大臣談話・大臣記者会見要旨
浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年2月28日(金)9:40~9:54 於:環境省第1会議室)
1.発言要旨
おはようございます。本日の閣議で、2件、決定事項がありますので、それぞれ御報告をいたします。
1点目は、令和6年度能登半島地震の復旧・復興を支援する経費の予備費使用についてであります。環境省関連では、公費解体、災害廃棄物処理を推進するための経費として423億円を使用することとしております。これは、先月末の石川県による公費解体加速化プランの改定に伴い、公費解体の解体見込み棟数が7,000棟増加したことや、運搬体制・広域処理の拡充など、災害廃棄物の処理体制が更に強化されることを踏まえ、今後、必要と見込まれる費用として計上するものであります。引き続き、能登半島地震からの一日も早い復興に向けて、公費解体を始めとする災害廃棄物処理の推進を支援してまいります。
2点目は、自然再生推進法に基づく自然再生基本方針の変更です。この基本方針は、多様な主体が連携して自然再生を進めるための施策の基本的な方向性などを示すものであります。今回の見直しでは、2022年に採択された、昆明・モントリオール生物多様性枠組やそれを踏まえて改定された生物多様性国家戦略を反映しております。また、今年4月から施行される地域生物多様性増進法に基づく取組との連携による相乗効果の発揮に関する項目の追加といった内容の充実も行っております。今般の変更により、従来よりも一層様々な規模で多様な主体の連携を意識した取組が進むことを期待しており、環境省としても取組の更なる推進に努めてまいります。
私からは以上であります。
1点目は、令和6年度能登半島地震の復旧・復興を支援する経費の予備費使用についてであります。環境省関連では、公費解体、災害廃棄物処理を推進するための経費として423億円を使用することとしております。これは、先月末の石川県による公費解体加速化プランの改定に伴い、公費解体の解体見込み棟数が7,000棟増加したことや、運搬体制・広域処理の拡充など、災害廃棄物の処理体制が更に強化されることを踏まえ、今後、必要と見込まれる費用として計上するものであります。引き続き、能登半島地震からの一日も早い復興に向けて、公費解体を始めとする災害廃棄物処理の推進を支援してまいります。
2点目は、自然再生推進法に基づく自然再生基本方針の変更です。この基本方針は、多様な主体が連携して自然再生を進めるための施策の基本的な方向性などを示すものであります。今回の見直しでは、2022年に採択された、昆明・モントリオール生物多様性枠組やそれを踏まえて改定された生物多様性国家戦略を反映しております。また、今年4月から施行される地域生物多様性増進法に基づく取組との連携による相乗効果の発揮に関する項目の追加といった内容の充実も行っております。今般の変更により、従来よりも一層様々な規模で多様な主体の連携を意識した取組が進むことを期待しており、環境省としても取組の更なる推進に努めてまいります。
私からは以上であります。
2.質疑応答
(記者)おはようございます。フジテレビの岩田です。今日もよろしくお願いします。
2点、お伺いします。
1点目ですが、水俣病関連で被害者団体が被害者救済法で規定された住民健康調査の検査手法を抜本的に見直すことなどを求めた件について受け止めと、今後の方針について教えてください。
(大臣)水俣病関係団体から水俣病の健康調査に関する検討会について、意見書を頂いていることは承知をしております。御指摘の検査手法については、第2回検討会においてヒアリングを行った関係団体の御推薦の医師からも、環境省研究班が提案している脳磁計(MEG)、あるいはMRIの活用に関する御懸念が呈されたものと承知しております。ヒアリング後の質疑応答を通じ、医師の御懸念の根拠等を含め、御意見をしっかりと伺った上で、2月21日の検討会において、問診・神経学的診察に加えて、脳磁計、MRI検査を用いること、参加者や検査の被検者の更なる負担軽減方策を検討し、検査時の対応等を十分に配慮すること、との方向性を示していただき、これまでの議論を取りまとめる方向で座長への一任をいただいたところであります。今後、環境省としては、調査の流れや検査の動作等の実施可能性を確認する、いわゆるフィージビリティ調査の実施に向けて、必要な検討・準備を進め、本検討会において指摘された課題について検討をいたします。フィージビリティ調査及びその準備を進めていく上でも、引き続き関係団体を含む様々な関係者から御意見を伺ってまいりたいと考えています。
