大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣閣議後記者会見録 (令和7年11月28日(金)9:25~9:36 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

私から1点だけ、クマ対策について(発言)します。今月11日の記者会見でも述べましたけれども、クマの出没地域の自治体にクマ対策の専門家を派遣する事業を今月17日から開始しました。昨日、埼玉県に学識経験者1名を派遣し、また現在北海道(内)の自治体に1名を派遣する方向で調整しています。環境省では、引き続き、自治体からの要請に応じて、専門家の派遣を進めてまいりたいと考えております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)TBSの長谷川です。
冒頭でも発言があった、クマ対策の専門家の派遣について伺います。専門家の選出方法と、現地での具体的な活動内容を教えてください。また、専門家を派遣することの狙いを改めて教えていただけますでしょうか。
(大臣)本事業は、学識経験者や民間のコンサルタントなど、クマの管理に関する知見や経験を有する専門家を自治体等のニーズにあわせて紹介するものです。例えば、誘引物の管理や緩衝帯の整備、クマの生態や事故防止などの指導・助言をしていただくことを想定します。そのため、派遣先における具体的な活動内容、派遣人数は、派遣される専門家と自治体等が相談の上で決めることとなります。人里にクマが出没し、不安に思われている住民を抱える自治体に、即効性のある具体的な出没防止対策を指導できる専門家を派遣することで、迅速な被害防止対策を推進することを狙いとしています。今回、埼玉県からは、職員向けの事故防止のための研修に向けた講師派遣の要望があったことから、その分野を専門とする学識経験者を派遣したところであります。私からは以上です。
 
(記者)朝日新聞の杉浦です。
ワシントン条約についてお伺いいたします。昨日、ウナギ属全種を附属書Ⅱに掲載する案が委員会では否決されました。これに対する受け止めと、いずれにせよ、ウナギはレッドリストにも入っていますし、否決されたとはいえ、国際社会から資源管理について厳しい目が向けられているのは変わらないので、今後、ウナギについて、どのように日本として取り扱っていくべきか、御意見お願いします。
(大臣)EUによるウナギ属全種の附属書Ⅱへの掲載提案については、締約国会議の委員会において、賛成35、反対100、棄権8で投票国の1/3を上回る反対により、否決されたことは承知しているところであります。本提案に反対する我が国の立場については、政府が一丸となって、関係各国に働きかけてきたところであり、多くの国から理解が得られたものと考えております。この結果は、12月5日(金)の全体会合に報告され、最終決定されることになると承知しておりますけれども、環境省としては、関係省庁と連携して、引き続き国内におけるニホンウナギの生息地の保全に努めてまいりたいと考えております。
(記者)国内の資源管理は十分だと、大臣御自身はお考えですか。
(大臣)ニホンウナギは、河川改修による生息環境の悪化などにより、1970年代と比較して自然環境の中での個体数が減少していると考えられたことから、環境省のレッドリストで「絶滅危惧IB類」と評価しているところです。聞くところによると、私の兄が環境大臣の時にこうしたという話も聞きましたので、弟が責任を負わなければいけないと感じているところでありますが、ニホンウナギの保全は、生息地の保全と適切な資源管理の両面から取り組むことが重要と考えています。そういう意味で、いろいろな策をして、しっかりと対応してまいりたいと思います。環境省では、2017年に「ニホンウナギの生息地保全の考え方」を公表し、生息地の保全のための技術手法や優良事例を示しているところです。私からは以上です。
 
(記者)日本テレビの安藤と申します。
クマの専門家の派遣なんですけれども、埼玉県は具体的な要望、事故防止というのがありましたが、北海道に関しては、どういったニーズに応えるための派遣なんでしょうか。
(大臣)今のところ調整中なので、もしかしたら記者さんの方が御存知なのかもしれませんが、自治体名については、現在のところは控えさせていただければ。また、今後明確になったら、聞いていただければ御報告いたします。またしばらく経ってから事務方に聞いていただければ。
 
(記者)共同通信の水嶋です。よろしくお願いいたします。
話題が変わりまして、大分市の火災に関する災害廃棄物のことでお伺いいたします。昨日、大分(県)知事が大臣に面会に来られて、その際に、いわゆる国の災害廃棄物処理事業の対象とするということをお伝えしたとお聞きしております。改めて今回の火災の廃棄物を、災害廃棄物処理事業に加える理由と、今後、環境省として、どのように自治体を支援していくかという方向をお願いいたします。
(大臣)昨日、大分県知事と、また大分市の副市長とも面談をさせていただきました。大分県大分市の佐賀関における大規模火災において、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げるとともに、被害にあわれた方にお見舞い申し上げたいと思います。昨日知事とお会いしましたけれども、現地の状況を詳しくお聞きし、その際にも知事や大分市副市長にも申し上げたのですけれども、今回の大規模災害は強風や乾燥による、いわゆる「異常な天然現象」により延焼したと認められたことから、補助金による財政支援を行うことと環境省として決めさせていただきました。今後とも環境省としては、仮置場の設置・運営を始めとして、災害廃棄物の円滑な処理に向けての助言を行うなど、引き続き、大分市を全力で支援してまいりたいと考えております。
 
(記者)NHKの後藤です。
クマ対策でお伺いしたいのですけれども、まもなく12月になりますが、一部の専門家から、今回はクマの冬眠が遅れるとか、また12月以降も被害が続くのではないかという御指摘もあります。冒頭、専門家の派遣というお話もありましたけれども、改めて今後、ガバメントハンターの配置など、どういうふうに人身被害を防いでいこうとお考えか、お伺いしてもよろしいでしょうか。
(大臣)クマ被害対策パッケージでも載せておりますけれども、ガバメントハンターについては、検討会もスタートし、中期的な課題となりますので、その検討状況も見ながら、考えてまいりたいと思います。ガバメントハンター、捕獲者の確保・育成等についても、交付金を充実して、自治体に支援していきますので、これから補正予算の金額も、もう報道等もされていますが、そういう中でも明らかになってまいりますので、必要な予算も取っているので、しっかりと自治体におけるガバメントハンターの確保について支援をしてまいりたいと思います。
 
(記者)TBSの長谷川です。
1点確認したいのですが、クマ対策の専門家派遣なんですが、ニーズに応じてというのは、ニーズを聞いて、環境省が選んだ専門家を派遣しているという理解で合っていますでしょうか。
(大臣)今のところはそういう形です。
 
(記者)秋田魁新報の荒川と言います。
先程のクマ対策関連です。自治体のニーズに対応してということだと思うのですけれども、実際の被害に関して言うと、秋田や岩手や東北の被害が大変大きいわけですけれども、東北の自治体に対しての、何か専門家派遣に関する、もしメッセージなどあれば伺いたいと思います。
(大臣)もちろん秋田と岩手の被害が大きいことは、よく承知しておりますので。秋田、岩手から具体的な要請があれば、適切な専門家を派遣してまいりたいと思います。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=l0dOdFB3Lu0
 
(以上)