大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣閣議後記者会見録 (令和7年12月26日(金)10:50~:11:18 環境省第一会議室)

1.発言要旨

私の方から2点です。
まず一点目は、令和8年度環境省当初予算案について御説明したいと思います。本日、令和8年度予算案を閣議決定したので、報告いたします。環境省に関しては、総額約5,700 億円であり、令和7年度補正予算の約4,900億円と合わせて、必要な予算額を計上できたと考えております。循環型社会、脱炭素社会、自然共生社会の「三社会の実現」を目指す環境政策をしっかりとこの予算も使って推進し、環境・経済・社会課題の同時解決に取り組むための予算をしっかりと盛り込めていると考えております。資源循環は、世界各国で様々な資源の需要が急増することを踏まえれば、産業競争力の強化や経済安全保障の確保が重要です。このため、再生材供給のサプライチェーンの強化、ASEAN 等の国際資源循環の構築等を進め、循環経済への移行を加速化させてまいりたいと思います。また、脱炭素は、住宅・建築物やモビリティの脱炭素化、地域脱炭素、JCM 等により、揺らぐことなく気候変動対策に取り組んでまいりたいと思います。自然再興は、自然共生サイトの認定、国立公園の魅力向上や受入環境の整備等を進めてまいります。環境省の原点である人の命と環境を守る基盤的取組としては、療養手当の増額を含む水俣病対策、PFAS対策、クマ対策に取り組みます。また、東日本大震災や能登半島地震からの復興・創生の取組を着実に進める予算もしっかりと計上しております。また、原子力規制委員会については安全確保のための審査促進等の予算を、原子力防災については避難の円滑化対策等の原子力防災体制の充実・強化を図る予算を計上しているところであります。これが1点目です。
 2点目ですけれども、 昨日、福島県に訪問しておりまして、楢葉町、富岡町、浪江町、飯舘村の町村長にお会いしました。飯舘村の長泥地区における環境再生事業も視察いたしました。町村長の皆様から、特定帰還居住区域の除染、環境再生事業に関することなど様々なお話を伺い、福島の復興は今もなお最重要の課題であるという思いを新たにしたところであります。さらに、環境再生事業の現場では、飯舘村の御協力を賜り、環境省の職員と、地元の皆様が手を携え、着実に取組が進められていることも確認いたしました。これからも、関係自治体の皆様と密に連携しながら、福島の復興に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。  
私からは以上2点、御報告といたします。

2.質疑応答

(記者)朝日新聞の杉浦です。よろしくお願いいたします。
幹事社からは、予算案の中からクマ対策について伺いたいと思います。クマ対策については補正予算でかなりの額の対応がなされましたけれど、当初予算でも62億円ついているかと思います。今年だけではなくて、長期的な対策が必要だということが指摘されているところなんですけれど、当初予算の中で手当てされた内容と、その狙い、期待などを教えてください。
(大臣)今、御質問があったように、クマ対策としては、補正予算と令和8年度予算案において、今年度の16倍となる、合計で96億円の予算を確保したところであります。当初予算案で環境省が自ら行う対策としては、生息状況や個体数推定に関する調査、ドローンなどの技術を用いたクマ対策の研究、捕獲技術者の育成、国立公園における出没に備える対策や情報発信等を着実に実施してまいりたいと思います。また、自治体への支援としては、ガバメントハンターの雇用や育成、必要な資機材の購入、クマ出没に備える訓練等、人材確保や体制整備につながる費用を全面的に、この補正(予算)、そして本予算で支援をしてまいりたいと思います。クマによる被害から国民の命と暮らしを守るために、まずは人の生活圏からクマを排除して、中長期的には人とクマの棲み分けに全力で取り組んでまいりたいと思います。以上です。
 
(記者)共同通信の鈴木です。
昨日、PFASの水道の中での水質検査の全国の調査結果発表がありました。大臣の受け止めとですね、あと、来年4月から水質基準化するというところもありますが、今後、環境省の取り組み、どうしていきたいかについても教えていただければと思います。
(大臣)私も、昨日公表の前に、事前に報告を受けておりまして、調査結果によれば令和2年度から本年8月までPFOS、PFOAの検査を行ったことがある水道事業者等のうち、いくつかの事業者等において、目標値である50ng/Lを超過している事例が見られたという報告を受けています。いずれも既に対策を実施し、現在は目標値を下回っているか、もしくは今年度中に対策を実施される予定であると聞いております。今後も引き続き、国土交通省と連携して水道事業者等に対して、より適切な対応が速やかに図れるように取り組みを進めてまいりたいと思います。
 