(記者)ありがとうございます。
2点目です。PFASについて伺います。三重県四日市市の産業廃棄物処理場跡地近くで、暫定基準値の60倍のPFASが検出された件について、四日市ぜんそくを経験した地であるということも踏まえた環境省としての受け止めをお願いします。
(大臣)御指摘の報道について、承知をしております。
環境省としては、四日市ぜんそく等の甚大な公害の経験を踏まえ、科学的に不確実であっても科学的知見の充実に努めながら、予防的な対策を講じてまいりました。PFOS等による健康リスクは、飲み水や食品などを経由した摂取が主な要因として考えられることから、暫定目標値を超過する濃度のPFOS等を検出した場合には、地下水ではなく水道水を利用するよう周知するなど、飲用摂取防止の取組を行うことが重要であります。四日市市では、暫定目標値以下の水道水が供給されていると承知しておりますが、環境省としては、必要に応じて飲用摂取防止等に関する技術的助言を行ってまいりたいと考えております。
(記者)朝日新聞の杉浦です。よろしくお願いします。
先ほど終わったばかりで申し訳ないんですが、生物多様性COPについてお伺いいたします。開始前に懸念されていた資源動員とか、あとモニタリング枠組みも含めて採択されということですけれど、こちらについての御所感と今後、これを踏まえて日本が取り組むべきことについてお聞かせください。
(大臣)昨年10月から11月にかけて開催された生物多様性条約第16回締約国会議の残された課題を議論するため、再開会合第2部が2月25日から27日までの間、イタリア・ローマにおいて開催されました。主な論点であった、昆明・モントリオール生物多様性枠組実施のための資源動員と進捗を図る指標やレビューの仕組みについては、議長による調整や各国の歩み寄りの結果、今後のプロセス等を盛り込んだ内容が採択されました。今回の採択によって、GBFを推進していくための必要なピースがそろったことになり、大変大きな前進であり、大変喜ばしいと思います。議長国コロンビア始め、条約事務局など、関係各位に深く敬意を表したいという思いであります。我が国はCOPにおける議論に積極的に参加・貢献しており、詳細については、本日事務方より説明させていただきます。
(記者)共同通信の堀口です。
北陸電力の富山新港火力発電所の石炭1号機について伺います。北陸電力は昨日2024年度までに既に一度延期していた廃止時期を、さらに28年度まで再延期すると発表しました。これについて、大臣の認識と受け止めをお願いします。
(大臣)昨日、北陸電力から石炭1号機の廃止時期の延期について発表されたことは承知をいたしております。
令和6年能登半島地震からの復興に万全を期する必要性や、将来的な電力需要の増加の見込みなどを踏まえ、北陸地域の電力の安定供給を確保する必要があるという事情があるとはいえ、2024年度末までに廃止されないことは大変遺憾であります。石炭1号機については、2028年度までに廃止をしていただくことが、評価書に記載した環境保全措置を実施するという観点から、必要と考えております。
また、廃止までの間も、北陸電力として石炭1号機の計画的な稼働抑制に加え、再生可能エネルギーの最大限の導入拡大、外部からの排出係数の低い電力の調達等の取組を行うことにより、石炭1号機の稼働延長によって生じる二酸化炭素(CO₂)排出の増加を、北陸電力全体の取組の中で相殺させる必要があると考えております。環境省として、北陸電力の今後の取組をしっかりと確認してまいります。
(記者)追加でお伺いしたいんですけれども、この石炭火力は当初、LNG火力への建て替えに沿ってアセス手続を実施したものだったんですけれども、火力以外のものも含めた国内の発電事業全般を見渡しますと、近い将来、例えば風力発電への建て替えが急増することが予想されています。そんな中で、こうした最初にアセスで約束したことを、事業者にとっては大変な理由があるといっても、繰り返し守れなかったり守らないケースが起きてしまうと、この環境影響評価法の考え方というか、法律の理念自体がこのまま何もしないと、どこかないがしろにされてしまったりしないのかなとも思ったりするのですが、何か対応策とか、対策をもう一度検討するようなお考えはありますか。
(大臣)一般的に言えば、当然決めた約束は守っていただくということだと思います。環境影響評価法は、その法目的にもあるとおり、工作物の新設等の実施前に、事業者自らが環境影響に関する調査・予測・評価を行うことで、環境保全の観点から、よりよい事業計画をつくっていく手続を定めたもの。事業者自らが作った計画ですので、それは守っていただくということが大切だというふうに思います。
