原田大臣記者会見録(令和元年5月14日(火)9:37 ~ 9:56 於:環境省第1会議室)

1.発言要旨

 この場では令和の会見は初めてになります。改めて、国旗の前で今日から御報告させていただきたいと思っております。私からは3点御報告をいたします。
 まず、バーゼル条約についてです。4月29日から5月10日まで、スイス・ジュネーブにおきまして、バーゼル条約の締約国会議が行われました。その結果でございます。特にバーゼル条約に関しましては、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な課題となっていることを踏まえまして、我が国は、ノルウェーと共同で、リサイクルに適さない汚れたプラスチックごみを条約の規制対象とすべきだという提案をしていたところでございます。様々、議論はございましたけれども、これに関する附属書の改正案が無事に採択されたところであります。採択された段階で、既に皆様の方にもペーパーだけはおまわししたところであります。改正附属書の発効、2021年1月1日ということになっていますけれども、以降は、汚れたプラスチックごみの輸出には、相手国の同意が必要であるということになります。今後は、改正附属書に即した省令改正等の対応を行うとともに、引き続き、世界のプラスチック資源循環施策をリードしていく、こういうふうに考えているところでございます。
 次でございますけれども、IPCCについて御報告します。5月8日より12日まで、先週ですが、京都においてIPCC総会が開催され、各国の温室効果ガス排出量の算定に関するガイドラインの改良報告書が公表されました。本ガイドラインは、各国の取組の透明性を高め、パリ協定の実施を支える重要なものであり、13年ぶりにその改定が行われたことを高く評価したいと思っております。また我が国は、この分野のIPCCの活動を20年にわたり中心となって支えてきており、今回、京都議定書が採択された歴史ある会議場でIPCC総会を開催できたこと、成功裏に終えたことを大変うれしく思っているところであります。また、会合終盤の11日に私も京都に赴きまして、門川京都市長を始め地域の関係者と共に、2050年頃までに実質排出ゼロを目指す「1.5℃を目指す京都アピール」というものを発表したところであります。今後、こういう動きも踏まえて、6月のG20までに長期戦略を策定すべく作業を進めまして、脱炭素社会の実現に向けて取組を加速してまいりたいと考えております。
 3点目でございますけれども、「海ごみゼロウィーク」のことでございます。来月開催されますG20に向けて、5月30日から6月8日までの前後の期間を、「海ごみゼロウィーク」と定めまして、日本財団と連携し、海洋ごみ削減に向けた全国一斉清掃アクションを行います。このキックオフイベントを5月30日に神奈川県・江ノ島で開催し、清掃活動を行います。多くの方々に御協力いただき、海岸をきれいにしていきたいと思っております。諸般の事情が許せば、私も参加したいと思いますので、また国民の皆様、奮って御参加いただくようにお願いをしたいと思っております。

2.質疑応答

(記者)産経新聞の鵜野と申します。バーゼル条約についてお聴きします。プラスチックごみが規制対象に加わるということで、国内の産業、とりわけ廃プラスチックを輸出している業者が様々な対応を求められると思います。今回の改定がこうした業者に与える影響の見通しと、2021年度発効に向けて先ほど省令改正のお話がありましたが、環境省としてどのような施策をとられるか、具体的なものがあれば教えてください。
(大臣)もう言うまでもありませんけど、この廃プラスチックをどう処理するかということでは、今までは輸出というか、外に持っていくということで、とりあえず今日まで進んできたところであります。しかし、そういうふうにいわゆるごみ資源を外に出していくというのが非常に厳しくなっている。当然のことながら内製化していくというか、うちで処理をすると、ある意味では当然のことだろうと思いますけど、そういう時代に段々なってきたところであります。我が国もそうでありますけども、また併せて、それぞれの国がさらにこのプラスチックごみを中心とする国内での処理ということを、より真剣に考えなければいけない、こういうふうに思っております。今回の附属書改定は、輸出入が禁止されるものではなくて、輸出入に当たって、政府間の通告・同意制度の対象となるものであります。これによって、プラスチックごみの輸出相手国の規制について予見性が高まるということ、そして国内のプラスチックごみの処理需要が安定的に確保され、設備投資が促進されるということであります。長期的には、プラスチックに係る国内資源循環体制の構築に資するもの、またそれに対応しなければならないということになるかと思っております。環境省としても、プラスチックのリサイクル施設等の整備に対する支援など必要な対策を講じてまいりたいと考えております。

(記者)テレビ朝日の広瀬です。昨日、阿部知子議員などが、原発ゼロの会が主催で、汚染土壌の再処理の進め方などについての意見聴取会が行われたと思います。人選にもよるのだと思うのですけれども、ほとんどの発表者が懸念を示すというか、反対の声が大きかったと思います。例えば、福島原発事故前は100ベクレルが放射性廃棄物として扱われていたのに、事故後は8,000ベクレル以下はごみとして処理できるような形になっているとか、一旦、除去土壌を収めたのにまき散らすようなことを何でするんだとか、そういった声がある一方で、前規制委員長の田中俊一さんが、地元の長泥地区の方がどれだけ長い期間をかけて苦渋の決断をしたかと。そういった決断に対してしっかりと応援をして、こういうふうに意見聴取会のような感じで荒らすのではなくて、議員がしっかり責任を持って進めるべきなのではないかという声もありました。こういった声を踏まえて、環境省として今後かじ取りをどのようにやっていくのかについて、改めてお願いします。
(大臣)阿部知子さんたちの動きについては、必ずしも私も詳しくはまだお聞きしておりませんけれども、そういう動きについては、また十分情報を踏まえた上で、当然のことながら、事故後の処理には政府として責任を持って対応しなければいけないということでございますので、しっかり分析し、また私ども政府としての対応を考えたいと。当然、各省にまたがる話でございますので、しっかりその辺を踏まえて処理をしたいと思っております。

