大臣談話・大臣記者会見要旨

浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年7月29日(火)10:00~10:14 於:環境省第一会議室)1.気候変動の科学的知見の普及に関する取組について 2.資源循環自治体フォーラムの開催について

1.発言要旨

冒頭2件、発言いたします。
始めに、気候変動の科学的知見の普及に関する取組についてであります。先日、6月20日の会見において、私から、気候変動の科学的知見や政策に関する情報を分かりやすく発信する取組を開始した旨を発言したところでありますが、様々な反響を頂いており、あらためて国民の関心の高さを認識いたしました。この取組の一環として、本日、小林環境副大臣がIPCCの最新の科学的知見のポイントを解説するメッセージ動画を、環境省の情報発信サイトである「脱炭素ポータル」において公開しました。是非、御覧ください。
今後も、更なる情報発信の取組として、よくある疑問に対する答えを分かりやすく発信するなど、環境省のウェブサイトの更なる充実を図っていく予定であります。環境省としては、IPCCの科学的知見を基礎に、2050年ネット・ゼロに向けて揺らぐことなく脱炭素に取り組むとともに、既に現れている気候変動による影響から国民の命と財産を守るための気候変動適応策を進めてまいります。
続きまして、資源循環自治体フォーラムの開催についてであります。循環経済、いわゆるサーキュラーエコノミーへの移行を地域から加速化するため、本年9月12日に「第1回資源循環自治体フォーラム」を大阪で開催いたします。循環経済への移行については、廃棄物等を資源として最大限活用しながら、付加価値を生み出し、新たな成長につなげるため、国家戦略として推進しているところであります。本フォーラムでは、環境省を始めとする循環経済に関する関係閣僚会議の構成省庁、金融機関などの支援機関より、関連する取組やその意義について、広く発信する予定であります。さらに、プラスチック、小型家電、森林資源など8つのテーマについて、自治体と企業が意見交換する場を設け、今後の循環経済の取組のきっかけを創出します。是非、多くの皆様に現地にお越しいただきたいと思います。環境省としては、新たに創設いたしました資源循環課を中心として、本フォーラムの開催等も含め、循環経済への移行を推進し、ビジネスの創出、地域課題の解決と地方創生につなげてまいります。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(記者)幹事社の日本テレビの安藤と申します。よろしくお願いいたします。
1点、質問させていただきます。気候変動の科学的知見の普及に関してですが、参議院議員選挙もそうでしたが、SNSの切り抜き動画など、正しくない発信というものが散見される今の時代です。環境問題に関しましてもこれまで以上に公的機関が積極的に「正しい事実」を発信することが求められているかと思いますが、どのように環境省としては発信を強化していきたいとお考えでしょうか。また、ファクトチェックなどをしていくお考えはございますでしょうか。
 
(大臣)御指摘の通り、正しい情報を発信していくとことは大変重要だと考えております。その一環として、環境省としては、「人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことには疑う余地がない」といった科学的知見を繰り返し発信することが重要であると考えておりますし、その中で、IPCCが30年以上にわたって活動して、今申し上げました、人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことには疑う余地がないと、段階的に確信度を高めていったということについて、30年間かけて確信度が高まったということを、しっかりと発信していくことが重要だと考えております。引き続き、関係省庁や国立環境研究所等の研究機関とも連携し、気候変動について正しい科学的知見をとりまとめ、わかりやすく発信する考えであります。繰り返しになりますけれども、この正しい科学的知見というのは、30年間かけてIPCCが積み上げてきたものだということを発信していくことが大事だと考えております。今申し上げた意見と違う、インターネット上の個々の発信について、ファクトチェックを行うということについては考えはありませんけれども、繰り返しになりますが、わかりやすく(発信するために)、30年間かけてきた、確信度が高まった、確信したことについて疑う余地がないといったことについて、粘り強く、そして広く発信していくことが大変重要だと考えております。
 
