大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年9月30日(火)10:50~11:08 於:環境省第一会議室) 1.日中韓三カ国環境大臣会合等の結果について 2.食品ロス削減推進表彰について

1.発言要旨

冒頭2件、発言いたします。 

始めに、日中韓三カ国環境大臣会合等の結果についてであります。9月27日から29日にかけて、中国・山東省煙台市で、第26回日中韓三カ国環境大臣会合、いわゆるTEMM26及び第4回日中環境ハイレベル円卓対話に出席してまいりました。TEMM26では、ホアン・ルンチウ中国生態環境部長、キム・ソンファン韓国環境部長官と、国際的に大きな課題となっております様々な環境問題について議論し、気候変動、生物多様性、プラスチック汚染、黄砂を含む大気汚染対策等における協力の推進等を盛り込んだ共同コミュニケを採択いたしました。あわせて、2026年からの5年間における3か国での環境協力を定める次期行動計画も採択しました。期間中、両国とのバイ会談も行い、今後、環境協力を強化していくことを確認いたしました。また、6年ぶりに開催いたしました日中環境ハイレベル円卓対話では、私から今後の日中両国における環境協力の進展への期待を述べたところであります。今回のTEMM等は、環境問題について、国際社会で重要な役割を担う3カ国でしっかりと協力を進めていくため大変意義のあるものとなったと考えております。今後も各国と協調しながら、ネット・ゼロ、循環経済、ネイチャーポジティブの実現に向けて取組を進めてまいります。 

 続きまして、食品ロス削減推進表彰についてであります。本日の閣議後の閣僚懇談会において、令和7年度食品ロス削減月間について、消費者および食品安全担当大臣からも発言がありましたが、明日10月1日から食品ロス削減月間が始まります。毎年、この月間にあわせて実施しております「食品ロス削減推進表彰」について、今般、応募のあった88件の中から、受賞者が決定しましたので、お知らせいたします。今年度の環境大臣賞に選定されたのは、「株式会社カーブスジャパン」です。同社は、会員や地域住民から食品の寄附を受け付けるフードドライブを実施し、回収した食品を福祉施設や団体へ寄贈し、地域密着型の食品ロス削減を推進するなどの活動を進めており、このような取組の広がりを期待しています。その他、優良な取組を実施されている団体への、環境事務次官賞などの表彰もいたします。環境省としては、このような優良事例の展開や「デコ活」とも連動しつつ、引き続き食品ロスの削減に向けた取組を推進してまいります。 

 私からは以上であります。 

2.質疑応答

(記者)読売新聞の児玉です。よろしくお願いします。 

幹事社質問、1問よろしくお願いします。昨年運用が始まった「熱中症特別警戒アラート」は、猛暑が続いた今年も発表されておりません。8月上旬に神奈川県など一部が発表目前の暑さ指数となった一方で、山間部を抱え、観測地点に大きな標高差がある県などは発表基準に届きにくい状況が指摘されています。都道府県単位での発表という運用を見直すお考えはありますでしょうか。併せて、1月も暑さが予想されることに対し、環境省が取り組む対策国民に呼びかけることはございますでしょうか。よろしくお願いいたします。 

(大臣)熱中症特別警戒情報(熱中症特別警戒アラート)は、広域的に過去に例のない危険な暑さとなり、熱中症による人の健康に係る重大な被害が生ずるおそれがある場合に発表する情報で。現在、環境省では、今年の夏の暑さに関するさらに詳細な状況や、熱中症警戒アラート等を始めとする様々な熱中症予防施策の成果などについて、分析を進めているところであります。具体的には、秋頃から有識者による検討会を開催していく予定であり、指摘の熱中症特別警戒アラート等の今後の在り方も含めて、しっかりと有識者の意見も聞いて、さらなる熱中症対策を進めてまいりたいと考えています。国民の皆様におかれましては、熱中症警戒アラートの発表等の有無にかかわらず、「エアコン等を適切に利用し、涼しい環境で過ごす」、「こまめに水分・塩分補給を行う」、「周りにいる高齢者や子どもなどへ、見守り・声かけを行う」などの命を守る熱中症予防行動をとっていただくよう、改めてお願い申し上げます 

