大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣閣議後記者会見録 (令和7年11月14日(金)8:30~8:41 於:衆・本会議場正玄関側)

1.発言要旨

私からは3点、御報告申し上げます。
1点目は、本日の閣議について、本日の閣議で、本年6月に成立した改正環境影響評価法の施行に必要な事項を定めるための政令を2件、閣議決定いたしました。改正環境影響評価法では、環境大臣が事業者の同意を得た上で、環境影響評価図書を公開できることとしています。本日決定した政令により、この図書の公開期間を、事業者の同意を得た日から30年とし、令和8年4月1日から施行します。環境影響評価図書の継続的な公開を通じて、事業の透明性の向上による地域の理解醸成等につながることを期待しています。
 2点目になります。クマ被害対策パッケージについてです。本日開催された、クマ被害対策等に関する関係閣僚会議において、「クマ被害対策パッケージ」を決定しました。私からは、本パッケージの取りまとめ役として、人の生活圏からクマを排除し、人とクマのすみ分けを実現していく、といったパッケージのポイント等を説明させていただきました。 官房長官からは、地域の安全が確保されるように、引き続き緊張感を持って対策に万全を期すこと、年度内を目途に進捗状況を確認するとともに、「クマ対策ロードマップ」を策定すること、などの指示がありました。本パッケージを踏まえ、環境省では、自治体のクマ対策を支援する交付金を拡充してまいります。加えて、交付決定前に着手した事業であっても、国民の命と安全を守るために緊急的に必要な事業については、交付対象とすることを認め、今必要な対策もしっかりと支援し、クマ対策を加速させてまいります。
 3点目は、福島県への出張についてです。本日、福島県に出張し、大熊町、双葉町の町長にお会いします。両町長との面会では、中間貯蔵施設の整備を始め、環境再生事業への御理解と御協力への感謝と福島の復興に全力を尽くす覚悟をお伝えしたいと思います。また、両町で抱えている課題についても意見交換する予定です。地元の皆様の声をしっかりと受け止め、福島の更なる復興に向けた今後の取組に活かしてまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)幹事社の時事通信の上山です。よろしくお願いします。
冒頭御発言のあった新たなクマ被害対策パッケージについて、補正予算の活用も含めて、どのように対策を講じたり、被害防止を呼び掛けたいか、改めてお考えをお願いいたします。
(大臣)新たな「クマ被害対策パッケージ」に基づき、環境省では、増えすぎたクマの捕獲の強化、捕獲者の確保・育成の充実等を、自治体と共に進めてまいります。このため、補正予算案において交付金の金額の大幅な拡充やガバメントハンターの雇用など、対象の拡大を行うとともに、先ほども言いましたけれども、交付決定前に着手した事業であっても、国民の命と安全を守るために緊急的に必要な事業については、交付対象とすることを認めます。自治体による今必要な対策もしっかりと支援してまいりたいと思います。その上で、クマの個体数推計を環境省自身としても実施し、そのデータに基づいた捕獲の強化、捕獲者の確保・育成の充実等を、自治体と共に進めてまいります。クマによる被害は国民の安全・安心を脅かす深刻な事態と受け止めており、対応のスピードと実効性を一層高め、関係省庁と連携して、総力を挙げて対策を講じてまいります。また、国民の皆様には、SNS等で流布される情報を直ちに信頼・拡散せず、公的機関による発信を確認し、冷静に行動いただけるようお願いしたいと思います。
 
(記者)熊本日日新聞の高宗と言います。
先日、水俣病の原因企業のチッソから、今期の2026年3月の業績予想が発表されました。内容によると、6年ぶりに公的債務返済をする可能性があるような水準かと思うのですが、まずこの認識で間違いないか。また一部業績改善計画を達成しないような見通しにもなっているのですが、チッソに求める内容があったら教えてください。
(大臣)来年度の公的債務の返済については、今年度の決算が確定した上で判断することとなると思います。そのため、現時点でお答えすることは差し控えたいと思います。いずれにしても、引き続き水俣病患者補償の完遂と地域経済振興を行っていくことが重要であると考えます。加えて、公的債務の返済を行うためにも、早期の業績回復、一層の経営努力を求めてまいりたいと思います。
 
