大臣談話・大臣記者会見要旨

石原大臣閣議後記者会見録 (令和7年10月31日(金)10:00~10:22 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

私の方から2点、お話させていただきたいと思います。
まず、1点目はクマ対策についてであります。昨日、クマ被害対策等に関する関係閣僚会議に出席し、改めて、クマによる被害に対する危機感を、関係閣僚と共有いたしました。官房長官からは、国民の命と暮らしを守るため、関係省庁に対し、必要な予算措置の検討も含め、追加的・緊急的な対策をパッケージとして11月中旬までに取りまとめるよう指示がありました。環境省としては既に地方環境事務所やレンジャーを通じて、自治体のニーズ聴取を始めております。当面の対応として、ガバメントハンター等の捕獲者の確保、中期的には科学的データに基づく個体数の適切な捕獲強化を進めたいと考えております。自治体ニーズについては、道や県などからお話を伺っているところですが、緊急銃猟の実施に関する技術的助言が必要、財政支援の強化をお願いしたい、専門家の派遣をぜひ、といった要望があったと聞いております。私も、先日北海道知事の鈴木知事から道内の状況をお聞きしました。また、昨日は群馬県の山本知事からお話を聞いて、山本一太知事は自ら狩猟免許を取得するんだというお言葉もありました。こうした地域の危機感も踏まえ、環境省としての対策の検討を加速させます。また、さっそく来週にも課長級の関係省庁連絡会議を開催し、官房長官の指示を踏まえた関係省庁の検討状況を確認してまいりたいと考えております。また、緊急銃猟は実施に至らなかったものも含めて、昨日までに13件あったところです。これらの事例を踏まえたノウハウ、例えば緊急銃猟を実施しやすい場所など、対策のポイントを本日、地方公共団体に環境省より提供したいと思います。随時、情報提供を行いつつ、引き続き地方公共団体と連携しながらクマ被害対策等の強化を図ってまいりたいと考えております。
 次に、リチウムイオン電池総合対策関係省庁連絡会議の設置及び開催等について、御説明させていただきたいと思います。既に連日のように報道されているとおり、リチウムイオン電池による発火・火災については早急に対応しなければならない社会的な課題となっています。また、リチウムイオン電池に含まれる有用金属等の再資源化を推進することは、経済安全保障・産業競争力強化にも繋がります。このような状況から、関係省庁が緊密に連携し、リチウムイオン電池の火災防止及び再資源化推進に向けた対策を、スピード感を持って実施するため、「リチウムイオン電池総合対策関係省庁連絡会議」を設置し、本日、第一回会合を開催し、私も冒頭出席させていただきます。本会合を通じ、関係省庁一体となって国民や事業者の皆様に対してリチウムイオン電池の火災防止や分別回収を働きかけるとともに、各省庁それぞれの立場からの実効性のある取組を結集し、年内をめどに、対策パッケージをとりまとめたいと考えています。また、「リチウムイオン電池による火災防止月間」の初日である明日11月1日には、「リチウムイオン電池による火災防止シンポジウム」を開催いたします。国民や事業者の皆様にリチウムイオン電池の安全な使用や廃棄方法等について考える機会としていただければと思います。国民の皆様におかれましては、改めて身の回りにある充電式の製品について、リチウムイオン電池が入っているかを表示などで確認していただきたいと思います。その上で、リチウムイオン電池の使用製品は、衝撃や圧力を加えない、充電はなるべく目の届くところで行う、など安全に使用してください。また、お住まいの市区町村のルールに従って正しく廃棄をしていただくようにお願いをしたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(記者)おはようございます。幹事社のフジテレビ、浅川です。
冒頭発言のありましたリチムイオン電池について、2点お伺いいたします。リチムイオン電池をめぐっては冒頭でもお話がありましたように、火災などが相次いでおり、これまで環境省では自治体への分別回収を求める通知であったり、経産省では事業者による自主回収などの義務付けを決めてきました。この後行われる関係省庁連絡会議では、どのようなことに焦点を当てて話し合われる予定なのでしょうか。こちら1点目です。
(大臣)既に連日のように報道されておりますように、リチウムイオン電池による発火・火災が社会的な課題となっております。廃棄物処理施設においても、混入したリチウムイオン電池が原因で火災が発生し、施設が停止するに至るなどの事態も生じており、環境行政にとっても深刻な課題であります。また、リチウムイオン電池に含まれるリチウム、ニッケル、コバルト等の有用金属の再資源化を推進することは、経済安全保障・産業競争力の強化にも繋がるものであり、その観点から、体制の構築も急務であります。また、これまで、環境省では市町村におけるリチウムイオン電池の分別回収の取組強化等を行い、関係省庁においてもそれぞれの立場から取組を進めてきておりました。共通の課題への対応について、関係省庁が一体となって検討することによって、より総合的・効果的な対策を講じていく必要があると考えることによって、今回の連絡会議を設置したものであります。本日の連絡会議を皮切りに、各省庁それぞれの立場から実効ある取組を結集し、年内をめどに、総合的な対策パッケージをまとめたいと考えております。
(記者)ありがとうございます。2点目になります。冒頭でも発言がありましたが、明日からリチウムイオン電池による火災防止月間が始まります。これまで9月から火災防止キャンペーンなども行ってきたと思いますが、環境省で行ったこれまでの取り組みによる成果や課題について、現時点での評価をお聞かせてください。
(大臣)9月から実施しているキャンペーンでは、市町村や事業者を始め、Jリーグや有名キャラクターと連携した情報発信を行うとともに、関係省庁とともに合同で周知啓発を行ってまいりました。このキャンペーンの中では、リチウムイオン電池の火災防止に取り組む「LiBパートナー」として94団体等を認定するとともに、Jリーグの試合会場では、例年以上にモバイルバッテリーが回収されるなど、情報発信・取組強化の輪が着実に拡大していると実感しております。より一層の周知啓発の強化が必要であり、来月からの火災防止月間やシンポジウムにも、ぜひ多くの方に参加いただければと考えています。
 
