その中には、例えば既に海に残っている、例えば漁網とか漁具、こういうのが現実には海の海洋プラ汚染の大きな要素になっておりますけど、それについても今度はそれを各漁船が仮に日本に持って帰れば、それを国内でしっかりまた経済的な支援もやっていると。例えばそういうことも具体的にこの中に入れておりました。こういう形で、新しく排出されるプラスチックごみももちろん徹底的に抑えなければいけません。そのためのイノベーションも検討しているところでありますが、例えば既にもう海にたまっているものに対しても我々は積極的に取り組むということです。具体的には様々このアクションプランに書いておりますけども、そういうことを皆さんに紹介することによって、私どもがこのプラスチックごみ対策に本当に真剣に取り組んでいるということを示したいと考えています。先ほどの冊子もしかりでありますが、そういうことで考えております。

(記者)朝日新聞の松尾です。今の関連のことなのですけれども、プラスチックについては、枠組みの実効性、これは数値やある種ビジョンまで含めたことをお考えなのか、それとも行動を決める段階にとどまりそうなのか。大臣の狙い、それとプラスチックの問題と気候変動の問題、率直にどちらがどれくらい高いところまでたどり着けるか、大臣の今の感触をお教えください。 
(大臣)非常に限られた時間ではございますが、私どもそれなりに準備はしているところであります。気候変動の問題も、またプラスチックの抑制についても、これはどちらというよりも、両方私は重要なテーマだと思っております。その上で、どこまでお互いの実行、目標に迫れるかというのはこれからの議論になりますけども、特にプラスチックの方は何とか20カ国で共通の認識ができるような合意ができるように、私ども、今努力はしておるところであります。具体的な目標までということはまたなかなか難しいような感じはしますけど、いずれにしましても、今どれぐらい世の中、現状はどういう形で汚染が進んでいるか等についても、必ずしも統一的な数字があるわけでもありません。それぞれいろんな研究者や国の概算では相当たまっている、これがこのまま進めば2050年には大変になると、こういうことが言われています。いずれにしてもその辺の考え方についてもできるだけ合意が得られるようにしたいと思います。併せて、当然のことながら日々いろいろ排出が進んでいるわけですけど、当然何を今お互いになすべきかということもお互いに意見を出し合って、参考にすることがあれば参考にしたいと、こう思っております。いずれも極めて重い大事なテーマでございますから、改めて各国の首脳がどういうような考えを持っているかというのをこの2日間でしっかりまたお話を聞いて、お互い苦しいけれども、その目標なり何なりを考えていこうというふうには持っていきたいと思っております。

(記者)共同通信の堀野と申します。改正動物愛護法のことで伺います。改正法は犬猫へのマイクロチップの装着を繁殖業者に義務付け、一般飼い主には努力義務を課していますが、マイクロチップについては認知度の不足もあり、装着率が低いのが現状だと聞いております。今後、一般飼い主の装着率を上げるための取組として考えていることがあれば教えてください。
(大臣)このマイクロチップの装着は、かねがねそういう専門家からはそれが必要だということを指摘されていたものであります。迷い犬、迷い猫の飼い主への返還の促進や遺棄の防止を図る上で非常に重要な手段であると考えます。今般の改正法では、ブリーダーやペットショップ、いわゆるそれを業としている人々に対してはマイクロチップの装着と登録の義務が規定されております。また、マイクロチップが装着された犬猫を飼った人は所有者情報の変更、登録が必要となると、こういうことであります。また既にご家庭で飼われているものについては、できるだけ今からでも装着しようという努力義務となっております。環境省としては、3年後の制度施行に向けて、制度の趣旨や内容について自治体などとも協力してパンフレット等を活用し、今後速やかに事業者や一般の飼い主に対する普及・啓発を徹底してまいりたいと、こういうふうに思っております。多少費用もかかるものですからいきなりというわけにはいきませんけれども、できるだけそういう雰囲気を盛り上げることによって、最終的には犬猫へのマイクロチップの装着が行きわたり、普及し、犬猫の幸せな飼い方ができるように、というのが私どもの考えていることでございます。

(記者)毎日新聞の鈴木です。先日、大臣が臨時会見でレジ袋について無料での配布を禁止すると発表されましたが、それをG20で各国に紹介したいと話をされておりました。本番の軽井沢の会合以外に、例えばコーヒーブレークとか、少しくだけた話ができるような場があると思いますが、大臣としては日本の取組をどういう場でアピールする予定なのでしょうか。
(大臣)レジ袋の有料化の問題、既に公表いたしまして、考え方をまださらに進めなければいけないところがありますから、内部で、さらには各省また各関係業界に私どもの考えを少しずつ理解していただくように進めております。なお、これは基本的には国内政策といいますか、内政での私どもの考え方ですが、今回の会合はせっかくのいい機会ですから、日本での取組について冊子まで作ってやっている点では私どもがかなり先進的に取り組んでいると考えておりますので、私も議長国また議長として、こういうことを国内政策としては今検討し始めたんだということも申し上げたいと思います。今おっしゃったように、また恐らくコーヒーブレークとかバイの会談も何カ国かとやりますので、それはあくまでも私どもはこういう点でも努力しているということをお話ししたい。これは先ほど、例えば漁網もやはり日本のやり方としては今までもやっていたことです。しかし、これからはそういうことも政策として取り組むんだということを紹介するのと同じように、有料化についても紹介したいと思っています。お聞きしますと、国によってははるか前から例えば禁止しているとか有料化は当然だみたいなところもあるようですが、それは別にどちらが早いとか遅いではなくて、私どもの取組としてできるならいろんなところでご紹介をしたいなと思っております。

(記者)NHKの杉田です。大臣の日程表についてお伺いいたします。破棄されるなど問題がある中でそもそも内容が薄くて不十分なのではないかという指摘があったり、一部の日程がブログに書かれた日付と違っていたということがありました。これに関しての大臣の受け止めをお聞きしたいです。
(大臣)私の公式日程はしっかりまた公表しようというふうに理解しておりますし、また私は大臣として、併せて政治家としての立場からいろいろフェイスブックやらには発信しているところであります。実は、私のフェイスブックは時間が取れたときに、その日に書くこともありますし、何日もたってから書くこともあります。思いついたときに書くようにしております。ですから、公に発表した日にちと突合するときに、この日は仕事のはずなのにこの会合はどうだとかいろいろ、少しそういうパターンを考えられたと思いますけれども、あくまでも公式の日程はできるだけ細かく御報告しております。そういうことで、私の個人的なフェイスブックやらツイッターはそういうふうに御理解いただけるかと思っております。日にちを突合すると合わないときもあります。例えば、日にちが非常に大事なときは、例えば4月1日とか5月1日とか、こういうのはやっぱりその日しか意味がない、はっきり書かなければいけませんけど、そういう意味ではあんまり日にちが大事ではないという意味では、思うままに思いついたときに書いていると御理解いただければと思っております。

(以上)