(記者)NHKの後藤です。
先ほど、クマ対策の中で生息の個体数推定とかの調査を今後行っていかれるっていうふうにおっしゃってくださいましたけれども、やっぱりこのクマがどのぐらいいるかと把握することはすごい大事だなというふうに思うのですけれども、前回のパッケージの時もこういうふうな形でやるというふうにおっしゃってくださいましたが、改めてどういうふうに今後行っていかれたいと思われるか、お伺いしてもよろしいでしょうか。
(大臣)前にも言ったかもしれないのですけれども、各県でも個体数推計をしているのですが、やり方とかですね。やり方といっても、ヘア・トラップ調査とカメラトラップ調査ということなのですが、そういうやり方が違うとか。あと、どうしても県を跨げないのだけれど、クマの管理マニュアルを見ると、要するに県を跨いだ山にどれだけいるかのような形になっているので、やはりやり方とかタイミングとか、跨いでいる地域をどうするかということがあるので、そういうことをしっかりと各県と連携をしながら環境省を中心に調査を行っていきたいと思います。おそらく今回、被害が今年多かった東北を中心に最初調査という形になっていると思いますけれども、個体数推計はそのような形で進めたいと思います。
 
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。
2問ほどあります。1問は、冒頭でおっしゃった予算関連なんだけど、一番目に大臣が挙げたのは循環資源型社会の形成ということで、脱炭素化はその次というか、そんな形になってるんですけれども、例年と比べると、やっぱり循環型社会の形成の政策が重要だという認識で、そちらが最優先という、そういうことでしょうか。
(大臣)気候変動も重要なのですけれども、トランプ関税と米中の問題で、これは経産省の範囲かもしれませんが、レアメタルの輸出の期限が一年しか伸びていないようなことがあるので、そういう中で、やはりその後、中国にはレアメタルの供給をしていただかなければならないのですが、どういう進展になるかということもありますので、国全体としては、やはりその希少金属に対する、しっかりと確保ということが、重要な課題になっているのではないかと思います。南鳥島の試掘も行われていますけれども、そういう大きな流れもあると感じていますし、私自身もそういうことではないかと思っていますので、最初に言わさせていただきました。ただ、気候変動の方も非常に重要で、メガソーラーの規制もして、皆さんも地球環境局に聞かれたのではないかと思いますが、やはり太陽光のエネルギー基本計画、また温対計画に基づくとなると、やはり屋根置きを増やしていかなければならないのですが、その屋根置きのためにはペロブスカイトがちゃんと機能していかないと。普通の太陽光パネルだと重いですから。しっかりした工場とかでしたらできますけれども、そういうこともありますので課題は引き続き大きいと思っています。ベロブスカイトも環境省でも支援をしていきますが、ベロブスカイトがやはり市場にちゃんと普及していくような形を作ることによって、屋根置きをしっかり増やして、太陽光発電も平置きではないところをしっかり増やして、ちゃんと目標が達成できて、温対計画、NDCをちゃんと進められるように(することは)、非常に重要だと思っていますけれども、同じ重要なのですけれども、喋るのは同時に喋れないので、すみません。そういうことになっております。
(記者)高市首相は来年の通常国会で防災庁設置の、おそらく制度を作るものを出すのだろうと言われている。仕分けが、当初からいろいろ言われていて、環境省が所管する原子力防災に関わる避難関係とか、もう1つはおっしゃった温暖化対策の適応事業をCOP30の成果を踏まえて強化すると。適応事業の防災的な要素はものすごくあるではないですか。この辺、大臣として仕分け的にどう考えて、環境大臣としては、どんな大きな方向性を持って臨むのか、その辺どうですか。
(大臣)原子力防災は、非常に特別な、規制庁の判断もあるので、これは引き続き独立したような形になっていくのではないかと私は思います。適応のところはもちろんそうなのですけれども、結局国土強靭化等もある意味、適応の部類なので、内閣府が中心にまとめているわけですけれども、防災庁ダイレクトでそこになっていくのかどうかということも(わかりません)。適応評価書はだいぶまとまっていますので、今日の午後にもその辺の説明も(受ける予定です)。私も5年前の(適応評価書が)環境族で、非常に参考になったので、もう一度全部読み返していきたいと思っているのですけれども、でもやはり適応評価書の中身も私はすごく、今、記者さんが言われたように、防災の観点からも非常に重要だと思いますので、適応評価書の中身がどう生かされているかというのは、環境省としても国土強靭化の政策と整合性がどうなのかということは、よく見ていきたいと思います。
(記者)防災庁の設置組織法の中に適応事業というのは入るのですか、それとも環境省独自でやるということになるのですか、環境省などですけど。
(大臣)まだ細かくは、私は聞いておりません。牧野大臣が設計を、担当大臣をされておりますので、福島の件で一緒にやっていますから、牧野大臣にも聞きたいと思います。今のところ、私はそういうことをまだ報告は受けておりません。
 