(記者)共同通信の水嶋です。よろしくお願いいたします。
冒頭のリチウムイオン電池の関連で1点お伺いします。一部の報道に小型家電リサイクル法の対象を広げて、モバイルバッテリー等を追加するといったようなことを政府が検討しているという報道がございました。その事実関係と、これはいわゆる関係省庁会議で議題になってくるのが、そのあたりを含めて。
(大臣)会議も進んでまいりますし、ぜひ検討していきたいと思います。
(記者)確認ですが、政府としても検討を進めるという理解でよろしいでしょうか。
(大臣)はい、議論の中で。
 
(記者)NHKの後藤です。
冒頭で御発言がありましたけれども、クマ対策の関係で、緊急銃猟の実施についてのポイントを本日中に共有されるというふうにおっしゃってくださったと思います。改めて今この緊急銃猟が始まって、明日で3か月経つと思うのですけれども、今の課題というのはどういうところにあるのかとお考えなのか、またこのポイント共有ということでは、どういうところを御共有されたいというお考えなのか、改めてお伺いできればと思います。
(大臣)緊急銃猟を行うのに向いている場所、そこの場所に行けるかどうかというのはあるのですけれども、要するに弾が飛んでいって、コンクリートだと跳ね返ってしまうので、反対側に(コンクリートではない)壁があるというような場所でとういうことです。また、柔らかい地面だと熊の速さが加速しないので、柔らかい地面のところで撃つと良いとか、失敗の中で私が聞いている範囲では、しっかりと人が入らないようにしていたのだが、ふらっと入ってきてしまって、危険だからできなかった、そういう例があるのですが、そういうことを、どうしてそうなったのかというようなことを、しっかりと自治体に本日伝えてまいりたいと思います。
 
(記者)朝日新聞の福地です。
釧路などで問題になっているメガソーラーの件について伺いたいのですけれども、こちらも一部報道では、種の保存法の改正を環境省のほうで検討して、再エネについて規制対象に含めることも視野に入れているという話があるのですけれども、ここの検討状況、お考えについてお願いします。
(大臣)種の保存法は、平成29年に改定されて、平成30年から施行されているのですけれども、そもそも附則の中で5年後の見直しがあるので、今回の湿原のこととは別に、今月、10月から検討会を立ち上げて、今後の制度のあり方について検討を始めているところであります。もちろん釧路の問題もありますから、そういうことも合わせて、法のあり方について検討を進めていきたいと思います。
 
