大臣談話・大臣記者会見要旨
浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年9月12日(金)10:45~10:55 於:環境省第一会議室)
1.発言要旨
2.質疑応答
(記者)よろしくお願いします。幹事社のNHKの後藤です。
釧路湿原のメガソーラーについて御質問させていただきます。昨日、標茶町に環境省職員が訪れて、湿原が広がる4市町村への聞き取りは終わったと思います。改めて4市町村からどういった課題が挙げられ、成果をどのように感じているか教えてください。また、メガソーラーの設置に関しては、全国各地で地域との共生に関する課題の声が上がっていると思いますが、現状で共生に向けた政策面や法律面などの課題をどのように感じていらっしゃるかお伺いさせてください。
(大臣)昨日、環境省職員が標茶町を訪問し、太陽光発電施設に関する地域の課題や要望等の聞き取りを行いました。これによって釧路湿原周辺の4市町村それぞれから、生の声を伺い、各自治体が直面する課題を具体的に把握することができました。標茶町長からは、国立公園の周辺地域に緩衝帯を設けるなど、釧路湿原全体の保全に向けたルールづくりが必要との話があったと報告を受けております。先週お伺いした自治体も含め、地域との共生が図られない太陽光発電施設の建設問題について大変御苦労されており、自治体独自の条例を制定するなどの取組も進めているものと承知しております。国としても、希少種保存の観点も含めて、自然環境との調和を図っていくため、地域の実情に応じた対応を可能とする仕組みづくりが求められていると考えています。また、釧路湿原の他にも、大規模な太陽光発電施設の建設により、地域との共生上の懸念が顕在化する事例が生じています。このため、関係省庁間で課題を共有した上で、制度的な対応の要否も含めて、速やかに検討を進めるよう、事務方には改めて指示をしているものであります。
(記者)朝日新聞の福地です。
9月以降、中央省庁で福島の除染で出た除去土壌の再生利用が始まるということで、伺います。今年の4月、復興再生利用に当たっては、計画を審査する役職として、「復興再生利用・最終処分規制審査企画官」というポストを環境再生・資源循環局内に置いたわけですけれども、局内には復興再生利用を推進する担当の皆さんもおられて、一方でIAEAが昨年9月に公表した報告書の中では、規制機能と推進、事業機能、それぞれを分離して独立させておく必要性があるということを指摘されていました。現状の環境省の組織体制として、規制機能の独立性というのは十分に担保されているとお考えでしょうか。また、その理由も教えていただければと思います。
(大臣)IAEAの専門家会合の最終報告書では、規制機能の独立について、「環境省内での管理体制の整備は、規制機能の事業実施機能からの独立性を示すための選択肢の1つとなりうる。」との助言を受けています。環境省では、除去土壌の復興再生利用の実施に向け、基準省令やガイドラインに基づく適切な対応が取られているかを確認するため「復興再⽣利⽤・最終処分規制審査企画官」を本年4月1日に設置いたしました。事業計画の立案等に関与していない規制審査担当が、計画段階や実施段階において、基準省令やガイドラインへの基準適合性を確認するとともに、実施後においても、検査を通じて適切に施工がされているか確認しており、独立性は担保されていると考えています。
(記者)ありがとうございます。関連して、今のお話で、審査の業務に関しては、今言及いただいた企画官と担当者の方のお2人で審査を行っていると聞いておりまして、2人体制ということで、見方によっては少ないようにも感じたところもあるのですが、人員体制として十分かどうか、そのあたりはいかがでしょうか。
(大臣)審査案件は、7月に実施した官邸における復興再生利用と、今後実施いたします霞が関の中央省庁における復興再生利用であることから、現状において審査体制は十分であると考えています。今後、審査案件が増えてきた場合には、必要に応じて体制の強化についても検討してまいりたいと考えております。
(記者)ありがとうございます。最後関連でもう1点、こういった形で復興再生利用が始まっていくところで、クリアランス基準、よく言われる100ベクレルと8000ベクレルという違いを設けている中で、復興再生利用はあくまで厳格に管理をしていく上での利用ということで、そういった違いがありますけれど、環境省の過去の除染の例を挙げると、今年6月も福島県警に対して、それは除染においてですけど、除去土壌等の不法な投棄をしたということで、これは特措法違反という形で、福島県警に告発した例がありました。そういったところを見ていくと、今後も施工というのは、下請けと言うか、業者さんがやられるわけですけれども、再生利用が適切に実施されていく、そこのあたりの担保というのはどのようにしていく考えでしょうか。
(大臣)今御指摘の点については、復興再生利用・最終処分規制審査企画官が審査するということよりも、そもそも事業実施をいたします部署が、適切に基準に則って、施工するところに指示していくことが大事だと考えております。
(記者)環境新聞の小峰でございます。
浅尾大臣の大臣室には大臣の御直筆で「心地乾浄」という書が掲げられています。昨年秋の、環境記者会、環境問題研究会との就任会見で、浅尾さんはその「心地乾浄」という言葉の意味について、「政治決断をするときは心持ちが湿っていてはいけない、乾いて清らかなことが必要だ」と政治哲学を語っておられました。また浅尾さんは、みんなの党の解散の時の代表を務め、その時、政党交付金をすべて国庫に返納して国民から喝采を浴びたことは、今も国民で知っている人は少なくありません。さて、自民党が解党的出直しが期待される、自民党の総裁選も22日告示、10月4日投開票です。浅尾さんの政治哲学、「心地乾浄」に基づき、今回の総裁選は解党的出直しが期待されますが、浅尾さんは今回の総裁選で、党員および国民に対して何を各候補は訴えていくべきだとお考えですか。
(大臣)まさに解党的出直しということを訴えて、今回総裁選を行うことと相なりました。その際に、今の日本の現状がどういうところにあって、そして目指すべき方向性はどういうところに持っていくべきなのかということについて、しっかりとした道筋を示す、その道筋自体がそれぞれの方の政策ということになると思いますので、そこをしっかりと見据えていきたいと思っております。例えば今冒頭質問がありました、話題になっているメガソーラーの件も、大きな方向性としては、脱炭素をやらなければいけないと、一方で希少種の保全とか、あるいは地域との共生ということも大事だとすると、どういう形でやっていくのが大事かということをしっかりと示していくことが、個別のことについても大事だと思いますし、合わせて、日本全体としての方向性を示すことが大事だと考えております。
会見動画は以下にございます。
(以上)