大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣閣議後記者会見録 (令和8年7月17日(金)9:55~10:17 環境省第一会議室)

1.発言要旨

私の方からは2点、ご報告を申し上げます。
まず1点目です。本日の閣議におきまして、「環境影響評価法施行令の一部を改正する政令」を決定しました。この政令は、昨年12月に決定された「メガソーラーに関する対策パッケージ」を受けて、アセス法の対象となる太陽光発電事業の規模の見直しを行うものです。具体的には、アセス法の手続が必須となる太陽光発電事業の規模の下限を、現行の4万キロワットから2万キロワットに引き下げるなどの見直しを行います。来年4月1日の施行に向けて、制度の周知に努めます。また、アセス条例を持つ自治体とも丁寧にやりとりしながら、環境に配慮し、地域と共生する太陽光発電事業の促進に取り組んでまいります。
2点目です。市街地クマ出没対策チームの設置についてです。本日、環境省内に「市街地クマ出没対策チーム」、通称「アーバンベア対策チーム」を設置します。今年度も、各地でクマの市街地等への出没が相次いでおり、人身被害も発生しています。先日、八戸市や八王子市の現場も視察しました。これまでクマの出没がなかった都市部においても、クマによる人身被害が発生するリスクがあると改めて認識しました。そのため、市街地などの人の生活圏へのクマの出没を未然に防止する、市街地に出没した際の対応を強力に推進するために、新たにアーバンベア対策チームを設置します。自然環境局長をチーム長として、本省職員及び地方環境局のクマ対策専門官等をチーム員とする総勢20名の体制でスタートいたします。対策チームでは、1つ目に、市街地へのクマ出没に備えた安全対策の強化、2つ目に、クマ被害対策に係る技術の導入促進、この2つを柱として取組を進めていきます。このうち、1つ目については、市街地への出没に備えた平時の対策事例や出没時の安全対策事例の自治体への横展開、ドローンの活用など、市街地出没時の監視・モニタリングの強化等を進めてまいります。また、2つ目については、クマの捕獲や監視のための最新技術の把握と共有、自動刈払い機やクマ撃退スプレーなどのクマ対策の技術や製品の試験導入・検証等を進めてまいります。第1回目の会議を、7月22日に開催します。詳細につきましては、事務方にお尋ねください。クマが人の生活圏に出没し、人身被害が発生している状況に一刻も早く対応する必要があります。アーバンベア対策チームの取組を通じて、人の生活圏へのクマの出没対策を一層強化し、国民の安全・安心な暮らしを取り戻してまいります。
私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)時事通信の吉田です。
災害廃棄物対策についてお伺いします。今国会で、改正廃棄物処理法が成立したことにより、大規模災害への自治体の備えと、災害廃棄物処理対策を担う自治体への支援が強化されます。関東ブロックでは、先日、関東環境局の下で首都直下地震に備えた広域処理の議論も始まりましたが、法改正を受けて、今後の災害廃棄物処理対策の推進に期待することを教えてください。
(大臣)災害廃棄物の迅速かつ適正な処理は、被災地の生活環境の保全と復旧・復興のために極めて重要であります。関東環境局において、7月15日に関東ブロックの自治体や国の関係機関等が参加して、首都直下地震による災害廃棄物対策を検討する分科会を設置いたしました。これは、地方環境局が地域の災害廃棄物対策の中核として重要な役割を担うことを示すものであります。地方環境局には、これまで以上に地域のリーダーシップを発揮してもらいたいと考えております。環境省として、廃棄物処理法等の改正により「専門支援機関」を設置しております。平時から仮置場の確保や計画策定、官民の連携等について、自治体をしっかりと支援してまいります。これらにより、さらなる災害廃棄物処理体制の強化を図ってまいりたいと考えております。
 
