大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣閣議後記者会見録 (令和7年11月4日(火)10:55~11:17 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

おはようございます。私の方から1点、G7エネルギー・環境大臣会合等の結果について御説明させていただきます。       
10月30日から31日までの2日間、カナダのトロントでG7エネルギー・環境大臣会合が開催されました。また、翌11月1日には、同地で第9回気候変動行動に関する閣僚会合、MOCAが開催され、我が国からは青山環境副大臣が出席いたしました。G7エネルギー・環境大臣会合では、環境・気候変動問題の対策等について意見交換が行われ、循環経済、水、異常気象についての成果文書と議長サマリーが取りまとめられたところであります。MOCAでは、COP30を間近に控え、気候変動対策の機運向上に向けて、議論が行われました。また、現地ではG7議長国のカナダや来年のG7議長国のフランス、米国などと二国間会談を行いました。会談では、G7を始めとする多国間フォーラムでの協力を確認するとともに、二国間の環境協力の進展のために引き続き連携していくことが確認されました。今後も、他のG7各国や関係各国とともに、世界全体の環境・気候変動問題に対する取組を加速してまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)おはようございます。時事通信の吉田です。
冒頭発言のG7エネルギー・環境大臣会合等に関連してお伺いします。トランプ政権下のアメリカがパリ協定からの離脱を決めた中で、気候変動対策を進める上でG7の結束がこれまで以上に問われていると思います。ブラジルでのCOP30を控える中、どのようにG7と連携していきたいか、お考えを教えてください。
(大臣)気候変動は人類共通の待ったなしの課題です。パリ協定の下、世界各国が連携して対応していく必要があります。G7エネルギー・環境大臣会合においては、青山環境副大臣から、1.5℃目標の達成に向けて国際社会が団結して取り組む必要がある中での、G7が果たす役割の重要性を強調したところであります。世界の気候変動対策への米国の関与は引き続き重要であると考えております。気候変動はもちろん、それ以外の分野についても、例えば、重要鉱物資源のリサイクルを通じた、国際的な安定供給体制の確立に向けた両国間の協力の可能性など、様々な機会で協力を探求していく。あわせて、G7を含むパリ協定締約国と連携して、引き続きパリ協定の着実な実施に努めてまいります。我が国としては、引き続き、COP30などにおいて、多国間協調の重要性を訴えてまいりたいと考えています。
 
(記者)TBSの長谷川と申します。よろしくお願いいたします。
2点質問させていただきます。1点目が、クマの出没件数についてです。今日、最新のクマの出没件数などの発表があると伺っています。今年度はすでに過去最多の年度を上回るペースで出没件数の方も推移していると思うのですけれども、これについて大臣の受け止めと国民への呼びかけがあればお願いします。
(大臣)市街地、里山のようなところに、人が生活する地域にクマが出ていますので、注意を、ぜひ国民の皆様には払っていただきたいと思います。家から出てすぐのところで会うみたいなことがありますので、窓から覗けるのであれば、出かける時にクマがいないかどうかも確認をしながら、注意をしていただきたいと思います。
(記者)ありがとうございます。2点目が、先週、千葉県鴨川市のメガソーラー建設で誤伐採があったとして工事が一時中止になりました。日本維新の会との連立合意書の中にも来年の通常国会で法的規制すると定められていると思いますが、メガソーラー建設に関する法的規制について大臣の考えについて伺います。よろしくお願いします。
(大臣)今、関係省庁の議論が行われておりまして、メガソーラーに関する関係の法律に関連して、何ができるかというような議論をしているところであります。関係省庁の会議の議論をしっかりとフォローしていきたいと思います。
 
