原田大臣記者会見録(令和元年6月11日(火)9:31 ~ 9:42 於:参議院本会議場議食側廊下)

1.発言要旨

 今日は私の方から2点御報告する予定です。
1点目は、パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略の閣議決定についてです。本日、温対本部においてパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略が了承され、その後の閣議において決定をされたところであります。戦略には二つのポイントがございます。一つは、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会、すなわち実質排出ゼロの実現を目指すという長期的なビジョンを掲げた点であります。G7の中でゼロを目指すとしたのは初めてであるというふうに自負しております。もう一つは、ビジョンの達成に向け、ビジネス主導の非連続なイノベーションを通じて「環境と成長の好循環」を実現することを政策の基本的な考え方として位置付けたところであります。また、各分野での脱炭素社会の実現に向けた挑戦や可能な地域、企業から、2050年を待たずにカーボンニュートラルを実現するといった野心的な方向性、日本の特徴を生かした具体的アプローチを盛り込みました。すなわち、「環境と成長の好循環」の実現のためのイノベーションの重要性であります。環境省としても窒化ガリウム半導体等の最先端素材の開発、CCUの商用化技術の2023年までの確立を含めたCCUS等に関する技術の開発などにしっかり取り組んでまいります。グリーンファイナンスについては、ESG金融を通じてイノベーションに国内外の資金を集める方向性が盛り込まれており、環境省としてもESG金融ハイレベルパネルの開催等を通じ、取組を推進してまいります。さらに、「望ましい社会像」への移行の視点から、「地域・くらし」における地域循環共生圏の創造を盛り込んでおりますので、関係主体とも連携、対話して実践するとともに、こうしたアプローチで世界の脱炭素化をけん引したいと考えております。この戦略は世界に胸を張って示すことのできる野心的ビジョンと考えており、今週末に迫りましたG20関係閣僚会合の機会などを通じまして、世界に発信してまいりたいと思っております。
 2点目は、東北のみちのく潮風トレイル全線開通式のことでございます。6月9日日曜日でございましたけども、みちのく潮風トレイル全線開通記念式典に出席してまいりました。環境省では、東日本大震災からの復興に向けた取組の一つとして、青森県八戸市から福島県相馬市までの太平洋沿岸を歩いて旅する道、みちのく潮風トレイルの路線設定を平成25年度より進めてきており、今回の式典をもって全線開通を迎えることができました。本トレイルを通じて引き続き東北の復興と自然の魅力を国内外に発信して、世界に誇るロングトレイルにしていきたいと思います。全長1000キロを超えるということになっています。また、4県28市町村にわたる非常に壮大なプロジェクトでありまして、地元の皆さんも本当にこの完成で勇気づけられて、また元気になっておられたことを改めてよかったなと思っております。私からは以上であります。

2.質疑応答

(記者)フジテレビの加藤です。今日でパリ協定に基づく長期戦略がまとまりました。前にプラ戦略もまとまり、G20に向けての足場が整ったかと思うのですが、大臣はG20に向けて日本の取組をアピールするなど、各国に対してどんなことをやっていきたいですか。
(大臣)全く今ご指摘の通り、いよいよG20環境・エネルギー大臣会合が始まるところであります。今日まで様々な観点、特に気候変動、さらにプラスチックの問題、またESGの拡大を相当準備はしてきたつもりでありますけども、その成果をまずは日本、議長国としてしっかりまた世界に発信することと併せて、そのことによって逆にまたわれわれ日本人も、それをより実効性のある形で実行しなければいけないなと、そういう気持ちで緊張しているところであります。

(記者)共同通信の水島と申します。レジ袋の有料化の関連で、大臣は新たな法令によってレジ袋の無償配布の禁止を実施する方針を打ち出されましたけれども、先日の会見で世耕経産大臣から、省令改正の方がスピード感があっていいのではないかという提案もございましたが、その辺の整合性についてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)これはこれから、どっちにしても無料のレジ袋は配布しないようにという意味ではそれが目的でありますから。あと、法形式についてはこれから議論をしていかなければいけないと思っています。法令の形、また省令を改正する形、いろいろあろうかと思いますけど、これはしっかりまた関係省庁で詰めていきたいと思っております。
(記者)環境省と経産省で足並みの乱れ、考え方の違いはないということでしょうか。
(大臣)私はそれは全くないし、そこは非常に協力し合いながらこの方向についてはしっかりやっているなと、こう思っております。特に乱れなんてことは私は全然感じませんし、当然事務的にも連絡をよくやっているところであります。

(記者)毎日新聞の鈴木です。G20の関係閣僚会合に向けて、大臣としてはどのような成果を期待していらっしゃいますか。
(大臣)何といったって地球環境というのは、それこそただ日本だけとかどこだけというのではなくて、国際協力でしかその保全は目指せません。その意味では、今回の様々な論点でも先進国と発展途上国がよく話し合って、やはりそういう地球環境に対する共通の目標をお互い共有し合って、そしてそれぞれの国が内政の段階で取り組むということが大事だろうと思っております。そういう意味では、我々議長国ではそのことを率先して実行していくということが大切かなと。国際的にもかなりの成果を発信したいと思いますが、だからこそ、我が国の国内に向けての努力を相当やっていかなければいけないなと、そのような感じがいたします。
(記者)将来に向けて大きな成果みたいなものを発信できる期待感があるということでしょうか。
(大臣)もちろん、そういう意味では今回の戦略の中でもございましたように、2050年、または今世紀のできるだけ早い機会にゼロにするというようなことは、これはもう非常に意欲的な、野心的な目標でありますから、なかなか私どもにとっても、またどの国にとってもそんな簡単な話ではありませんけど、当然これから施策を加速して、それにできるだけ到達できるように努力しなきければいけないと、こう思っております。

(記者)長期戦略の話で脱炭素社会の実現は分かりましたけれども、このままいけばそれが達成できるのか、それとも取組がまだまだ不足していて道半ばで本当に喫緊の課題であるのか、その辺の大臣の今の温度感、受け止めとしてはどのように考えておりますでしょうか。
(大臣)これは当然のことながら、そう簡単な目標ではない。しかし、それ故にやっぱりまだまだ道半ば、むしろこれから、さらに様々な施策を加速していくということが必要だろうと思っております。

(記者)G20ではアメリカが重要かと思うのですけれども、大臣としてはアメリカをいかに巻き込んでいこうとか、いかに話していこうとかという考えはありますか。
(大臣)20カ国それぞれがしっかりした考えで今回臨んでいただいているところであります。もちろん我々はぎりぎりまで根回しも進めておりまして、こういう多国間会議のときは、当然のことながら事前の根回しなり協議なりを通じながら、しかし、やっぱり本番では当然また色々な閣僚間の御意見があろうと思っています。アメリカはもちろんでありますけども、それ以外の国々ともそれはもちろん最後まで努力をして、最後はしっかり発表できるようにしたいなと思っております。
(記者)楽観されていますか。
(大臣)楽観は別にしていませんけど、しかし、そうしなければならないなと。私、また私ども日本の責任もありますから、調整はかなり厳しいことになろうと思いますけど、最後にはしっかりやり遂げなきゃいけない、こう思っております。

(以上)

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