大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年9月2日(火)11:05~11:16 於:環境省第一会議室) 1.令和6年能登半島地震の復旧・復興を支援する経費の予備費の使用について 2.マレーシアへの出張について

1.発言要旨

冒頭2件、発言いたします。 

始めに、本日の閣議決定についてであります。  

 本日の閣議において、令和6年能登半島地震の復旧・復興を支援する経費の予備費の使用について、決定いたしました。環境省関連では、公費解体などにより発生した災害廃棄物の処理を推進するための経費として、約398億円を使用することとしております。これは、本年7月末の石川県による公費解体加速化プランの改定に伴い、公費解体の見込棟数が約6,000棟、災害廃棄物発生推計量が約10万トン、増加したことを踏まえ、今後、必要と見込まれる費用として計上するものであります。環境省としては、引き続き、被災市町に対して、公費解体を始めとする災害廃棄物の処理に必要な支援をしっかりと行い、能登半島地震からの一日も早い復興に向けて取り組んでまいります。 

次に、マレーシアへの出張についてであります。マレーシアのランカウイ島で開催される、日ASEAN環境気候変動閣僚級対話等に出席することとなりましたので、報告いたします。本日夜に出国し、9月4日にASEAN各国の環境大臣との会合に参加してまいります。 ASEANは、ほぼ全ての国がAZECの枠組みに参画し、また、同地域での二国間クレジット制度のプロジェクトは計7カ国で約200件に及ぶなど、脱炭素社会の実現に向けた我が国の重要なパートナーであります。また、2023年の日本ASEAN友好協力50周年には、「日ASEAN気候環境戦略プログラム」、いわゆる「SPACE」を発足させるなど、環境分野における協力を深めてきております。気候変動、汚染、生物多様性の損失という世界的危機に、ASEAN加盟国とより一層連携して対処していけるよう、しっかりと議論をリードしてまいります。 

私からは以上であります。 

2.質疑応答

(記者)NHKの後藤です。よろしくお願いいたします。 

まず、お伺いしたいことが釧路湿原の国立公園に関してでございます。こちらの国立公園周辺でメガソーラーの建設が進む一方で進む中、昨日から現地に環境省の職員を派遣し、地元自治体と意見交換を始めていらっしゃると思います。これまでのところ環境省に地元自治体からどのような問題意識が共有されていらっしゃるのか、また、今後この意見交換をどのように政策に反映させたいと考えていらっしゃるのか、御回答をお願いいたします。 

(大臣)先週の私の指示を受けて、昨日、野生生物課長が釧路市長及び釧路町長と面会いたしました。また、本日は鶴居村長と面会をいたしました。詳細については、野生生物課長からの報告を待ちたいと思いますけれども、事務方からは釧路地域における太陽光発電施設の現状と課題に関する自治体の懸念事項や要望等について、しっかりと話を伺ってきたと聞いております。いずれの自治体も環境配慮が十分ではない太陽光発電施設の建設問題への対応に苦労されており、国に対して制度的な検討も含め、対応を求めていることが確認できました。関係する法律を所管する省庁が多岐にわたることから、こうした地域の意見を関係省庁にも共有し、国としてしっかりとしたことができるように、どのような対応ができるかを検討していきたいと考えております 

(記者)ありがとうございます。もう1点、御質問させていただきます。昨日、改正鳥獣保護管理法が施行されまして、市町村の判断でも、市街地などでの猟銃の使用が可能になりました。一方で、北海道の猟友会などでは、ハンターが責任を負うリスクが拭いきれないなどとして、発砲に懸念がある場合はハンター自身が中止を判断できるという見解をまとめました。ハンターから、事案によっては刑事責任が問われないのか、また、猟銃所持の許可が取り消されないのかなどの懸念が上がっていますが、こうした北海道の猟友会の見解やハンターからの不安の声をどのように受け止めていらっしゃるのか、また、ハンターの不安の解消に向けてどう対応していかれようと考えていらっしゃるのかお伺いさせてください。 