(記者)環境新聞の小峰です。
今の共同通信の堀口さんの質問に関連してですけれども、確かに環境アセス制度の根幹を崩すような話だと思います。これは直ちに、浅尾大臣は、北陸電力の社長を呼びつけるべきだと思います。
アセス制度で、既にアセス制度が完了しているのに、それなのに、あえて政治的判断から、東京電力の社長、中部電力の社長、そして合弁会社の社長、JERAの社長を呼びつけたアセス制度の強化というか、石炭火力のCO₂削減に熱心な(元)原田義昭大臣というのは、2021年6月から9月にかけて呼んでいるわけですよ。これはもうアセスを完了した横須賀石炭火力に対して言っているわけですよ。政治的な判断から。
しかし、今回の北陸電力は、アセス制度そのものを無視した話ですよ。これは生ぬるい話じゃなくて、浅尾さんが北陸電力の社長を直ちに呼びつけるべきだと思いますが、いかがですか。
(大臣)これまでの状況について、まずお話をさせていただきますと、事務方が北陸電力に状況を確認してきたわけでありますが、本年度末が近づき、北陸電力からは先ほど申し上げたような趣旨の事情で、2024年度末までの廃止が難しくなってきたという報告を受けたと聞いております。
今、申し上げたことは、事務方にも確認いただきたいというふうに思います。とはいえ、先ほど申し上げたようなことがありますので、しっかりと今の御指摘を踏まえて、検討していきたいというふうに考えています。
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=pM3ogyUCL1E
2点、お伺いします。
1点目ですが、水俣病関連で被害者団体が被害者救済法で規定された住民健康調査の検査手法を抜本的に見直すことなどを求めた件について受け止めと、今後の方針について教えてください。
(大臣)水俣病関係団体から水俣病の健康調査に関する検討会について、意見書を頂いていることは承知をしております。御指摘の検査手法については、第2回検討会においてヒアリングを行った関係団体の御推薦の医師からも、環境省研究班が提案している脳磁計(MEG)、あるいはMRIの活用に関する御懸念が呈されたものと承知しております。ヒアリング後の質疑応答を通じ、医師の御懸念の根拠等を含め、御意見をしっかりと伺った上で、2月21日の検討会において、問診・神経学的診察に加えて、脳磁計、MRI検査を用いること、参加者や検査の被検者の更なる負担軽減方策を検討し、検査時の対応等を十分に配慮すること、との方向性を示していただき、これまでの議論を取りまとめる方向で座長への一任をいただいたところであります。今後、環境省としては、調査の流れや検査の動作等の実施可能性を確認する、いわゆるフィージビリティ調査の実施に向けて、必要な検討・準備を進め、本検討会において指摘された課題について検討をいたします。フィージビリティ調査及びその準備を進めていく上でも、引き続き関係団体を含む様々な関係者から御意見を伺ってまいりたいと考えています。
(記者)ありがとうございます。
2点目です。PFASについて伺います。三重県四日市市の産業廃棄物処理場跡地近くで、暫定基準値の60倍のPFASが検出された件について、四日市ぜんそくを経験した地であるということも踏まえた環境省としての受け止めをお願いします。
(大臣)御指摘の報道について、承知をしております。
環境省としては、四日市ぜんそく等の甚大な公害の経験を踏まえ、科学的に不確実であっても科学的知見の充実に努めながら、予防的な対策を講じてまいりました。PFOS等による健康リスクは、飲み水や食品などを経由した摂取が主な要因として考えられることから、暫定目標値を超過する濃度のPFOS等を検出した場合には、地下水ではなく水道水を利用するよう周知するなど、飲用摂取防止の取組を行うことが重要であります。四日市市では、暫定目標値以下の水道水が供給されていると承知しておりますが、環境省としては、必要に応じて飲用摂取防止等に関する技術的助言を行ってまいりたいと考えております。
(記者)朝日新聞の杉浦です。よろしくお願いします。
先ほど終わったばかりで申し訳ないんですが、生物多様性COPについてお伺いいたします。開始前に懸念されていた資源動員とか、あとモニタリング枠組みも含めて採択されということですけれど、こちらについての御所感と今後、これを踏まえて日本が取り組むべきことについてお聞かせください。