(記者)日本経済新聞の井田です。よろしくお願いします。
COP30に関連してお伺いしたいと思います。先々月行われた国連の気候サミットでは、引き続き米国は出てなかったわけですけれども、一方で中国の習近平国家主席がビデオで演説をされて、CO2の削減目標はもちろんですが、米国を念頭に一部の国が、そうした逆行するような動きをする中でも、国際社会で協調して取り組んでいくべきだというような趣旨の発言をされておりました。その米国がいない中で、中国の存在感が気候変動対策の分野でも大きくなってきているのかなと思うのですけれども、一方で、中国の存在感が広がりすぎると、経済・安全保障等の観点では課題がある可能性もあると思いますが、大臣はこの気候変動分野における中国の台頭というのはどのように御覧になっているのか、お考えを伺えないでしょうか。
(大臣)中国は2050年目標ではなく、2060年ということで、ただやはり排出国としてはかなり大きな国でありますので、できれば前倒しをしていただきたいと思います。他の国のことですので、干渉になってしまいますけれども、やはり大きな存在だと思います。かなり電動自動車等も普及していますので、そういう意味では、排出に対しても、貢献も徐々に。ただ、石炭火力がやはり多いですから、太陽光も増えていますけれども、中国の排出量の推移を、しっかりとフォローしてまいりたいと思います。
(記者)世界における中国の、気候変動における中国の存在感が大きくなることのリスクとか、そういったものは何か感じられているものはございますか。例えば経済安全保障とか、例えば他の国に中国製のパネルとか、中国製のものがどんどん広がっていくという点では、大臣はその辺はポジティブに捉えられているのか。
(大臣)やはりサプライチェーンはなるべく分散していた方が良いと思いますので、太陽光パネルはほとんど中国が作っているというのは、安全保障上の面でも危惧するところです。分野は違いますけれども、やはり日本のペロブスカイト、こういうものを日本で生産して、供給していくという体制を、経産省を中心に、環境省もしっかりと支援してまいりたいと思いますけれども、詰めていく必要があると思います。私は本当に洋上風力、非常に重要だと思うのですけれども、やはりブレードのところが、中国がかなりのシェアを高めているというところで、これはある本の話ですけれども、「ドイツの失敗に学べ」というちょっと売れた本があって、原子力と石炭火力をやめているのだけれども、風力にドイツは移っていったのだけれども、結局風力のところが、ほとんど中国製のブレードになっているみたいな、それに対しての警戒を書いている本がありましたけれども、私は多少そういうところは感じるところがあります。私はずっと自民党の方で、GX実行本部の事務局長代理をしていたのですけれども、洋上風力についてはいろいろと思いがありまして、そのベンチャーの日本の会社が、縦型の、今までのブレード型じゃない、洋上風力を研究している方がいらっしゃって、そういうものが実現化したらいいなと思うのですが、ただその頃、違う洋上風力をやっている業者の方に聞いたら、少しこの軸のところが大型化していくと耐えきれないのではないかみたいな話もお伺いして、ただ、そういうものが、中国一辺倒になってしまうのは、世界にとってもあまり良くないのではないかなと、個人的には考えています。
 
(記者)読売新聞の児玉と申します。よろしくお願いいたします。
クマ関連で2点お伺いさせてください。まず1点目が、各地で市街地出没が相次ぐ中で、緊急銃猟が10件に達しました。こちらへの受け止めをお願いいたします。
(大臣)クマの出没が増える中で、緊急銃猟が行われています。しっかりと緊急銃猟を行うことによって、市街地に出てきたクマを、しっかりと狩猟していただく。そして、安全を図っていくということが必要ではないかと思います。その他にもだいぶ罠なんかでも捕まっていますけれども、私も発言しましたけれども、いろいろ検討する中で、狩猟したクマの取り扱いみたいなことも、発信できていければと考えています。
(記者)ありがとうございます。加えまして、警察官によるライフルを使ったクマの駆除も今検討がされています。こちらに関する見解も改めてお伺いさせてください。
(大臣)警察官によるクマの駆除については、今、警察庁を含めて、赤間大臣とも、閣議の前に、「ぜひ前向きに検討をお願いします」ということでしたが、クマの知識というのがないですから、ある程度訓練とか、準備が必要なのではないかと思います。これから関係省庁会議の中で議論も深まっていくと思いますけれども、私自身は将来的にやはりハンターの方も高齢化が進んでいて、ガバメントハンターも環境省としてしっかりと支援をしていきますが、個人的な思いですけれども、将来の人口減少を考えると、警察組織においてそういうことを行っていただければ、非常に私は良いのではないかと思います。ただ、今関係省庁会議で詳細を詰めていますので、私の思いということで、それがそうなるかどうかは、今会議の中で議論しているので、それをしっかりとフォローしていきたいと思います。
 
(記者)共同通信の村越です。
クマ対策に関連して少し先ほどとちょっと重なってしまう部分もあるのですけれども、2点お伺いいたします。まず緊急銃猟なんですけれども、始まって2か月が経過したということで、現在までの適用事例を10件ということでよろしいでしょうか。
(大臣)はい。今のところ公表しているのは10件です。
(記者)こちら2か月経ったことの受け止めですとか、また2か月経って、制度運用に当たって見えてきた課題などがあれば教えてください。あともう1点は、自衛隊によるクマの捕獲活動支援について、明日5日にも秋田県で始まる見通しとなりました。こちらの受け止め、自衛隊の活動への期待というものがあれば教えてください。
(大臣)今クマ対策の中で、要望とか、地方の環境事務所の中でヒアリングもしていますので、その中で緊急銃猟についても御意見を聞いて、これから何が足りないのかというのも判断してまいりたいと思います。(緊急銃猟の適用事例の10件について)それが多いのか、足りていないのかということは、今クマ対策について、地方環境事務所の方で聞いておりますので、そういうことを合わせて、その評価というものは、考えたいと思います。(自衛隊でのクマ捕獲活動の開始について)将来的に人口減少という中で、自衛隊が緊急銃猟をやることは、自衛隊法上難しいところがあるので、罠を設置していただいたり、その後の捕獲したクマの対応とか、自衛隊がやっていただけることは大変、私は重要なことではないかと思います。これからスタートいたしますので、その中での、また自衛隊の中でのいろいろな問題点等も、しっかりと環境省としても、防衛省の方に確認をしながら、共にこのクマの捕獲を進めてまいりたいと思います。
 