(記者)環境新聞の小峰です。
先の参院選で自民党は惨敗を喫しましたが、さて石破茂首相は参院選投開票の当日朝、まず、パレスホテル東京の理容室で髭を剃り身綺麗にした後、東京千代田区のプロテスタントの富士見町教会で1時間ほど礼拝しました。自民党の苦戦が予想されていた中、おそらく石破さんは自らが信じる神の前で心を清め、今後の進む道を決したいと思われたのではないかと、私、記者個人としては想像します。浅尾慶一郎さんは、政治家として石破さんの教会での礼拝をどう思いましたか。なお、浅尾さんの環境大臣室には、自らの揮毫による「心地乾浄」という書が掲げられています。この書の意味についても、あらためてお聞かせください。また、私の心を捨て、公としての決断をする時、浅尾さんならどこの神や仏にお参りしようと思いますか、お願いします。
(大臣)総理の教会での礼拝は私人として行われたものだと認識しておりますので、特にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。今、御指摘あった「心地乾浄」は心が洗い清められた状態、はっきりした状態という意味でありまして、常にそうした状況にあればいいなということを私自身は考えております。なかなかそういうふうにはならないというのも事実でありますけれども、そうした気持ちで取り組んでいるということであります。また私のお参りについては、個人として適切に判断していきたいと考えております。
 
(記者)ガスエネルギー新聞の黒羽です。
先日、御視察された万博内のカーボンリサイクルファクトリーの感想をお聞かせください。
(大臣)大変新しい取り組みをされておりまして、最初に見ましたのはDACという、ダイレクト・エア・キャプチャーという、空気中から二酸化炭素をそのまま取り込む、その取り込んだ二酸化炭素を別のところで水素と結合させていく、合わせて万博の会場の中で発生いたします植物残渣についても、様々な発酵をさせながら、最終的にはメタンに変えていく、そのメタンを再利用していくといったところを拝見させていただきました。大変先進的な取り組みであり、これを実証化していくことを通じて、循環経済につなげていくことができれば、環境に大きなプラスになると考えておりますので、早く実証、早期実装化につなげていくことができればと考えております。
 
(記者)環境新聞の小峰です。
昨日、自民党の党本部で両院議員懇談会がありましたけれども、浅尾さんは政治家として、石破首相の辞任を求める考えですか、それとも評価、続投を支持する立場でしょうか。
(大臣)石破内閣の一員として、しっかりと石破内閣を支えてまいります。
 
(記者)読売新聞の鬼頭と申します。
少し前の話になるのですけれども、アメリカで、浅尾大臣がスタンフォード大学で講演されたかと思うのですけれども、人工光合成に関してどのような反響があったかという点と、気候変動対策をアメリカは後退させているかと思います。どのような意見交換を現地の方々と行われたのか、教えていただければと思います。
(大臣)人工光合成については、大変大きな期待の声をいただきました。参加いたしましたスタンフォード・サステナビリティ・サミットには、サステナビリティ、特に気候変動に関する様々な取り組みをされている実務者の方も多く参加されておりまして、そういう中で、新たな技術としての人工光合成に対する大きな期待ということを、また私自身が申し上げたのは、このことは世界の課題の解決につながると同時に、今世の中に無いもの、そして世の中の人が求めているものは、結果として需要にもつながるということで、日本がその技術を開発することによって、我が国が抱えている課題解決、生産、潜在成長率を高めるという課題解決にもつながるということを申し上げまして、繰り返しになりますけれども、大きな理解を得られたと考えております。合わせて、気候変動については、米国における今の政権の考え方というものとは別に、スタンフォード大学においては、新しい学部として、スクール・オブ・サステナビリティというのが新たに作られた、学術、学際的に作られたと、これは1番新しい学部であるということでありますけれども、それだけ気候変動の取組は学問の中においても、持続可能性の取組が、学問の世界においては引き続き大きな期待を持っているということを、引き続き取り組みを進められているということも、あらためて認識させていただきました。
 
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=wiW_ElYOJw8
 
(以上)