(記者)熊本日日新聞の並松といいます。昨日、チッソの2018年度の決算が発表されたところです。内容としては3年連続の最終赤字ということで、しかも赤字幅が年々拡大しているという状況ですけれども、水俣病の患者補償に加えまして多額の公的債務を抱えている会社でありますので、環境省として、この経営状況の決算に関して大臣の所感をお伺いできればと思います。
(大臣)チッソの動きにつきましては、私どももしっかり把握しているところであります。会社の経営等につきましては、それぞれ業績についてはもちろん会社としてしっかりなされているものだと思いますけれども、私どもの立場は、まずはそれぞれの損害賠償も含めて、水俣病患者への補償金支払いを確実にしてもらうということが一番大切なことだと思っておりますので、そこについてはしっかり確認をしているところでございます。それぞれの企業の経営実態については、私どもからすれば、どうしろという立場にはございませんけれども、もちろん健全な経営をしっかりまた取り戻していただくと同時に、まず私どもからすれば、繰り返しますけども、補償金支払いを確実にしていただくと。そこのところだけはしっかりまた押さえていかなければいけないなと思っております。
(記者)もう1点、お伺いできればと思います。先ほど、健全な経営をというようなことで、会社に対しては経営に対して何か口を挟むものではないというようなことだったのですけれども、公的債務が多額に上りまして、その返済が、チッソの経営が悪いということは患者補償はともかくとして、その公的債務の返済がどんどん遅れていくというようなことにもなるかと思います。税金で賄われている部分でもあるのですけれども、そういうこともありますので、今後、経営について環境省の方から何らかアクションをとっていくとか、何かの要請をするとか、今、大臣の中でそういうお考えはございますでしょうか。
(大臣)先ほど申し上げましたとおりで、まずは経営者がしっかりやってくれという以上のことは申し上げませんが、それはどこの企業に対してもしっかり健全な経営をお願いするということであります。しかし、大事なことは補償金支払いも含めて、そこだけはやはり会社の当然の法的な義務になっておりますので、その辺はしっかりお願いしたいと、こういう立場でございます。

(記者)共同通信の石川といいます。冒頭にありましたIPCC総会というのは、改良版ガイドラインがまとまったということですけど、大臣は今回の成果を高く評価したいと先ほどおっしゃいました。具体的にどういった点を評価されているのでしょうか。
(大臣)今回は本当に大きなIPCCガイドラインの改正内容だったと思っております。その中でも、例えば我が国が2009年に世界で初めて打ち上げた「いぶき」ないし、また昨年の10月に打ち上げしております「いぶき2号」(GOSAT-2)を始めとする衛星による観測がインベントリデータの検証に有効であるということが改めて明記された点は大いに評価するに値すると思っております。パリ協定の実施、これはいよいよ本格的に細則が段々積み上げられているところであります。何といっても、CO2ガス、温暖化ガスを抑える、削減するという、これはもう何よりも大事なことでありますし、同時に、それが進む過程においては、その前提として、トランスパレンシーという言葉もありますけれども、実態はどうなっているのかと。そのためにはただ観念的な議論ではなくて、やはりどれぐらいのデータが備わって、その上で多いとか少ないとかという議論になろうかと思います。そういう意味では、私どもからすれば、再々「いぶき」ないし「いぶき2号」のことを国際会議に行っても訴えておりますが、お陰様で日本にはそういう分野ではかなり進んだ技術があると自負をしておりまして、それを単に日本がデータとして出すだけではなくて、各国にもその辺を準拠するなり、模範としてしっかりまた続いてほしいなという部分も率直に言ってあります。今回、IPCCガイドラインの中で、この辺の分析等の技術をしっかり位置付けていただいたという意味では、私はかなり大きな進歩ではなかったかと。また、各国がその辺のことをしっかり踏まえた上で、これからそれぞれの国のデータ分析、解析を役立てていただくということは、これはまたいいことではないかと思っております。様々な議論がありましたが、IPCCの役員を含め、関係者に心から敬意を申し上げますとともに、そういう意味の大きな進歩があったというふうには理解しているところでございます。

(記者)環境新聞の小峰でございます。5月1日、元号が改正され、新たな天皇陛下がお就きになりましたけれども、5月1日の日、剣璽等承継の儀に原田大臣も閣僚の一人として御参列されたと思いますが、御感想をお聞かせ願いたいと思います。
(大臣)皆様のお陰で、私も閣僚としてこの儀式に参列をさせていただいたところであります。皆様にこの場を与えていただいたことに心から感謝をすると同時に、本当に身の引き締まる思いでおったところであります。何といっても、令和という新しい時代がここで始まるのだという緊張感で身が震えたような気がいたします。令和というのは今いろいろ解説されているのは、美しい月や、素晴らしい平和な時代と、そういうことがこの言葉に込められているというふうに聞いておりまして、何となればこれは実は、いずれも美しい月も素晴らしい太陽、平和も、みんな環境に直接関係するという意味では、私もわけても環境大臣としてこれはゆるがせにできないなと、改めてこの言葉を発するたびに、環境政策の重要性というものを本当に特に感じるところでございまして、そういう気持ちでこれからの職責をしっかり果たしていきたいと思っているところであります。

(以上)

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