大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年10月7日(火)10:50~11:01 於:環境省第一会議室)

1.発言要旨

なし

2.質疑応答

(記者)幹事社の読売新聞、西原です。よろしくお願いします。
2つありまして、1つ目が、4日に行われた自民党総裁選についてです。高市さんが選出されたことに対する率直な受け止め、高市新総裁が従来の環境分野の政策にどのような変化・影響をもたらすかについて、御見解を教えて下さい。特に、太陽光発電施設の増設など再生可能エネルギーの推進に関して、高市新総裁に求めることは何でしょうか。
(大臣)おはようございます。高市新総裁の下でしっかりと政治を前に進めていくということで、国民の期待も高まっているものと思っておりますので、ぜひそういった形で政治を前に進めていければと考えております。その中で、環境行政が扱う課題というものは、世界人類の共通課題から国民の生命や生活に直結する課題まで多岐にわたっております。いずれも極めて重要であります。高市新総裁には、環境行政に関する1つ1つのテーマについても、政策をしっかりと前に進めてもらえるものと確信しております。加えて2050年ネット・ゼロの実現に向けては、電力部門の脱炭素化が不可欠でありまして、再生可能エネルギーの更なる普及拡大を進めていく必要性があります。一方で、再生可能エネルギーに対しては、景観や生物多様性への影響の観点を含めた環境への影響、将来の廃棄等に対する地域の懸念が高まっていると認識しております。こうしたことを踏まえて、先般関係省庁連絡会議も立ち上げたところでもありますけれども、そのような状況を踏まえて、環境への適正な配慮や地域との共生を大前提に、促進するところは促進し、抑制すべきところは抑制することによって、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていくことが重要だと考えております。
(記者)ありがとうございます。もう1点ありまして、クマの人身被害が相次ぐ中、5日には世界遺産の白川郷で外国人観光客が襲われ怪我をしました。観光地などでのインバウンド客の被害をなくすためには、どのような対応策が必要になるでしょうか、お考えを教えてください。
(大臣)御指摘のとおり、10月5日岐阜県白川村においてクマによる人身被害については報告を受けておりまして、怪我をされた方にお見舞いを申し上げます。白川郷では、クマの出没防止対策として、誘因物の管理・除去、下草の刈り払いなどを行うとともに、外国人観光客に対して出没情報の提供やクマに近づかないこと、ごみを捨てたり餌付けをしないことなどの注意喚起を多言語で周知していたと聞いております。外国人観光客へのクマによる被害をなくすためには、これらの対策を各地の観光地においても実施していくとともに、リアルタイムで正しい情報を提供していくことが必要であると考えております。引き続き、クマに関する対策や出没情報について、関係省庁や関係自治体と連携して、観光客も含めて、広く周知に努めてまいりたいと考えております。
 
(記者)おはようございます。NHKの後藤です。
今の御質問に関連してなんですけれども、クマの人身被害を巡っては、宮城県や長野県で、クマに襲われたことが原因とみられる死亡事案も発生しております。もし、これらのケースがクマに襲われたことが原因だと判断された場合、死亡者数は、2008年度以降で最多となった2023年度の6人を上回る可能性があると思います。改めてこうした死亡事案が今月に入っても多く発生していることの受け止めと、検討している対策、また国民に呼びかけたいことなどございましたら教えてください。お願いします。
(大臣)10月3日の宮城県におけるクマによる死亡事故、また長野県では、クマによるものと断定されてはいませんが、事故の報告を受けており、亡くなった方にお悔やみを申し上げます。10月6日時点で、今年度、クマにより6名の方が亡くなっており、データのある平成20年度以降、過去最多であった令和5年度と同じ死者数となりました。また、今年度は、クマの出没件数と人身被害件数のどちらも多い状態が続いています。このような状況を受けて、先月開催した「クマ被害対策に関する関係省庁連絡会議」において、各省庁が実施している取組みを確認するとともに、各省庁から都道府県に対し、クマへの対応の注意喚起と被害の防止の徹底を促す通知を発出したところであります。この連絡会議でも、クマの専門家から、クマの出没が多かった令和5年と状況が似ていると指摘されているところでありまして、国民の皆様には、自治体が発信する情報や、地域でのクマの出没に関する情報に注意するなど、事故を防ぐために十分な警戒をお願いしたいと考えています。
 
(記者)共同通信の鈴木です。
ノーベル賞に関してお伺いします。昨日、生理学・医学賞で坂口志門先生が受賞されましたけれども、今日は物理学、明日は化学で、両分野にはペロブスカイトですとか人工光合成ですとか、環境分野に関係の深い技術の受賞が期待されております。大臣の日本人の受賞に関する期待などあれば、お聞かせください。
(大臣)御指摘のとおり、昨日坂口先生が受賞されたということでありまして、今御指摘のとおり、様々な、宮坂先生やあるいは人口光合成の分野で多くの先生が可能性として指摘されているということでありまして、我が国の研究がさまざまな分野で、そうした可能性を指摘されるということは、環境行政を前に進めていく上でも、いろいろな意味で大変ありがたいことだと思っておりますし、期待をしていきたいと思っています。ただこればっかりは、実際に受賞されるまでわからないことでありますので、期待をしながら見守っていきたいと考えております。
 
(記者)エネルギージャーナルの清水です。
クマの被害について伺いたいのですが、その他にもう1点あるんですけれども。とりあえずクマの方。関係省庁会議がいろいろと対応をリードしていくと言うけれど、環境省は、一体何をどういう具合にやるのか優先的に、関係省庁の合意を待っているというよりも、クマについては環境省が所管しているわけだから、一歩先に出た、トライ・アンド・エラーでもいいから、対策を出さないと。特に12月にかけて、東北地方を始めとして、不安が非常に大きいと思うんですよ。その辺をきちっと、環境省としてはここまでやっているんだ、あるいはこういう努力をしてほしいというのを発信すべきだと思うんですが、どうですか。
(大臣)御案内のとおり、鳥獣保護法の改正により、緊急銃猟が認められるようになりましたし、その上で、各自治体にそうしたマニュアルも提供しているところであります。そういったことを通じて、実際にそうした場合の対応もしっかりとしていくことが必要だろうと思いますし、また、交付金を活用した、自治体による認定鳥獣捕獲等の事業者やハンターの育成に関する研修等もやっておりますので、こうした様々な施策を通じて、今の状況に対して対応していくことが大事だろうと思います。特に人里に出てきたところについては、今様々な対応策がとられていることだと思いますし、逆に現在閉鎖しております羅臼についても、人がクマの生息地に行く場合には、十分な対応策を今後検討していくことも大事だろうと思います。
(記者)2点目ですが、先ほど幹事社から質問もあったものに関連して、高市総裁の今後の政権運営というのが注目されているわけですけども、再エネと環境問題についてはかなり抑制的というか、成長主義を最優先というような感じなんですけども、どうですかね、大臣の任期というのは1年では短過ぎると思うんですよ。環境行政にとっては一丁目一番地のCOP30も控えているし、そういうことを見ると、日本の環境行政を世界に向けて、アメリカも含めて引っ張っていくというためには、大臣のきちっとしたこれまでの体験・経験と、そういうものが必要だと思うんですけども、今後、環境大臣にはどういう人がなるべきかという点ではどうですか。
(大臣)どなたがなられても、適材適所で、環境行政を先ほど申し上げました、高市新総裁が内閣を組閣された段階で、その方がしっかりと前に進めていくものと私は確信しております。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=-Ah3frIWNic
 
(以上)