(記者)NHKの後藤です。よろしくお願いします。
熱中症対策の関係でお伺いします。先週もお話しされていたが、今週に入って、都内で1日の熱中症搬送者数が100人を超えたほか、他の地域でも猛烈な暑さが確認され、熱中症のリスクは高まっていると思います。環境省としては、今後、高齢者の熱中症対策の実証事業などを始めることも検討していたと思いますが、改めて今後どう対策に当たっていきたいとお考えか、お伺いさせてください。また、明日から3連休に入りますが、外出時の、熱中症に気をつけるべきポイントなどについてもお伺いさせてください。
(大臣)ご指摘のとおり、熱中症による救急搬送が増えています。亡くなられた方にお悔みを申し上げるとともに、熱中症になられた方にお見舞い申し上げます。環境省では、6月末から、室内の温度に応じてエアコンを自動的に起動するシステムなど、新しい技術の活用に向けた実現可能性調査を開始したところであります。こうした事業により、高齢者など自身で熱中症予防行動を行うことが難しい方々への対策を一層進めてまいりたいと考えております。また、3連休を前に、国民の皆様におかれましては、まずは、お住まいの地域やお出かけする地域の暑さ指数や、「熱中症警戒アラート」の発表状況を確認いただき、こまめな水分・塩分補給、適切なエアコンの使用、クーリングシェルターの利用、また、お子さんやペットを車の車内で置き去りにしないなど、熱中症を予防するための行動を取っていただくよう、改めてお願いしたいと思います。また、熱中症警戒アラートについては、環境省のLINEアカウントやメール配信サービスをぜひご活用いただいて、LINEアカウントを設定すると、熱中症警戒アラートが出ますと通知が来ますので、それを確認していただければ、地域ごとにわかると思いますので、こういうものを、ご活用いただければと思います。
(記者)もう1点、環境アセスについてもう少しお伺いしたいのですけれども、大臣のご発言の中で、地域との共生を図りたいというお話をされておりました。改めて今回の政令改正の意義がどういうところにあるのかお伺いさせてください。
(大臣)今回の見直しにより、現行の半分である2万キロワット以上の太陽光発電事業で、法に基づくアセスを実施することになります。これにより、これまでより小規模な事業においても、環境配慮や地域との対話が進むと考えています。また、我が国のアセス制度は法と条例の役割分担の下で成り立っています。法の対象とならない小規模の事業についても、自治体の判断により条例の対象とすることができます。自治体とも丁寧にやり取りをして、我が国のアセス制度が効果的に運用されるよう、努めてまいりたいと考えております。太陽光発電の導入には、環境への適正な配慮や地域との共生が大前提であります。地域と共生できないような再エネはしっかりと抑制し、促進すべき再エネは促進することが重要です。本政令の円滑な施行に向けて、しっかりと制度の周知等に努めてまいりたいと思います。
 
(記者)共同通信の水島です。
私も関連してメガソーラーの関係で伺います。今回のアセス法の施行令の改正によって、昨年末の政府でまとめたメガソーラー対策パッケージのうち、環境省が担うべきものは、概ね完了したと思います。改めまして、約半年経っておりますが、この半年間で環境省がやってきたこと、施策の成果と、やったことによって、ややパッケージ等から漏れていたような課題があればあわせてお知らせください。また、この課題に対して何か今後お考えになっていることがあればお願いいたします。
(大臣)再エネの適切な導入には、環境への適正な配慮、地域との共生が大前提であります。環境省としても、対策パッケージに基づく施策の実行を着実に進めてきたところであります。具体的には、昨年度末に環境配慮契約法の基本方針を改正しました。それにより、地域と共生が図られていない発電施設からの再エネ電気調達を避ける旨を規定したところであります。あわせて、金融機関や民間企業にも、企業の社会的責任として、同様の対応を呼びかけてきたところであります。また、先月、ペロブスカイト太陽電池に関し、政府施設への導入目標を設定いたしました。あわせて、早期の国内市場の形成と継続的な需要拡大に向けた環境省の取組方針を取りまとめたところであります。そして、本日、アセス法の対象となる太陽光発電事業の規模の見直しを決定したところであります。また、このパッケージの中に織り込まれております「種の保存法」の見直しの議論も引き続き継続しているところであります。さらに、今年夏から秋頃にかけて、国と地方自治体が緊密な連携を図るため、経済産業省と連携して、「再エネ地域共生連絡会議」を8つの地域ブロックで開催する予定であります。引き続き、関係省庁、地方自治体と連携して、地域と共生し環境に配慮した再エネの導入を進めてまいりたいと考えております。
 
(記者)読売新聞の児玉です。
アーバンベア対策チームについてお尋ねいたします。クマ被害対策ロードマップが今ある中で、取組内容を拝見しますと、またそれとは違う切り口なのかなと少し感じたところではあるのですけれども、改めてこういった取組内容にされた理由と、大臣のアーバンベア対策チームに期待する部分がありましたら教えてください。
(大臣)先日、青森県八戸市におけるクマの緊急銃猟の実施現場を視察し、地元猟友会を始めとする関係者の方々からお話を伺いました。また、東京都八王子市におけるクマの出没現場を視察し、八王子市長や地元の小学校の校長先生等からお話を伺ったところであります。このうち、八王子市の視察では、市長から、自治体が自らクマの市街地出没対策を実施するためには、必要な知識や経験を学ぶことが重要との意見をいただいたところであります。また、校長先生からは、既存の危機管理マニュアルを考慮して、安全対策を検討し、実施しているとの話を伺いました。昔、大阪で小学校に犯罪者が入って、事件を起こして、そういう後に、そういうことに対応するための危機管理マニュアルができたのですけれども、そういうことを、実は、八王子の城山小学校の校長先生は参考にして、対応をされたという話を聞いて、非常に私は感心をしたところであります。こういうお話もお聞きしました。このような具体的な知見や経験を各自治体で共有して、横展開を図っていくことが、市街地へのクマ出没に備えた安全対策の強化・向上を図っていく上で重要であると考えます。また、昨今、クマ被害対策関連の技術や製品が多数存在し、民間からも新たな技術提案がなされています。一方、そのような技術や製品の中には、クマ被害対策としての効果が不確かなものもあるとの指摘もあります。国民の安全に関わることから、被害対策に関する技術や製品の試験導入や検証等を実施し、正しい情報を提供していくことも必要であると考えています。以上のような理由から、今回、「アーバンベア対策チーム」を設置することとしたものであります。クマが市街地に出没した際に、クマをなかなか発見できず、国民生活に大きな支障が生じる宇都宮市の例などがあります。このため、クマを効果的に発見する技術や手法を整理して、自治体に共有することや、市街地に設置された監視カメラを、効果的に活用する方法等もこの「アーバンベア対策チーム」で進めてもらいたいと考えているところであります。
 
