大臣談話・大臣記者会見要旨
浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年8月26日(火)11:50~12:01 於:環境省第一会議室) 1.除去土壌等に関する閣僚会議の開催について
1.発言要旨
冒頭、除去土壌等に関する閣僚会議の開催について発言いたします。
本日、全閣僚を構成員とする「福島県内除去土壌等の県外最終処分の実現に向けた再生利用等推進会議」の第3回会合が開催され、当面5年程度で取り組むロードマップを決定いたしました。福島県内の除染によって生じた除去土壌等については「中間貯蔵開始後30年以内に福島県外での最終処分を完了するために必要な措置を講ずる」旨が法律で定められています。この県外最終処分の実現に向けて、本閣僚会議の議長である林官房長官から全閣僚に対して、復興再生利用の推進に向けて霞が関の中央官庁で9月から予定している施工を、速やかに行うこと、その現場を理解醸成に積極的に活用すること、それに引き続き、各府省庁が緊密に連携し、分庁舎・地方支分部局・所管法人等へと取組を拡大し、さらに、実用途における先行事例の創出に向けても、検討を着実に進めること、等について、指示があったところであります。この指示を踏まえ、復興再生利用における政府が率先した先行事例の創出や、県外最終処分の検討、及び国民の皆様への理解醸成等の取組を着実に実行し、2045年3月までの県外最終処分の実現に向けて、引き続き、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。詳細については、この後、事務方から説明いたします。
私からは以上であります。
2.質疑応答
(記者)幹事社の日本経済新聞、井田です。よろしくお願いいたします。
先ほど、冒頭で御発言があった除去土壌の処分について、2点お伺いいたします。まず、1点目ですが、線量が高い土壌の処分地の選定について、今回の工程表では2030年頃に処分地の選定及び調査について着手するというふうに明記されました。今後処分地を選定していくに当たって、政府としてどのような点を重視していくのか、大臣の御見解をお願いします。
(大臣)県外最終処分の実現に向けては、秋頃に設置することとしている新たな有識者会議において、立地に関する技術的な検討など、専門的な見地から御議論いただき、それを踏まえ検討してまいります。
(記者)ありがとうございます。2点目です。比較的線量が低い土壌については、先ほどもおっしゃったように再生利用を進めていくということです。福島県外で再生利用をしていく際には、先般の環境省の実証事業では、かなり受け入れ先の自治体の地域住民から大きな反発もあり、なかなか再生利用への理解が進んでいない状況だと思います。今後福島県外で再生利用を進めていくに当たって、住民の理解をどのように得ていくのか、大臣のお考えをお願いいたします。
(大臣)復興再生利用については、首相官邸での利用の状況を引き続き情報発信するとともに、今後実施する霞が関の中央官庁の花壇等への利用事例の活用など、理解醸成の実施地域・対象等を段階的に拡げてまいります。なお、個別の案件の関係者とのコミュニケーションに当たっては、実施場所の実情等を踏まえて行うべきと考えており、案件の詳細を検討する中で、適切に対応してまいりたいと思います。こうした取組を通じて、2045年3月までの県外最終処分の実現に向けて、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。
(記者)北海道新聞の石垣です。
釧路湿原のソーラー発電について伺います。ここ数週間ほど、著名人を中心に反対の声が上がる一方、釧路市議会の方からも事業者に対して中止を求める声が寄せられているようです。一方、事業者の方は、事業継続を前提に話を進めているようですが、この問題について大臣の見解を教えてください。
(大臣)開発等によって失われた自然環境を元に戻すことは容易ではないことから、2050年ネット・ゼロに向けた再生可能エネルギーの導入に当たっても、適正な環境配慮が不可欠であります。このため、釧路湿原を始めとした自然環境保全上、重要な地域については、自然公園法等に基づく保護地域に指定し、開発行為を規制することで適切な管理を行っています。また、一定規模以上の事業については、環境影響評価法の運用を通じて、事業者による適正な環境配慮が確保されるよう求めているところであります。今般、問題となっている太陽光発電施設は、自然公園法や環境影響評価法といった既存法令の対象とはならない事案となりますけれども、当該施設の工事箇所は釧路湿原国立公園に隣接し、タンチョウヅルを始めとする希少種の生息も確認されているため、環境省としても注視しております。現在、釧路市において、自然環境と太陽光発電施設の調和を図るための条例制定に向けた作業が進められており、同条例の策定・運用に向けて、引き続き、現地の自然環境事務所が協力をしていくとともに、自然環境への適切な配慮がなされるよう、関係自治体とも連携を深めてまいりたいと考えています。
(記者)朝日新聞の福地です。
除去土壌の関連で伺います。先ほど、関係閣僚会議の資料が報道向けにも公表されまして、今度9月以降、順次やっていく中央官庁での利用の、除去土壌の物量を数えますと、80立米程度、官邸で使ったものが20立米程度でしたので、80 立米強ということで、総量を数えると、1,000万立米程度は、3/4ということで活用が見込まれると言いますか、必要になってくるわけですけれども、なかなかまだ物量を増やしていくところにはまだまだこれからなのかと思いますが、この量についてはどのようにお考えでしょうか。
(大臣)あくまでも官邸、あるいは中央省庁は、国民の理解醸成を進めていくということでありますので、これからもう少し、御指摘の通り、量が使用できるような様々な事業も、しっかりと発掘をし、実現していかないと最終処分につながっていかないということになりますので、そうしたことに政府一体となって全力で取り組んでまいります。
(記者)関連でもう1点ですね、今後5年間程度の取り組みの中で、再生利用に関しては、5年間の内の最後の方だとは思うのですが、民間企業での活用というところも今回盛り込まれていました。それで、政府内で使う部分と比べて、またもう一段、民間というのはハードルが上がってくるかなと思いますが、政府内での利用と民間での活用、ここのステップの違い、それから、そこをどううまく移行していくのか、そのあたりお考えがあればお願いします。
(大臣)様々な公共事業も含めて再生利用を進めていくことによって、繰り返しになりますけれども、御指摘にあました1,000万立米をしっかりと復興再生利用していくことが、結果として最終処分の量を確定させていくことにつながると考えておりますので、そうした事業を着実に関係当事者の理解を踏まえながら実施していくことが大事だと考えております。
(記者)河北新報の吉田と申します。
除染土の関係で、工程表に盛り込まれた理解醸成の部分で、除染土の名称についてお伺いいたします。この中で、例えばですけれども、復興再生土とか、そういった呼称を、今後有識者会議などで意見をいただいて、今後決定するなどと書かれているのですけれども、こちらについて、何か思いでありますとか、現状、除染土とか色々な呼び方で言われておりますけれども、何か思いなどがありましたらお願いいたします。
(大臣)一番大切なことは、復興再生利用する除染土が安全なものであるといった、健康被害を与えるものでないといったことについて、十分に国民の皆様の理解をいただくことが大切だと考えておりまして、その観点からも、有識者の皆様からしっかりと御意見をいただきながら、名前も付けていければ、理解の推進にもつながるのではないかと考えております。
会見動画は以下にございます。
(以上)