(記者)共同通信の松本です。
クマ対策の関係でお伺いします。まず昨日、木原官房長官が記者会見で警察庁にライフル銃を使用したクマの駆除の検討を指示されていましたが、まずそのことについての受け止めをお伺いできますでしょうか。
(大臣)警察官については、昨日、国家公安委員長から、警察官が人里に侵入したクマの対応について迅速に対応していくとの発言がありました。また、その発言とは違いますけれども、宮城県では自衛隊のOBを活用した事例があるという報告も、環境省(の事務方)から受けているところであります。いずれにしても、環境省で自治体のニーズを聞いておりますので、これからパッケージの見直しも行ってまいりますので、私個人的には非常にありがたいと思います。
(記者)もう1点、11月中旬に改定を目指している熊被害の対策パッケージなんですけれども、大臣としては、現在あるものの中に新たにどんな支援策を入れていきたい、強化しいきたいとお考えになっていますでしょうか。
(大臣)やはり1番、私は環境省の役割としては、人材育成、ガバメントハンター等の人材の確保、育成、充実、強化をする点です。そのための交付金の拡充、そのことによって自治体の、ガバメントハンターの雇用への財政支援がしっかりと行えるように、この点をしっかりと打ち出していきたいと思います。
 
 
(記者)環境新聞の小峰です。
今週はトランプ大統領の訪日といい、日米同盟が非常に強化、前進した週だと思いますが、同時に、国民が熱狂したのが大リーグのワールドシリーズなんですよ。大臣は、公務が忙しくて見る暇がないかもしれませんけれども、何かワールドシリーズの感想でもお聞かせ願えたらと思います。
(大臣)なかなか公務で忙しいので、実際に試合をしているところは見れないのですが、ニュースとかネットの記事は見ておりまして、やはり印象的なのは第2戦の山本由伸選手の完投ではないかと思います。そして第3戦も、大谷翔平選手が2ホーマーを打って、大リーグの9打席連続出塁というのはタイ記録ということで、非常に驚いたという感じがします。第4戦は、18回まで第3戦が延びたので、もう2試合やっていますから、スーパーマンの大谷翔平選手も、なかなか疲れたのではないかなと、寝れたという報道はあるようですけれども。残念だったのですが、ブルワーズに大手をかけられていて、これからカナダで試合がありますけれども、ぜひ山本由伸投手がまた完投していただいて、ナショナルリーグの決定戦から3試合完投という素晴らしいことになると思いますので、それを期待したいと思います。また、最終戦までもつれて、最後にWBCみたいに、大谷選手がクローザーで出たら、これは最高のワールドシリーズになるのではないかと。一方で、日本シリーズもホークスが優勝しました。閣内には阪神ファンの方が結構おられるので、その方々には申しわけなかったなと思います。私からは以上です。
 
(記者)読売新聞の西原です。
クマに戻ってしまうのですけれども、ガバメントハンター育成に当たって、今どれくらいいるのかというところが正確にわかっていないところと、クマの個体数管理に向けて前提となるクマがどれくらいいるのかという具体数もあまりよくわかっていないっていうところ、これらを課題として大臣は認識されていらっしゃるのか、調査を急ぐべきなのかどうか、その辺の御認識を伺えればと思います。
(大臣)3段階での中で、個体数の研究もということも挙げさせていただきました。私は大臣になって、自然局の方から報告を受けている中で、シカとかは糞の量とかで個体数を科学的に判断することができるが、クマはなかなか難しいということで、とは言いながらも、推定をしておりまして、昨日の関係閣僚会議でも私の方から御報告させていただきましたけれども、今の推定値だと、北海道に住むヒグマは12,000頭、そしてツキノワグマは42.000頭以上と推計しているということお話をさせていただきました。令和6年4月に指定鳥獣になった時に、管理をするためのガイドラインというのを環境省から出しているのですけれども、そこにも地域ごとに大体何頭いるのではないかと言って、レベル1からレベル4みたいな形でとなっていますし、そこの記載を見ると、大体年間15%ぐらい、差は色々とあるのですけれども、ヒグマとツキノワグマで、要するに、毎年生存している量の15%ぐらい増えるみたいな記載も書かれています。
 
(記者)テレビ朝日の遠藤です。
釧路湿原国立公園のメガソーラー建設に関して伺います。環境省が指定エリアの拡大を検討しているとのことですが、地元自治体との協議のスケジュールやエリア拡大の狙い、また時期的な目途として具体的なイメージはお持ちでしょうかお聞かせください。
(大臣)釧路湿原の環境及び景観等の保全に向け、釧路湿原国立公園の公園区域の拡張を含む公園計画の見直しを検討していることは事実であります。関係自治体及び関係機関等々の調整を速やかに開始して、検討を進めていきたいと考えています。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=P5Ylckx_LHA
 
(以上)