(記者)産経新聞、織田でございます。
太陽光の話で少し伺います。太陽光行政で、現時点で感じられている変化ということを伺いたいという趣旨なんですけれども、高市内閣が発足して間もないですけれども、一方で、非常に急ピッチでいろいろなことを進められているという中で、太陽光パネルの規制であったり、あるいはそれから最終処分であったりとか、そういったことについていろいろ着手していると思うのですけれども、現段階で何かビフォー・アフターで感じられていること、あるいは我々が注目したらよいようなことというのを教えていただけたらと思います。
(大臣)今、関係省庁会議も議論をしていますし、また、党の方も小林政調会長のもと、議論がスタートしたと伺っています。私自身は、従来からお話をしておりますけれども、地方自治体が脱炭素推進地域みたいな形でちゃんと場所を決めて、自然とも共生しながらやっていけるみたいな、そういう太陽光パネルというのが、私は良い太陽光パネルなのではないかと思います。ただ、やはりいろいろな、鴨川とか、釧路とかで、やはりいろいろな法律を犯している、また、地域とのコミュニケーション不足の、太陽光パネルの設置というのは、私は問題を感じているところです。その中で、そういうものに対して何ができるのかということも、関係省庁会議で議論をされていますので、開発はできないということではなく、法律違反をしたような業者が、あまり適切ではないということは、国民の皆様に周知していく必要があるのではないかと私は思います。
 
(記者)共同通信の鈴木と申します。
最初の冒頭発言に戻ってしまうのですが、G7会合の成果について、確認というか、大臣の御見解をお伺いしたいのですけれども、成果文書、いろいろな分野の、また異常気象に関する議長のペーパーなどが出たと聞いていて、それから幹事社質問への答えで、アメリカの気候変動対策への関与は引き続き重要だというお話がありまして、大臣が報告を受ける中での印象として、今回のG7会合を経て、大臣会合を経て、米国の気候変動への関与というのは、トランプさんが再離脱を表明した1月の就任から比べて、もうちょっとCOPに近づくにつれて、良い方向に変わったというような、そういう成果、米国をまた引き戻すという意味での成果があったのかどうか、どれだけあると感じるか、御所見をお伺いできればと思います。
(大臣)繰り返しになってしまいますけれども、G7会合には、米国は参加をしています。世界全体の環境・気候変動問題に対しては、参加した各国で積極的な議論が行われたとの報告は受けております。G7では他国の発言は紹介しないことになっていますので、今言われたアメリカが変わってきたかどうかというのは、発言ともなってしまうので、控えさせていただければと思います。
 
(記者)環境新聞の小峰です。エネルギー・環境会合が10月30日から10月31日、そして11月1日にMOCAが、青山副大臣が出席して開かれたということで、これトロントですよね。そのトロントでちょうど11月1日というと、米大リーグのワールドシリーズの山場でしたけれども、前回もお聞きし、途中でしたけれども、今回ドジャースが薄氷の上、熱戦の末、勝ったことについて、改めて大臣にお聞きしたいと思います。
(大臣)ワールドシリーズが始まる前にちょうどテレビで見ていて、7戦まで絶対行くのではないかという話があったので、その通りになったので、びっくりするところで、王手になったところで、山本がしっかりと投球をして、勝ち抜いて、さらに最終戦で、最後にしっかりとリリーフをやって、それも前日に投球したようにやって、最後、ゲッツーだったというのはすごいなと驚きました。その後、テレビを見ていて、監督が、「Yamamoto is the GOAT」というふうに言われていて、私はGOATというとヤギなのかなと思って、うちの娘に「GOATってどういう意味?」って言ったら、「Greatest of All Time」という、史上最高みたいな言葉だということで、ちょっと知らなかったのですけれども、若い人はそういう略語も知っているのだなと。「Yamamoto is the GOAT」というのが印象に残りました。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=r2RWxzot8vI
 
(以上)