 

(記者)共同通信の竹生です。 

自民党の総裁選について伺います。先日の会見では、態度を保留されておりましたけれども、今どの候補者を支持するか、理由も併せて教えてください。また、太陽光発電の推進の是非が総裁選の争点の1つになっていますけれども、新しい総裁には再生可能エネルギー政策をどのように進めてほしいと期待されますでしょうか 

(大臣)私自身は小泉進次郎農水大臣を応援しております。その理由としては、5年後に1人当たりの収入を100万円増やすことを掲げておりますけれども、今日本の国が抱えている1番大きな課題は、潜在的な成長率が長い間高くなっていないということでありまして、この潜在成長率を引き上げていくことが結果として国民の不安を取り除くと、100万円引き上げるためには、潜在成長率をかなり上げていかないといけないということでありますが、そうしたことに取り組んでもらえるということで、その潜在成長率を上げて、国民の皆さんが抱えております不安を解消していきたいと考えておりますので、小泉農水大臣の応援をしております。加えまして、太陽光発電などの再生可能エネルギー政策についての質問がありました。2050年ネット・ゼロの実現に向けては、電力部門の脱炭素が不可欠でありまして、太陽光発電を含めて、再生可能エネルギーのさらなる普及拡大を進めていく必要があると考えております。一方で、この再生可能エネルギーに対しては、景観や生物多様性への影響の観点を含めた、環境への影響、将来の廃棄等に対する地域の懸念が高まっていると認識しております。こうした状況を踏まえて、環境への適正な配慮や地域との共生を大前提に、促進するところは促進し、抑制すべきところは抑制することによって、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めていくことが重要であると考えておりまして、そのことも踏まえて、先般関係省庁の連絡会議も設置し、この促進すべきところ、そして抑制すべきところを踏まえながら、2040年の例えばエネルギー基本計画で定められております、太陽光発電であれば23%から29%といった数値をしっかりと実現できるように、同時に多くの方が不安に思っております環境との共生、あるいは廃棄といった、リサイクルといったような、太陽光パネルの将来の廃棄等に関する課題についても、しっかりと解決していくことが重要だと考えております。もう1点だけ、先ほどの潜在成長率のところで申し上げますと、付け加えて申し上げれば、先般発表いたしました、人口光合成の社会実装といったものは、今無いものを生み出していくということでありますので、これは間違いなく潜在成長率の引き上げにつながると思っていますので、そういったこともしっかりと実現していかないといけないと考えております 

記者)ありがとうございます。小泉さんを支持されるということで、小泉さんの陣営では、動画の配信へのコメント投稿の要請が問題になりましたけれども、政治への信頼を損なう行為だと思いますが、応援される1人として、どのように考えられていますでしょうか。 

(大臣)指摘の点については、そういったことがあってはいけないことだと思っていますし、しっかりと選挙についても、公平公正にやっていかなければいけないと私自身も考えていますので、そうしたことをしっかりと実現していくべく、小泉さんの選対(事務局)にも申し入れしていきたいと思っています 

 

(記者)共同通信の鈴木です。 

今の質問に関連してなんですが、小泉候補は総裁選の中で、ガソリン暫定税率の見直しは廃止すると明言されていたと思うのですけれども、環境省としては、代替手段を税制改正で求めている立場と思いますので、仮に総裁になった場合には、その辺の手当について、大臣としてどのようにアプローチしていくと言いますか、対応をお願いしていく考えが時点であるのか、教えていただければと思います 