(記者)熊本日日新聞の高宗です。
水俣病認定患者に支給されている療養手当の増額について冒頭言及がありましたけれども、2点お尋ねしたくて、8月の概算要求ではこの療養手当は据え置きだったのですが、今回一転して増額に至った背景を教えてください。あと、被害者団体側から、物価高に応じて増額してほしいという要望書が出ていましたけれど、これを受けた対応と理解しているのですが、他に何か増額に至った理由とか、そういったものがあったら教えていただいてもよろしいでしょうか。
(大臣)まず、その背景のところは、水俣病の政治救済対象者における療養手当については、水俣病関係団体や関係県である熊本県とか鹿児島県から、物価上昇を踏まえた増額の要望が出されてきたところであります。概算要求でという話があるのですが、今年の骨太の方針においても物価上昇が継続していることを踏まえて、長年据え置かれたままの公的制度に係る、これは水俣病というよりも公的制度に係る基準額等について、省庁横断的に・網羅的に点検して、見直しを進めると示されたところであります。そういうことも踏まえまして、物価上昇に対して、療養手当の月額1,400円から1,500円の増額をすることを決めさせていただいて、必要な費用を令和8年度予算案に計上をして、今日、閣議決定がされているところであります。
 
(記者)共同通信、水島です。よろしくお願いいたします。
ちょっと話が変わって、今日は年内最後の閣議後会見ということで、大臣は10月末から環境大臣になられましたけれども、この一年を振り返って、どんな年だったかというのを一言いただけませんでしょうか。
(大臣)私の就任が10月21日ですから、12月の21日も過ぎて(今日が)26日なので、2か月が過ぎたところでありますけれども、クマ被害対策パッケージとか、メガソーラーに関する対策パッケージとか、リチウムイオン電池総合対策パッケージの、3つの対策パッケージを取りまとめることができました。いずれも大きな社会課題と考えております。その解決に向けての、ある意味、第一歩を、この2か月、今日までの間で出せて良かったと思っています。加えて、私が就任してではなくて、環境省全体としての、一年を振り返ると、様々な分野で環境行政が1つ1つ進展したのではないかと思います。大きく挙げて3点ですけれども、第一に復興再生。福島県内の除去土壌等の県外最終処分の実現に向けて、官邸や霞が関の中央官庁での復興再生利用が実現しました。また能登の公費解体も、大きなホテル等は残っていますけれども、ほぼ12月中に完了する予定であります。第二に気候変動対策。これは温対計画の改定。温対計画はまさにこの春に見直され、NDCの国連への提出もこの春に行われました。そして私になってからは、COP30に出席をさせていただいて、色々と化石燃料(廃止)のロードマップみたいなものを入れろといった問題もありましたけれども、厳しい交渉もありましたけれども、なんとか1.5度目標を野心的に進めていこうという文章もしっかりと載せさせていただきましたし、そういう意味で、引き続き気候変動の、世界の各国、すべての国が合意するような、アメリカを除いておりますけれども、合意ができたということも良かったと思います。また、熱中症対策については、気候変動関係ですが、特別警戒アラートが出なかったということで、今年の経験を基に、特別警戒アラートの発表基準も見直すことといたしました。そして第三には、循環経済のところですけれども、先ほど記者さんからも話がありましたが、私の前からも進んでいますけれども、自動車等の製造業と資源循環産業の連携の推進に取り組むとともに、ヨーロッパのプラスチックの規制等もありますけれども、また、再資源化事業等高度化法が全面施行になって、そういう中で私が片山財務大臣とも折衝を行いましたけれども、先ほどの話も結びついてくるのですが、希少金属を、今後もしっかりと経済安全保障の確保に貢献する意味でも、しっかりと確保するためにも、再資源化の促進というのが必要だということで、予算もかなり増額もしたところでありますが、そういうことも一歩一歩、今年進もうとしているところであります。来年に向けて今お話をした内容、これを着実に実施していくことだと思います。特に最初に挙げた3つの対策パッケージ、先ほどもクマの御質問がありましたけれども、こういうことをしっかりと実施して実現していくということが、我々に課せられた、環境省に課せられた課題だと思いますし、私が大臣としても、進めていかなければいけないということで、振り返ると、いろいろな成果というか、いろいろな重要な方向性みたいなものは今年決まったわけですけれども、それを着実に、そしてもちろん今年も実現しているところもありますが、これを来年にかけてさらに現実に実現していくというような年にしていきたい。長々と話をしましたが、そんな振り返っての一年であります。
 