(記者)NHKの後藤です。
クマ、パッケージについてお伺いしたいのですけれども、改めて今回ガバメントハンターですとか、個体数管理の強化というのを入れられたと思うのですが、どういうところに思いを込めたのかというところと、どういうところを重点的に行いたいと思ってこのようなパッケージ作ったのかを、思いみたいなところをお伺いしてもよろしいでしょうか。
(大臣)ずっと記者会見でも言っていますけれども、3段階に分けて、今すぐできること、また短期的にできること、そして中期的にできること、という形で、各省庁で3段階の形でお願いをしてまとめさせていただきました。詳細は、これから事務方の方から報告があると思いますので、それを聞いていただければと思います。
 
(記者)読売新聞の児玉です。
大臣、先ほどこれから総力を挙げてというお話がありましたけれども、パッケージを取りまとめられて、環境省の大臣として、今回のパッケージどう見ているか受け止めを伺えますでしょうか。
(大臣)本当に各省庁で御尽力をいただいて、良いパッケージができたのではないかと思います。各首長さん、昨日も内堀知事とお会いしたのですけれども、東北・北海道の知事会の中で、やはり予算措置のことをすごく気にされていたので、環境省の交付金も拡充いたしますし、裏負担の方も、総務省の方でしっかりとやっていただけるということで、知事会の皆様には、しっかりと答えることができたのではないかと思います。
(記者)各地域に対しても、やはりそういった期待には応えられる内容になったという受け止めでよろしいでしょうか。
(大臣)これから実施してまいりますので、応えられるように、実際に官房長官から、ロードマップというか、進捗状況も、という話がありますので、本当に各自治体が納得していただけるのは、しっかりとパッケージに記載された内容が進捗して、私はそれで初めて、各自体の方も皆さんも納得いただけるのではないかと思います。何よりも速やかにパッケージに載っている施策をしっかりと実行していくことではないかと思います。
 
(記者)共同通信の松本です。
クマの個体数管理調査についてなんですけれども、これまでは都道府県が個体数調査を担ってきたと思うのですけれど、今後は国として、主導して個体数調査を来年度実施していくということになるのでしょうか。
(大臣)今までは、秋田県知事も日曜討論の中で言われていましたけれども、御自分たちでということなのですが、もちろん関係自治体と連携を図りながら、進めてまいりたいと考えています。
 
(記者)朝日新聞の杉浦です。
クマについて、春の捕獲についても盛り込まれたと思うのですけれど、こちらについて期待する効果を教えてください。
(大臣)春の捕獲というのは、冬眠から覚めたばかりで、また冬眠をしている場所を、クマについて精通されたハンターの方々はよくわかっていらっしゃるので、クマが活動を活発にしている時は動き回っていますから、なかなか緊急銃猟のような形で人間の住む市街地に出てこないと、難しいところがあるのですが、冬眠明けのところを、知識のあるハンターの方々にやっていただく、もちろん北海道で再開していますけれども、数的にはという問題ありますが、有効な手段というのは考えていますので、これから関係自治体とも協議をしながら、春の捕獲を進めてまいりたいと思います。
 
(記者)共同通信の水嶋です。
私もクマ対策で1点、先ほどのパッケージの中で特別交付金の点を盛り込まれました。また、それ以外にも政府として、当然、予算措置をしていくと思うのですが、補正で組むクマ対策、あるいは特別交付金の規模感とか、そういう意味で大臣、今考えがあれば教えてください。
(大臣)十分な規模は確保できていると思います。各自治体にお話を聞いて積み上げていますので、十分な予算が確保できていると思います。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=VgMC-cf_Tbo
 
(以上)