大臣談話・大臣記者会見要旨
浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年9月19日(金)10:35~10:50 於:環境省第一会議室) 1.神奈川県動物愛護センターの視察について 2.太陽光発電事業に関する関係省庁連絡会議の設置について
1.発言要旨
おはようございます。冒頭2件、発言いたします。
始めに、神奈川県動物愛護センターの視察の報告等についてであります。
一昨日、9月17日、神奈川県動物愛護センターを訪問し、県の職員の皆様から、多頭飼育崩壊への対応、ブリーダー等の動物取扱業への指導監督等について、様々な御意見等を伺いました。動物取扱業の適正化に関して、環境省では、過去に法令違反が確認されたブリーダーの是正状況を把握するための調査を、地方公共団体の協力を得て実施しています。今後、この調査結果や視察時にいただいた声も踏まえ、必要な対応を検討してまいります。
また、更なる動物愛護管理の推進に向けては、一人一人の飼い主が動物を最後まで責任を持って飼うことが重要と考えており、明日から始まります動物愛護週間の機会も捉えて、広く国民の皆様に理解を深めていただけるよう、普及啓発を進めてまいります。動物愛護週間最終日の26日には、長年に渡って動物愛護管理の推進に尽力された方々に対し、感謝の気持ちとして、令和7年度動物愛護管理功労者表彰を行います。報道機関の皆様には、期間中の積極的な報道に御協力をお願いいたします。
続きまして、太陽光発電事業に関する関係省庁連絡会議の設置についてであります。9月9日の閣議後会見において、釧路地域を始め太陽光発電施設の地域共生に関する課題等に対応していくため、関係省庁による連携のための枠組みの設置を指示したことについて御報告させていただいたところであります。今般、その具体的な枠組みとして、関係省庁の課長、室長級で構成される「太陽光発電事業の更なる地域共生・規律強化に向けた関係省庁連絡会議」を来週24日付で設置し、同日午後に第1回を開催することとなりましたので御報告いたします。第1回の会議では、釧路市など関係市町村から伺ってきた御意見・御要望を始め、メガソーラーに係る地域共生に関する課題を共有し、必要な対応を検討するための議論を本格化させていきたいと思います。会議の詳細については、事務方にお尋いただければと思います。
私からは以上であります。
2.質疑応答
(記者)よろしくお願いします。NHKの後藤です。
今ほど、太陽光発電に関する連絡会を行うというお話をされていらっしゃったと思いますが、こちらの連絡会議では、どのようなところが焦点となって話し合われる御予定なんでしょうか。また、スケジュール感としてはいつまでに会議を終え、どういう結論を出していかれたいと思われるかについてもお伺いさせていただければと思います。
(大臣)関係省庁連絡会議については、来週24日午後に第一回を開催する予定であります。釧路湿原国立公園周辺を始め、大規模な太陽光発電施設の建設により、地域との共生上の懸念が顕在化する事例が生じているところであります。まずは、こうした現状・課題について、関係省庁間で共有した上で、発電事業の実施の際に関係する各種法令上、どのような対応ができるのかをそれぞれの省庁において検討していくことになると考えております。また、検討に当たっては、これまで伺ってきた自治体の御意見・御要望など、現場の声も踏まえながら進めていくことも重要であります。日程については、関係省庁とも調整しつつ、スピード感を持って進めていきたいと考えております。
(記者)ありがとうございます。2点目の質問があります。釧路のメガソーラーを巡っては、今月17日の市議会で、太陽光発電施設の設置に市長の許可を必要とするなどの条例が成立しました。この条例の成立の受け止めについてお伺いさせてください。また、地元自治体からは、無秩序な開発行為を規制するために、より抑止力のある法整備を求める声も上がっています。こういった声にどういうふうに対応していかれようと思われるのかお聞かせください。
(大臣)釧路市においては、ガイドラインの制定などの取組を進める中、その実効性担保の観点から今回条例を制定されたものと承知しております。また、全国では、許可など手続は様々な類型がありますが、類似の条例が300を超えていると認識しており、このような現状についても関係省庁間で共有した上で、制度的な対応の要否も含めて、速やかに検討を進めたいと考えております。いずれにしても、環境省としても、2050年ネット・ゼロの社会実現に向けて、再生可能エネルギーを最大限導入していく必要があると考えておりますが、そのためにも地域と共生していかないといけない、地域との共生が図られない太陽光発電施設の建設については抑制すべきだと考えています。
(記者)共同通信の鈴木です。
先ほど9時台にEUの環境担当の欧州委員の方と会談されたと思います。EUは例えばプラ条約では高い野心を掲げていたり、うなぎをめぐっては、日本うなぎを含む国際取引を規制する案は、ワシントン条約のCOPで出しているところ。環境においてかなり重要なポジションを占めていると思うのですが、今日はどのような会話があったのか教えていただければと思います。