(大臣)いわゆる当分の関税率については、もうすでに各党間で合意をしたものと認識しておりまして、それに沿って対応していくことになろうかと思います。一方で指摘がありましたガソリン税、あるいはその後どうなるかわかりません軽油引取税も含めて、それがいわゆる暫定税率がなくなることによって、二酸化炭素が排出されるということになってまいりますと、それに対する対応ということが必要になってくるだろうと思っています。この会見でも前にも申し上げましたけれども、やはり二酸化炭素の排出を抑制するための施策、ガソリンと軽油ということに関しますと、自動車ないしはトラックということになりますけれども、それに限らず、二酸化炭素の削減ということに対して、しっかりと取り組んでいく、そうした税制というものを作っていかなければいけないと考えておりますので、そうしたものについて、二酸化炭素の排出が増えるということにつながらないような形の税制、それはトータルで、繰り返しになりますけれども、例えば電気自動車であれば二酸化炭素を排出しないとはいえ火力発電となれば、それは同じように二酸化炭素が出てくるわけでありますので、トータルでの二酸化炭素の排出の抑制につながるような税制を考えていかなければいけないと考えています 

 

(記者)環境新聞の小峰です。 

先ほど質問が出ました総裁選のことですけれども確かに高市候補などは、釧路湿原に太陽光パネルを敷き詰めることはどうなのかなど、メガソーラーの環境問題が1つの焦点になっていますけれども、一方で、我が国がカーボンニュートラルを打ち出して、脱炭素政策が成長戦略につながるとか、そういうふうな議論が、5候補の中にいささかも議論されていないということ、気候変動問題は、総裁選から完全に無視されているということですけれども、担当大臣として何かコメントはありませんでしょうか 

大臣気候変動はIPCCが30年の年月をかけて、人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことには疑う余地がないいうことが確信であるということでありますので、この点について各候補とも同じ考えだと考えております。その上で、先ほど申し上げましたように、環境の観点から抑制すべきところは抑制し、促進しなければいけないところは促進していくということが重要だと思っていますが、加えて日本の場合は国土の70%から75%が森林ということになりますと、なかなか太陽光ということでいうと、適地というのが限られてくる場合もあるだろう思いますので、そういう意味では、例えば森林のところでもうまい具合に曲がることができる、これはまだ技術的に実証できていませんけれども、ペロブスカイトという日本の技術を使った太陽光の発電などということも、今後の検討課題として考えていくべきではないかと個人的には考えています。もう少し具体的に申し上げますと、日本の場合は森林が面積は今申し上げたような割合でありますが、フィンランドと同じ国土の面積で、割合もフィンランドと一緒です。しかしながらフィンランドの場合は、森林の体積が日本の3分の2、すなわち切られて植え替えられている森林を切って植え替える時に、例えば営農型の太陽光発電というのがありますが、営林型の太陽光をペロブスカイトのような曲がる素材を使って実現していくことができれば、これは林業の人の副収入にもつながっていくということになりますので、そういったことも含めて、先ほど申し上げましたように、再生可能エネルギー、特に今環境新聞さんから指摘がありましたように、成長戦略としてということであれば、我が国で出てきたペロブスカイトが活用できるようなものが応用できれば、まさに成長戦略につながっていくのではないかと思いますので、そうしたことも実現していければと考えています 

(記者)総裁選とは別に、最近の話題として、9月24日、国連総会でトランプ大統領、「世界史上最大のグリーン詐欺だ」と言って、気候変動・温暖化対策に強烈な批判をしているです。一方で、トランプさんは15分間のところ1時間にわたって長くたくさん喋りましたけれども、1人大体15分と聞いておりまして、ところで日本の石破首相は、気候変動問題で一言も言及してないですね。なんかトランプを恐れていたのか、トランプの機嫌を損ねないように言わないのか、そのぐらい言ったからってどうってことないと思うですよね。日本の首相として、やっぱりそこはきちっと言わせなきゃいけなかったと、これきちっと言わせなかったのは、ある意味では浅尾環境大臣の責任でもあるじゃないですか 

(大臣)我が国はすでに2月に次期NDCを国連に提出しておりまして、石破総理は日程の都合上、(国連気候サミットでの)演説を見送ったわけでありますけれども、すでに提出済みであるということでありますまた、我が国のスタンスは揺らぐことなく、しっかりと2035年に60%、2040年に73%と提出した目標に沿って、先ほど申し上げました、それはなかなか簡単ではありませんが、様々な新たな技術も使いながら、実現していくべくしっかりと頑張っていくということに尽きるのではないかと考えています 

 

会見動画は以下にございます。 

 

(以上)