(記者)エネルギーと環境の清水です。
クマ対策でちょっと大臣の認識を伺いたい。今回のチームの発足なり対策というのは、当面の緊急的なものだろうと思う。しかし、構造的には、環境基本計画など、この間決めたやつでも言っているように、自然との共生とか、鳥獣保護の管理とか、そういうものとの両立が必要だと言っているわけである、一方では。とりあえず今回の対応というのは、緊急的に捕獲をして、数を減らして、いくらぐらいの目標を達成した後は、クマ自体の生活圏というか、そういうのをどうやって食料も含めて確立していくか、対応を取っていくかということが大事なのではないか。どうですか。どうしますか。
(大臣)記者さんが言われているとおりだと思います。このクマ対策というのは、私は本当の緊急的な対応ではないかと思います。まずは人の生活圏との棲み分けをしっかりできるように。なかなか人口減少の中で、緩衝地となる里山みたいな手入れというのは難しくはなってはいるのですけども、しっかりと棲み分けをしていく。個体数も、各都道府県でやっておりましたけれども、いろいろと言われているのは、報道とか、いろいろな有識者の方々のお話を聞くと、やはり個体数が増えていると。そこで弱いクマが森から追い出されて、市街地に出てきていると、いろいろな方にお話を聞くと、そういう話があります。ですから、その個体数を、しっかりと国を挙げて調査を行って、それに基づいて個体数を減らして、山の中で暮らしていけるような形を、目指していかなければいけないと思います。将来的には、環境省でもありますから、自然・動物と共生できていくような社会を目指していくということですけれども、今はかなり多くの人身被害も出ているので、緊急的な対応として、個体数管理等の調査をしっかり行って、個体数も抑制していくような形にして、本当に里山の緩衝地をしっかりとキープして、それでクマが市街地に出てこないような状況を、時間は私は少しかかると思いますけれども、それを目指して進めていくということではないかと思う。
(記者)個体数管理の期間というのはどのぐらいを想定しているのか。要するに、捕獲を重点的にやっていくというのは、今の大臣の考えは。
(大臣)まず今、東北のやつ(個体数調査)をやっておりますので、それを年内にやって、個体数が出てくると。それから減らしていく数を明確にしていく。減らしていくにしても、それはそれなりに時間がかかると思います。ですから、それなりの時間はかかってくると思います。それで、いろいろと聞いていると、調査をするのも、大規模な調査になりますので、なかなかできる方がいらっしゃらない。全国に一斉にカメラトラップを適切な場所がわかって設置できる人がいるかというと、それは限られてしまうので、ある程度、国がやる個体数調査にも時間がかかると思う。それなりの期間はかかると思いますが、しかし、可及的速やかに個体数調査を行って、適正な個体数にしていくということを可及的速やかに行っていくということが必要ではないかと思います。
 
(記者)環境新聞の小峰です。
国会が終わりますと、霞ヶ関の省庁では人事に移ります。そこでお聞きしたいのは、石原大臣の女性活躍の面で人事をどうしていきたいのかということをお聞きしたいと思います。例えば、今日、大臣が冒頭発表されました環境アセス法の政令に基づく太陽光発電のアセスの対象拡大、これは環境影響評価課長の女性の活躍だった。こういうふうに今、管理職で非常に活躍されている方がいる。しかしまだ、やっと去年、指定職の局長クラスができましたけれども、これだけ女性が活躍する環境省が、事務次官、事務次官級というのがなくては、女性の活躍の、女性の職員の方たちも、働き甲斐がなくなってしまうのではないかと。一方で、総理大臣が女性です。それから財務大臣も女性です。財務省にはまだ女性局長もいないです。この辺のところ総理大臣、高市総理から石原大臣に、「石原さん、頼みますよ」って言われていると思いますが、どうですか。
(大臣)一般論として、やはり女性の活躍は非常に必要だと思いますので、政府の方針に従って、しっかりと対応してまいりたいと思います。総理からは、女性事務次官をつくるようにとは言われておりません。
 

会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=rOfVa9JsGOk
 
(以上)