(大臣)詳細は差し控えますけれども、今話がありましたINC5.2の話とか、あるいは循環経済、サーキュラーエコノミーの話、そして生物多様性の話と、多岐にわたる大変有意義な話ができましたし、また今後、ワーキンググループの会合でも話を続けていくということになっています。
(記者)おはようございます。東京新聞の松島と申します。
PFAS問題について質問させていただければと思います。先日、一部報道で大阪府摂津市のダイキン工業の従業員が過去の血液検査で、非常に高い濃度のPFASが検出されていたことが報じられました。PFASを取り扱っていた国内の工場というのはダイキン工業以外でも数あると思いますが、環境省としてはPFASの職業暴露という点で実態解明や健康影響調査ということに乗り出すと言いますか、実施する方針は現状ありますでしょうか。
(大臣)当該報道はもちろん承知しております。事業所内の職業ばく露については、厚生労働省が所管しております労働安全衛生法に基づき対応されるものと承知しております。一般的な健康影響については、環境省でも知見の集積に努めるほか、PFASを取り扱っている、あるいは取り扱っていた事業者から相談等があれば、関係省庁と連携して、適切に対応していきたいと考えております。
(記者)共同通信の松本です。
今朝の一部報道で、種の保存法で個人間での無償譲渡が禁止されている希少昆虫の標本について、環境省として今後個人間の譲渡を認める方針をまとめて10月にも新たな運用を始めるという報道がありました。今回、個人間で無償譲渡を認める方針となったことの背景や狙いについて大臣の受け止めをお伺いできますでしょうか。
(大臣)具体的な詳細は事務方にお尋ねいただきたいと思いますけれども、生物の保全については、環境省として重要なものと認識しております。その上で、法の運用の改善にはしっかりと取り組んで、様々な学術的な要素等も踏まえながら、検討していきたいと考えています。
(記者)読売新聞の西原です。
自民党総裁選候補者が出揃いましたが、どの候補者を支持するお考えでしょうか。
(大臣)しっかりと候補者が出揃った中で、適切に判断していきたいと考えているところです。適切に判断し、発表していきたいと思います。
(記者)エネルギージャーナル社の清水です。
ガソリン税等の暫定税率、これの見解を伺いたいのですが、政府内も暫定税率の廃止と、それから維持と、財源対策ということで分かれているようです。環境省は環境対策、温暖化対策の観点からどうするかというのは、先日も大臣から話がありましたけれども、国環研の1%増という話もさることながら、どういうアクションでどんな対応をされようとしていますか、その辺を伺いたい。
(大臣)ガソリンの暫定税率については、与野党の実務者協議が行われているところであります。一方で、今御指摘がありました国立環境研究所における試算の話もございまして、これがガソリンの暫定税率と軽油引き取り税の当分の間税率を廃止した場合、両方廃止した場合、2030年の運輸部門で360万トン、全部門で610万トンの二酸化炭素の排出量が増加するという結果が示されています。こうしたことも踏まえながら、当然のことですけれども、中長期的な脱炭素化の方向性に資するような、全体としての税制がふさわしいと私自身は考えておりまして、それは暫定税率のみならず、他の二酸化炭素を出すものも含めて考えていくべきだろうと考えています。
(記者)仮に廃止になった場合に610万トンというその数字にこだわるわけではないですけれども、しかし環境省としては対応策を考えなければいけないというか、そのぐらいまでの重要な環境上の論点はあると思うんですけれども、そこは特に国環研の研究結果だけで終わってしまっていると思うのですけれども、その辺は各政党等にも、あるいは自民党なんかにも、きっちり指摘しておく必要があるのではないですか。
(大臣)今申し上げましたように、当分の間税率について様々な議論がある。一方でそれをなくした場合には、トータル610万トンということでありますが、加えて必ずしもガソリンだけではなく、いろいろ分野で二酸化炭素が出ていますので、そういったものについて、二酸化炭素の排出がトータルで削減されるような方向で考えていかなければいけないと考えています。
(記者)環境新聞の小峰です。
今のエネルギージャーナル社の清水さんの観点とは全く別の観点から質問します。今、国民が生活苦で困っている時に、地球温暖化でガソリン税が、暫定税率がどうのこうのなんていうことを環境省が検討しているなんてことは、環境省は国民の敵なんですかという話もあります。浅尾さんの心の内をお話しください。
(大臣)先ほどから申し上げているように、ガソリンだけが二酸化炭素を出すわけではありませんので、トータルで考えていくべきものだということであります。
会見動画は以下にございます。
(以上)