(記者)九州の西日本新聞の平峰と申します。よろしくお願いいたします。
先ほどの熊本日日新聞さんの質問と同じで、水俣病の療養手当についてのお伺いなのですが、これまで被害者団体の皆さんも直接大臣とお会いして、要望を重ねてきたような件でもありまして、そうした現場の声であるとか、前大臣からそういった被害者の声みたいなものを、引き継ぎとかで聞かれていたりする、耳に入っているのかどうかということと、もしそうであれば、今回、増額に至った所感と言いますか、受け止めのようなものをお聞かせいただけますか。
(大臣)もちろん、引き継ぎの内容として、浅尾大臣からダイレクトというよりも、環境省の方から話を聞いているところでありますが、政権も石破政権から高市政権に代わって、物価高対策に対して、補正予算の審議の中では、野党からまだ不十分だという声もありましたけれども、今、物価高に苦しむ国民のために、その点をしっかりとその対策をしていくという高市政権の、もちろん石破政権の時にもそういう文言が、要するに、骨太などにも書いてありますけれども、本件に関してはやはり全体的な物価高対策を進めていくという、高市政権の下に実現させていただいたということではないかと思います。
 
(記者)環境新聞の小峰でございます。
先ほど一年間を振り返って、大臣おっしゃっておりましたけれども、南鳥島の重要鉱物の掘削に取りかかるということ、これに1つの感銘を受けているということをおっしゃっていましたけれども、これは経済安全保障上の、サプライチェーンを作るための、重要鉱物だけではなく、もっと大きい視点から言って、中国人民解放軍の、第2列島線です。第2列島線は、石原宏高大臣の今の選挙区、東京3区でしたよね。東京3区といえば、南鳥島、そしてかつては大量の漁船が来て、赤サンゴを大量に泥棒していった、大変なところですよね。そして、小笠原といえば、石原大臣の地元、東京3区よりも、沖縄の方が距離的には近いです。こういうところで、石原宏高大臣には、経済安全保障、環境保護の観点を通じて、何か一つ我が国の国防に対する決意を一言お願いいたします。
(大臣)今、環境大臣なものですから(控えさせていただきますが)。ただ首相補佐官で、安全保障担当もしておりましたので、非常に厳しい日本の安全保障環境だということは自覚しております。そういう中で、環境大臣として、希少金属のリサイクルみたいなことをしっかりと進めることによって、経済安全保障の面で、日本の立場を堅固なものにしていくということは、私は必要なのではないかなと。もちろん経済安全保障だけではなくて、その技術というのはおそらく世界各国にも、要するに、稼ぐ力にも、結びついていくと思いますので、そういうレアメタルの再資源化みたいなことが技術的に非常にコストも下げてできれば、それは新しいビジネスにも結びついてきますから、それは日本の繁栄にも結びついていくと思いますので、いろいろな面から環境省が日本の国家のためにできる、そして安全保障にも資する、こういうことをしっかりと進めてまいりたいと思います。
(記者)それに関連して、やはり地元東京3区の範囲に入ると思いますけれども、日本の最東端の南鳥島、それから最南端の沖ノ鳥島、ここもいろいろな重要鉱物、そしてEEZの起点として非常に大切なところで、これは石原宏高大臣のお父上の慎太郎さんも沖ノ鳥島に行っているのですよね。それで南鳥島は確か小泉進次郎さんが環境大臣の時に視察をしているのですよね。小泉進次郎と石原宏高、ツートップで南鳥島を、来年早々にも行くつもりはありませんでしょうか。
(大臣)ぜひ考えてみたいと思います。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=OjEzfQ1vipo
 
(以上)