(大臣)昨年10月から11月にかけて開催された生物多様性条約第16回締約国会議の残された課題を議論するため、再開会合第2部が2月25日から27日までの間、イタリア・ローマにおいて開催されました。主な論点であった、昆明・モントリオール生物多様性枠組実施のための資源動員と進捗を図る指標やレビューの仕組みについては、議長による調整や各国の歩み寄りの結果、今後のプロセス等を盛り込んだ内容が採択されました。今回の採択によって、GBFを推進していくための必要なピースがそろったことになり、大変大きな前進であり、大変喜ばしいと思います。議長国コロンビア始め、条約事務局など、関係各位に深く敬意を表したいという思いであります。我が国はCOPにおける議論に積極的に参加・貢献しており、詳細については、本日事務方より説明させていただきます。
(記者)共同通信の堀口です。
北陸電力の富山新港火力発電所の石炭1号機について伺います。北陸電力は昨日2024年度までに既に一度延期していた廃止時期を、さらに28年度まで再延期すると発表しました。これについて、大臣の認識と受け止めをお願いします。
(大臣)昨日、北陸電力から石炭1号機の廃止時期の延期について発表されたことは承知をいたしております。
令和6年能登半島地震からの復興に万全を期する必要性や、将来的な電力需要の増加の見込みなどを踏まえ、北陸地域の電力の安定供給を確保する必要があるという事情があるとはいえ、2024年度末までに廃止されないことは大変遺憾であります。石炭1号機については、2028年度までに廃止をしていただくことが、評価書に記載した環境保全措置を実施するという観点から、必要と考えております。
また、廃止までの間も、北陸電力として石炭1号機の計画的な稼働抑制に加え、再生可能エネルギーの最大限の導入拡大、外部からの排出係数の低い電力の調達等の取組を行うことにより、石炭1号機の稼働延長によって生じる二酸化炭素(CO₂)排出の増加を、北陸電力全体の取組の中で相殺させる必要があると考えております。環境省として、北陸電力の今後の取組をしっかりと確認してまいります。
(記者)追加でお伺いしたいんですけれども、この石炭火力は当初、LNG火力への建て替えに沿ってアセス手続を実施したものだったんですけれども、火力以外のものも含めた国内の発電事業全般を見渡しますと、近い将来、例えば風力発電への建て替えが急増することが予想されています。そんな中で、こうした最初にアセスで約束したことを、事業者にとっては大変な理由があるといっても、繰り返し守れなかったり守らないケースが起きてしまうと、この環境影響評価法の考え方というか、法律の理念自体がこのまま何もしないと、どこかないがしろにされてしまったりしないのかなとも思ったりするのですが、何か対応策とか、対策をもう一度検討するようなお考えはありますか。
(大臣)一般的に言えば、当然決めた約束は守っていただくということだと思います。環境影響評価法は、その法目的にもあるとおり、工作物の新設等の実施前に、事業者自らが環境影響に関する調査・予測・評価を行うことで、環境保全の観点から、よりよい事業計画をつくっていく手続を定めたもの。事業者自らが作った計画ですので、それは守っていただくということが大切だというふうに思います。
(記者)環境新聞の小峰です。
今の共同通信の堀口さんの質問に関連してですけれども、確かに環境アセス制度の根幹を崩すような話だと思います。これは直ちに、浅尾大臣は、北陸電力の社長を呼びつけるべきだと思います。
アセス制度で、既にアセス制度が完了しているのに、それなのに、あえて政治的判断から、東京電力の社長、中部電力の社長、そして合弁会社の社長、JERAの社長を呼びつけたアセス制度の強化というか、石炭火力のCO₂削減に熱心な(元)原田義昭大臣というのは、2021年6月から9月にかけて呼んでいるわけですよ。これはもうアセスを完了した横須賀石炭火力に対して言っているわけですよ。政治的な判断から。
しかし、今回の北陸電力は、アセス制度そのものを無視した話ですよ。これは生ぬるい話じゃなくて、浅尾さんが北陸電力の社長を直ちに呼びつけるべきだと思いますが、いかがですか。
(大臣)これまでの状況について、まずお話をさせていただきますと、事務方が北陸電力に状況を確認してきたわけでありますが、本年度末が近づき、北陸電力からは先ほど申し上げたような趣旨の事情で、2024年度末までの廃止が難しくなってきたという報告を受けたと聞いております。
今、申し上げたことは、事務方にも確認いただきたいというふうに思います。とはいえ、先ほど申し上げたようなことがありますので、しっかりと今の御指摘を踏まえて、検討していきたいというふうに考えています。
会見動画は以下にございます。
https://www.youtube.com/watch?v=pM3ogyUCL1E
(以上)