(大臣)先週29日に北海道猟友会長から、道内の各支部長に対し、ヒグマの緊急銃猟制度への対応について通知がされたことは承知しており。改正鳥獣保護管理法における市町村からの緊急銃猟の実施の委託は、断ることも可能でありますが、本通知は、市町村から緊急銃猟の実施の委託の打診を受けた際に、刑法や銃所持許可との関係を含め捕獲者が留意すべき事項・委託契約を締結するなど受諾する場合に推奨される事項を通知したものと承知しております。クマ等が人の日常生活圏に出没した場合には、地域の関係者が連携して対応することが不可欠であり、ハンターの皆様に安心して対応いただくことができる環境整備が重要と認識し、制度検討に当たりハンターの方々の意見もいただいてきたところであります。施行後も環境省ではハンター向けの研修会を実施する予定であります。また自治体が行う訓練・研修等を重ねる中で、ハンターの皆様にも新制度について理解いただけるよう対応してまいりたいと考えております 

 

(記者)日刊工業新聞社の松木です。 

今日の午後、夕方、人工光合成の検討会があると思います。詳細はそちらで、になると思うのですけれども人工光合成について質問させてください。2012年から国家プロジェクトとして、日本として人工光合成を研究してきて、ある程度、技術的には目途がつきつつあるかと思います。一方で、やはりコストが高いということで、普及の妨げになっていたりとか、もう一方の一緒に合わせる水素の価格も高いということで、課題になっているかと思います。あと、日本においては土地の制約があって、なかなか大規模化も難しいかと思います。日本において人工光合成を実際に普及させていくために、どのような取り組みが必要と考えていらっしゃいますか。もしくは海外展開というところも視野に入っているかどうか教えてください。 

(大臣)まず、技術的なところ水素を作る過程とか、炭素二酸化炭素をどういうふうに変えていくかという様々な過程がありますが、それぞれのところに一定程度の、価格面を含めたボトルネックがあることは承知しております。そのボトルネックをしっかりと打ち破っていくことが大切だと考えておりますし、逆に言えば、最終製品を使ってもコスト的に高い付加価値のものであれば、比較的早く社会に出ていくことになると思います。の反対側で申し上げれば、例えば現在ガソリンとかバイオエタノールと比較した場合に、それよりも高いということになると、なかなか普及が進まないということになってくると思うので、コストを下げていくというのは大変重要な要素だろうと考えております。そのための技術面のブレイクスルー等が必要になってくると思います。この技術自体は地球上に二酸化炭素と水はあまねくどこでも存在しておりますので、製品を輸出するということではなく、技術を輸出するということは十分考えられるし、長い先においてはそうしたことも視野に、入れていかなければいけないと考えております 

 

(記者)共同通信の鈴木です。 

今の日刊工業さんの質問に関連して、人工光合成についてお伺いします。今大臣の指摘あったように、太陽光エネルギーは地球上どこにでもあって、すぐ活用できれば、とても脱炭素にも効果があるとは思うのですけれども、今現状、コスト面等が理由だと思いますが、特に諸外国で、日本と同じくらい研究が盛んであったり、取り組んでいる国というのはなかなか、少なくとも我々の目には入ってこないような状況の中で、日本が今回、検討会も立ち上げて、これだけ力を入れる、入れなければいけない理由というか、ポイントというか、そこを教えていただければと思います。 

(大臣)本多-藤嶋効果」と言われるものを発見したのは、その名前の通り、本多先生、藤嶋先生でありますし、それを延長させていく中で、様々な光触媒に関する研究は、我が国の科学者の方々が世界の最先端の技術を持っていることは間違いのない事実であろうと思います。同時に、いわゆる光合成の暗反応のところにおいても、日本の中にかなりの知見が備わっているということでありますので、こうした知見、あるいはその知見の上にある技術を、先ほど申し上げたように、最終的には、コスト面も含めてどこをどういうふうにしていけば、コスト面の削減になるのかといったブレイクスルーを行っていく、その発射台の技術において世界の最先端にあるということは間違いがないということだと私は認識しています 

 

会見動画は以下にございます。 

 

(以上)